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2014年9月発行の書籍

人気の作品

      その女アレックス (文春文庫)

      ピエール ルメートル

      3.9
      いいね! oasamaru ybook rock-man Tukiwami
      • 「悲しみのイレーヌ」が私にとってあまりにも…な内容だったので続編は読まない!と思っていたのですが、それでもぜひ続編を!というコメントをいただいたので読みました!なので、実はそんなに期待をしていなかったのですが、、面白かったです!!!

        途中若干の中だるみ感もなくはないですが、どんどん進む展開にページを捲る手が止められませんでした。これはネタバレしちゃったら面白くないと思うので、あらすじには触れません。これから読む方はなるべく前知識なしに読んで欲しい!!

        「悲しみのイレーヌ」もおお!という仕掛けがあって、それを知っていたのでなんとなく構えて読んでいましたが、簡単にそれを上回ってくれました。グロかったり、かなり酷く辛い描写も多いため「面白かった」という表現てどうなんだろうと思いますが、でもやっぱり面白かったです。

        しかしこの2作目が最初に翻訳されたんですよね。
        「悲しみのイレーヌ」の重要なネタバレがあちこちに書かれていて。
        みなさんすでにご指摘されていますが、なんで2作目から翻訳したの…!?と思わずにはいられませんでした。

        このシリーズをこれから読もうとしている方は「悲しみのイレーヌ」から読んでくださいね!
        >> 続きを読む

        2019/10/03 by chao

      • コメント 4件
    • 他31人がレビュー登録、 84人が本棚登録しています
      世界から猫が消えたなら (小学館文庫 か 13-1)

      川村 元気

      3.6
      いいね! SHI-NO
      • この本は、忘れかけてた自分の大事なことやものを思い出してまた大切にしていく本。自分の命と引き換えに何か一つを失っていく。大切なものを失いながらも命の重みをじっくり考えていくことができる。何度読んでも新しい一面に気づき感動してしまう本。 >> 続きを読む

        2020/06/23 by だっち

    • 他23人がレビュー登録、 74人が本棚登録しています
      アイネクライネナハトムジーク

      伊坂 幸太郎

      3.9
      いいね! ooitee
      • 曲にインスパイアされてとあったが、ヘビー級チャンピオンを筆頭に、多数の人物が絡む連作短編集。

        「ライトヘビー」
        事務の仕事というだけで電話で交際していた二人に隠された事実。
        そういう意味なのかと最後で納得するわけだが、伊坂さんのこういう匂わせのミステリは珍しいだけに新鮮。

        「ルックスライク」
        2つの男女の出会い方が並行して描かれる。
        どう交叉してくのかだが、最後にある仕掛けが明かされてホッとする着地点に。

        「ナハトムジーク」
        ボクシングに負けた小野だが、そういう過程だったのねとこちらも納得。

        伊坂さんにしては普通人だらけというお話でした。
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        2020/02/25 by オーウェン

    • 他12人がレビュー登録、 57人が本棚登録しています
      鹿の王 (上) ‐‐生き残った者‐‐

      上橋 菜穂子

      4.3
      いいね! decopon_8 yakatyu
      • 2018/7 7冊目(2018年通算110冊目)。奴隷として岩塩鉱で働いていて、死の病が蔓延しながらも生き残ったヴァンとその病の謎を解くために奮闘するホッサルの2人の視点から物語は進んでいく。病の謎がだんだんと明らかになってくる過程が読んでいて面白いなと思う。そういった意味では「獣の奏者」と似たような感じはするが、話が面白いので500p強の作品でもページをめくる手が止まらなかった。謎が解明されて話がどう収束するのか?。下巻も読んでいきたいと思う。

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        2018/07/19 by おにけん

    • 他11人がレビュー登録、 51人が本棚登録しています
      鹿の王 (下) ‐‐還って行く者‐‐

      上橋 菜穂子

      4.3
      いいね!
      • その辺の医療ドラマなんかより、よっぽど(獣)医学的にしっかりしている(自分がそっち方面の仕事しているので、いつも気になるのだが)。
        よく勉強されていて、かつファンタジー世界ととて上手に融合できているので、この作家さんは本当に凄い才能の持ち主だと思った。
        さらには政治や宗教も絡み、これらがうまく物語を形成していて非の打ち所がない。
        若い人にも読んでもらいたい作品。
        一読の価値あり!
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        2018/11/17 by たい♣

