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2012年9月発行の書籍

人気の作品

      神去なあなあ日常

      三浦しをん

      徳間書店
      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね!
      • 前半は山の田舎暮らしがゆっくり進んでいたが、中盤よりスピードアップし、後半の山火事から終盤のオオヤマズミさんのお祭りのラストスパートは目にも止まらないスピードがあり豪快のうちに読み終えた。山深い村の静けさを肌に感じる描写には唸るしかない。巧い。なあなあにこめられた日常生活を理解したい。再読しようか? >> 続きを読む

        2019/02/19 by naduka

    • 他9人がレビュー登録、 38人が本棚登録しています
      ふがいない僕は空を見た

      窪美澄

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.6
      いいね! KEMURINO
      • なんだなんだ!! エロ小説か? 倒錯したセックスに溺れる男子高校生の鮮烈描写に始まり、その周りにいる人物の一人称視点で巧みに繋いでゆく5連作物語。

        とんでもない生命の熱量と人間味に満ちた奥深い作品だ?

        「どうしてこうなっちゃったんだろ?」「またやっちゃった」「なぜ自分だけが…」「もう、どうにでもなれ!」などなど目に見えない不運、後悔、自省、孤立が蓄積された日常。

        修復不能な家庭環境、対人、恋愛関係などの不和に喘ぎ葛藤しながらも、仕事、学校へ向かわなければならない明日が来る。

        快感と痛みを経て生まれる新たな命。自宅で助産師を営む主人公の母が、綿々とつながる生命を懸命に取り上げる姿と、かつて赤ちゃんだった登場人物たちの壊れそうで危うい人生のギャップになぜか心を打たれた。

        懐の深さ抜群の作家に出会えた読書の喜び。映画版も観てみたいし、『さよならニルヴァーナ』という超気になるタイトル作も読んでみたい!
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        2018/08/12 by まきたろう

    • 他8人がレビュー登録、 37人が本棚登録しています
      生きるぼくら

      原田マハ

      徳間書店
      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね!
      • コンビニのおにぎりを食べいたひきこもりの主人公が、
        おばあちゃんのやっていた田んぼで米作りを始めます。

        いじめ、ひきこもり、認知症、介護、就職難・・・
        そんな現代の苦悩が次々と出てきますが、それを乗り越えていくひとの力に勇気付けられる作品でした。
        蓼科での生活を通して、主人公が変わっていく様が面白かったです。

        始めは、おばあちゃんに助けられるストーリーかな〜と思っていたら、全くそうではなく。
        助け、助けられ、ひとは生きていくんだな、と気付かされました。

        おばあちゃんの握ったおにぎり、食べたくなりました。
        >> 続きを読む

        2017/06/19 by R-0

    • 他6人がレビュー登録、 12人が本棚登録しています
      私とは何か 「個人」から「分人」へ

      平野啓一郎

      講談社
      4.0
      いいね! Tukiwami
      •  著者の平野啓一郎さんは自身の小説の中で「分人」という考えをよく登場させている。その「分人」という概念の本人による詳しい解説となっているので「ドーン」や「空白を満たしなさい」などと絡めて読んでいったら小説への理解が深まっておもしろかった。

         人間は個人というただひとつの分けられない人格を持つのではなく、その時その時で出会った人に対してそれぞれに違った人格を自然に作り出している。自分という一があって分数の様に人格が派生しているので「分人」と呼ぶ。
         たとえば会社では偉そうにしている人が家では奥さんの尻に敷かれていたりなんかがそうだ。会社での人格と奥さんの前での人格は違うけれども決して意識して演じ分けているわけではない。つきあう人の性格やその場の環境に影響されてそういう言動なっている。それぞれの関係性の中で人格が芽生えて成長していった結果で分人が生じている。

