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貴志祐介
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貴志祐介の「雀蜂」は、贅沢な一冊だ。頁数は僅かに二百三十頁あまりだが、そこに実に多くのアイディアが詰まっている。しかも、それらは全て磨き抜かれた、密度の高いものばかり。それ故に、この短い一冊は圧倒的な存在感を放つ。物語は、悪夢めいたイントロに続き、一人の男が意識を取り戻す場面で始まる。雪に閉ざされた山荘で目覚めた彼を、雀蜂が襲う。助けを呼ぼうにも、連絡手段は徹底的に破壊されていた。これは彼を死に至らせようという罠なのか?ならば犯人は誰だ? あの女か?-------。雀蜂の群れと一人の男という対立の構図が、読む者を強烈に刺激する。その毒性、その数。実にスリリングだ。そして、さらに変容する。結末で現われる真実のなんと歪んでいることか。大長篇を得意とする著者ならではの、凝縮されたサスペンスを満喫できる一冊だ。 >> 続きを読む
2020/06/01 by dreamer
東野圭吾
加賀恭一郎シリーズ最終作。加賀の父親については描かれていたが、1作目で10歳の時に蒸発したままだった母親の行方が明かされる。その所在が東京での殺人事件に関わっていき、加賀は否応なく事件に関わることになる。時節柄か、原発の話題も取り入れて訴えるのは人の繋がり。加賀は母親との繋がり。そしてもう一方は父とのわずかな時間の邂逅。ラストは加賀が新たに一歩を踏み出そうとする姿を記して完結へ。 >> 続きを読む
2018/10/09 by オーウェン
伊坂幸太郎
グラスホッパーは読んだが、読もうと思っていて、何だか読んでない作品。文学Youtuberベルと水野敬也(夢を叶える象)の対談で絶賛していたので購入。殺し屋シリーズ。舞台は東北新幹線の東京→盛岡間の2時間半の話である。殺し屋さんのオンパレードでスピード感があります。感想は久々の満点評価、600ページ近い長編ですが、休日まるまる潰しても満足感たっぷりです。登場人物も個性的で、映像化しても可笑しくない、この後、グラスホッパーのDVD借りるのとAXを購入するのは決まりです。 >> 続きを読む
2020/08/01 by わくさん
有川浩
サイコメトリーの能力を持った主人公が、会社の同僚のために奮闘するというあらすじ。内容と関係が無い感想だが、作家の方が色々な感情を持ち合わせていてその感情から話の世界観に遭った登場人物を作り、動かしていくという作業が必要な点に非常に興味をひかれた。編集者はその世界に沿って(世界観に浸かる必要があると思うが)アドバイスをしていく。これも大変な作業だなと思った。どちらも人の心の機微に聡い人でないと出来ないと思う。自分には出来ないな。劇団版の舞台は見たが、パラレルに話が近かったかな。今度見返してみようと思う。 >> 続きを読む
2017/05/26 by おにけん
小林泰三
優れた謎解き小説は、時に底意地の悪い面を見せるものだ。小林泰三の「アリス殺し」は、その良い例だ。大学院生の栗栖川亜理は、奇妙な夢に悩んでいた。ビルという名の喋る蜥蜴や、頭のおかしな帽子屋などが暮らす「不思議の国」を、アリスという少女がさまよっているという夢だ。その夢でハンプティ・ダンプティが墜落死する事件が発生する。夢を見た後に、亜理が大学に向かうと、玉子と綽名される研究員が、屋上から転落して死亡するという事件が起きていた。その後も、亜理の見る夢と呼応するように、大学関係者の怪死が続くのだった-------。この作品は、ルイス・キャロルの名作童話"アリス二部作"をモチーフにした、特殊な設定での謎解きを描くミステリだ。この作品では、二つの世界で起きる死が、互いに影響し合うという原則がある。異なる世界同士の相関関係を解いた上で、それぞれの犯人を探し出さねばならないという、二重の謎解きに、読み手は挑むことになるのだ。ややこしいシチュエーションのミステリだけに、終盤で明かされる真相もまた、相当にひねくれた思考を要する。よほどの注意力が無い限り、冒頭から敷かれた騙しのレールに、終点まで乗っかったままだろう。 >> 続きを読む
