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2012年6月発行の書籍

人気の作品

      海賊とよばれた男

      百田尚樹

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!
      • 出光興産の創業者・出光佐三をモデルにしたノンフィクション。
        日章丸事件が起きるまでの、激動の時代を駆け抜けた気骨ある
        経営者の生き様の前編。
        日本人が忘れかけている勇気、誇り、闘志、そして義の心だ。

        虚弱な肉体、眼疾、神経症という三つの弱点を持った自分が世の中で
        戦っていくためには、教育を身につけることが必要と悟る自己分析。
        猛勉強して進学する。

        就職先は小麦卸の中小企業での丁稚。
        高学歴を鼻にかけず、大企業への進路を断ち切り、
        運命と思い、奮起して取引を増やす。
        そして、石油への先見性。
        独立して石油販売。

        立ちはだかるのは、日本人同士の団体だけではなく、
        海外企業やGHQまで。
        誹謗中傷、根回し、嫌がらせ、圧力。
        倒産の危機。
        様々な困難が待ち受ける。

        「中間搾取のない商いをしたい」
        生産者も消費者もともに潤う。
        そんな思いが、支援する人を増やす。

        主人公・国岡鐵造の思いは、愛国心。
        家族を愛し、社員を愛し、国民生活の安定を願う。

        長編物語ながら、スピード感ある展開に一気に読める。
        確たる信念を持って生きる素晴らしさを感じた。
        >> 続きを読む

        2015/11/04 by てるゆき!

      • コメント 1件
    • 他10人がレビュー登録、 59人が本棚登録しています
      贖罪

      湊かなえ

      双葉社
      カテゴリー:小説、物語
      3.6
      いいね! ryoji
      • この人の本は面白いものが多い。ただ、今回の内容はただただ性的なものを表したかったのではないかと思えるくらいあまり琴線には触れなかった。 >> 続きを読む

        2017/06/21 by よしりよ

    • 他9人がレビュー登録、 71人が本棚登録しています
      海賊とよばれた男

      百田尚樹

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね!
      • 信念
        困難
        人力
        日本
        未来
        先見


        店主が発する言葉、ひとつひとつが胸を打ち、
        社員の店主に対する尊敬と仕事に対しての姿勢にたびたび感動させられるお話でした。
        涙が流れるのをとめられず、私たちの現在は過去に生きた人々の行動や思いの上で成り立っていることを身にしみて感じた一冊でした。
        小学校から高校まで日本の歴史を何度も学んだはずなのに、ひとつもわかっていなかったと愕然としました。
        歴史という授業ではなく、歴史という物語をもっと知っていかなくてはならないと強く思いました。
        >> 続きを読む

        2016/07/05 by -water-

      • コメント 3件
    • 他7人がレビュー登録、 45人が本棚登録しています
      ラブコメ今昔

      有川浩

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね! ukarei
      • 自衛隊のラブコメとか、作者の趣味丸出しな
        短編集第二弾。(第一弾は「クジラの彼」らしいが未読)

        甘々で砂を吐きたくなるような展開の節々で垣間見える、
        自衛隊としての覚悟。
        たぶん、他の職業と比べて、「いってきます」と「ただいま」の重要性が違うのかな~と改めて感じた。

        「青い衝撃」では女性の強さが、
        「秘め事」では男性の勇気がそれぞれ描かれている印象。

        あと、「広報官、走る!」で作者はマスコミに対して
        何か私怨でもあるのかなーと
        なんとなく思った。
        >> 続きを読む

        2017/05/04 by マギー

    • 他5人がレビュー登録、 64人が本棚登録しています
      空飛ぶ広報室

      有川浩

      幻冬舎
      カテゴリー:小説、物語
      4.7
      いいね! shoko44n
      • ブルーインパルス搭乗メンバーの内定まで受けていたのに不慮の事故によってパイロット罷免になり、航空幕僚監部広報室に配属された自衛官の奮闘ぶりを描いた物語。と同時に自衛隊という存在が誤解やマスコミによる偏った報道により、一般市民に認知されにくい状況にあることを訴えている。広報室のメンバーはとても個性的でおもしろく、何とか航空自衛隊のプラス面をマスコミなどを通じてアピールしようと懸命に働く姿に共感を覚えた。決して自衛隊を美化することなく最初から認められていないことを前提に活動していることを伝えているところがいいと思う。今ちょうど安倍首相が自衛隊の存在を憲法に書き加えようとしている状況の中で著者はどのような意見を持っているのか興味深い。 >> 続きを読む