         あまり難しくないし理解しにくい感覚でもないと思う。むしろ「なんだ、そんなことか」と思われてしまうくらいかもしれないが世の中は一人の人間にはひとつの個人という感覚が広く理解されている。ちょっとつっこんだところまでいっても本当の人格とペルソナという関係が語られるくらいで、分人という理解は一般的ではない。
         たとえば猟奇的な殺人事件が起こると犯人の同級生なんかが「クラスの中じゃ大人しくて、あんなことをする子には思えなかった」と言っているのが報道されるが、それは殺人犯としての分人と、大人しい子という分人が理解されていないだけだ。
         さらにそこでナレーターが「一見大人しい彼の本性は残虐な殺人鬼だった」と言うのだが、これも本性が殺人鬼なのではなくて殺人犯の分人とクラスメートの分人が別々に存在していて決して主従の関係になっているのではない。

         分人という考え方を納得していると対人関係が楽になるんじゃないかなと僕は思った。分人は関係性の中で生じる。自分と目の前にいる人との関係性の中から今まさに互いに分人が生じて成長しているのだからウラがあるのではと不必要に勘ぐる必要はない。ウラでなにを言われていようがその人と一緒にいる時に自分が心地よければその心地よい時間を築き上げていくことに注力すればよい。その人の陰口を言う分人と自分と居るときの分人は別の人格を生きているのだから。そう言う風に考えることが出来る。
         ただ、分人の説明を頭で理解しても人を勘ぐらずに生きるなんてことは難しい。分人と言う考え方は理屈で解っているよりも皮膚感覚で体得されるべき概念だと思う。それこそ現代社会で人間は一つの個人という人格を持っているということが常識として納得されているのと同じレベルで理解される必要がある。

         一般常識的として理解される為には世間的な広まりが大事だ。オードリーの若林さんも平野さんの読者で色々なところで分人について語っている。人間の多面性をより深く知る物差しになっていくと思うので、分人という概念が世の中に広く理解されていけばいいなと思う。
        >> 続きを読む

        2019/01/07 by Nagatarock

      • コメント 2件
    • 他4人がレビュー登録、 12人が本棚登録しています
      ソロモンの偽証

      宮部みゆき

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.4
      いいね! naho-11
      • まず、これはとてつもなく長い話です。
        ついでにこのレビューもとてつもなく長いですが、ともかく、
        通常の小説のページ数×3冊分にも及ぶ大長編です。
        ところが、その長い長い話の根幹はただこれのみです。

        不登校の中学生が1人、学校敷地内で死んでいた。

        フィクションの話とはいえ、人の死をただこれのみ、と言ってしまう当方の感性も
        もう狂っているかもしれませんが、この大長編の入口はこの1文で十分なものです。
        しかし、昨今のニュースやネットで報じられる他人の死などというものは、この程度のものではないでしょうか?
        この大長編は、この他人には1文にしかならない事件の真実を関係者、この物語では中学生たち、が追求し、最終的に学校内裁判を行う過程と結果を描いたものです。

        杉村三郎シリーズにも共通しますが、こちらも宮部先生の作品【らしさ】が
        十二分に堪能できる物語です。

        宮部作品の大きな特徴は、きっかけとなる事象は我々のような他人にとっては
        「よくある」事故や事件に過ぎない点だと個人的には思っています。
        「誰か」では自転車による接触死亡事故から事が始まりました。
        今回は既に述べた1人の中学生の死です。

        どこかで見たことのあるニュースです。猟奇的であったり、センセーショナルな連続殺人というわけでもありません。この件を覚えているのはせいぜい2分程度でしょう。

        しかし、その死が身近で起こったとしたら?