    • 他9人がレビュー登録、 43人が本棚登録しています
      土漠の花

      月村 了衛

      4.0
      いいね! ooitee
      • ソマリアに墜落ヘリ救助の任務にあたっていた自衛隊。
        ところがそこへ女性が助けを求めてやってくる。
        そこからは民族間構想も激しいソマリアの部隊と徹底抗戦で、いかにして自衛隊は逃れるのか。

        月村さんらしいミリタリーとサバイバルを掛け合わせたアクション。
        一難去ってまた一難の言葉通り、敵は尽きることのない追っ手。

        そこで1人1人と命を落としていく中で、各人の人間関係が見えてくる。
        隊長になる者。亀裂がある者。戦場に放り出され変わっていく者。

        記録には残らないし、戦場で死んだ者も報われない不毛な争い。
        それでも日本とソマリアを結ぶ花は力強く咲いていく。
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        2020/01/12 by オーウェン

    • 他8人がレビュー登録、 19人が本棚登録しています
      神さまとのおしゃべり -あなたの常識は、誰かの非常識-

      さとう みつろう

      4.2
      いいね! gyoro snoopy
      • 神さまとのおしゃべり‐あなたの常識は、誰かの非常識。さとうみつろう先生の著書。自分の中の常識、非常識にとわれれることなく、多様性を認める。常識も非常識も関係ない。前向きなエネルギーをもらえる一冊でした。 >> 続きを読む

        2018/07/29 by 香菜子

    • 他8人がレビュー登録、 20人が本棚登録しています
      旅屋おかえり (集英社文庫)

      原田 マハ

      4.0
      いいね!
      • きれいな装丁が印象的だが、旅番組をやっていた元アイドルの丘えりが旅を通じて人々に出会う、という感じのお話でそこそこ面白かった。ドラマの原作とかになりそうなお話。
        >> 続きを読む

        2020/07/21 by 和田久生

    • 他4人がレビュー登録、 17人が本棚登録しています
      笹の舟で海をわたる

      角田 光代

      4.0
      いいね!
      • 昭和から現代にかけての様々な歴史時事ネタもバックグラウンドにちりばめてる。
        角田さんは僕らと同年代だから近代の歴史年表でもひろげて盛り込んだのだろうと考えるとおもしろくなったw
        主人公の義姉妹は、つまり僕らの親世代より少し年上、現在80歳以上くらいの感じですか。
        ほんとうにその世代の読者が老眼鏡と虫眼鏡でコレ読むかは定かでないのでリアリティはわからない。でも、心の傷になっているのか思い出になっているのか、とにかく何かが残ってるはず。
        そういうところが興味深かった。
        ちょうど最近、法事でお寺に行った時に父の姉である伯母(80歳くらいです)に「戦時中に疎開で来ていた子供がこのお寺に大勢住んでいた」って話を聞きました。
        当時は夏休みなんかはお寺で勉強させられたとか手伝いをさせられたとか、当時の話を興味深くきくことができました。
        で、案外、伯母は疎開してきた子たちと仲良くやってたようでそういう話を聞けて良かったと思いました。

        (Amazon解説)
        終戦から10年、主人公・左織(さおり)は22歳の時、銀座で女に声をかけられる。風美子(ふみこ)と名乗る女は、左織と疎開先が一緒だったという。風美子は、あの時皆でいじめた女の子?「仕返し」のために現れたのか。欲しいものは何でも手に入れるという風美子はやがて左織の「家族」となり、その存在が左織の日常をおびやかし始める。うしろめたい記憶に縛られたまま手に入れた「幸福な人生」の結末は――。
        激動の戦後を生き抜いた女たちの〈人生の真実〉に迫る角田文学の最新長編。あの時代を生きたすべての日本人に贈る感動大作!
        >> 続きを読む

        2018/09/03 by motti

    • 他3人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      群青のタンデム

      長岡 弘樹

      3.0
      いいね!
      • 警察学校での成績が同点で一位だった、戸柏耕史と陶山史香。
        彼らは卒配後も手柄を争い出世をしていくが…。
        なぜ二人は張り合い続けるのか?

