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2013年3月発行の書籍

人気の作品

      色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 = Colorless Tsukuru Tazaki and His Years of Pilgrimage

      村上春樹

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      3.6
      いいね! double kawahara momomeiai Luna
      • 発売された当時、直ぐに買って読みましたが今は大まかな内容しか思い出せなくてまた読んで見ました。表題にある「巡礼の年」は「フランツ・リスト」の「ル・マル・デュ・ペイ」の曲集の第一年、スイスの巻からきてるらしいです。村上春樹は大方音楽と関係がある作品を書きますね。途中でも色々音楽のタイトルが出て来て読んでる方もニヤリとします。内容はある日突然親友達から意味もなく拒否され自殺まで考え、そして一人づつ逢い何故そうなったか真相を探る物語ですが、実際に私のこれまでの人生でも急に連絡が取れなくなった友人がいます。人それぞれの人生ですから仕方ないと思います。読んでいてその事と話しがだぶり少し切なくなりました。そして主人公の「つくる」頑張れ、負けるなと応援したくなります。 >> 続きを読む

        2020/03/01 by rock-man

    • 他22人がレビュー登録、 79人が本棚登録しています
      昨夜のカレー、明日のパン

      木皿泉

      河出書房新社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • ユニット脚本家?

        「すいか」「野ブタ。をプロデュース」「Q10」などのドラマが熱く支持されている、夫婦によるユニット脚本家「木皿泉」さん。「さん」付けするべきか否か(´Д`;)ユニット名なんですもんね?
        へぇ。ドラマはほとんど見ないので人気脚本家といわれてもピンとこないけど普通に「小説」と思って読んでるうちにハマったゎーコレ。
        魅力は、ひとことでいって...
        "ユーモラスで哀しい"
        ところ。
        ほかのも読んでみたくなりました!

        (amazon解説)
        悲しいのに、幸せな気持ちにもなれるのだ―。7年前、25才という若さであっけなく亡くなってしまった一樹。結婚からたった2年で遺されてしまった嫁テツコと、一緒に暮らし続ける一樹の父・ギフは、まわりの人々とともにゆるゆると彼の死を受け入れていく。なにげない日々の中にちりばめられた、「コトバ」の力がじんわり心にしみてくる人気脚本家がはじめて綴った連作長編小説。
        >> 続きを読む

        2018/11/04 by motti

    • 他14人がレビュー登録、 45人が本棚登録しています
      バイバイ、ブラックバード

      伊坂幸太郎

      双葉社
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • 星野は別れを告げるため現在の彼女と共に、相手の所へ向かう。
        それは自身が5股をしていた彼女たち。

        どう考えてもあり得なさそうな状況だが、思わず笑える描写で伊坂さん節が炸裂。
        紅葉狩りに違和感だとか、ジーンハックマンがきっかけという変てこさ。

        また結婚予定の彼女という繭美の、大柄で思ったことは口に出さないでおけない性格が大いに賑やかに。

        バスに乗っていくという部分がファンタジーの様相を醸し出し、辞書の件でラストはニヤリとした。
        >> 続きを読む

        2019/11/23 by オーウェン

      • コメント 1件
    • 他9人がレビュー登録、 58人が本棚登録しています
      隻眼の少女

      麻耶雄嵩

      文藝春秋
      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね! Tukiwami ooitee
      • 栖苅村を訪れた静馬は、首を刈られ殺された犯人と間違われる。
        そこへ左目が義眼の少女みかげと出会い、静馬への疑いを晴らす。
        一人前の探偵となるため、みかげは事件解決に尽力する。

        随分とオーソドックスな探偵ものに見た目は写る。
        しかし作者は麻耶さんなので油断は禁物。
        この事件の解決にある先、再び18年後に同じ惨劇の幕が上がるという二段構成。

        なぜ同じ事件が起こるのかや、真犯人の強烈な自我による動機。
        そしてアリバイや、なぜ一族の人間が殺されていったかの理由付けも論理的に組み立てられている。

        多分麻耶さんとしては異色な方面になるのだろうが、謎解きとしてはオーソドックスな推理が非常に楽しめた。
        >> 続きを読む

        2019/07/09 by オーウェン

    • 他5人がレビュー登録、 13人が本棚登録しています
      夢幻花

      東野圭吾

      PHP研究所
      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね!
      • 梨乃の祖父が殺害された。
        そして現場から1つの鉢植えが消えていた。それは新種の黄色いアサガオであり、その捜査に絡んで多くの人物が関わって来る。