        身近な人の死という事象によって引き起こされる周囲の人間の心の動き、行動、そこから引き起こされる別の悲劇…。将棋倒しのように巻き起こる様々な心の動きと行動を、これでもかと丁寧に丁寧に書いてくれるのが宮部先生の作品の醍醐味であると思います。
        そこには無駄な端役は一切存在せず、どんなに作中でクラス内で地味で存在感のない人間だと描写されていても、その人間にも個人の思考があり、その人物が行動することによって別の人物の行動や新たな事件に結びついていく…、非常にリアルです。
        全ての事象は幾人もの人間の心による行動の集合体だと、宮部作品を読むといつもしみじみと感じる事ですが、今作もまさにその事を十分に感じさせてくれるものでした。
        さらに凄いのは、死んだ当人自身が謎として最後まで土台として生きていることです。
        推理小説で言ったらトリックの部分がこの死んだ当人という事になるでしょうか、話の最初から死者なのですから、本人が一体どのような理由で死んだのか、そもそも彼とはどういう人間だったのか?何を考えていたのか?これが最後まで気になって気になって仕方ありませんでした。

        世の中でいえばよくある事、かもれませんが、当事者たちにとっては唯一無二な事件であり、自分は孤独だと思っていたとしても、周囲にはその死で動く人間達がいるのだと、そしてそれは片手で数えられる程度の人数ではなく、各人の心情の波は周りをどんどん浸食していくと、そういう話だと当方は感じました。
        だからこそのこのページ数だと、そう言えるのではないでしょうか。
        読むのに時間はかかりますが、読んで損は無い小説だと思います。
        >> 続きを読む

        2015/08/08 by 伯方塩

    • 他4人がレビュー登録、 23人が本棚登録しています
      禁断の魔術

      東野圭吾

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね! ooitee
      • ガリレオシリーズ第8弾。
        短編3つに中編1つという構成。

        透視能力やテレパシーなどの化学的考察。
        そして科学の兵器という大掛かりなものまで。

        第4話の「猛射つ」
        湯川と同じ母校の伸吾。
        その伸吾の姉が急死し、疑われたのは代議士の大賀。

        科学を崇拝しており、その過程で湯川と思いを共有するという役柄。
        科学的部分と、その扱われ方に対し問題定義を投げかける中身。

        湯川と草薙の関係性に変化が訪れる作品でもある。
        >> 続きを読む

        2018/11/27 by オーウェン

    • 他4人がレビュー登録、 31人が本棚登録しています
      MAKERS 21世紀の産業革命が始まる

      AndersonChris. , 関美和

      NHK出版
      カテゴリー:工業、工業経済
      4.2
      いいね!
      • この本はIoTの本そのものです。2012年に発行された時には、その言葉が世の中になかったのかもしれません。
        □ 極度に進化したテクノロジーは、マジックと見分けがつかない
        □ デジタル生産は、従来のものづくりであればコストのかかるものが、無料になる。
         1)多様性はフリーになる
         2)複雑さはフリーである
         3)柔軟性はフリーになる
        □ 革命を起こすのは、既存の体制外にいる人だ
        □ はじめに適正な価格を付けないと、商品を製造しつづけられなくなり、だれもが損をする
        □ オープンイノベーションの前提は、お返しをすること、つまりコミュニティが作ったすべてを共有することなのだ。
        □ 自分たちwお守るためにはのただ一つの盾は、生態系ということになる。
        □ クローン品を安く売るだけでも構わない。それは市場が判断してくれる
        □ 中国製クローン品の展開をうれしく受け止めた。
         1)ウィキnお中国語に翻訳されてより多くの人に読まれるようになったこと
         2)クローン品は成功の証しだ それを欲しがっている人がいるからこそ、クローン品が売られる
         3)競争は良いことだ
         4)クローン品が、そのうち本物のイノベーションと改善につながる
        □ 隠れたエネルギー「知力の余剰」
        □ 最先端のテクノロジーが出現するだけでnあく、それが民主化されることが本当の革命なのだ
        □ 人材のロングテール
        □ 最高のハードウェア企業と最高のソフトウェア企業の両方が必要になる
        □ 彼らは、所属意識や義務からではなく能力と必要性に従って離合集散する
        □ ウェブを利用したメイカーモデル
         1)オープンコミュニティ
         2)低価格サプライヤーを見つける
         3)生まれた瞬間からグローバル
        □ 工場のオートメーション化が進めば、製品の人件費の割合は下がる
        □ 自分たちがライバルに勝るものは何か
        □ もっとも安い労働力を見つけることだけが製造業の成功要因ではない
        □ クラウドファンディング
        □ 趣味を工業化することへの情熱がルーツだ
        □ 軽量イノベーション
         1)ネットワークに参加する
         2)問題解決者に報いる
         3)とことん開放する
         4)先手を打つ
        □ 頭のいいクリエイティブな人たちが、それこそごまんと存在するちっぽけなビジネスチャンスを発見し、そこでうまく儲けることになる
        □ 未来のメイカームーブメントは、ビジネスを築くことよりも自己の充足を求めるものになる
        エピローグ
        □ ほんの少量のニッチ商品を製造する新しい企業が数千社生まれるだろう。そうした企業の総和が、もの作りの世界を再形成することになるはずだ。
         ようこそ、モノのロングテールへ
        >> 続きを読む