        角川春樹事務所さんの月刊誌『ランティエ』に、2010年4月号から2012年5月号まで連載されていた連作短編を纏めたもの。
        警察学校で同期だった男女が、奉職して、定年を迎えるまでの警察官としての職業人人生を描いたものです。

        著者の長岡さんは、やはり短編集『傍聞き』がベストセラーになって話題を集めました。
        当時から、人気先行のきらいがあるな、という感想は持っていましたが、あらためて小説作家の巧拙を言わせてもらえば、やはり上手な作家さんとは言えないと思います。

        主人公は戸柏耕史と陶山史香という男女。
        ふたりが新人警察官として交番勤務に精勤しているところから物語は始まります。
        警察学校で同期、更には成績優秀者同士だったふたりは、実務の上でも切磋琢磨するライバルでした。
        勤務する交番が違っても違反キップを何回切ったか、パトカー乗務は何度あったか…いつも互いの成績を意識していました。

        結論から言ってしまえば、終章は彼ら二人が定年退職したあたりが描かれます。
        史香は署長、耕史は警察学校長でキャリアを終えるまでの間に、彼らを通り過ぎていった印象的な事件、それに関わった人々。

        短編で、切れ味のいい物語に仕立てようと試みた形跡があちこちにみられるのですが、残念なことにほとんど裏目にでてしまって、全体的に説明不足の印象です。
        キャラクターに個性が無いので、誰が誰だかわかりません。
        語りの視点もコロコロ変わり、把握しづらいことこの上ないです。
        主人公のファーストネームに「史」という同一漢字を用いることもどうかと思いました。
        文字を追っていくうえで、この分かりにくさは致命的欠陥といっていいほどだと思います。
        タイトルに「タンデム」という言葉を使っていることで、ふたりが揃って、助け合い励まし合って成長してゆく物語にしたかったものだと憶測するのですが、名前の一字まで同じくして、読者を混乱させてまで同一感を出す必要はないと感じました。

        それから、中途半端に登場するキャラクターたちの存在の謎。
        連載を重ねるごとに、物語に膨らみを持たせたかったのかもしれませんが、こうして単行本になってしまうと、物語の進行上まったく必要性が感じられない登場人物たちは、わかり辛さを助長させる瑕疵としか思えません。

        警察学校同期が同じふたりが、順調に昇級していくとして、同じ管内の警察署で署長と副署長を張るのかの疑問も残ります。
        警察は、消防と違い、各都道府県の管轄下です。
        架空の街が舞台とはいえ、同一市内で、かのような人事が行われるというのは、いくらフィクションとはいえ、スルーできませんでした。

        それから、いちばん引っ掛かったのはラスト。
        ネタバレになりますから、書きませんが、それはない。
        そこまで高潔に、人間はできていません。

        せっかく、同時期に同じようなジャンルで活躍する書き手さんがいないという僥倖を得たのですから、もう少し頑張ってもらいたいものだと思いました。
        >> 続きを読む

        2015/09/14 by 課長代理

      • コメント 6件
    • 他3人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      本の「使い方」 1万冊を血肉にした方法 (角川oneテーマ21)

      出口 治明

      4.3
      いいね!
      • 本の「使い方」 1万冊を血肉にした方法。出口治明先生の著書。生命保険会社の創業者で実業家としても大成功されている出口治明先生。大の読書家で本博士、謙虚に誠実に本と向き合っていて、知識自慢や読書自慢とはまったく無縁。凡人は本で学んだ内容を知識自慢としてひけらかしたりしてしまうものだけれど、それでは真の読書家とは言えないのかも。読書家を自称するのなら、出口治明先生のような読書家、本博士を目指したいものです。
        >> 続きを読む

        2018/12/28 by 香菜子

    • 他2人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      神様の裏の顔

      藤崎 翔

      4.0
      いいね!
      • うん、意外と面白かった。語り手が一人称で、ご丁寧に名前付きで語られているからだろうか?それと軽妙な話言葉でよりわかりやすいからだろうか?。著者が元お笑い芸人だからかもしれないが・・・。

        内容的にも前半と後半で様相が一変する。葬式の場面から始まるのだが、神様のような精錬潔白な教師の通夜から通夜ぶるまいまでを、それぞれの登場人物が亡き恩師を語るという単純なストーリーにもかかわらず。その恩師の生き様が二転三転するのだ。

        前半ではその恩師が犯した犯罪の状況証拠が暴露され、神様どころか犯罪人にされてしまう。ところが、後半ではその犯罪が一つずつ覆ってしまう。まさにどんでん返し、ただ、それだけでは終わらない、そのまたどんでん返しがあり、まさに、裏の裏の裏まで進んでしまうのが実に面白い。

        ネタバレになるので言えないけど、よくもまあ考えついたものだ。結局、一番怖いのは○だったとは?最後まで読んで納得しました。
        ブラックユーモアが好みの方は是非、ご一読を・・・。
        >> 続きを読む

        2016/11/26 by sumi

      • コメント 1件
    • 他2人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      アポロンの嘲笑

