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2016年9月発行の書籍

人気の作品

      蜜蜂と遠雷

      恩田 陸

      4.4
      いいね! kumpe asa_chann meritabo KEMURINO ooitee
      • 数々の賞や映画化も当然なほど、非常にのめり込みやすく描かれている音楽ドラマ。

        基本は4人の演奏家であり、その中でコンテストが行われ各人の人間模様が明かされていく。

        面白いのは演奏中にドラマが被さっていき、それが曲の思いや人生のドラマになっていく点。
        曲が分からなくてもこういう感じかなと想像できるのは、小説ならではの表現方法が存分に生かされている。

        また各人のキャラ付けも明確で、天才肌の2人に、カムバックしてきた神童。
        そして若手の中でベテラン然とした男。

        ラストも爽やかな後味を残しており、恩田さんの中でも読み応え抜群の出来。
        >> 続きを読む

        2020/04/23 by オーウェン

    • 他19人がレビュー登録、 56人が本棚登録しています
      みかづき

      森 絵都

      4.1
      いいね! hanagon
      • 2018年7月の課題図書。
        私自身、6年間、大手で塾講師をしていた。英語と理科を高校受験の中学生相手に。その時にとても大切なことを学んだ。こっちが生徒のことを考えて一生懸命指導すれば、時間はかかっても必ず生徒はこっちを見てくれるのだ。あの時のことを懐かしく思い出しながら読んでいたら、厚い文庫本なのにあっという間だった。何回か泣いてもうた。
        我が娘ももうすぐ小学生。出会う先生によって人生が変わる。万が一いい先生と出会えなくても、娘を支えてあげられる親になりたい。
        教師に限らず先生と呼ばれるあらゆる人に、この物語が届いてほしいと願っている。

        なんだか自分語りで感想書いてないな。もう歳か…
        でも、文庫本は分冊していいから薄くしてほしいな。ポケットに入らない。
        >> 続きを読む

        2020/01/02 by たい♣

    • 他12人がレビュー登録、 21人が本棚登録しています
      サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

      ユヴァル・ノア・ハラリ

      4.4
      いいね! kumpe Tukiwami Mika_S
      • (上下合本版で読んだので上・下ともに同じレビューとなります。)

        今年(2019年)の100冊目の本として読みました。
        世界的に注目された本でレビューも膨大なので、あえて細かい内容については触れません。

        上下合わせるとかなり長い本ですが、半分ほどはすでに別の本で読んだことのある内容でした。
        にも拘わらず、この本が特別で価値があると言うのは、サピエンスの登場から現在に至るまでの進化の歴史を軸に書かれた本でありながら、単なる進化論でも歴史でもなく、文化、宗教、言語、認知革命、産業、経済、科学、哲学、テクノロジーまで幅広い分野まで包括的に網羅されている点です。

        また、訳者も素晴らしいのでしょうが、明快な語り口は読んでいて気持ちが良いです。

        最終章では私たちホモサピエンスが大前提となる生物としての存在から次のレベルへの進化の道を進みつつあるのではないかということに対する問題提起で終わっており、最後の一行では次のようなで文言葉でしめられています。

        「自分が何を望んでいるのかもわからない、不満で無責任な神々ほど危険なものがあるだろうか?」

        今年読んだ1番の良本と言えます。
        万人が読むべき一冊です。
        私がこの著者の別の本を購入したのは言うまでもありません。
        >> 続きを読む

        2019/06/27 by Mika

    • 他8人がレビュー登録、 28人が本棚登録しています
      祈りの幕が下りる時 (講談社文庫)

      東野 圭吾

      3.9
      いいね! akino
      • 加賀恭一郎シリーズのクライマックス!

        日本橋にかかる橋の謎!
        殺人→なりすましの人生
        通常のミステリ小説の素材になる事件はもとより、加賀恭一郎シリーズの核心をからめた傑作!

        大変おもしろかったです!

