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重松清
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なんて人間臭い物語なんだろう。主人公のヤスさんは、「不器用」と表現されるが、とにかく熱くて、素直になれない照れ屋なくせに大事なところでは、情に厚く優しい性格が素直にポロっと出てしまう。アキラの大学受験のあたりから、そんなヤスさんにやきもきしたり、正直めんどくさい性格だなぁと思ってしまうところもあるが、それも全てひっくるめて、人間臭くて、良い。そして、人間関係のあたたかさ。昭和の時代には、こんなあたたかな人間関係があったのか、それとも今でもどこかには残っているのか。アキラを育ててくれた「手」は、「ぎょうさん」あったと言うヤスさん。こんな時代だからこそ、身にしみた。それってすごく幸せで素敵なことだなぁと。ほとんど涙が滲むか、泣くかしながら読了した。素敵な物語でした。読んで良かった。 >> 続きを読む
2019/07/15 by URIKO
又吉直樹
第2図書係補佐。又吉直樹先生の著書。私は作家としてや読書家としての又吉直樹先生が大好き。又吉直樹先生が正真正銘の本好き、読書好きであることが、本書からも伝わってきます。とこれを読んでから、又吉直樹先生の作品を読むと、また違った魅力が見えてくるはず。又吉直樹先生も子供のころは本博士、読書博士なんて呼ばれていたのかもしれませんね。 >> 続きを読む
2018/08/09 by 香菜子
東川篤哉
東川篤哉の「謎解きはディナーのあとで2」は、第一作に引き続き、お馴染みの資産家令嬢にして刑事の宝生麗子と、毒舌執事の影山の名コンビが登場し、六つの難事件に挑むミステリだ。いずれの話でも、刑事のお嬢様が捜査に行き詰ったところ、慇懃無礼な執事によって、嫌味ったらしく真相をいい当てられるという、いわゆるシチュエーション・コメディの形式は、第一作のそれを踏襲したものであり、シリーズの読者の求める安心感に配慮しているのが嬉しい。第一作よりも、影山の人物造形に広がりをもたせつつも、基本のスタイルは堅持されているのだ。もちろん、肝心のミステリ面の完成度は、しっかりとキープ。アリバイ崩しや密室状況が、影山によって鮮やかに解かれていく。とりわけ感心したのは「殺意のパーティにようこそ」。"パーティ"という場の性質の核心を突く謎解きを読めば、目から鱗が落ちること請け合いだ。 >> 続きを読む
2020/02/18 by dreamer
北村薫
戦前の華族のお嬢様が事件を解決する短編集。何でもできるお抱え運転手のベッキーさんこと別宮さんの活躍が見ものかな。悪くはないが、そんなに良くもない感じ。図書館で次の予約が入り一旦返さなくてはならないが、もう一度は借りないかなと思う。166ページまで。直木賞をとった作品として手にとったようだ。 >> 続きを読む
2021/05/17 by 和田久生
東雅夫 , 宮部みゆき , 吉田尚令
【怖い絵本だよぉ。子供が「これ買って!」と言ったらお母さんはどうするのだろうか?】 絵本なんですけれど、じわっと怖いです。 大人向けの絵本ということなんでしょうかね。 本文は大変短く、ここで全文引用することも軽くできそうです。 とは言え、それは読んでいただくことにしましょう。 この本、書店ではやっぱり絵本コーナーに置いているんでしょうか? そうすると、子供さんが絵本コーナーでこの本に目を留めて、「お母さん、これがいい」なんて言うこともあるのでしょうか? お母さんは、「どれどれ?」とこの本を手に取ってパラパラと内容を見てみると思うのですが、そこで絶句することでしょう。 「〇〇ちゃん、これは恐い本だから他のにしましょうね」なんて言いそうです。 でも、この絵本、ぬいぐるみの絵が描いてあったりします。 まぁ、中の絵はちょっとおどろおどろしいところもあるんですが、それでも、そんなに怖い絵というわけでもないかもしれません(特に、ちょっと見では)。 