      中山 七里

      4.2
      いいね!
      • 久々に中山さんの作品。今回は東日本大震災と原発をテーマにした作品でした。面白かったんだけど、今までの作品とはちょっと一味違う雰囲気の作品じゃないかと思う。最後にどんでん返しがあると思いきやそれもなく、淡々と主人公の逃走劇を読まされてしまった感が強い。東日本大震災がいかに酷いか、原子力発電がいかに安易なものかはよくわかったけど、長々としすぎたのではと思った。少し、中だるみがあったが、最後に・・。などと期待したが何も起きることなく、何となく暗い終り方になってしまったのは中山さんらしくない作品だったように思う。 >> 続きを読む

        2017/04/13 by sumi

    • 他2人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      だがしかし 1 (少年サンデーコミックス)

      コトヤマ

      3.8
      いいね!
      • とりあえず最新の4巻まで読了

        ド田舎の駄菓子屋の息子の主人公ココノツが駄菓子カンパニーの娘ほたるさんに駄菓子にまつわる展開に毎回振り回されながら夏休みを謳歌するという物語

        この漫画はほぼほたるさんのキャラクターの濃さと奇抜さだけで物語が展開していると言っても過言ではないほどの面白キャラ

        それに毎回昔懐かしい駄菓子に関するエピソードがでてきて自分の小さい頃に食べた駄菓子の思い出とリンクしたりしながら何とも言えない感情になったりした。

        基本的にはギャグマンガで笑えるし、ほたるさんのジョジョ立ち的なポーズや主張しすぎない萌えやどんな駄菓子が出てくるんだろうという期待感が
        どんどんページをめくらしあっという間に読めてしまった。

        駄菓子の説明やゆる~いマスコットの豆知識なんかも楽しめて駄菓子が食べたくなった
        >> 続きを読む

        2016/03/10 by くじら

    • 他2人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      ソロモンの偽証: 第II部 決意 上巻 (新潮文庫)

      宮部 みゆき

      3.9
      いいね!
      • 中学校の卒業制作で「学校内裁判」をやることを思い立つ涼子。実現までの過程は険しかったが、周りの協力もあり検察・弁護側に別れて裁判の開催に向けての証拠固めを進めていくのがあらすじかな。弁護士役の神原和彦に色々と謎がありそう。映画ではあまりクローズアップされなかった涼子たちの心情が詳しく書かれていて500p超えの作品でもページ数を気にせず読みふけってしまった。裁判開催までの行方がどうなるのかこの後も引き続き読んでいきたいと思う。 >> 続きを読む

        2016/10/09 by おにけん

    • 他2人がレビュー登録、 18人が本棚登録しています
      天久鷹央の推理カルテ (新潮文庫)

      知念 実希人

      3.4
      いいね!
      • 基本的にはミステリー小説は読まないのですが、なんとなくピンと来て読み始めました。
        医療系のミステリーですが、内容もそんなに難しくもなくすごく読みやすかったです。天才女医の天久鷹央とその助手的な位置にいる部下の小鳥遊優とのやり取りは何だかほんわかします。
        読み終わった後も続きが欲しくなる本でした。
        >> 続きを読む

        2016/04/14 by sei

    • 他2人がレビュー登録、 12人が本棚登録しています
      フォルトゥナの瞳

      百田 尚樹

      3.7
      いいね!


      • 運命



        人の死がわかったときどうするか。助けるか、なにもしないか。
        助けた場合、自身に代償があったら。

        確かに自身が同じ立場になったときどうするか。
        私はきっと本当に近しい人(家族もしくは親友)以外はなにもしないだろう。
        このことに関することよりも、一人ひとり出会う人たちとの縁についての話が興味深かった。死がわかるということ以前に出会うことによって、言葉を交わすことによって人の、そして自分の運命に関わっているということだ。
        >> 続きを読む

        2016/05/16 by -water-

    • 他2人がレビュー登録、 12人が本棚登録しています
      Red
      Red

      島本 理生

      4.0
      いいね!
      • 島本さんの長編作品は、「長さ」というものを感じさせない。
        そしてすごくせつない。
        い。

        私は未婚だけど、既婚になったら「恋愛に対する愛と、結婚に対する愛」の捉え方は変わっていくのだろうか。
        >> 続きを読む

        2017/03/08 by pink-tink

    • 他2人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      ゼロ・トゥ・ワン―君はゼロから何を生み出せるか

      ブレイク・マスターズピーター・ティール

      4.5
      いいね!
      • 「世界でまだ信じられていない真理」や「賛成する人のほとんどいない、大切な真実」を見出し、一番手で取り組むことに価値があり、成功が伴い、新たな未来を切り拓くことで、社会のためになるというピーター氏の主張。