        (amazon解説)
        悲劇なんかじゃない これがわたしの人生。極限まで追いつめられた時、人は何を思うのか。夢見た舞台を実現させた女性演出家。彼女を訪ねた幼なじみが、数日後、遺体となって発見された。数々の人生が絡み合う謎に、捜査は混迷を極めるが…。
        >> 続きを読む

        2018/08/23 by motti

    • 他4人がレビュー登録、 17人が本棚登録しています
      手のひらの京

      綿矢 りさ

      4.0
      いいね!
      • またまたまたまた恋愛物。
        綿矢は器用な作家なので、本書も充分面白いし水準以上の作品ではある。
        ただ、綿矢の作品における恋愛物の比率は異常な気がする。
        綿矢本人をテレビで見たことがあるが、確かに男にモテるのだろうが、恋愛が大得意とか百人斬りを達成しました、という感じではなかった。
        綿矢の作品は恋愛物じゃなきゃ売れない、と編集者や本人が思い込んでいるとしたら、それは相当の悲劇である気がする。
        >> 続きを読む

        2019/01/05 by tygkun

    • 他4人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福

      ユヴァル・ノア・ハラリ

      4.5
      いいね!
      • (上下合本版で読んだので上・下ともに同じレビューとなります。)

        今年(2019年)の100冊目の本として読みました。
        世界的に注目された本でレビューも膨大なので、あえて細かい内容については触れません。

        上下合わせるとかなり長い本ですが、半分ほどはすでに別の本で読んだことのある内容でした。
        にも拘わらず、この本が特別で価値があると言うのは、サピエンスの登場から現在に至るまでの進化の歴史を軸に書かれた本でありながら、単なる進化論でも歴史でもなく、文化、宗教、言語、認知革命、産業、経済、科学、哲学、テクノロジーまで幅広い分野まで包括的に網羅されている点です。

        また、訳者も素晴らしいのでしょうが、明快な語り口は読んでいて気持ちが良いです。

        最終章では私たちホモサピエンスが大前提となる生物としての存在から次のレベルへの進化の道を進みつつあるのではないかということに対する問題提起で終わっており、最後の一行では次のようなで文言葉でしめられています。

        「自分が何を望んでいるのかもわからない、不満で無責任な神々ほど危険なものがあるだろうか?」

        今年読んだ1番の良本と言えます。
        万人が読むべき一冊です。
        私がこの著者の別の本を購入したのは言うまでもありません。
        >> 続きを読む

        2019/06/27 by Mika

    • 他4人がレビュー登録、 20人が本棚登録しています
      よるのふくらみ (新潮文庫)

      窪 美澄

      2.6
      いいね!
      • 恋愛小説が読みたく、蔦屋のPOPを見て購入。
        幼なじみの3人の恋愛の話である。
        小さい頃からの家族や同級生など3人のそれぞれの想いを
        交差しながら描いています。
        非常に読みやすくスラスラと読めますが・・・
        POPや腰帯のコメントほどではないかな
        >> 続きを読む

        2019/10/30 by わくさん

    • 他3人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      明るい夜に出かけて

      佐藤 多佳子

      3.8
      いいね!
      • まずタイトルに惹かれた。何か想像もつかない素敵な事が起こりそうなタイトルに。

        本書は深夜ラジオを通じて主人公や関わる人達が一歩前に進んでいくストーリー。

        終始、実在したアルコ&ピースのオールナイトニッポンの話が出てくるが、正直、アルコ&ピースを名前しか知らない自分にとっては彼らの話が出る度に苦痛だった。
        で、その彼らの話が結構しっかり説明されるので少しうんざり。実際あった現代のバラエティーの内容を語るのは小説と呼べるのか…?

        あと、これは自分が悪いのだが、普段ラジオを聞かないのでそこも気持ちが乗らない理由の1つだったのかも。

        ツイッターや生配信など内容が若者ネット世代っぽいのもついてゆけず。

        上記のものに通じてる人なら楽しく読めるのかも?
        ラジオの内容が完全フィクションなら気持ちが乗ったのかも?

        あと、三浦しをんさんの「なぁなぁ日常」シリーズでも思ったことだけど、若者の語り口調の文章は苦手だ。
        感情がストレートに書かれてる。描かれてるじゃない。書かれてる。
        説明?解説?
        主観的になるから仕方ないのかな?その語り口なら客観的にしたい時は現象を書くしかないものね。

        不満ばっか書いてるけど、面白いテーマだと思った。

        深夜の若者達というだけで、心情変化が繊細で激しくて微笑ましい。

        「考えたことなかった。私が何か作る。他の人が、そこから、また何か作る。パクるんじゃなくて、ぜんぜん新しいものを作る」

        何となくこの言葉が響いた。

        何かやりたい事があるのにはっきり分からなくて、けど引っかかる物はあって…そしてそれを本当にやっていいのか分からなくて…。
        そんな若者の無限のエネルギーのようなものがお互い触発して、前に進んでいく。

