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2011年12月発行の書籍

人気の作品

      クリスマス・キャロル

      チャールズ・ディケンズ , 村岡花子

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね!
      • クリスマスも終わり、ようやく忙しさも落ち着いたのでたまった感想をボチボチまとめる。今年の感想は今年のうちに。

        クリスマスの準備に教会への行き帰りに毎年読むクリスマス・キャロル。
        今年は新たに村岡花子さんの翻訳でも読んでみた。
        少し古さを感じさせると聞いたことがあり避けていたけれど、実際読んでみるとそんなに古臭くなかった。寧ろ好み。
        改訂がなされているからかもしれない。

        小さい頃、テレビでクリスマス・キャロルのドラマを観た。
        とにかく泣いたことを憶えている。そして教会に行って司祭に自分の想いを喋りまくった。
        そのときの印象がずっと残り、いつしか待降節には欠かせない読み物になった。

        物語は簡単に言えば、守銭奴の老人が失ったやさしい心を取り戻して残りの人生を生き直すというもの。
        勿論、意外な展開も衝撃の結末もなし。

        ディケンズがクリスマス・キャロルを書いた時代背景や世相といったものから掘り下げて読むのも良いと思うけれど、そんな難しいことを考えて読まなくてもいい本もあると思う。
        クリスマスが近づいてきたら、わたしは自分の出来る範囲でひとを思いやりたいと思った昔の素直な自分を思い出したい。それだけだ。

        ひとは生きていくうちに多くのものを得ると共に、多くのものを失う。
        中には取り返しのつかないものもあるだろう。
        それでも、自分の心だけは自分次第で取り戻すこともできる。
        日常の煩雑さに、自分を思い出し見つめなおす機会はなかなかないかもしれないけれど、忙しくなりがちな年末に敢えてゆっくり人生を振り返り、残りの人生を考えなおしてみるのも悪くないと思う。
        毎年そうさせてくれるこの本が、わたしはやっぱり大好きだ。

        今年ももう少しで終わりますね。
        >> 続きを読む

        2015/12/27 by jhm

      • コメント 2件
    • 他9人がレビュー登録、 17人が本棚登録しています
      楽園のカンヴァス = La toile du paradis

      原田マハ

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね! KEMURINO
      • 絵画に全く興味がない自分でもハマった。意欲と情熱を十分感じられる作品。良い読書体験ができました。ただ贅沢を言うと、織絵周辺のことがもう少し触れてあってもよかったかなと。 >> 続きを読む

        2018/12/02 by hiro2

    • 他8人がレビュー登録、 25人が本棚登録しています
      聞く力 心をひらく35のヒント

      阿川佐和子

      文藝春秋
      カテゴリー:社会学
      3.3
      いいね!
      • 聞く、聴く。

        とてもわかりやすい文章で綴られているので、一気に読んでしまった。

        出てくる方たちも、それぞれのカラーがでていて、なかなかの強者揃いだなあ~と。

        頷き、相槌をはじめとして、相手の話に対して反応するというのが基本。

        それが、わざとらしくないのが一番。

        でも、なかなかその域にはと思うが、まあ阿川さんのように、一歩一歩だ。

        相手の話の中に種を見つけてひろげていく。

        ひろげていくというか、相手が拡げていくように、寄り添うのでいいのだろうと思う。
        >> 続きを読む

        2018/01/23 by けんとまん

      • コメント 1件
    • 他8人がレビュー登録、 35人が本棚登録しています
      共喰い

      田中慎弥

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      2.5
      いいね!
      • 芥川賞の授賞式での著者のコメントが一番印象に残っているが、あまり中身に感銘を受けることはなかった。

        とにかく肉感的というか、性描写をかなり前面に押し出している。
        作者の文体が独特。

        父の暴力的なところと性癖を受け継いでしまい苦悩する息子。
        反面教師のはずが、そうなってしまう無力さ。
        ここがいまいち響かなかったのは残念。
        >> 続きを読む

        2019/01/25 by オーウェン

    • 他5人がレビュー登録、 13人が本棚登録しています
      先生と僕

      坂木司

      双葉社
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!
      • 坂木司のいつものミステリー。
        引きこもり探偵からのおなじみのパターンだけど、キャラクター設定と日常の出来事からミステリーを作り出すという手法が本当におもしろい。
        血なまぐさいミステリーじゃないので安心して読める。二葉みたいに怖がりなわけじゃないけど(笑)
        作中にでてくる本も読んだことがないものが多かったので読んでみたいと思った。
        巻末の特別便は嬉しいおまけだった。
        >> 続きを読む