        多くの人物が出るが、ちょっとした関りから繋がりが生まれていく。

        特に蒼太の複雑な家庭事情を事件の過程で乗り越えていく部分。
        一方パートナーになる梨乃も過去の夢破れて傷心しているところで、事件を追っていく。

        事件そのものだったり犯人はある程度予想できるが、描きたいのは2人の過去への脱却である。
        東野作品でこんなに爽やかな後味は中々ないかも。
        >> 続きを読む

        2020/02/07 by オーウェン

    • 他5人がレビュー登録、 32人が本棚登録しています
      珈琲店タレーランの事件簿

      岡崎琢磨

      宝島社
      カテゴリー:小説、物語
      3.3
      いいね!
      • 再読。

        ここまで覚えていないとは思っていなかったので、前回がどれだけおざなりに読んでいたのかと苦笑いが読み終わってこみ上げてきましたが^^;

        まあ、初読のときのような感覚で終始読めたのは逆によかったのかな?と思いました。

        内容は、やっぱりスッキリしない感じで、全体的に中途半端な印象を受けました。まだ、2巻なのでそこまで恋路も進展はしないのでしょうが、どっちつかずな2人を見ていてかなり焦れったくなりますね。
        美星バリスタより妹の美空とのほうがうまくいくのではないか・・とちょっぴり不安になったり💦💦

        謎の方も大きな事件から小さな日常の謎までバラエティには富んでおりますが、如何せんスッキリしない展開なので、じりじりと読む気力を奪っていかれるような、変な感じもしましたね。

        3巻も近々再読する予定なので、このスッキリしない感じを払拭してもらえればなぁと願ってレビューを締めさせて頂きたいと思いますm(_ _)m
        >> 続きを読む

        2020/09/23 by 澄美空

    • 他5人がレビュー登録、 21人が本棚登録しています
      憤死

      綿矢りさ

      河出書房新社
      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね!
      • 4編とも全部、趣向は違ったけれど、不思議な話。

        特に『トイレの懺悔室』は怖すぎる。
        主人公が大人になって同級生に誘われて「おやじさん」に会いに親父さんの家に行くところからが、もう心がザワついて気持ち悪かった! >> 続きを読む

        2017/07/04 by taiaka45

    • 他4人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      書店ガール

      碧野圭

      PHP研究所
      カテゴリー:小説、物語
      4.4
      いいね!
      • 1回目の感想。2015.10.20
        「販売」という職業は自分の売る商品に何らかのこだわりを持っていないと成り立たないと思う。自分は本屋に勤めたことはないが、本屋の店員の仕事ぶりがどういう物か解り易く書いてある文章が読んでいて面白いし、販売の仕事をしていた(アニメの映像・音楽商品やゲームを売ってました)頃の苦労を思い出した。「働いていて楽しくなければこの仕事はやっていけない」販売職の働く理由はこの一言に尽きると思う。この2冊目にはそういう苦労が思い起こされる点で非常に良かった。この続きも読んでいきたいと思う。

        2回目の感想。2017.8.7
        再読2回目。小説だからと思うけれど、この物語の人達は悩みながらも書店で働くということに誇りを持っているんだなという点が非常に印象的。読んでいる自分が単純な性格なのかもしれないが、理子店長が、吉祥寺中の本屋やテナントの店舗をまとめて合同フェアをやるシーンはジーンとくる。こんないい仕事をする人なのに、良い男性には中々巡り合えないのは何だかなあと思う。3も引き続き読んでいきたい。
        >> 続きを読む

        2017/08/07 by おにけん

    • 他4人がレビュー登録、 13人が本棚登録しています
      ボックス!

      百田尚樹

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね! chun
      • 最近問題行動も色々ある百田さんだけどこの小説は面白すぎ。登場人物の個性が生き生きして魅力的。特に優紀と鏑矢の正反対で引き合ってる関係に引き込まれてしまう。ボクシングが分からなくても読んでるうちに分かった気になる。百田さんの読者を引っ張る力量には感心してしまうくらい。後半早く読みたい。
        >> 続きを読む

        2018/05/16 by miko

    • 他3人がレビュー登録、 23人が本棚登録しています
      ボックス!