        そういうものに魅力を感じた。
        >> 続きを読む

        2018/05/23 by 豚の確認

    • 他3人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      ヌメロ・ゼロ

      ウンベルト・エーコ

      3.7
      いいね!
      • 【内容紹介】
        記憶こそ私たちの魂、
        記憶を失えば私たちは魂を失う。
        ——ウンベルト・エーコ

        「握りつぶされた真実を告発すること」を目的とした新聞の創刊を目指し、
        パイロット版として「ヌメロ・ゼロ(ゼロ号)」の編集に取り組む記者たち。
        しかしその新聞発行の裏には、出資者の利益を図る企みが潜んでいた。
        そして編集会議で日々繰り広げられるのは情報操作のテクニック。そこに見られるのはまさしく、歪んだジャーナリズムのお手本のような実態だった。
        一方で、未解決のテロ事件、ローマ法王の死をめぐる疑惑、ムッソリーニをめぐる陰謀説など、歴史の闇に葬られ忘れ去られた事件にふたたび光をあてようとし調査を進める一人の記者。
        彼の命が狙われることで事態は意外な展開に——
        (表紙カバーより抜粋)


        【著者紹介】
        ウンベルト・エーコ Umberto Eco(1932~2016)

        北イタリアのアレッサンドリア生まれ。
        哲学、中世研究、記号論、メディア論の学者にして、評論家、小説家。
        現代イタリアの代表的な知識人として知られ、47冊の著書の多くが世界各国で翻訳されている。
        『記号論』『完全言語の探求』『薔薇の名前』『フーコーの振り子』『プラハの墓地』他。


        【感想】
        著者の作品は、これで2冊目となるが面白い‼
        特に本作は2章目からすでにページを捲る手が止まらず、
        終盤に入るにつれ、読み終えるのが寂しくなる思いを抱きました。
        >> 続きを読む

        2018/09/23 by 日陰者

    • 他3人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      桜風堂ものがたり

      村山 早紀

      4.0
      いいね! meritabo
      • 好奇心を刺激されず、全然読み進められ無かった。回収しきってない件は、続編できちんと処理されるんでしょうか? たぶん読まないけど。 >> 続きを読む

        2019/10/11 by hiro2

    • 他3人がレビュー登録、 12人が本棚登録しています
      聖なる怠け者の冒険 (朝日文庫)

      森見登美彦

      3.2
      いいね!
      • 森見さんは初読み。
        怠け者の怠け者による怠け者のためのほのぼのファンタジーだ。
        正義の味方、ぽんぽこ仮面に後継を指名され、強面所長に説教され、休日充実主義の先輩カップルに振り回されても貫く小和田君の休日へのポリシーは、自分のことを描かれているようで、他人事とは思えない。
        平日出来ない家事を片付けたら、ゴロゴロ、猫になる。充実したお昼寝。ダラダラ、のんびりの魅惑。わかる、わかる!
        ぽんぽこ仮面を狙う謎の組織と立ちこもる不穏な空気。展開する不思議な世界。とても、ほんわか愉快な文章なのだが、ここで、相性というものの存在を思い知る。実は読んでいて目が滑って入り込めず難航した。
        疲れてたのかな?
        >> 続きを読む

        2017/11/01 by ももっち

      • コメント 2件
    • 他2人がレビュー登録、 12人が本棚登録しています
      ブルー・ゴールド (角川文庫)

      真保 裕一

      3.3
      いいね!
      • 水を巡るビジネスを描くドラマ。
        作者は真保さんだけど、何となく池井戸作品を思わせる展開。

        会社から転勤の辞令を出された薮内。
        ショックのまま新たな会社に出向くが、そこは少数しかいない。
        社長の伊比は会社の意向を伝え、薮内を水の利権ビジネスへと導いていく。

        巻き込まれて受け入れていく薮内の動きが徐々に仕事へと傾ていく展開は面白いが、次第に利権を争う人間が多すぎて着地点がなんだかぼやけてくる。

        特にラストの伊比の語りは、なんだか全員口車に乗せられたとしか思えない。
        もっとスッキリした終わり方の方がよかった気も。
        >> 続きを読む

        2019/08/24 by オーウェン

    • 他2人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      死と呪いの島で、僕らは (角川ホラー文庫)