        曖昧で満たされた世界に切り込み、世の中を逆さまというより、鏡の世界の向こうから見ているような語り調に吸い込まれて読み入ることができる。

        自分が行動を起こす時に、もう一度読み直したい。そのような時にしか自分に入らない言葉や自分に見えないものがある気がする。
        >> 続きを読む

        2019/01/27 by Jay

    • 他2人がレビュー登録、 16人が本棚登録しています
      復活祭

      馳 星周

      3.5
      いいね!
      • ITバブルに賭けた男女の壮絶なコンゲーム。
        80年代後半、土地と株の高騰に沸いた東京。
        バブルの絶頂期の都会を舞台に、若き「持たざるもの」の青春の暴走と破滅を描いた馳星周の傑作『生誕祭』。
        そして、再び主人公の彰洋と、彼の敬愛する美千隆が動き出した。
        バブル崩壊と彼らが運命を狂わした女たち――麻美と早紀がすべてを失ってから十年の歳月を経て、どん底だった日本の経済は一部の産業の復活の兆しがみえている。
        インターネットという実態のないものに金が集まる、いわゆる“ITバブル”時代が到来したのだ。
        実態を伴わない億単位の金が動き、バブル時代を繰り返すように彰洋と美千隆は動き回り、上昇は成功していくかに見えた。
        しかし二人がかつて裏切り、現在はしがないクラブの雇われママの麻美はそれを許すはずがなかった。
        彰洋の恋人だった早紀にも誘いをかけ、ふたりの儲けを掠め取る計画を開始する。

        ここ数作の馳作品は“らしさ”が影を潜め、多様な角度から新しい世界を舞台にした作品が多かったのですが、本作は久方ぶりにバリッツバリッの馳ノワールで、読んでいてとても嬉しくなりました。
        薄っぺらい騙し合い、会ってすぐにセックスと、馳作品になくてはならない要素が詰まった、ファンにはたまらない作品です。

        10年の雌伏を経て、東京へ還ってきた斎藤美千隆と堤彰洋。
        すべてを失った二人の新しい地平には、かつて金を稼ぐためだけにあった不動産のかわりに、インターネットの架空世界が広がっていた。
        “IT”と冠が付けば、どんな会社でも株が売れる。
        株が売れれば、会社の資産価値が高騰する。
        業績も、実態も何もない、集められるだけの資金をかき集めて、二人は一世一代の賭けにでる。
        そんな成功途上のふたりを見つめる冷えたまなざし。
        美千隆のかつての恋人、三浦麻美はいまでは六本木のクラブの雇われママにまで落ちぶれていました。
        10年前の栄耀栄華は見る影もなく。
        自分を裏切り、全てを奪っていった美千隆と彰洋を絶対に許せない。
        同様に、今ではごく普通のOLに収まっている彰洋のかつての恋人・波潟早紀を巻き込み、麻美はかつての恩讐を晴らすべく計略をめぐらし始めるのでした。

        騙し騙され、色仕掛けあり、暴力ありの何でもありのマネーゲーム。
        ですが、登場人物たちの共通した望みは唯一、「金を稼ぐこと」。
        稼いだ金でモノを買ったり、旅行にいったり、一生働かなくていい生活を手に入れたりが、最終目的ではないのです。
        美千隆と彰洋を見ていると「金を稼いで」いるときこそ本物で、その先の夢なんていうのは口にするだけで、本当の目的じゃない。
        次々に押し寄せてくる障害を避けて、飛び越えて、稼ぐためなら愛情も、信頼もどぶに棄てて。
        その疾走感だけが味わいたくて、生きてる、といった風です。
        その風圧に耐え切れなくなったとき、昔の馳作品の登場人物たちならば、まず酒に、つぎに覚醒剤に溺れて、自分を見失い、破滅する、というパターンを踏襲してきました。
        ですが本作は、実に現実社会に近い形、覚醒剤などでてきません。
        代わりに女。
        もう少し経つと、脱法ドラッグを題材にした馳作品が読めるかもしれないな、と少し思いましたが、危険ドラッグと呼び名を変えたそれももの凄い勢いで社会から消えていっています。
        ハルシオン横流しとか、貧困ビジネスとか、そんなアンダーグラウンドの世界に蠢く男たちを描く、ヒリヒリした小説を、今後も期待してやみません。
        >> 続きを読む

        2015/03/09 by 課長代理

      • コメント 3件
    • 他2人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています

出版年月 - 2014年9月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

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