        2016/05/21 by Minam

    • 他3人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです 村上春樹インタビュー集1997-2011

      村上春樹

      文藝春秋
      4.2
      いいね!
      • 村上春樹氏のインタビュー本。たまに見かける「村上作品解説本」よりも有益であろう。

        2018/07/19 by motti

    • 他3人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      あなたの人生を変える睡眠の法則 朝昼夕3つのことを心がければOK!

      菅原洋平

      自由国民社
      4.2
      いいね!
      • 一日のサイクルの中にちょっとした習慣を組み込んでみる。
        もともと実行していたことも、改めて「夜、ぐっすり眠るためにやっているんだ」という意識があるとやはり違うかも。
        作業療法士の方が書かれた本であり、やらされている感ではなく、自分がやっているという意識を持つことを説いている点が特徴的。

        室内で照明の光だけでは外の光に劣るということ、寝だめをしたときの解決法が特に印象的。
        寝だめした翌週の月曜は確かにしんどい…。

        睡眠の記録をつけるのも、自分の変化を見ることができて面白そう。

        >> 続きを読む

        2018/11/24 by ashita

    • 他3人がレビュー登録、 12人が本棚登録しています
      罪の余白

      芦沢 央

      3.3
      いいね!
      • 本屋で衝動買いしたのだが、意外と当たりだった。
        なぜだろう?すいすい読み進められた。先が気になって真夜中まで止まらなかった。

        読み終わってみれば、話が盛り上がり始めてから終わるまでがやや短い気もするけど、変に引き延ばすよりよっぽど良いだろう。
        内野聖陽さんで映画化していたらしいので、見てみたい。
        >> 続きを読む

        2018/12/03 by たい♣

    • 他2人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      デッドマン = DEAD MAN

      河合莞爾

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      2.7
      いいね!

      • 河合莞爾の第32回横溝正史ミステリ大賞受賞作「デッドマン」を読み終えました。

        東京で身体の一部が切り取られた死体が次々と発見され、鏑木率いる捜査班が事件を追うことになる。

        一方、とある病院(?)で目覚めた男は、医者に「あなたは複数の死体をつないで作られた」と教えられる。

        男は自分のことを"デッドマン"と称し、死体に残されていたと思われる曖昧な記憶を辿り、なすべきことを探り始めるのだった-------。

        この小説は、刑事の視点とデッドマンの視点の二つのパートから成り立つ作品で、刑事の視点における泥臭く情熱的な刑事ドラマと、デッドマンの視点における多数の死者のパーツからアゾートが作られ、意識を持ち動き回る島田荘司ばりの奇想とが、グイグイと牽引してくれる。

        真相に関する部分が社会派小説的でもあり、犯人をはじめとする関係者の過去が、哀しくも重い読後感を残してくれます。

        >> 続きを読む

        2018/12/16 by dreamer

    • 他2人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      つぶやきのクリーム = The cream of the notes

      森博嗣

      講談社
      3.7
      いいね!
      • とてもシンプルで人生の教訓となりそうな事が書かれている、にも関わらず、若干押しつけがましい文体が全体の印象をガッツリ盛り下げてしまうのがかなり残念。
        「私が正しい」と言う書き方ではない、もっと別の表現方法があったのかも。
        あくまで森氏の主観・・・と言う執筆者の姿勢をむしろ通してくれた方が、説得力が倍増したのではないかとも思う。