      雪富 千晶紀

      3.3
      いいね! Tukiwami
      • 色んなもの詰め込み過ぎ!!
        よくこれだけ詰め込んだもんだ\(◎o◎)/
        最初は閉鎖的な島のホラー話かと思ったけど
        それがやがてブードゥー教まで絡んできて
        Σ(・ω・ノ)ノ!って感じになったのに人間以外の念まで絡み
        なぜか最後恋バナ風味(笑)
        あまりにも広大な話になったため
        最後怖いと思うより広げた風呂敷どう畳むんだろう?って
        もうそっちの方が気になってしまった小説/(´ヘ`;)\
        普通自分の大事な子供をね…〇〇に使うか?って思うけど
        なんて言うか凄いな…凄い展開、トンデモ展開、なんでもあり!!
        怖いと言うより凄い!!Σ(・ω・ノ)ノ! (笑)

        それと島民の決断は凄いね、
        私だったらそんな島から逃げ出すけどなぁ…((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル


        伊豆諸島の東端の須栄島。
        高校生の打保椰々子は16年前に島に漂着した子で島民から村八分にあっていた。
        同級生の白波杜弥は島の名家の次男、
        何故、椰々子が村八分になっているのか前から気になっていて
        仲良くなりたいと椰々子に声を掛け徐々に距離を近づけようとしていた。
        その椰々子には秘密があり、
        死んだ者の声が聞こえる…予言を聞く力を持ちのお告げを神社の禰宜に伝えていた。

        〈序〉
        『災いが来る』と予言を聞いた椰々子

        〈顔取り〉
        島に謎の沈没船が漂着
        水死体となって発見された男が生きて帰って来て殺人事件を犯す

        〈和邇〉
        隠された須栄島の歴史
        新婚旅行で島を訪れた夫婦の悲劇

        〈補陀落〉
        須栄島の歴史を調べていた杜弥の親友・徹の急死
        島にヨットで訪れた外国人

        〈咒〉
        椰々子の見た夢
        杜弥の父と兄の隠し事
        禰宜の死
        成りすまし

        〈亡者と海〉
        幽霊船に乗せられ連れ去れた椰々子
        椰々子が見た過去の世界
        呪いの元となる"あるものの怨嗟"
        海から這い上がる者
        島民の戦い
        島の有事の先触れとして現れる謎の光、九品山の〈大師火〉

        〈楽土〉
        二匹の鯨。
        杜弥と椰々子のその後





        >> 続きを読む

        2018/08/24 by あんコ

    • 他2人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      虹を待つ彼女

      逸木 裕

      3.7
      いいね!
      • 無人航空機ドローンといえば、昨今テレビの空撮等にも多用されているが、その一方で戦争兵器としてのイメージもつきまとう。

        第36回横溝正史ミステリ大賞を受賞した、逸木裕の「虹を待つ彼女」は、ドローンとゾンビを撃ち倒すオンラインゲームをリンクさせ、自らを標的にするという、奇抜な自殺事件から幕を開ける。

        まるでSFのような出だしだが、この作品はさらに6年後の2020年へと飛ぶ。

        工藤賢は、人工知能開発に限界を感じ、日常生活にも飽きつつある研究者。
        そんな時、彼の作った人工知能と会話出来るアプリに対するクレームが、会社で問題となる。

        そのアプリは、恋愛も可能だが、それに嵌って人間関係も損なう者が出てきたのだ。
        最高技術責任者の柳田は、その打開策として、死者を人工知能として蘇らせるサービスを提案する。

        プロトタイプの候補に、6年前ドローンを使って自殺したゲームクリエイターの水科晴の名前が挙がる。
        不可解な自殺の謎はもとより、水科晴は伝説の多い人物だった。

        工藤はSNSを使って、情報収集を開始、程なく彼女には"雨"と呼ばれる特別な存在がいたらしいことがわかるが、その一方で「HAL」という人物から「水科晴について嗅ぎまわるな。お前も、殺してやろうか」という不穏な脅迫メールも届く-------。

        ミステリのメインストーリーといえば、犯罪事件の解決だが、この作品のそれは、水科晴という謎めいた美女の素顔の探索にある。

        著者はそこに、人工知能と対決する囲碁棋士やら、反人工知能キャンペーンを立ち上げるクレーマーを絡ませ、ストーリーの先読みを容易に許さない。

        そして、注目すべきは、主人公の工藤で、幼時から才気煥発だった彼は、小賢しく自己防衛に長けた、嫌らしい男なのだが、水科晴にのめり込むことで、変貌を遂げていくのだ。

        このように、この作品は恋愛サスペンスとしても充分、読み応えのある作品だと思う。

        >> 続きを読む

        2020/04/05 by dreamer

    • 他2人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      恋する寄生虫 (メディアワークス文庫)