      百田尚樹

      講談社
      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 後半も面白くて一気に読んだ。帰省してた娘に映画化されてたことを聞いて配役を聞いたら、優紀が高良健吾で鏑矢が市原 隼人なんてナイスな配役だと思う。
        >> 続きを読む

        2018/05/16 by miko

    • 他3人がレビュー登録、 19人が本棚登録しています
      自分を愛する力

      乙武洋匡

      講談社
      カテゴリー:個人伝記
      4.2
      いいね!
      • こんな時期にレビューを載せるのは意地が悪いかな?
        個人的には、氏のプライベートについては、別にどうでもいいと思っている。障害があるからといって模範的でなければいけないというのも変でしょ。傷つけた人がいるのなら、社会ではなく、その人に対して誠意を示せばいいだけの話(そもそも報道もどこまでホントなんだか)。ただ、この本で書いた主張はなかったことにはならんよね。読んで感動した立場としては、ぜひとも貫いてほしい。「いい人を辞めても、いい生き方はできる」という見本を示すには今が絶好の機会。お手並み拝見といたしましょう。 >> 続きを読む

        2017/08/12 by かんぞ~

    • 他3人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      野心のすすめ

      林真理子

      講談社
      4.0
      いいね!
      • 高校生のころ、林真理子さん大好きで、よく読んでいました。
        大人になって、なんとなく読まなくなってしまいましたが、久しぶりに手に取ったこの本は、やはり面白く、林文体?とでもいう気持ちよさがありました。

        もっともこの本でも書いているように、「野心」の量は人それぞれですし、あとは、何に対する野心か、ということもあるので、林さんとは価値観が違うなぁと思うところもありました。例えば「ハードルが低い結婚相手=佐川急便の男の子」のように読み取れる部分がありますが、佐川急便の配達員のどこが悪いのか、わたしにはよくわかりませんでした。
        同じように「安らげる人」「一緒にいて楽な人」もハードルが低い例に挙げられていますが、わたしからみればそれらの条件はとても優先度が高く思います・・・なんて言うと、

        >いま、「低め安定」の人々がいくらなんでも多すぎるのではないでしょうか。

        と、真理子さんに叱られてしまうのかもしれませんね。

        でも、そんなふうに価値観が違うなあと思いつつも、真理子さん自身の苦労や努力、バッシングのことなどを買い荒れた部分は面白くて、どんどん読み進めてしまいました。やはり筆力がある、プロの物書きなのですね。久々に真理子さんの小説も読んでみたくなりました。
        >> 続きを読む

        2016/12/11 by みやま

      • コメント 2件
    • 他3人がレビュー登録、 16人が本棚登録しています
      おれのおばさん

      佐川光晴

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 父親が逮捕され、おばが営む児童養護施設にあずけられた男子中学生の青春ものがたり。豪快なおばさんやまわりの仲間に支えられて順調に過ごしていく。安心して読み進められた。 >> 続きを読む

        2019/08/03 by 和田久生

    • 他3人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      ジヴェルニーの食卓 = Une table de Giverny

      原田マハ

      集英社
      カテゴリー:小説、物語
      4.6
      いいね!
      • 4編の短編集。
        マティスのマグノリア、ドガの踊り子、セザンヌのりんご、モネの睡蓮について。
        それぞれの画家の近親者の女性視点になっている。

        自然に各々の人物、絵画/彫像に興味が出てネットで調べた。
        学校の勉強もこうなるのが理想だと思う。先に学ぶ対象への興味を掻き立てたら自然に学ぶ。
        ちなみに「モネ 舟遊び」で画像検索すると4話目の主人公ブランシュに会えたりできて楽しい。


        4話目のモネのシチュエーションは不思議。
        世話になったパトロンが破産して妻と6人の子どもと共にモネの住まいに転がり込んでくる。
        パトロンは家族を残して逃げるようにベルギーへ。
        モネの妻は若くして亡くなる。
        モネとその子ども2人と、パトロンの奥さんとその子ども6人での生活がつづく。

        その数年後に子ども同士も仲良く暮らしていた所へ別離の危機が迫る!
        泣いちゃうよそんなの!

        ちなみに後年モネとパトロンの妻は夫婦になり、
        モネの長男とパトロンの次女も夫婦になる。
        お話の主人公はパトロンの次女。

        芸術とか印象派とかちょっとどうでもいい気持ちでページめくってたかも。
        >> 続きを読む

        2018/09/11 by W_W

    • 他3人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      想像ラジオ

      いとうせいこう

      河出書房新社
      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね! azumijikan
      • 大震災に関わる話だけどラジオ風なのでそこまで重くない。
        でもじわっとくる。

        日本は一神教よりは八百万の神々って感じがとてもする。
        なんというか、「無念」の数が膨大な場合にその感情や心がまったく完全にすぐさま無になるって感覚がなんとなく信じられない気持ちとか。
        というか生きてる人間の感情がそれで済まないというか。

        最後の方の複数のリスナーの声がわーっと入って来るの盛り上がる!
        >> 続きを読む

        2018/02/08 by W_W

    • 他3人がレビュー登録、 19人が本棚登録しています
      俺のイタリアン俺のフレンチ ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方