        説教がましさがかえって書籍全体の印象を悪化させてしまった、サンプルのような本。
        逆に自分がエッセイを書く時の、良き反面教師となってくれそうだけど(笑)。
        >> 続きを読む

        2015/10/09 by mikicafee

    • 他2人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      私を知らないで

      白河三兎

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね! karamomo
      • 内容紹介-------------------------------------------------------
        中2の夏の終わり、転校生の「僕」は不思議な少女と出会った。誰よりも美しい彼女は、なぜか「キヨコ」と呼ばれてクラス中から無視されている。「僕」はキヨコの存在が気になり、あとを尾行するが…。少年時代のひたむきな想いと、ままならない「僕」の現在。そして、向日葵のように強くしなやかな少女が、心に抱えた秘密とは―。メフィスト賞受賞の著者による書き下ろし。心に刺さる、青春の物語。
        ---------------------------------------------------------------

        この小説に書かれているのは何か?
        家族か、恋愛か、青春?
        成長、共感、嫉妬、孤独、愛情、友情、希望、絶望?
        全部だ。

        20の章に細かく分けられた物語は、その一つ一つが起承転結の立ったエピソードで成っており、メッセージ性もある。
        エピソード同士は深くかかわって、ある出来事の伏線になって、読者に先を読ませない展開を生む。
        これは白川三兎の作品に共通する構成力だ。

        しかし構成力ばかりほめても仕方がない。
        ストーリーが面白い。
        クラスから無視されているキヨコと、転校生のシンペーの交流。
        こういうあらすじで端的に伝えるのが難しいほどいろいろ起こる。

        キヨコの抱える秘密には途中で気づいてしまうかもしれないが、いつ訪れるかもしれない「その時」にハラハラしながら読み進めることになる。
        秘密に気付かなかった場合は、エピソードの落差に驚愕することだろう。
        山があって谷があって、とにかく揺さぶられる。

        それほどのめりこんでしまうくらい、印象的なシーンが多い。
        とはいえ、やはりピークは魔女の宅急便を真似るところだろう。
        ツンツンしたキヨコがとあんなかわいい一面を見せてくれるとは。

        それが影響するラストもいい。
        普通の生活のために感情を抑える。
        切ないとしか言いようがない。
        いやあやはりラストだね一番は。

        本当に物語が作りこまれていて、ご都合主義に見えるところもちゃんと理由付けがなされている。

        たとえば、ラストに向けてはシンペーの生い立ちやアヤの功績が影響している。
        アヤはシンペーと別れても、彼に後押しされたことを支えにして頑張ったんだろうな。
        とすると、シンペーが親を後押ししたともいえる。

        いじめ問題の解決にしても、ミータンはもともと友達思いのやつなのだ。
        金原瑞人の解説にもあるが、「登場人物たちの多くが、見たままではなく、本人が思っているままでもない」のだ。
        キヨコにも原因はあったし、暴行を加えたわけでもない。
        比較的受け入れやすい解決ではないか。

        キヨコのシンペーと高野に対する態度には終始悶々とさせられたが、ラストに影響してくるとは。
        恋とはやはりままならないものだと思った。

        振り回されるのが醍醐味の一つだから、あまり細かく書けないのが歯がゆい。
        面白い小説に限ってうまく言葉で表せない自分の文章力も悔しい。
        でもたくさんの人に読んでほしい小説だ。
        >> 続きを読む

        2017/06/15 by ともひろ

    • 他2人がレビュー登録、 14人が本棚登録しています
      式の前日

      穂積

      小学館
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      3.0
      いいね! oriedesi
      • 短編集。
        どのお話もじんわり沁みた。

        『それはただ、
        かけがえのない二人で、
        あるために。』

        と、帯に書かれていた。


        人は ひとりでは 生きていけない。
        何だか そう思わされた。
        >> 続きを読む

        2015/06/13 by こたろう

      • コメント 2件
    • 他2人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      ソロモンの偽証