だから、字がまだ読めない小さい子供さんだったら、もしかしたら絵に惹かれて、「やだー。これがいいの~。」なんて言うかもしれません。 お母さんどうする? 内容がまた内容なので、「教育的に良くないわ……」などとも考え眉間に皺を寄せてしまうかもしれません。 強引にあきらめさせるか、仕方なく買って帰るか。 買って帰ったお母さんは、その夜、当然のことながらこの本を読んで聞かせなければなりません。 「はやく読んでー」と催促されることでしょう。 読むのか? これを読むのか? 読み聞かせはあっという間に終わるかもしれませんね。 でも、この本で子供は寝付かないように思います。 それどころか、その夜、うなされてしまうかも……。 そんな怖い絵本なのでした。 書店の皆様、この絵本の置き場所にはどうぞ工夫をされてくださいませ。読了時間メーター□ 瞬殺 >> 続きを読む
2020/11/19 by ef177
百田尚樹
(コレは)...ないでしょう。多重人格だったら困るもの(;´Д`)最近よくお見かけする調子に乗った(失礼)百田のオッサン(失礼)の妄想ありきな展開w主人公の女性がすでに「おっさんの妄想の賜物」ですわ(;´Д`)でも、さすがにおもしろい!楽しんで読めます。エロぃシーンとか加筆したほうが楽しめるんじゃね?(違)(amazon解説)ある資産家の家に家庭教師として通う聡子。彼女の前に屋敷の離れに住む青年が現れる。ときに荒々しく怒鳴りつけ、ときに馴れ馴れしくキスを迫り、ときに紳士的に振る舞う態度に困惑しながらも、聡子は彼に惹かれていく。しかしある時、彼は衝撃の告白をする。「僕は、実際には存在しない男なんです」。感涙必至の、かつてない長編恋愛サスペンス。 >> 続きを読む
2018/08/31 by motti
落合博満
野球は全然詳しくないけど、特に問題なく読めた。ビジネス、自己啓発として独特な視線の意見があり、参考にさせてもらった。特に響いたことは、「最近の若者は向上心はあるが野心はない」というもの。確かに、自分の中でこうなりたい!というものはあっても、「奪いとってでも」と言われるとそうでもない。知らぬうちにどこか諦観、慢心があるのかもしれない。大きい事ではなくても、自分の中で譲れないもの、熱中するものはしっかり向き合っていくようにしたい。 >> 続きを読む
2018/07/07 by 豚の確認
北方謙三
●1回目 2008.6.20水滸伝・楊令伝シリーズ登場するたくさんの人物の中でも、この方臘という人物はひときわ魅力的だ。おなじ反乱軍の頭領といっても、梁山泊の宋江とは比較にならない存在感を放っている。濃厚で怪物的。蒼天航路の董卓にオウム真理教の麻原彰晃が加えた感じといえば、その怪異さが伝わるだろうか。梁山泊一の理論派である呉用がその魅力に飲み込まれていくというのも面白い。作者の北方謙三は、よくもまあこんな人物を創造したものだ。その方臘が率いる宗教軍団と宋の最精鋭軍を率いる童貫将軍との殺戮戦を描いた巻。●2回目 2015.1.31童貫 対 方臘・呉用の戦いについに決着。北と南の動乱の間にぬって着々と力を蓄える梁山泊。宋の衰亡ぶりが明らかになってきた。聞煥章の企みによる衝撃の展開は次巻に。 >> 続きを読む
2017/10/12 by Raven
前回は、第5巻まで読んで、そのあとは、雑誌で途切れ途切れ読んでいた。一丈青扈三娘がピンチ。作者の情け容赦なさは、すごい。それにしても金国の宮廷に使える蔡福は、登場人物の中では、最も不幸な人間に思えるのだが、果たして彼に幸せはやってくるのだろうか。 >> 続きを読む
田中ロミオ
妖精さんたちと送るほのぼのSF。醸し出されるゆるい雰囲気の中、なかなかにパンチの効いたブラックなジョークがいい塩梅に味を出している。人類が衰退した世界で、甘いお菓子が大好物な三等身で不思議な力を秘めた妖精さんと旧人類と妖精さん達の仲介を目的とする調停員の「わたし」が何とも不思議な騒動を解決しながら親睦を深める物語。本能に忠実に行動する妖精さんが起こす現象に、頭を抱えながらも普通のモノサシで測れない新鮮な驚きをどこか楽しんでいる「わたし」が少しづつ打ち解ける様子は、ずっと見ていても飽きる事がない極上の癒やしの一時をくれた。 >> 続きを読む