        2016/02/09 by azuki

      • コメント 2件
    • 他4人がレビュー登録、 11人が本棚登録しています
      楊令伝

      北方謙三

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      3.6
      いいね!
      • 激闘に次ぐ激闘。
        主要登場人物が次々に散る。

        とはいえ、水滸伝では、常に童貫に先手を取られていた感のあった梁山泊軍だが、今回は逆に押し気味で進めている。
        決着はもう間近だ。
        >> 続きを読む

        2017/10/12 by Raven

    • 他3人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      かなたの子

      角田光代

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 短編集なのだが、どれもこれもひたすら恐ろしかった。次第に、タイトルの意味が分かってくると、さらに恐ろしくなる。ほとんど私にはオカルト的な恐怖。作者の想像世界の凄まじさよ。1日一編にしておかないと、心身に影響が出そうでした。合掌。
        >> 続きを読む

        2015/06/21 by umizaras

      • コメント 1件
    • 他3人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      ギフト

      日明恩

      双葉社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 「BOOK」データベースより

        その少年に目が留まった理由は、ただ一つだった。こぼれ落ちる涙を拭おうともせずに、立ち尽くしていたからだ。それもホラー映画の並ぶ棚の前で。しかも毎日。―ある事件がきっかけで、職を辞した元刑事の須賀原は、死者が見えるという少年・明生と、ふとした縁で知りあった。互いに人目を避けて生きてきた二人。孤独な魂は惹かれ合い、手を結んだ。須賀原と明生は、様々な事情でこの世に留まる死者たちの未練と謎を解き明かしていく。ファンタジック・ミステリー。


        超能力の中でトップクラスに欲しくない能力。それがこの死者が見える能力でしょう。何しろ誰にも見えないのに自分にだけは訴えかけて迫ってくるのですよ。亡くなった時の姿のままで。。。もし自分に突然そんな能力が開花してしまったら1年生きる自信がありません。
        この物語の明生少年はこの能力を持ってしまったが為に周囲から疎まれ、心を閉ざして生きてきたのですが、ある少年を死なせてしまった事が有る元刑事の須賀原との邂逅によって、次第に心を開いて行きます。
        明生に触ると須賀原の目にも死者がさまよっている姿が見えます。彼らは何かを求めてさまよい歩き、自分の事が見える明生に詰め寄ってきます。こわい、こわいよ。事故で損傷した体で何かを訴えて詰め寄ってくるんですから。しかも他の人に言うと頭がおかしいのではないかと疑われるのですからあまりにも不憫。そんな中で彼の事を信じる須賀原の登場は彼にとって希望でした。
        一緒にさまざま霊の希望を叶えて前向きになって行く2人。そしていつしか須賀原の人生に大きな影を落としている或る事件に2人で向かい合う事になるのでありました。

        重ね重ね霊は見たくないですね。僕は昔、霊が沢山目撃されているという場所で仕事で一晩を過ごした事があります。霊感が強い人は絶対に帰りたいといいだすという評判の場所だったらしいのですが、何も知らなかったので何も感じずグースカ寝ておりました。翌日何か無かったのかと聞かれましたが何も見ないし聴こえなかったのでよかったです。
        >> 続きを読む

        2015/09/06 by ありんこ

      • コメント 7件
    • 他3人がレビュー登録、 11人が本棚登録しています
      ピンクとグレー

      加藤シゲアキ

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね!
      • 緊張感を持って読めました。
        素晴らしい才能の持ち主ではないでしょうか。
        表現の巧みさもさることながら十分ストーリーを楽しめました。
        ただ、深読みさせられて結局良く分からなくなってしまうのが残念かな。
        >> 続きを読む

        2017/02/02 by がーでぶー

      • コメント 1件
    • 他2人がレビュー登録、 13人が本棚登録しています
      卵をめぐる祖父の戦争

      BenioffDavid , 田口俊樹

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      •  物語は現代から始まります。
        アメリカ、フロリダで隠居生活をしている著者の祖父母は、ロシアからの移民。祖父の話を孫である著者が聞く、という形をとっています。