      宮部みゆき

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね!
      •  第Ⅱ部では、新たな事実も明確になり、涼子たちの心情も少しずつ変化し、絆が深まってゆく様に、読者も励まされます。これからも山あり谷ありの展開で、大変だと思いますが、頑張って読み進めたいと思います。

         宮部みゆきさんは、読者に好かれる人、嫌われる人を描き分けるのが上手いですよね。そして物語りが進むにつれて、好きだったはずの人に共感できない部分がでてきたり、嫌いだったはずの人に同情してしまう部分がでてきたりして、読者の気持ちをかき乱してくれるのです。

         涼子の独白から、彼女は自分自身の中に好きになれない部分があることを把握していますよね。そしてそれをなおざりにせず、白日のもとに引きずり出し、明確にしたいと考えているようです。その試みが達成された時、彼女は私達の前に、清々しい表情で現れてくれるのではないかと思います。

         一方で、決意から登場する神原和彦は、少しずつ馴染んでゆく部分と謎を深める部分を持っている少年だ。

         あくまで設定は、1990年代の日本のはずなのに、城東第三中学校という閉ざされた世界で、健気に真相を追い求める賢くて忍耐強い少年少女達の姿は、まるで『ホグワーツ魔法魔術学校』を舞台に、悪と闘うハリー達のようだ。
        >> 続きを読む

        2014/10/03 by カカポ

      • コメント 4件
    • 他2人がレビュー登録、 22人が本棚登録しています
      犬とハモニカ

      江國香織

      新潮社
      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね! Tukiwami momomeiai

      • 江國香織の第38回川端康成文学賞受賞作「犬とハモニカ」を読み終えました。

        ひとは孤独だ。恋愛にセックス、食べることに旅すること、スポーツに芸術に音楽、その他にもたくさん、もともとは生きてゆくために必要だった営みを、人類は何万年もかけて洗練させてきた。

        それらに夢中になることで、孤独をまぎらし、人生は素晴らしいと思い、私たちは生きている。

        けれども、満たされた瞬間を狙いすまし、孤独は滑り込んでくる。
        その瞬間を、手つきが見えないほど繊細に、そして、ためらいなく大胆にとらえるのが、作家・江國香織の短篇小説だと思っています。

        主人公たちは、くっきりとした輪郭に、肌のぬくもりと息づかいを感じさせ、彼や彼女のつぶやきは、読んでいる私からこぼれ落ちたもののようだ。

        不倫相手から別れを告げられたばかりの男性も、ひとりの男に溺れ、性の交わりを繰り返す女性も、公園の芝生の上で、一見むつまじくピクニックをする新婚夫婦も、それぞれ声にならない孤独を抱えている。

        男との情事にどこか倦んだ主人公が、晩夏の夕暮れ、ひとり買い物に出る。
        路上にたたずむ女の子とすれ違う瞬間、女の子にかつての自分を見い出し、世界の中で自分が変わらず一人だと悟る。

        胸のつまるほど美しいこの光景を見ているのは、主人公なのか、私なのか?
        小説を読むことの不思議、悦びとはこのことだと素直に思う。

        小説とは、孤独をまぎらす気晴らしではない。
        孤独を味わい、愛おしむものとして、江國香織の短篇小説はあるのだと思う。

        >> 続きを読む

        2019/01/19 by dreamer

    • 他2人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      間抜けの構造

      ビートたけし

      新潮社
      3.7
      いいね!
      • 映画にかんする部分が読めてよかった。どう北野監督が考えているのか。興味深かったです。 >> 続きを読む

        2018/08/13 by motti

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      この空のまもり

      芝村裕吏

      早川書房
      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね! oasamaru
      • 強化現実技術により
        世界中のあらゆる場所と人に
        電子タグをはりつけられる時代。
        強化現実眼鏡を通して見た日本は、
        近隣諸外国民の政治的落書きで満ちていた。
        現実政府の対応に不満を持つネット民は
        架空政府を設立
        ニートの田中翼は架空防衛軍10万人を指揮する
        架空防衛大臣となった。
        就職を迫る幼なじみの七海を
        気にしつつも遂に迎えた清掃作戦は
        リアル世界をも揺るがして・・・