2018/06/26 by ebishi
湊かなえ
絵本作家としてベストセラーになった陽子と、そんな彼女を取材する記者の晴美。実は彼女たちは共に養子として出迎えられた過去があり、同じ境遇の者として親友でもある。そんな折に陽子の息子が誘拐され、脅迫状には世間に真実を公表しろという文が。誘拐を糧に陽子と晴美の過去が明かされていく。そして誰が誘拐をしたのかという謎にも。湊さんの本に求めるものを期待すると、肩透かしを食らう可能性が大な作品。つまり誘拐云々は重要ではなく、その理由こそがドラマであると。 >> 続きを読む
2019/10/21 by オーウェン
岡田慶隆
表紙の絵が素晴らしい^^ちくわのわーさんの鼻歌が聴こえてきそうだ。それに、この展開、登場人物(って、まあ擬人化すれば他人かな)とオチ。食べたくなってきたぞ。 >> 続きを読む
2014/07/30 by けんとまん
朝井リョウ
現役大学生である朝井リョウが、学生最後の年に書き上げた「星やどりの声」を読了。この作品の舞台は、海沿いの町、3男3女と母ひとりの早坂家は、この地で喫茶店「星やどり」を営んでいる。建築家だった父が改装したこの喫茶店には、星の形の天窓があり、メニューには父の好物だったビーフシチューが並んでいる。亡き父の面影を追い続けてきた家族が、昨日に別れを告げ、新しい今日へと歩もうとするのだった-------。兄弟ひとりひとりに焦点を当て、オムニバス形式で展開される物語には、彼らが選んだ、それぞれの卒業が描かれている。そして、物語がたどり着くのは、父が遺した小さな奇跡。それは、ずいぶんとロマンティックなサプライズだった。巧妙で、出来過ぎと言えなくもないその結末はしかし、読んでいる私の心にそっと着地する。父がいて、母がいて、家族は緩やかに、けれど確実に、見えない輪っかで繋がっている。たとえお別れの日が来たとしても、だ。父が起こした奇跡は、ありふれていて、かけがえのない絆へと、私たちを導いてくれる。 >> 続きを読む
2019/01/18 by dreamer
山口幸三郎
日暮旅人シリーズ第4弾。ついに明らかになる旅人の過去。彼は過去に決着をつける。そして、娘の過去もー。彼らの過去が明らかになることで、物語の深みがぐっと増した。 >> 続きを読む
2018/04/15 by 匿名
角田光代
ふられる人が主人公の失恋短編集。 前のストーリーでふった人は、次のストーリーではふられる主人公となり、それぞれ恋が終わっていく頃にはなんらかの到達点にたどり着いている。 失恋の話だというのに常に終わり方が清々しい。 各主人公の年齢が20代〜30代後半なので、必然的に恋愛と仕事が絡み合うのも物語に入り込んでしまう要素かもしれない。 「成功」とは何なのかを追い求めているのが隠れテーマとしてあるようだった。 一番最初の「くまちゃん」の主人公だった女性が、最後の方の「光の子」で再登場した時には「成功」について答えが出ていたことに安心する。ふられたからこそ、それを乗り越えたからこそ、霧が晴れたように見つけられたんだろうな、と。 角田さんの小説はしばらく恍惚から抜けられない、中毒性をはらんでいる面白さがある。 >> 続きを読む
2019/01/28 by NOSE
Hellen-HalmeMiho. , LarssonStieg , 山田美明