        2017/05/23 by konil

      • コメント 2件
    • 他5人がレビュー登録、 39人が本棚登録しています
      つるかめ助産院

      小川糸

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 出産は、未知なるドラマ、奇蹟。
        現代の世間一般の人たちは、妊娠すれば、子どもは生まれてくるもの、と思っているけれど、実は、誰にでも様々なことが起こる可能性がある。

        捨て子で里親の元で育って、結婚した男性はある日突然、忽然と姿を消し‥‥という小野寺まりあが訪れたこの島の助産院の先生から妊娠していると告げられ、この助産院で産むことに決める。

        助産院の、心に傷を持ちながらも生きる仲間たち。
        仲間たちとの生活、出産までのお手伝いなどで少しずつ自分の居場所を見つけ、過去の自分も受け入れられるようになったまりあ。

        この南の島での気候、おおらかさが色んなものを温かく包み込み、その中にあるこだわりの助産院が素敵でした。
        >> 続きを読む

        2018/03/11 by taiaka45

      • コメント 2件
    • 他4人がレビュー登録、 14人が本棚登録しています
      ワーク・シフト = WORK SHIFT 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉

      池村千秋 , GrattonLynda

      プレジデント社
      カテゴリー:労働経済、労働問題
      4.0
      いいね!
      • リンダ・グラットンはロンドンビジネススクールの教授。
        イギリス人、女性。
        世界中での2025年までの変化を予測している。
        ①テクノロジーの変化で50億のネットが生まれる。
        ②グローバル化で中国、インドの人材と現先進国の人材が対等に競い合う
        ③100歳以上までの長寿化、そして各地のスラム化
        ④人生を見つめ直す人が多くなり、社会の不信感が高まる
        ⑤エネルギーのテーマが持続可能性に向かう
        それら未来の世界に対し以下の三つの対策を立てるべきと主張する。
        1、技能(スキル)の連続取得
        2、協力イノベーション(人間関係の武器化)
        3、自分で舵を取る情緒的資本
        >> 続きを読む

        2015/07/27 by Lemon_T

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    • 他4人がレビュー登録、 16人が本棚登録しています
      刑事のまなざし

      薬丸岳

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • タイトルと内容がものすごく合ってる。
        夏目刑事の視点から見ると、優しさと厳しさと悲しみで、味わい深いのですが、やっぱり事件があると、大切なものをないがしろにされた人達がいる訳で、そっちにフォーカスして読んでしまったので、悲しい。ろくでなしも出てくるので苦しい。読んで良かったけれど、面白いっていうのではなく、悲しい。 >> 続きを読む

        2018/05/25 by チルカル

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    • 他3人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      宵山万華鏡

      森見登美彦

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      •  家の近くに小さな神社があります。
        秋になるとお祭りがあって、小学生のころ、私はそのお祭りが大好きでした。

         一番の魅力は露店です。輪投げ、金魚すくい、綿あめ、林檎飴、あんず飴、型ぬき・・・特に夜になるとたくさんの提灯が並び、露店がそれぞれ裸電球だったり、アセチレンランプだったり・・ふわ・・・と明かりの中に浮き上がるお店をぐるぐるぐるぐる・・・のぞいて回るのが好きでした。

         この物語はまさに「祭のあの独特な空気の中をぐるぐる回る」物語で、この宵山は祇園祭ですから、もっと大きいので、人手も多く、迷子も多いのでしょう。

         そんなあやしい雰囲気、酒の匂いがするような空気の中を赤い浴衣を着た金魚のような女の子たちが、走り回り・・・そして空に飛んでいく。

         祭にはぐれた女の子を「一緒に行こう・・」と人攫いのように連れていってしまっても全くおかしくない、そんな独特の空気を見事に描き出していて、不思議があったり、ユーモラスなだまし合いがあったり、奇妙なことが起きますが、それが、ぐるりとめぐる、そしてまた、祭に戻るという構成が実によくできています。

         緋鯉の風船、中に水が入って金魚がいるのに浮いている不思議な風船、謎の水晶玉、万華鏡、宵山に集まる人びとが、楽しみ、惑い、だまし合い・・・謎の宵山様、そして偽宵山をしかける乙川という不思議な骨董商。

         子どものころは2日で終わってしまう祭が、終わってしまうのがさびしくて、いつまでもやっていればいいのに・・・と思ったものですが、この宵山は本当に引き込まれると毎日毎日は宵山の世界になる万華鏡の中。