2020/04/04 by dreamer
湊かなえ
3つの時系列が収束していく系。当初、普通に読んでって三者三様な感じも、ぁ、世代が違うのか!というところに面白みを感じる。コレたとえば映画化したとすると画でわかっちゃうから原作ならではのおもしろいミスリード・マジックですな。映画化だったら役者さんの老け演技とかいろいろ難しいところが出てくるよね。ただ、読み進んでいくうちに、だんだんごっちゃになってきて判りづらくなっちゃったね。作者は今回、かなり作りこんだんじゃないですかね。いままでよりも登場人物が多い分、バックボーンが浅いキャラクターもあってあまり入り込めないところもあったかな。 >> 続きを読む
2018/07/28 by motti
辻村深月
辻村深月さんの小説はどれもこんな気持ちになったことが昔あったとか共感できる気がする。それに最後に光が差してくる終わり方が私としては嬉しい。一番好きだったのが最後の『樹氷の街』登場人物が個性豊かで優しい。特に松永君が魅力的だった。ピアノが秀でてるのに傲慢になったりせず謙虚で奥ゆかしい。はじめの友達が天木達で良かったと思う。多分多恵さんともう少し日本に留まるんじゃないかな。出来たらそうして欲しい。 >> 続きを読む
2020/03/02 by miko
雨隠ギド
妻を亡くし子供一人を育てながらごはん作りに挑戦するお父さんの姿、お母さんのいない寂しさを抱えつつも美味しいごはんを美味しく食べるつむぎちゃんの姿がとても良いです! >> 続きを読む
2017/07/11 by エリーナ
黒野伸一
「限界集落株式会社」過疎・高齢化・農業後継者、様々な問題に立ちむかい限界集落を再生できるのか?!詳しいレビューはこちらへ↓http://youyou-bookmovie.blog.so-net.ne.jp/2015-05-02 >> 続きを読む
2015/06/09 by youmisa
村上春樹
とくに何の感慨もなし(;´Д`)ひまつぶしに読む感じの本になってる。洋物がシャレオツだなんて言われてる気がして(もちろんそういうことではないだろうけど)感覚がダサい気がする。翻訳能力がいいでしょっていうのも感覚的にずれてる気がする。というわけで、村上氏の書きおろしの短編が注目だと思う。この短編を書いたら短編を書きたくなって次の「女のいない男たち」という短編集をだしたそうです。こちらも読みました。(amazon解説)村上春樹が選んで訳した9編のラブ・ストーリー + 書き下ろし短編小説マイリー・メロイ 「愛し合う二人に代わって」デヴィッド・クレーンズ 「テレサ」トバイアス・ウルフ 「二人の少年と、一人の少女」ぺーター・シュタム 「甘い夢を」ローレン・グロフ 「L・デバードとアリエット」リュドミラ・ぺトルシェフスカヤ 「薄暗い運命」アリス・マンロー 「ジャック・ランダ・ホテル」ジム・シェパード 「恋と水素」リチャード・フォード 「モントリオールの恋人」村上春樹 「恋するザムザ」(書き下ろし) >> 続きを読む
2018/08/30 by motti
皆川博子
【推理小説としてよりも】 最初、内容を全く知らずにタイトルだけを見た時、「これは一体何の話なのだろう?」と不思議に思っていたのですが、読んでみて納得! 本書は、18世紀のロンドンを舞台にした物語なんですが、そのテーマはずばり、人体解剖です。 当時のイギリスでは、人体解剖などというものは神に背くおぞましい所行と考えられており、一部死刑囚の死体などの解剖は認められていたものの、それ以外にはなかなか人体解剖などはできなかったのですね。 でも、医学の発展のためには是非とも必要なことです。 というわけで、本書に登場する外科医ダニエルも、弟子達と共に、墓暴き人夫から買い取った死体を素材にして解剖にいそしんでいたわけです。 だから、「開かせていただき光栄です」なんだ~。 で、今から解剖しようとしているのは、妊娠6ヶ月の妊婦という極めて貴重な死体でした。胎児の状態を知るためにもこれは絶好の死体だったのですね。 さて、これから解剖だというところで密告を受けた警察が踏み込んできます。 この妊婦の死体も墓暴き人夫から買い取ったものですので、もちろん違法です。 