         第二次世界大戦、ドイツ軍に900日にわたり包囲され、孤立したレニングラード(現・サンクトペテルブルグ)にいた祖父、レフはまだ17歳。

        ドイツ軍に完全に包囲されているため、物資はないどころか、人びとの生活は凄惨を極めています。

         レフはささいな盗みで捕まってしまう。静粛も厳しい時代、レフは刑務所でコーリャという少し年上の青年脱走兵と共に軍の大佐に呼ばれる。

         娘が結婚するのでウェディングケーキを作る。そこには卵が必要。卵1ダースを調達してこい、と命令される。

         人と人が食べ物をめぐって殺し合い、奪い合う「包囲網」の中でどこに卵なんてものが・・・結局、この若い2人は捨て駒なのです。しかし、配給カードを取り上げられ、雪の中をひたすら卵を探すことになってしまう2人。

         戦争の悲惨さを訴えたものはたくさんあるけれど、「卵もってこい」という実にばかばかしい使命に命かけなきゃならな、脱力ものの使命。正義の為でなく、卵。

         そして、卵を探してレフとコーリャはあちこちをさまよう羽目になります。そこで経験した様々な悲惨な出来事。

         しかし、コーリャとレフの珍道中になっているのは何が起きてもコーリャは、笑いとばし、軽口をたたき、冗談を言い、いざとなると頼りになるからです。

         極寒の地でのサバイバル小説とでもいえるのですが、その底に戦争のむなしさをきちんと描いているし、正反対であるはずのコーリャとレフの友情物語でもあります。

         救いとなるのは、祖父レフは生き延びて、アメリカで孫に語っているという設定が最初にあるので、レフは生き延びる、という安心の種をまいているところ。そして、小粋なラストの一言。

         実際、著者デイヴィド・ベニオフはロシア系ではなく、資料や書籍に頼ってこの物語を書いたと後で書いているのですが、戦争ものを、悲惨なものを、笑い飛ばすだけの力強さ・・・そんなものに勇気づけられる結果となるのです。
        >> 続きを読む

        2018/06/23 by 夕暮れ

    • 他2人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      名もなき毒

      宮部みゆき

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね!
      • 怒りをきっかけに人を害することも多いのだろうけど、そもそも毒を持っていなければそれも生じないのかもしれない。毒は日常に潜んでいて、思ったより身近なものだ。人付き合いってちょっと怖い。

        秋山さんが素敵すぎるのだが。主人公がぽやっとした頼りなさがあるから余計にだと思う。さらりと書き上げられているが、ひっそりと怖いお話でした。
        >> 続きを読む

        2018/10/06 by aki

    • 他2人がレビュー登録、 37人が本棚登録しています
      おひとりさまの老後

      上野千鶴子

      文藝春秋
      3.2
      いいね!
      • 出合って良かったと思えた本。年を取って回りに迷惑をかけて心苦しくしてる老人や障害を抱えた方がいっぱいいるだろう。自分もいずれそうなるかもしれない。そうなった時に自己否定することが前に進めなくなる最大の原因だと目を開かせてもらった。出来なくなることが色々出てきてもそれを受け入れてそこから何かできることを見つければいいじゃない。障害を抱えることがこれからは珍しいことではなくなるんだろうな。元気もらえました。
        >> 続きを読む

        2018/06/10 by miko

    • 他2人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      脳科学からみた「祈り」

      中野信子

      潮出版社
      カテゴリー:基礎医学
      3.7
      いいね! Tukiwami
      • 祈る、という行為は不思議な行為だと思うことがある。
        祈ったらなんでも現実となるわけてまはない。
        それでも、祈らずにはいられない。

        祈る、という行為を脳科学の視点から見つめるというとても興味深い内容。
        ポジティブな祈りが自己を成長させ、幸せにつながる。
        人との関わったり、新しいことに挑戦し続けることによって、いくつになっても成長し続けることができること。
        むしろ刺激を求め続けなければ、脳は衰退していってしまう、ということが印象的だった。
        平穏に過ごしたい、と思ったら刺激を得続けなければならない。
        なんだか勇気をもらえた。
        >> 続きを読む

        2019/04/05 by ashita

    • 他2人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      もういちど生まれる

      朝井リョウ

      幻冬舎
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 自分は何者か
        何者になりたいのか
        将来



        友人

        感情の揺れや、考えや気持ちの表現ひとつひとつに
        共感得たり、懐かしさや切なさを思いはせました。
        今までの自分ではない何者になるか
        そのまま自分のままでいるのか
        今も何も変わらず
        同じことをしているのではないか。
        いろいろと考えさせられる本でした。
        >> 続きを読む

        2016/01/07 by -water-

    • 他2人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      文明の子

      太田光

      ダイヤモンド社
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね! makoto momomeiai
      • 「光」が書く「光」について?