         本当に顔がそっくりな赤い浴衣を着た、金魚のような女の子たちが、くすくす笑いながら
        走り回るのが目に見えるようです。


        >> 続きを読む

        2018/06/23 by 夕暮れ

      • コメント 2件
    • 他3人がレビュー登録、 43人が本棚登録しています
      楊令伝

      北方謙三

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね!
      • 戴宗の最後の活躍。
        李英の悲劇。

        その部分は印象的で良かったのだが、話が広がりすぎ、登場人物も多くなりすぎて、それぞれの造詣が薄くなってしまった。李英の姉の李媛の扱いがその典型だろう。 >> 続きを読む

        2017/10/12 by Raven

    • 他3人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      クローバー・レイン = Clover Rain

      大崎梢

      ポプラ社
      カテゴリー:小説、物語
      4.7
      いいね! Tukiwami
      • レビューで知った1冊です。

        編集者がたまたま読んだ原稿を本にする苦労、
        本を出して終わりでなく平台に置いて見て手にとり読んでもらいと。。。
        本の話に登場人物の身の上話がうまく絡んでよかったよー
        スピンオフで「シロツメクサの頃」はでていないのねw

        初読みの作家さんでした。
        いろんな皆さんのおかげで新しい作家さんとの出会いが
        ほんとーに増えて読みたい本がたくさんw



        >> 続きを読む

        2016/02/13 by 降りる人

      • コメント 3件
    • 他3人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      シフォン・リボン・シフォン

      近藤史恵

      朝日新聞出版
      カテゴリー:小説、物語
      3.6
      いいね!
      • 「BOOK」データベースより
        さびれた商店街に花ひらいたランジェリーショップ、そこに出入りする人々の人生模様。レースやリボン、小さな花柄の下着が、行き詰まった人間関係をなぜかほどいていく。地方都市に生きる人々の屈託と希望をえがく、摩訶不思議小説集。

        ランジェリーショップの女店主とその母の介護の話2編とそのランジェリーショップに行った女性とその親の介護の話。そのランジェリーショップの近くで米穀店を営む店主とその家族の話。

        介護の話は自分も経験が有るので「うんうん。」と共感しながら読んだのと「まあ、創作物だからこういう風にしなきゃだよな」と二律背反的な感じで読んだ。女店主の話ー乳癌を患った闘病生活の話もリアリティが有って良かったと思う反面全体的に親との険悪さにちょっと辟易したかな。まあ、大人になればそうなるのかも知れないが親との関係に関してはこの作品には余り救いはないかも。唯一米穀店の家族の話はちょっと救いが有ったかも。

        著者の他作品と比べると読み易いなと思った。文章に雑味がないなとも思った。

        まあ、大局的に見れば良い読書が出来たかな。
        >> 続きを読む

        2015/09/08 by 澄美空

      • コメント 2件
    • 他2人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      f植物園の巣穴

      梨木香歩

      朝日新聞出版
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! Moffy
      • 先日読んだ『椿宿の辺りに』にこの物語が関わってくるので、改めて読み直してみた。夢か現か、なんとも不思議な物語。

        時代設定は『家守奇譚』と同じくらいかなと思う(百年くらい前?)。主人公の一人語りで物語は進むのだが、少し古めかしい文体が、時代の雰囲気を醸し出していて物語にぴったりだと思った。

        主人公は植物園の園丁として働いている。何年か前に妻を亡くしている男やもめだ。ほったらかしておいた歯の痛みがひどくなってきて、歯医者に行くところから物語ははじまる・・・のだが、どうも様子がおかしい。大家さんが雌鶏に見えたり、歯科医の家内が犬になったり、次々に不思議なことばかり起こる。そのうちに主人公は、植物園にある椋の木の巣穴に自分が落っこちたことを思い出すのだが、その穴から出た記憶がない。じゃあ、ここはいったいどこなんだろう・・・。

        穴に落ち、川に流され、降り積もった時間の地層を下へ下へと降りていく。この物語は、主人公の記憶を巡る旅だ。途中から不思議な小僧が現れ、一緒に旅をする。この主人公は、死んだ妻の顔も思い出せないという薄情な男なのだが、この小僧と一緒に旅をするうちに、主人公にも小僧にも、少しずつ変化が生じる。終盤でこの小僧の正体が明かされたとき、胸にじわりと温かいものが広がった。

        人の記憶は消えてしまうことはなく、自身の内に、地層のように何層にも重なっていくものなのだ。それらはすべて、今の自分を支える土台となっている。そしてその記憶が、未来へと受け継がれていくこともあるのかもしれない。