      三秋縋

      3.8
      いいね! Tukiwami
      • 所謂コミュ障と言ってしまえばそれまでなのかもしれない。
        明白な強迫性障害に犯され別々の症状を抱えた二人は寄り添い、手を取り合って前に進む。
        互いの欠けた部分を相手が補う。この二人の行く末を応援せずにはいられない。
        書店で手に取った当初は何の気なしだった。しかし気づけば一気読みしてしまった。
        どんでん返しもあり、キャラクターに魅力もあり、甘い感情も抱かせる、そんな物語です。
        >> 続きを読む

        2020/09/09 by いつつ

    • 他2人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常

      二宮 敦人

      4.4
      いいね!
      • 志願倍率は東大よりも高く、三浪くらいはあたりまえ。上手とか好きとかそんな感覚をはるかに飛び越える天才たちのぶっとびエピソード満載。いわゆる「フツー」からはみ出た学生たちは、自分の核をしっかり持っていて、芸術の道を究めている。
        国が危機的状況に追い込まれると、不要とされたり統制されたりするのが芸術という分野。芸術が育まれる社会とは自由で豊かだからこそ。
        >> 続きを読む

        2017/09/02 by かんぞ~

    • 他2人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      熊と踊れ(上)(ハヤカワ・ミステリ文庫)

      ステファン・トゥンベリアンデシュ・ルースルンド

      4.0
      いいね!
      • 【暴力に支配された子供たちはそれから……】
         重苦しい物語です。
         語りは非常に淡々としているのに、そこで語られていることの重さは息苦しくなるようなものがあります。

         レオ、フェリックス、ヴィンセントの3兄弟は、幼い頃から粗暴な父親と、その父親から繰り返し暴力を振るわれている母親と共に育ってきました。
         父親は、家族の絆を強調し、子供たちが喧嘩で負けて帰ってくるとそれを許さず、喧嘩のやり方を教え、仕返しをするように強要します。
         母親は、そんな父親が嫌で仕方がないのですが、家から逃げ出しても逃げた先の家に火を放たれ、その罪で服役しても刑務所から帰ってくると死ぬような暴行を受けていました。

        今や成人したレオは、自分で工務店を経営し、弟2人と幼なじみのヤスペルを使って仕事をしていました。
         ただし、いつまでも真っ当に工務店の仕事を続けていくつもりなどなかったのです。
         軍隊経験もあるヤスペルの力も借りて、軍の武器庫を破壊し、とんでもない量の銃器を盗み出し、それを使って武装銀行強盗を始めたのです。

         弟のフェリックスやヴィンセントにも銃の使い方を教え、襲撃の仕方を何度も訓練させ、繰り返し銀行強盗を成功させるようになったのです。

         警察は犯人の手掛かりが全くつかめず、この事件を担当しているヨン警部も憔悴していくばかりです。
         ヨン警部は、過剰な暴力をひどく憎んでいました。
         それは、自分の兄が子供たちを暴力で支配しようとした父親を殺し、無期懲役囚として服役していたからでした。
         一連の強盗事件にも、そのような過剰な暴力の匂いを嗅ぎつけていたのです。

         ヨン警部は、破壊される前の銀行の防犯ビデオに写っていたわずかな時間のビデオを繰り返し見ている内に、犯人たちは兄弟に違いないと確信します。
         リーダー役の犯人が、弟と思われる共犯者を気遣っている姿に気付いたからです。

         一方、レオ達の父親は、今は酒に溺れ、宝くじだけに熱中するような生活を一人で送っていました。
         父親も工務店の仕事をしていたのですが、レオはその手伝いをすることを拒み、父親と絶縁していたからです。
         しかし、父親は、レオに対し、「お前には借金があるんだ」と言い張り続けていました。
         レオは、銀行強盗で得た金を父親のところに持っていき、これですべては精算したと通告するのです。
         父親は、何故レオがこんな大金を持っているのかと不審に思い始めます。
         そして、繰り返される銀行強盗のニュースを見ているうちに、防犯カメラに写っていた目出し帽の班員はレオに違いないと確信するのでした。