「隠せ!」ということで、大あわてで妊婦の死体を隠し、何喰わぬ顔で警察と対峙します。 何とかごまかしたので、すぐにでも解剖を再開しようとしたところ……隠し場所から出てきたのは全く別の死体でした。 何だこれは?! その死体は、若い青年の死体のようですが、四肢が切断されています。 どういうことなの? そしてそして、すったもんだしているうちに死体がもう一つ! 今度は顔を潰された成人男性の死体です。 何でこんなに一度に死体が沢山出てくるんだよう。 本書は、これらの死体の謎を追う推理小説として書かれているわけですが、もちろん推理小説として読んでもなかなかに面白いのですが(皆川さんによくみられるちょっと整理が尽くされていないというか、読者には不親切な混乱したパターンはあるんですけれどね)、私は、それよりも死体解剖の黎明期のすったもんだ劇として読んで楽しませていただきました。 時にユーモラスな筆致も交えながら、大変しっかりと当時の状況を描いており、それだけで十分に堪能することができる作品に仕上がっています。 でも、皆川さんは本当に懐が深いですね。 今、実は皆川さんの別の作品も併読しているのですが、全く違う味わいの作品を書きこなせる才能には驚嘆します。 >> 続きを読む
2019/03/21 by ef177
雫井脩介
ベテラン検事の最上と、研修を終え最上のもとに部下として就任した沖野。沖野はある事件の容疑者と目される人物を尋問するのだが、その人物に最上は心当たりがあり、23年前の事件と関わっていた。中で度々言われる正義とは何なのか。それは新任とベテランでは意見が変わり、正しいことが良きことだけではないと。上下関係に亀裂が入るとこから、そこからの対立。そして逆転へとシフトしていく様がスリリングに描かれていく。ラストの慟哭を見ると何が正しかったのかが分からなくなる。折り合いをつけられない沖野と、信念に基づいて行動した最上。見終わると色々考えさせられる。 >> 続きを読む
2019/04/11 by オーウェン
宮部みゆき
中学生の男の子が刑事顔負けの推理と行動で事件を解決するという設定だが。。。やはり、ちょっと無理があるのではないかと思う。賢い中学生は多々いるけど、あまりリアリティがない。警察がなかなか真相にたどり着けないのに、いくら刑事の息子とはいえ、まずではないか?という疑問もあるが・・・・。内容的にはよくできていると思う。やはり、根底には少年法による未成年の犯罪の問題が見え隠れするのは意図的だと思うが、それをどうこうしようという感じではないのはちょっとテーマ薄かもしれない。もう少し突っ込んだ内容が欲しいところだ。 >> 続きを読む
2016/10/23 by sumi
似鳥 鶏
各々のエピソードの話は面白いと思ったけど、四番目のエピソードで「何がしたいのかな?」と疑問に思ってしまった。そのせいか、読後感はあまりいいものではなかった。(絶望させるような終わらせ方ではないんだけど、何でそういう風に話を持っていくかなあという終わり方。)その点が非常に「残念」。 >> 続きを読む
2016/06/30 by おにけん
羽海野チカ
中学校の先生の、「やりたい事」が見えてくれば今のその「ものすごい不安」からだけは抜け出る事が出来るという台詞に希望を持った。 >> 続きを読む
2014/08/31 by 匿名
西尾維新
不気味な転校生・扇が、暦の正義の原点を紐解く中で、重要な鍵となる人物・老倉育との長年に亘る因縁が発覚し、封印した過去に清算をつける物語。どうしても忘れてしまいたい過去、それでも燻り続ける記憶の成れの果て。誰しも過去を遡った時に自分の思い出に影を落とす出来事からは眼をそらしたくなる。その青春の残骸と忌むべき記憶は、それでも此れからを生き抜く上で何処かで決着を付けねばなるまい。余りにも辛い出来事も喉元を通りすぎれば、その痛みさえも鈍感になる。その痛みさえも糧に出来たのなら、過去の失敗も無駄ではないのだろう。 >> 続きを読む
2020/04/04 by ebishi
桑原 太矩