        こうして『f植物園の巣穴』の物語は、世代を超えて(現実では10年の時を経て)『椿宿の辺りに』へと繋がっていくのだ。
        >> 続きを読む

        2019/06/22 by asaki

    • 他2人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      モニタールーム

      山田悠介

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • このようなことがもしもこの世の中で行われていたら、嫌ですね。それと、地雷って怖いですね。どこに埋まっているのか分からないという、切り立った尾根を目隠しで歩いているようです。 >> 続きを読む

        2017/04/28 by SM-CaRDes

    • 他2人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      城の崎にて・小僧の神様

      志賀直哉

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      3.3
      いいね!
      • 志賀直哉が実際に山手線にはねられて怪我をした経験を元に書いた私小説。
        この人、変わった逸話が多過ぎる……。金持ちのお坊ちゃんなのに虫を食べたり、自転車キチガイで改造してウィリー走行するくらい凝っていたり、この小説の元になっている山手線にはねられたり^^;
        やんちゃ過ぎる……w
        怪我をした時、ほとんど死の恐怖に襲われず、半分意識を失った状態で自分で病院を指定したのはものすごく冷静だったとしかいえない。
        主人公は治療のため、城崎温泉を訪ねる。
        そこで見た蜂の死骸や、驚かそうと思って石を投げたら過って死なせてしまったイモリを見て、死んでしまった淋しさと、今自分が生きている不思議さを感じる。
        しかも山手線の事故で死に対して一種の親しみさえ感じるようになる。
        生きていることと死んでいることは紙一重で、いつ死ぬかなどわからない。不慮の事故で明日死ぬかもしれないし、何十年先かもしれない。
        生と死はそう大差ないのかもしれない。
        >> 続きを読む

        2018/10/04 by May

    • 他2人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      最果てアーケード

      小川洋子

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね! Tukiwami
      • 【やさしくて、せつなくて】

         かつて私が住んでいた街には総延長日本一という立派なアーケード街がありました。
         中心のスクエアには、ルイ・ヴィトンなどの高級品店が並んでいたり。
         でも、本書に登場するアーケードはそんな麗々しい物ではなく、ちょっと注意しないと通り過ぎてしまうような、しょんぼりしたアーケード。

         昭和の香りが漂う街並みで、そこに入っているお店も、誰がこんな物を買うのだろうかと思うような物を売っているお店ばかり。
         義眼屋さん、ドアノブ屋さん、勲章屋さん、古着のレースだけを置いているお店、一種類のドーナツしか売っていない「輪っか屋さん」などなど。

         ちょっと歩けば終わってしまうようなアーケード街。
         紙屋さんにはたくさんのレターペーパーや封筒、古絵はがきなどが所狭しと置かれています。
         紙屋さんのご主人曰く、沢山買ってくれる人は善い人。
         いえ、それは、もうかるからじゃなくって、沢山買ってくれる人は、沢山の人に手紙を出すことができるから善い人なんだって。

         アーケードの天井部分には偽物のステンドグラスがはめられ、くぐもったような色彩の光が道に降り落ちて来ます。
         そこに古びたズック靴を差し入れれば、様々な色に染まってまるで別の世界へ入ってしまったよう。

         「私」は、そんなアーケード街の大家さんの娘。
         アーケードのお店の配達係をしているんです。
         「私」がまだ幼い頃から大きくなるまでの時間がアーケードと共に描かれます。
         ベベという犬も一緒に。

         ベベは、「私」が小さい頃には元気いっぱいの仔犬だったけれど、物語の最後の方ではもう年老いてしまって、商店街の中では一番暖かいドアノブ屋さんの店の中でうずくまっています。

         そのドアノブ屋さんの壁には、沢山のドアノブが取り付けられていて、どれも開けることができます。
         その中でも一番のライオンのドアノブの奥には何もない小さな部屋がありました。
         誰にも見られずに泣きたい時には、誰でもその小部屋にいつまでも入っていられるんです。

         お父さんからお土産にもらった外国製の石鹸を落として壊してしまったとき、迷子になってしまった小さな子供、そして、お父さんを亡くしたとき……

         本書は、そんなアーケードのお店や、そこを訪れるちょっと変わったお客さん達を短編の形で綴っていきます。
         
         とてもやさしくて、ちょっとだけ切なくなる本でした。
         素敵な本でした。
        >> 続きを読む

        2019/02/16 by ef177

    • 他2人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      トム・ソーヤーの冒険

      柴田元幸 , マーク・トウェイン

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね!
      • 1830年~40年代
        作者マーク・トウェインの育ったミズーリ州の村ハンニバルをモデルとした、セントピーターズバーグとその周辺の物語。
        あとがきに書かれているように、南北戦争後(1865年)、アメリカ全体の都市化・工業化が急激に進んでいった背景と合わせて読むと、この数十年の変化は興味深いものがあります。
        続けて言葉を借りると、物語は時代の「ややこしさ」が訪れる前のシンプルな日々が描かれています。