      坂本孝

      商業界
      カテゴリー:商業経営、商店
      3.5
      いいね!
      • 他との差別化が大事。
        他にはない圧倒的優位性を考える。

        飲食店で原価率を上げ回転率を3倍にする!
        を圧倒的な優位性として出店。
        しかも、出店地区は銀座に絞る。

        飲食店に限らず、
        圧倒的優位性を考えるヒントとなる本です。
        >> 続きを読む

        2018/01/31 by みんみん

    • 他3人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      今やる人になる40の習慣

      林修

      宝島社
      カテゴリー:人生訓、教訓
      3.8
      いいね!
      • 40項目全てに共感できる。
        「いつも何をするのかイメージする」
        という、習慣が基本だと感じた。

        著者が何度も語るのは、
        「自分の記録魔になること」
        反省から、学ぶ。
        自分自身を客観的に見つめられるかどうか?

        予備校カリスマ講師ともあり、さすがと思わせる展開。
        説教臭くなく、語りかけるように、やれそうな気分にさせる。

        名言を織り交ぜながら、行動の指針となるものは、
        「いつの時代も変わることがない人間としての道」を気づかせる。

        「人をアイして、ウンを逃さず、エンを尊び、オンを忘れず」
        小さな習慣を行っていけば、自分を変えることができるはずだ。
        >> 続きを読む

        2014/09/06 by てるゆき!

      • コメント 1件
    • 他3人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      魔女の宅急便

      角野栄子

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      4.7
      いいね! Moffy
      • 一人の少女(と一匹の猫)が親もとを離れ、見知らぬ町に行き、自分が得意なことで人々の役に立ち、おすそわけを貰いながら生活する。
        言うのは簡単だが、実際やったらとても大変なことなんだろう。

        以前も読んだ本だが、間に合わせ屋さんと腹巻きの話が好き。

        キキが色んな人と出会うことでちょっとずつ成長していく姿は心打たれるものがある。自分もキキみたいに悩んで悩んで、失敗して、それでも一生懸命頑張って人の役に立つようになれるだろうか
        >> 続きを読む

        2017/09/01 by 豚の確認

    • 他2人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      ノックス・マシン = Knox's Machine

      法月綸太郎

      角川グループパブリッシング
      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • 【本格推理小説fanなら大好物!】
         私は、推理小説、それも、「本格物」、「パズラー」などと呼ばれる作品が大好きです。
         私と同じ趣味をお持ちの方なら、この本は終始にやにやしっぱなしで大変楽しめるはずです。
         本書には、4編の短編が収められていますが、どれもすこぶる機知に富んだ楽しい作品です。

        ○ ノックス・マシン
         「ノックスの十戒」と呼ばれる、ロナルド・ノックスが作った「本格推理小説の掟」とでもいうべきものがあります。
         「ノックスの十戒」5番目に何とも不思議な掟が定められているのです。
         それは、「探偵小説には、中国人を登場させてはならない。」というものでした。
         何で中国人を出してはいけないのだ?
         本作は、この「ノックスの十戒」をネタに、タイムトラベルを絡めたSF仕立てになっています。
         どうしてノックスがこのおかしな掟を定めたのかがユーモラスに謎解きされていますよ。

        ○ 引き立て探偵倶楽部の陰謀
         古典推理小説には、探偵の名相棒が登場しました。
         ホームズのワトソン、ホアロのヘイスティング大尉などなど。
         本作は、このような名脇役達だけで結成された「引き立て探偵倶楽部」なる組織が舞台となります。
         今回俎上に上げられるのは、クリスティの名作「そして誰もいなくなった」です。
         引き立て探偵倶楽部の会員であるヴァン・ダイン(フィロ・ヴァンス物の作者であり物語の語り手でもあります)が、「そして誰もいなくなった」などという作品が発表されることは推理小説の滅亡であると厳しく糾弾し、会長のワトソンもこれに同調して緊急会議が開かれることになったのです。
         そもそも、ヴァン・ダインの故国アメリカでも、名脇役などは必ずしも必要ないとする作風が流行りだしており(一匹狼のハード・ボイルド物なんてその典型ですよね)、しかも、ヴァン・ダインも、「ノックスの十戒」同様の「ヴァン・ダインの20則」(これも前記レビューでご紹介しています)を発表しており、フェアな推理小説を強く主張していたため、脇役は出てこないわ、余りにも斬新なトリックを使ってるわの「そして誰もいなくなった」など到底認められないと主張するのです。
         クリスティに出版取りやめを求め、それが聞き入れられなければクリスティを暗殺すべしとの過激な主張が唱えられます。
         さて、クリスティが産んだヘイスティング大尉(彼も引き立て探偵倶楽部の会員です)は、生みの親のクリスティを守ることができるのか?
         現実に起きたクリスティ失踪事件も絡めてのにやにや物も作品です。