スティーグ・ラーソンの「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女」に続くシリーズ第二弾「ミレニアム2 火と戯れる女」(上・下巻)を読了。この2作目も、前作同様、もう理屈抜きに面白い。特に、1作目で型破りのヒロイン、リスベット・サランデルの魅力に夢中になったため、この2作目もたまらない。なぜなら、この作品で、遂に彼女の謎に包まれていた過去が、明かされるからだ。前作のラストから一年。スウェーデン全土を震撼させた、経済不正工作"ヴェンネルストレム事件"の余燼がようやく収まりだした、新年のある日。「ミレニアム」編集部は、再び、国中を揺さぶる震源地になろうとしていた。フリー・ジャーナリストのダグ・スヴェンソンが、人身売買と強制売春に関する記事を売り込みにきたのだ。ダグは、顧客(その中には、警察官、検事、弁護士、裁判官、そしてジャーナリストもいる)に、インタビューし、「ミレニアム」誌上で、実名で告発したいと申し出る。実現すれば、前回の事件に勝るとも劣らない大スキャンダルになることは必至だからだ。ジャーナリストとしての姿勢に共感したミカエルは、敢えて渦中の栗を拾うことを決断する。ちょうどその頃、一年前にともに命がけで事件を解決する中で、深い関係になったものの、何も告げずにミカエルの前から姿を消してしまったリスベット・サランデルが、密かにスウェーデンに帰国してきた。ミカエルに対する想いに苛立つ彼女は、巨万の富を得たこともあって、自分の気持ちを整理し、今後の生き方について考えるために、世界中を旅して回っていたのだ。新たな住まいを購入し、家具を整え、普通の人がするのと同じような生活を始めようとするリスベット。だが、そんな彼女の平穏な生活も長くは続かなかった。前作で、彼女に叩きのめされ、復讐心に燃える、後見人のビュルマンが、偶然、リスベットの隠蔽された過去から、とんでもないネタを掘り起こしてしまったのだ。自らの周りに、不穏な動きがある事を察知したリスベットは、行動を開始する。一方、いまだに彼女のことが忘れられないミカエルは、職場を訪れた警察官の言葉に衝撃を受ける。なんと、彼女が三人を殺した凶悪犯として指名手配されたというのだ。果たして、リスベットの身に何が起きたのか?-------。前作が、複雑な入れ子構造で、様々なタイプのミステリ(本格もの、社会派、サイコスリラー)の魅力を味あわせてくれる、トラディショナルであると同時に、コンテンポラリーでもある作品であったのに対して、この作品は、一転してシンプルな構造になっている。だが、その分、物語としての力強さ、躍動感、緊張感、そして爽快感は、飛躍的に増加していると思う。リスベット・サランデルの生い立ちに何があったのか?彼女が、最初の後見人であるホルゲルに、たった一度語った十二歳の時に起きた"最悪な出来事"とは一体何なのか?この謎を巡るストーリーを主軸に、リスベットが、容疑者として追われることになる三重殺人事件の解明と、人身売買と強制売春の陰にちらつく謎の男"ザラ"の探索とが、三位一体となって、怒濤のクライマックスへと突き進んでいく。特に、第四部"ターミネーター・モード"に入ってからのリスベットの疾走感溢れる活躍は、読んでいて鳥肌が立つほど素晴らしい。たった一人で世界と戦うために、ミカエルに別れの言葉を残し反撃に出る、その決然たる態度の、なんと格好いいことか。因みに、近年、小説に限らずアニメや漫画、ラノベでも、闘うヒロインが目白押しだが、少なくとも、翻訳ミステリの世界において、リスベット・サランデルと肩を並べられるのは、キャロル・オコンネルが生んだ「氷の天使」のキャシー・マロリー刑事くらいなものだろう。 >> 続きを読む
2021/06/06 by dreamer
池田真紀子 , DeaverJeffery
【ジェフリー・ディーヴァーが書く007はやはりどんでん返してんこ盛りだった!】 さて、下巻に入り、大量虐殺計画『インシデント20』の謎がジェームズ・ボンドにより徐々に解明されていきます。 上巻のレビューで、ボンド・ガールとのアヴァンチュールは出てこないと書きましたが、やっぱりこれを出さないとボンドらしくないということなのか、下巻でしっかり出てきましたよ(苦笑)。 ただ、映画のように、何人もの女性と、とっかえひっかえというわけではありませんが。 関係を持つのは一人だけ。 で、一人にはふられちゃうし。 下巻では、南アフリカでの活動が中心になりますが、現地でのボンド・カーは、なんとレンタカーなんですよ。 