        昔何気なく読んでいた本書ですが、別の角度から見ると新たな発見がありますね。
        そして、それを楽しめるようになったのも嬉しい。

        幼い頃は、トムが企てるたびに大人に怒られるのではないかとハラハラしていました。
        成功するとワクワクが止まらなかったり。
        この落ち着きのない腕白な男の子に、なぜか感情移入してしまっていたのです。
        私はもちろん性別も違うし、おとなしい子だったのにね。
        根本的には違っていても、要所要所に出てくる子供らしい感性がぴたりと当てはまったのだと思います。

        今回の感想は、やはり大人側の立場として感じるところが多かったように思います。
        一番変わったのは、ポリー伯母さんの愛情を強く感じたこと。
        記憶の中の伯母さんは、どちらかというと「大人ってずるいな」と印象を持っていたのですが、なんだか気の毒になるほど振り回されていて。
        おそらく、シドが割った砂糖壺をトムがやったと勘違いした場面が、ずっと記憶に残っていたのだと思います。
        「でもきっと撲たれて当然だったんだよ。どうせあたしがいないあいだ、何か別の悪さをしてたに決まってるよ」
        なんて理不尽な言い分!私は絶対こんな大人になるもんか。なんてね。
        今は伯母さんの悲しみや後悔の気持ちの方が伝わってきます。

        素敵な少年時代を過ごした彼らがどのような大人になったのか。
        それを想像するのも楽しいですね。
        >> 続きを読む

        2016/08/21 by あすか

      • コメント 11件
    • 他2人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      残穢

      小野不由美

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね!
      • この小説はレビュー書くことすらはばかられる。
        文中の言葉を借りるなら“業が深い話” だからだ。

        私自身が未だに『残穢』の恐怖に
        引きずり込まれたまま抜け出れていない。

        ただの怪奇小説ではなく、
        7年間の取材を元にした作者が話し手となる
        ドキュメンタリーホラー小説。

        始まりは読者からの怪談体験の手紙だった。

        「自宅で奇妙な音がする」
        そのたったひとつの怪異現象から
        次々と浮かび上がる怪異の歴史。

        行き着く先には常に“穢れ(けがれ)”が付きまとう。

        一個人に対しての“祟り”より
        地域や血筋による“穢れ”の方が
        よほど根が深く、恨みの矛先が膨大だ。

        そして伝染病のように“穢れ”に関わった者へ
        怪異をばらまいていく恐ろしさ。

        鈴木光司の『リング』のように
        ビデオを見るという目に見える行為で
        伝染するのではないから防ぎようもない。

        作者が怪異の正体を懐疑的に探っていくので
        本当の怪異だけが残されてリアリティを増す。

        日本怪談独特の不気味な湿気を含んだ後味の悪さが、
        いつまでも腹の底につっかえる小説だった。
        >> 続きを読む

        2019/01/30 by NOSE

    • 他2人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      ヘンたて 幹館大学ヘンな建物研究会

      青柳碧人

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      3.0
      いいね!
      • 浜村渚でお馴染みの作者さん。
        最近はハヤカワでもこういうのあるのね〜
        もっとヘンな建物を中心にしたのを読みたい。
        トマソン。自分でも見つけてみたい!
        >> 続きを読む

        2015/09/18 by 降りる人

    • 他2人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      烏に単は似合わない

      阿部智里

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね!
      • 新聞で新刊のお知らせを読んで、面白そうだなと思い、図書館でリクエスト。
        新聞で見たのはシリーズ6冊目で第1部完結らしい。

        こちらの表紙は、ちょっと作品のイメージと違います。
        解説にあるように、八咫烏が支配する世界で、若宮のお后選びのファンダジーなのですが
        読み終わるとわかるように、この作品はミステリーでもあるのです。

        和物ファンダジーとして、萩原規子さんの作品以来の面白さでした。
        この作品で20歳で受賞されたという作者阿部智里さん!スゴイです。
        早速、続編を読もうと思います。
        >> 続きを読む

        2017/08/17 by kucoma

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出版年月 - 2012年6月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

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