        短編がいっぱい収録されてます。
        内容は「SF」である!
        そして微妙に関連性があるものもあってプロローグ~エピローグのようにまとめてある感じ。
        上手い感じは...ないですけどね(;´Д`)

        (amazon解説)
        地球、そして地球とは別の進化を成し遂げた星の過去と未来に秘められた謎。新たな文明へと踏み出すために動き始めた子供たち。果たして人類の行く末は生か死か? 絡み合うパラレルワールドが紡ぎ出す壮大な物語! 斬新なスタイルで描かれる太田光、渾身の書き下ろし小説。
        >> 続きを読む

        2018/08/13 by motti

    • 他2人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      曾根崎心中

      近松門左衛門 , 角田光代

      リトル・モア
      カテゴリー:小説、物語
      3.2
      いいね!

      • 息もつかせぬ、という言葉が思い浮かんだ。ひどく熱を帯びた読書体験となりました。

        この角田光代の「曽根崎心中」は、著者初の時代小説だ。
        タイトルからもわかるように、この作品は近松門左衛門の原作を下敷きとしている。

        いつも著者の新作を読む時には、それが角田光代の小説であるということを、随所で確認するように味わっていくのだけれど、今回はそうではなかったですね。

        作者が誰であるとか、原作が江戸時代のものであるとか、そうした背景はどこかに置き去りにしたまま、ただ目の前にある物語に魅了され、取り憑かれたようにページを繰っていきました。
        だからといって、角田光代の小説としての意味が薄れているわけではないのが、やはり凄いところだ。

        流れるような文章も、繰り返されるフレーズのもたらす独特なリズムも、間違いなく彼女にしか書けないもので、読後に残る充足感は、紛れもなく、彼女の小説に触れた時の感覚だ。

        ストーリーだけを取り出してみれば、シンプル過ぎるとも思えるほどの恋愛小説なんですね。
        遊女であるお初と、醤油問屋の手代である徳兵衛が恋に落ちる。

        結婚を誓い合っていたのだが、友人に裏切られたことで借金を抱え、行く先のなくなった徳兵衛に対し、ともに死ぬことを決意するお初。
        二人は曽根崎の森で心中することとなる。

        それでも、このシンプルな物語には、紛れもない生々しさと温度が存在している。
        実際の事件を下敷きにしているからといった単純な理由とは別だ。

        鳥の鳴き声も、女たちのたわいない会話も、まるで実際に自分がそこにいて聞いているかのように錯覚させられる。
        女たちの、くすくすという笑い声が頭の中で響きわたる。

        とにかく、この小説は何もかも圧倒的だ。生も死も悲しみも嬉しさも、あらゆるものが渦巻いて、静かに遠ざかる。
        恐ろしく美しい小説だ。その恐ろしさも美しさも、恋そのものなのだ。

        >> 続きを読む

        2018/11/21 by dreamer

    • 他2人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      嘆きの美女

      柚木麻子

      朝日新聞出版
      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 超サイコーな柚木ワールド!! ドはまり!!
        女子のツボ完全におさえてる!!
        後半の日記にあの人が登場してるのがウレシい(^з^)-☆ >> 続きを読む

        2013/06/13 by ata-chu

      • コメント 4件
    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      夢のカルテ

      高野和明 , 阪上仁志

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!
      •  主人公・来生夢衣は心理カウンセラーですが、特殊能力を持っています。
         何と、他人の夢の中に入っていけるのであります!
         クライエントを催眠誘導で眠らせた後、自己催眠で自分も眠り、クライエントの夢の中に入って心理的問題の原因を探ることができるのです。
         こんなことが可能になれば、カウンセリングが効率的に進みますね。

          
         本書には、4つの事件が収録されています。
         第一話で夢衣は、麻生健介刑事のカウンセリングを行います。
         そこで親密になった麻生刑事とのつながりから、3つの事件に巻き込まれていくのであります。
         物語は、夢衣が出会う4つの事件を中心に、夢衣と麻生刑事との関係・夢衣や麻生刑事の過去の問題などが縦糸となって紡がれています。
         事件の真相も面白いのですが、クライエントが見る夢を解釈していく過程が面白いです。
         支離滅裂で意味の分からない夢の断片の意味が分かっていくのはカタルシスです。
         実際のカウンセリングや夢分析もこんな風に行われているのでしょうか。