しかも、これがスバルのインプレッサときたもんだ! まぁ、南アフリカでのボンドは表向きは商人を仮装しているので、上巻で乗り回したベントレーというわけにもいかないのでしょうけれど、インプレッサが来ましたか。 現実的と言えば現実的ですし、ベントレーもインプレッサも、チューンアップはともかくとして、別にマシンガンが装備されている等の改造は施されているわけではなく、いたってノーマルに登場しますよ。 でも、ボンドはインプレッサのことを「元気な車だ」と言って結構気に入っているようですけれど。 さて、本筋の方ですが、これはジェフリー・ディーヴァーが書いているだけあって、お得意のどんでん返しをかましまくります。 そういう訳なので、詳しい粗筋のご紹介はちょっと控えさせていただきます。 あんまり書いちゃうとどこからがどんでん返しなのかが分かっちゃいますからね。 また、本書では、ボンドの両親の謎も並行して描かれていきます。 ボンドの両親はスキー事故で亡くなったとされているんですよね。 これは、これまで語られてこなかったサイド・ストーリーというところでしょうか。 巻末解説を読むと、どうやら本書はフレミング財団公認の作品としてディーヴァーに委ねられたようなのですが、私は結構良い出来ではないかと思ったものの、今のところディーヴァーによるさらなる続編という話は無いようです。 フレミング財団は、公認のボンド・シリーズの作者は一作ごとに変えているようなのですね。 ディーヴァーが描くボンドは30代とされており、例えば映画のショーン・コネリーよりは若々しく感じます。 アクション・シーンも盛り込まれていますが、これは映画のようなド派手なものではなく、カー・チェイスや緊迫した銃撃戦程度に抑えられています。 このまま映画化しても悪くないと思いますが、映画化するとなるともっと派手なシーンを入れろと要求されそうなので、これはこれで小説として読むのが良いのでしょうね。 ジェフリー・ディーヴァーが007を書いているという、異色作として読んでみましたが、どうして、どうして。 十分しっかりしたボンド物になっていたと思います。 安心して楽しめる内容ではないでしょうか。読了時間メーター□□□ 普通(1~2日あれば読める) >> 続きを読む
2020/05/03 by ef177
恩田陸
「月の裏側」に出ていた塚崎多聞が日本各地を巡り、そこで起きる謎に向き合っていくトラベルミステリ。福岡の柳川も魅力的だったが、こちらは奈良や尾道、鳥取砂丘などが主な舞台。ミステリというが、それ以上に描写されているのは風景を繊細に切り取る恩田さんの筆致だ。そういう見方をするのかという独特の文体が面白い。ラストに来る「夜明けのガスパール」は他の4つとは違い、多聞自身に焦点が当たるミステリ。良き友人に囲まれている多聞が羨ましく感じる。 >> 続きを読む
2018/12/17 by オーウェン
葉室麟
はじめましての著者である。また時代小説は久しぶりである。江戸屋敷で側室と密通し、そのことに気づいた小姓を切り捨てたとして戸田秋谷は、本来なら家禄没収のうえ切腹のところ、取り組んでいた御家の家譜作りが途中だったので、10年後に切腹するとしてそれまで家譜編纂のため家族とともに幽閉されていた。そこへ城内で刃傷沙汰を起こし、切腹を免れた庄三郎が秋谷の監視役としてやってくる。家族と起居を共にするうちに、庄三郎は秋谷の切腹を回避できないかを考え始める。読んでいて季節の移ろいや景色の描写がうまく、まるで一枚の絵を見るようだった。また人々の性質が味わい深かった。 >> 続きを読む
2017/10/30 by konil
佐伯猛
この本の名言をご紹介します。***人間は何かを決断する時に、考えれば考えるほどマイナスな考え方をしてしまいがちです。ですから考えれば考えるほど動けなくなるのです。 >> 続きを読む
2013/03/14 by 本の名言
出版年月 - 2011年10月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト
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