         レオたちの間にも不協和音が高まっていきます。
         自分たちが犯人であることを隠すため、目立つ行動は一切控えろとレオから命ぜられているにもかかわらず、ヤスペルは手に入れた金を派手に使い、人目のあるところで銀行強盗の話をしたがり、フェリックスやヴィンセントに対しては命令するような横柄な態度を取るようになっていったのです。

         レオは、今度は2つの銀行を同時に襲撃する計画を立てました。
         ところが、ヤスペルは、「どうせなら3つ襲おう。駅に爆弾を仕掛けたという脅迫電話を警察にかけてその注意を駅に引きつけておけば3か所襲うことも可能だ」と提案し、レオはこの提案を受け入れてしまうのでした。
         そして、警察を完全に引きつけておくためには、本物の爆弾を仕掛けなければならないと考えます。

         フェリックスやヴィンセントは、自分たちはテロリストじゃないし、まったく無関係の人を巻き込むおそれがある爆弾など嫌だと反対します。
         レオは、自分が用意する爆弾には安全装置をつけておくので、これを解除しない限り絶対に爆発することはないと保障して弟たちの反対を封じ込めたのでした。

         爆弾を駅のロッカーに仕掛けに行くのはヤスペルの役割でした。
         その時ヤスペルは……。
         2つの銀行の同時襲撃は成功し、3つ目の銀行に向かう途中、傍受していた警察無線から、駅の爆弾が爆発して警察官がやられたという声が聞こえてきました。
         絶対に爆発しないと言ったじゃないか!
         仲間内にも不協和音が高まっていきます。

         緊迫した状況が続く中、レオたちの幼少期の悲惨な生活の話が織り込まれていきます。
         レオは、最後の銀行強盗を計画し、それが終わったら盗み出した銃器を警察に買い取らせて一切足を洗おうと言うのですが……。
         下巻も読み終わり次第レビューします。


        読了時間メーター
        □□□     普通(1~2日あれば読める)
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        2020/02/17 by ef177

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      熊と踊れ(下)(ハヤカワ・ミステリ文庫)

      ステファン・トゥンベリアンデシュ・ルースルンド

      4.0
      いいね!
      • 【何と! これは実話をベースにした作品だった!】
         下巻に入り、3人兄弟とその幼なじみによる武装銀行強盗は段々ぎくしゃくしていきます。
         そして遂に長兄のレオが計画した次の強盗には、弟たちは参加を拒否したのです。
         末弟は、「参加している方が楽なんだ」とは言います。
         つまり、愛しているレオが失敗しやしないかと気を揉んでいるよりも、自分もそこに参加した方がずっと心情的に楽なのだと言うのです。
         しかし、本心はもう銀行強盗などやりたくなかったのです。
         だから弟たちは参加を拒否するばかりではなく、レオに対してもうやめてくれと懇願するのでした。
         もう金はいらない。工務店で普通に働いていけばいいじゃないかと。

         次弟は、レオに言います。
         「あんたは、あいつ(父親のこと)の後を継いだんだ。あいつの代わりになったんだ。」と。
         次弟は、自分たちを暴力で支配し、母親を半殺しの目に遭わせた父親を絶対に許そうとせず、「あいつ」としか呼びませんでした。
        また、幼い頃の記憶で、刑務所から戻ってきた父親を家に入れてしまったのは自分なのだと思い込んでいたのです。
         そのために母親が半殺しにされたのだと。

         レオは、遂に弟たちと共に強盗を行うことを断念しました。
         また、幼なじみのヤスペルももう信用できない、切り捨てると決意したのです。
         それは、ヤスペルは勝手な行動を取り、決して爆発するはずがなかった爆弾を駅に仕掛けた際、安全装置をわざとはずして爆発させたと確信したからでした。
         また、犯行がばれかねないふるまいを続け、それを諭した弟に対して拳銃を突きつけるようなことまでしたからでした。
         もはやこんな奴とは組めないと思ったのですね。

         レオは、最後の仕事として、盗んできた大量の銃器を警察に買わせようとします。
         もし、買わないのであれば闇に流す、そうすれば様々な組織犯罪集団がとんでもない武装をすることになると脅して。
         しかし、捜査を担当していたヨン警部はこの申し出を拒否したのでした。
         あいつらは焦っている。
         もう一度銀行を襲えば必ず何かの手掛かりを残すにちがいないと考えて。