          
         第4話は、夢衣の記憶にない父親の過去や、麻生刑事の忘れていた過去の問題に夢衣と麻生刑事の関係の進展など、クライマックスにふさわしい急展開でした。
         これで、全て解決されたのでしょうか?
         まだ何か残っているような気がしますが。
         非常に映像向きのテーマであるし、実際に映像的な物語です。
         ドラマ化されなかったのでしょうか?
         今後も続編は出ないのでしょうか?
         タイトルが地味だと思います。
        「ドリームカウンセラー夢衣の事件簿」シリーズ、というのはどうでしょうか?
        (どうせ私の言うことだから、聞き流して下さい。)

         
         第4話では、夢衣の父親は、会社の不正の責任を負わされて逮捕されたことが示唆されます。
         そのことが、第4話で扱う事件と相似形を持っているのです。
         事件に深入りした夢衣が、暴力団の殺し屋チームに捕まって処刑されそうになります。
         物語では当然、間一髪で救助されるのですが、現実の社会では、このような幸運が起こるとは限りません。
         現実の社会では、悪の組織によって善人が人知れず闇に葬られることも多いのでしょうね。
         特に、民主主義体制が崩壊に向かい軍事独裁制に向かいつつある現代日本では、今後そのようなことが増えていくのではないかと、寂しいことをふと思いました。何を読んでも暗い予想に結び付くマイナス思考の私です。


         本書では、大矢博子という方が巻末に解説を書かれています。
         エンタメ系の文庫本の解説というのは、解説というより筆者の身辺雑記やエッセイのようなのも多く、脱力させられることも多いのですが、本書の解説はなかなか読ませました。
         本作品の「解説」が手際よくされた上で、著者・高野和明の他の作品について端的に「解説」されていて、他の作品にも興味を持たされました。
         文庫本の解説はこんな風に書いてほしい、という一つのお手本・型だと思います。
          http://sfclub.seesaa.net/article/411040326.html
        >> 続きを読む

        2014/12/21 by 荒馬紹介

      • コメント 3件
    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      軍師の門

      火坂雅志

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!
      • 豊臣秀吉に仕えた二人の天才軍師、
        竹中半兵衛と黒田官兵衛の生き様を描いた小説。
         
        「悪くなれ」
         
        目標にしていた竹中半兵衛に言われたこの言葉の意味を、
        一生を終えるまで考え続けた黒田官兵衛。
         
        答えが出た時に、初めて自分の才能の在り処がわかる。
         
        そこに辿り着くまでの葛藤についつい引き込まれ、
        調略や裏切りが当たり前の時代に、
        竹中半兵衛との間に芽生えた絆にも胸が熱くなった。
         
        ラストシーンでの2人のやり取りだけで
        この小説を読んだ甲斐があったように思う。
         
        軍師目線での豊臣秀吉や徳川家康の印象も面白く、
        壮絶な戦国時代の話にもかかわらず、
        火坂さんの文章は優しいので入り込みやすい。
        火坂さんの小説は全て読破したいな。
        >> 続きを読む

        2019/01/30 by NOSE

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      軍師の門 下 (角川文庫)

      火坂 雅志

      5.0
      いいね! Tukiwami
      • 豊臣秀吉に仕えた二人の天才軍師、
        竹中半兵衛と黒田官兵衛の生き様を描いた小説。
         
        「悪くなれ」
         
        目標にしていた竹中半兵衛に言われたこの言葉の意味を、
        一生を終えるまで考え続けた黒田官兵衛。
         
        答えが出た時に、初めて自分の才能の在り処がわかる。
         
        そこに辿り着くまでの葛藤についつい引き込まれ、
        調略や裏切りが当たり前の時代に、
        竹中半兵衛との間に芽生えた絆にも胸が熱くなった。
         
        ラストシーンでの2人のやり取りだけで
        この小説を読んだ甲斐があったように思う。
         
        軍師目線での豊臣秀吉や徳川家康の印象も面白く、
        壮絶な戦国時代の話にもかかわらず、
        火坂さんの文章は優しいので入り込みやすい。
        火坂さんの小説は全て読破したいな。
        >> 続きを読む

        2019/02/07 by NOSE

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