        ○ バベルの牢獄
         SFです。
         人類とサイクロプス人は敵対関係にあり、人類はサイクロプス人の精神攻撃に手も足も出ませんでした。
         ところが、ある時ブレイクスルーが起き、精神攻撃に対する手段として、人類は自己の鏡像人格を生み出すことに成功したのですね。
         これは、いわば左右の手のようなものです。
         左右の手を合わせてみてください。親指は親指に、小指は小指に重なりますよね。
         でも、今度は左手の甲の上に右手を置いてみてください。
         こうすると、左手の親指の上には右手の小指が来て指が合致しなくなりますね。
         サイクロプス人は一つ目であるため、このような立体処理が理解できないのだというのです。
         そこで、サイクロプス人の精神攻撃に対する手段として、この様に鏡像人格と本来の人格を交互に入れ替えることによって防御しようという作戦なのですね(分かったような分からないような……)。
         ところが、常時シンクロしているはずの鏡像人格との同期がいきなり断絶してしまったのです。
         これは一体どうしたことだ?
         この罠から逃れるためにはどうすれば良いんだ?
         断続的に交信される鏡像人格との思念による通信から、ついにこの状態からの脱出方法を見出す主人公。
         鏡文字を上手に使った、また、本自体を使った作品です。
         さて、本作中に示されている脱出方法ですが、それは実際にあなたが読んでいるその本でもちゃんと実現されているのですよ。

        ○ 論理蒸発-ノックス・マシン2
         すべての書籍がデータ化され、ネットワーク上で管理されている未来社会が舞台です。
         最初に収録されている「ノックス・マシン」の続編でもあります。
         ある時、ネットワーク上の書籍が炎上し始めるという事件が勃発します。
         まさに、ブラッドベリの「華氏451度」の世界がネットワーク上で起きてしまうのです。
         火は飛び火し、データ化された書籍が次々と灰になっていきます。
         何とか阻止しなければ。
         火もとはどうやらエラリー・クィーンの「国名シリーズ」の中の一作、「シャム双生児の秘密」らしいのです。
         クィーンの「国名シリーズ」は、すべての情報は読者に与えられたとして、物語の途中に「読者への挑戦」が挟まれていることで有名なシリーズです。さあ、犯人を当ててみたまえというわけですね。
         ところが、「国名シリーズ」であるにもかかわらず、「シャム双生児の秘密」にだけは、この「読者への挑戦」が挿入されていないんですね~。
         全く、良いところに眼をつけました。
         これも「本格推理小説fan」ならにやにやものです。

         というわけで、私は大変面白く読ませて頂きました。
         同好の士には絶対の自信を持ってお勧めしちゃいます(ただし、ハードSF苦手という方は除く)。
         
         それでは、最後に私の推理が間違っていたことをご披露してこのレビューを締めることにしましょう。
         著者の作品を読むのはこれが初めてでした。
         ええ、もちろん、著者のお名前は存じ上げておりましたよ。
         法月綸太郎。
         私は、このペンネームは、当然、小栗虫太郎の「黒死館殺人事件」に登場する、ウルトラ・ペダンティックな名探偵、「法水麟太郎」から取ったものと推理して全く疑いませんでした。
         ですが、この度、レビューを書くに当たり確かめてみたところ……間違っておりました。
         ペンネームの由来は、「鳴門秘帳」に登場する隠密の「法月弦之丞」から取られたんですって。
         参りました m(_ _)m
        >> 続きを読む

        2019/03/31 by ef177

    • 他2人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      亜人

      桜井画門

      講談社
      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
      いいね!
      • 亜人、それは新たなる人種。

        幽霊のように見えて死神のような凶々しさはなく、鬼や魔物、怪物でもなければ、SF映画における宇宙人や捕食者でもない。

        はたまた、魔術師なのか?魔導士なのか?これは一体どういう存在なのか私たちは知らない。

        強いて挙げるとすれば、表では光の世界に生き、影の者を操る人間の化け皮を被った者に喩えて"死霊魔術を行う者"といった別世界に存在する者に従える召使いのような立場、それが亜人なのかも知れない。

        また、幾度も死を彷徨いながらも蘇える非常に高い生命力と力強い戦闘力を誇る堕天使のようなものである。
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        2016/04/24 by covaxhi

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