         銃器を買い取らせることに失敗したレオは、再び銀行強盗を続けていくことを決意します。
         しかし、もはや弟たちの協力は得られません。
         仕方なく、レオは自分の愛人を仲間に引き込み、一度は切り捨てたヤスペルを再び呼び戻し、そして、何と、あろうことか自分たち兄弟を暴力で支配していた父親まで仲間に引き入れたのです。

         この小説は、スウェーデンで実際に起きた連続武装強盗事件をベースにして書かれた小説だそうです。
         作者の一人としてクレジットされているステファン・トゥンベリの兄たちが、実際に駅に爆弾を仕掛けた武装強盗団だったというのです。
         トゥンベリは脚本家なのですが、共著者であるジャーナリストのアンデシュ・ルースハンドに実際の事件を語り、それを二人で組み立て直してこの作品に仕上げたというのです。

         何とも驚くべきことではないですか。
         作中に出てくる、盗んだ大量の銃器を隠していた『ドクロの洞窟』や、強奪した紙幣が銀行員の機転によりインクで真っ赤に染められてしまった際、その紙幣を洗浄して色を落とした場面などは、実際にトゥンベリが目にしたことだというのです。

         トゥンベリは、兄たちの銀行強盗計画を知ってはいたそうですが、警察に通報することはしなかったのだとか(スウェーデンでは、家族の犯罪計画を知りながらそれを黙っていても罪にはならないのだとか)。
        しかし、トゥンベリが通報しなかった理由は、作中に描かれているのと同じで、兄弟の固い結束と、家族を決して裏切るなと暴力をもって教え込んだ父のせいだったと言います。

         スウェーデンの警察小説はどこか悲しい雰囲気がつきまとう作品が多いように思えます。
         この作品にも、悲しみがにじんでいるように感じました。
         そして、読了して、巻末解説を読み、これが実話をベースにした作品だったのだと知り、その悲しみはさらに深くなりました。


        読了時間メーター
        □□□     普通(1~2日あれば読める)
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        2020/02/18 by ef177

      • コメント 2件
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      農ガール、農ライフ

      垣谷美雨

      3.5
      いいね!
      • 大げさな表現が多く、ストーリー全体にやらせ感を感じて、あまり心にしみこめなかった
        けど、結局皆がそれぞれ一人で、「頼る」よりまず一生懸命独立できるようになって、「支え合う」ことが出来るようにならないといけないことを学びました。
        >> 続きを読む

        2017/10/20 by Moffy

    • 他2人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      いま世界の哲学者が考えていること

      岡本 裕一朗

      3.7
      いいね!
      • 「世界の経営学者はいま何を考えているか」が面白かったのでおなじ系列の本かと思って読んだがちょっと違っていたかも。
        IT、BT(バイオテクノロジー)、資本主義の激化、等で哲学の潮流も大きく変わってきたのだそうだ。哲学を論じているというより社会変化を語っている本のようだった。
        以下、備忘録。
        ・如何に良く生きるかという人生論としての哲学は古い、自分が生きている世界を概念的に取り直す、今がどうか、活版印刷と同じ革命のIT革命デジタル化技術、哲学の潮目が変わった、ドイツフランスからアメリカへ、分析哲学へ。
        ・マルクス主義、実存主義、分析哲学の3つの潮流、言語哲学から心の哲学へ、緑色のメガネ。
        ・BTバイオテクノロジー革命とIT革命.監視社会、パナプティコン、シノプティコン少数者が多数者を監視と閲覧する同時進行、AIの影響、AIのフレーム問題、自律的学習AIは生物の進化を一気に超える、啓蒙から反啓蒙への変化がAIにも想像される?
        ・ポストヒューマン(人間以後)への道、ナチスの国家的優生学からリベラルな優生学、遺伝子的教育と言えないか、クローン人間は年齢の異なる一卵性双生児という考え方、道徳ピルがあったとしたら。
        ・資本主義は21世紀にいみがあるか?ピケティ現象、格差主義と充分主義、自由主義のパラドックス、新自由主義とグローバリゼーションと帝国主義、グローバリゼーションのトリレンマ、資本主義においてテクノロジー進化は圧倒的に重要、仮想通貨やフィンテックの影響、資本主義から共有型経済へ変わるのではなくシェアリングエコノミーが組み込まれる、宗教との関係性、ディープエコロジー、環境倫理学、から環境プラグマティズムへ、生態系評価の貨幣的価値、等々。
        >> 続きを読む

        2017/08/12 by aka1965

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出版年月 - 2016年9月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

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