        まぁ、愛国ときくとまずは

        『銀河英雄伝説』のヤンの言葉

        「人間の行為のなかで、何がもっとも卑劣で恥知らずか。それは、権力を持った人間、権力に媚を売る人間が
        安全な場所に隠れて戦争を賛美し、
        他人には愛国心や犠牲精神を強制して戦場へ送り出すことです」や

        『愛國戰隊大日本』が浮かんだりする人間が書くことではないのですが(笑)

        『マージナル・オペレーション』の著者の作品です。
        特にこの台詞がぐっときます。

        「とはいえ、戦ってねじ伏せるだけが方法ではないはずだ。
        同じ地区の住民同士、いがみ合わなくてもこの国を良くすることはできる。
        誰かを追い出したりしないでも国を守ることは出来る。
        この国を貶めなくないでも上に行く方法はいくらでもある。
        愛国心は・・・・・・誰かを傷つけなくても存在を証明出来る。
        他人を傷つけることが愛国心だと思っている
        哀れな(略)に教えてやろう。
        そうではないと。
        真なる日本とやらは、折り目正しく助け合う秩序だった
        いつもの我々であることを」

        甘いと言われるかもしれません。
        ただ、自分たちもそうでありたいと

        ただ、自分ぐらいの年齢の人間になると
        多少なりとも政治家、もしくは政治屋ともいえるような人間と接触する機会が増え
        その人たちの中身が幾重にも覆われている
        そして、他人よりも良くも悪くも自己顕示欲が強く
        行動力もあります。

        そんな人たちの心の奥底にある
        シンプルな動機にこういったものが
        あること、そして、それがきちんと再度目覚めてくれることを願ってやみません。

        表紙の可愛らしさとは裏腹に
        別にSFとしてもよく出来ていて
        日本の未来(人口減少からはじまり)をリアルに
        描いていることも 好感がもてます。
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        2013/06/22 by きみやす

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      PRIDE

      石田衣良

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      3.2
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      • シリーズはずっと読んでいますが
        これだけ長く続くといつもどこまで読んだか分からなくなってしまいます。。

        これも途中で「読んだかも…?」となりましたが
        覚えのあるものとないものが。

        このシリーズは時代に沿って題材が選ばれているので
        飽きることなく読めるのだと思います。

        近作もサクサク読めました。
        >> 続きを読む

        2014/11/15 by MUSICA

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      はぶらし

      近藤史恵

      幻冬舎
      カテゴリー:小説、物語
      3.2
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      •  深夜12時過ぎ、鈴音の携帯に表示された見知らぬ番号の主は、高校の合唱部で3年一緒に過ごした水絵だった。ファミレスで再開した水絵は子連れで、離婚してリストラに遭ったことを打ち明け、1週間だけ泊めて欲しいと泣きつく。鈴音は戸惑いながらも受け入れたのだが…

         物語は、鈴音の生活圏という狭い範囲で進み、主な登場人物は、鈴音と水絵、7歳の耕太に過ぎないのだが、その展開は『サクリファイス・シリーズ』のようなスピード感があり、ついつい文字を読み飛ばしてしまう程、先を急いでしまう。

         追込まれているとは言え、自分の論理でずうずうしい要求を突きつける水絵の態度が不快であると共に、結局、真摯に対応してしまう鈴音が、まるで自分のことのようにもどかしく心が揺さぶられる。

         あり得ないと思う反面、近藤史恵さんご自身が似たような経験をしたのではないかと思う程のリアリティもあるので、読者も鈴音と共に、水絵の要求に対する対応を考えてしまうのではないだろうか。
        >> 続きを読む

        2014/10/19 by カカポ

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出版年月 - 2012年9月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

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