おもしろいです!これは・・・見逃してました、ノーマークでした・・・いやはやこういう作品に出会うと凄くテンションが上りますね!良かったぞー!とっかぶ!あさ・くらさんのレビューを拝見させて頂き興味を持ち試しに1巻だけ読んでみようと思い購入。今日届いたので早速読んでみました・・・おもしろいじゃないですかーーー!!!!!なんですか??このゆるくもありでもしっかりと芯があるゆるぶと的な作品性は!?これ、2巻も読みたいですよーーー!!ま・じ・で!主人公とヒロインふたりもかなり良い味だしてますね。サワちゃんのはじけっぷりも千歳のギャルっぽいんだけど実は乙女でやさしかったり、主人公のくらげもなんだかんだでこのふたりに付き合って難事件(?)を自慢のスパイ業で培ったスキルで解決へと導く所も胸熱です!購入して読めてほんとに良かったです!教えてくださったあさ・くらさん、有難う御座います!これは、この後の巻も良さ気な香りが芳しく漂っています!続刊も楽しみです!!! >> 続きを読む
2016/03/23 by 澄美空
本多孝好
「MOMENT」「WILL」の登場人物、神田と森野を取り巻く人たちから二人を見た短編集。前の2作を読んで間隔があいたため、正直ちょっと話を思い出すのに時間がかかったが、概ね良かった。1話目の語り手は「女子〇〇」という言葉が出るまで女性だとは思わなかった。意表を突かれた感じ。5話目で、森野が中学生時代に起こした問題の真相が明らかになる仕組み。あわせて、神田と森野2人の恋の結末が明らかになり、良かった。この方の他の作品もチェックして読んでみたいと思う。感想はこんなところです。 >> 続きを読む
2017/06/18 by おにけん
谷瑞恵
シリーズ第2弾。今回は秀司のもとに時計の修理を依頼する人物との謎解きが中心。あくまでも淡々としたペースで文章は進む。それが「売り」なので読んでいて少し退屈に思う部分もある。ただ、出てくる登場人物が殆ど皆良い人ばかりなので、精神的に疲れた時とかに読むと癒されると思う。そんなファンタジックな作品。ただ、劇中に出てくる太一の正体がどんな人物なのかそれは気になるが。感想はこんなところです。 >> 続きを読む
2016/08/05 by おにけん
中道裕大
面白かったーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!これは、この作品は面白いですよ!!昨今ネトゲやソシャゲ、家庭用ゲーム機、果てはVRまで出てきてどんどんデジタルにゲームは進化していっていますがだからこそ今だからこそこういうどこでも簡単にできるボードゲームが良いのではないかとこの作品を読んで思いました!と言っても自分、ボードゲームしたことなくて(^_^;))だからこそこの作品の中に出てくるアナログなボードゲームが凄く面白く且つ興味深く読んで堪能させてもらいました。あと、この作品は確かにボードゲームというものを題材にしているところが面白いですがプラス登場人物たちが個性豊かでその登場人物たちのドタバタだったり会話だったりが軽快でそこを主眼に置いて読んでも楽しめると自分は思います。この表紙絵の3人もみな個性豊かでキャラも立っていて凄く良い!自分は真ん中の綾ちゃんが好きですね♪元気いっぱいの愛らしいいじられキャラ。いやあ~、面白かった!この一言に尽きますね(^^♪この作品もディンゴさんのレビューを拝見させて頂いて知りました。こんな素敵に楽しい、面白い作品を教えて頂き且つ出会うきっかけを作って下さりディンゴさん、ありがとうございます!今手元に3巻まであるのでこれからもゆっくりまったり読んでいこうと思います♪♪今回も良い読書が出来ました!因みに作中で出て来る「ゴキブリポーカー」と「狼ゲーム」は知っていました。「ゴキブリポーカー」は某アイドルのテレビ番組を観た時に丁度こういうボードゲーム好きなメンバーが紹介していました。「狼ゲーム」は有名ですね。因みに「狼ゲーム」は「人狼ゲーム」とは違うのかな?と疑問に思いました。ではでは! >> 続きを読む
2017/04/21 by 澄美空
出版年月 - 2013年9月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト
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