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瀬尾まいこ
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いゃ~面白かった!本屋大賞受賞作らしい。ってかこの表紙本屋さんで単行本の頃から目には留まっていたけども、読了のあと、この表紙みてもトキメキは皆無。しかし最高に面白かった。やっぱネタバレで細かいストーリーは割愛しますが、主人公の姿勢が好き。もちろん完璧ではないけども、思考だったり、簡単に言っちゃえばポジィティブなとことか。ストーリーになんつーか、疑問も拭えないんだけども。。。そこは小説なわけで、その現実的?!でない?!なそんなフィクション設定であっても、そのシチュエーションからの考えやら行動やら思慮深くつーかいいね~設定を超えた、普遍的価値観がグッドだと思う。学生が読んでも全然プラスだと思う。もちろん普遍的にだれでもね!良い読書だったし、この作家さんのファンになった私!しかしまだこれでは、生意気な発言ですが、芥川、直木賞は無理かと。。。なんかこーまとまりというか、うまく言えないが、もう少し詰めがシャープにというかうまくまとまれば・・・あくまで素人感覚ですが、そう思ったので、ただいずれは獲れる作家さんだと思う。 >> 続きを読む
2020/10/22 by ジュディス
ピーター・スワンソン
ピーター・スワンソンの「そしてミランダを殺す」を読了。実業家のテッドは、空港のバーで会った女リリーに、妻のミランダが浮気をしていることを愚痴る。リリーはテッドに、妻殺しを推奨し、協力を申し出た。テッドは計画を練る----と、最初は平凡と思わせておいて、この後の展開が、実に強烈だ。たぶん予想は困難だろう。また、その急転に至る前にも、普通の物語で終わらない予感は、ビシバシ感じ取れる。なぜなら、リリーがおかしいからだ。この作品の第一部は、テッドが語り手のパートと、リリーが語り手のパートが交互に進んでいく。テッドは、妻との出会いから浮気に至るまでを"倒叙ミステリの犯人"然と回想する。一方、リリーの方は、なぜか少女時代から自分の人生を冷静に説き起こす。空港で偶然会った男の妻の浮気と、その殺人計画が本筋なのに、何を悠長に無関係なことを回想しているんだこの人は、と思ってしまったところ、リリーが少女時代に殺人を犯したことが語られて以降、私の目はこのヒロインの特異な内面に釘付けになった。彼女は、冷静沈着なサイコパスであり、実際に手を下した人数こそ少ないものの、性格の特異性ははっきりしている。そして、この物語の最も面白いところは、中盤で起きる事態の急転に、リリーというキャラクターが、いかに対応するかにあるのだ。いかなる状況においても、冷静に事を運ばんとするリリー、対してもう一方の視点人物は----という按配なのだ。倒叙ミステリの新たな傑作が誕生したと思う。 >> 続きを読む
2021/06/22 by dreamer
新井 紀子
子供達だけじゃない。社会人も今から将来の為に自己啓発を進めないといつかは淘汰される。 現在、私達には「21世紀型スキル」が求められているという。 「21世紀型スキル」は4つのカテゴリで構成されていて、それぞれ:①思考の方法・創造性とイノベーション・クリティカルシンキング(批判的思考)、問題解決、意思決定【↓↑「教科書を読む力」はこの2つに入るのかな?】・学び方の学習、メタ認知(認知プロセスについての知識)②仕事の方法・コミュニケーション・コラボレーション(チームワーク)③仕事のツール・情報リテラシー・ICTリテラシー④社会生活・市民性(ローカルとグローバル)・キャリア設計・個人的、社会的責任(文化についての理解と適応)となる。 これら一つ一つに照らし合わせて、今からでも不足分を補っていきたい。 >> 続きを読む
2020/11/13 by Moffy
宮下 奈都
ピアノの調律師の物語なのか、全体的に柔らかい印象を受ける。体育館にあるピアノを調律する姿を見て調律師になることを決めた外村。そのまま楽器店へと就職することになるが、調律師の仕事は予想以上に困難なものに。ピアニストの話はよくあるが、調律師というものの仕事ぶりが丁寧に描かれている。文体なのか、情感が感じ取れる自然や音色が分かる表現。中々こういう感覚は珍しい体験。羊から美しいという変遷は納得。 >> 続きを読む
2022/02/18 by オーウェン
澤村伊智
人を呼び、さらい、山へ連れて行く化け物「ぼぎわん」。ヨーロッパから来たブギーマン伝承の名残りであると説明されている。人々を恐怖に陥れる正体不明の化け物が起こす怪奇現象から、家族を守れるのか。どのような結末を迎えるのか気になって、夢中になって読み進めていました。デビュー作とは思えないほど物語にひきこまれました。なにがすごいって、1章の語り手が、2章では全く別の姿が描かれていたところ。見方を変えるだけでこんなにも恐ろしい姿が見えてくるなんて。化け物なんかより、人間が一番怖いということを再認識しました。元はといえば「ぼぎわん」を呼び寄せたのも、ある家庭環境が起こしたものでした。その地に棲まう化け物の由来も悲しいものでした。第三章の語り手である野崎が一番共感できるキャラクターだったかな。子どもをつくることができない劣等感を抱いていた彼が、秀樹と香奈の娘である知紗を救ったことにより自分自身も救われたのが良かった。これから先も知紗と関わっていきたいと願ったラストが、とても幸福感に満ちていました。知紗が発した寝言を読むと、背筋が寒くなりますが…本作は「比嘉姉妹シリーズ」1作目らしい。パワフルな彼女たちの活躍が続くと思うと楽しみです。 >> 続きを読む
2022/03/15 by あすか
山白 朝子
不思議で切ないな8つの物語。乙一と住野よるの要素を合わせたような短編集でとても面白かった。幽霊が見えるようになった夫婦がその謎を解いていく話。首が無くても生き続ける鶏とその買主の少女の切ない話。お酒を飲む事で未来予知をするカップルの悲劇的な未来の話。東日本大震災で失った息子とオモチャのトランシーバーで話し続ける男の話。DV夫に愛娘を失った女性が同じような子供の声が聞こえてくる話。命を扱う天使の視点で海難事故を思い返す話など。 >> 続きを読む
2019/10/09 by aka1965
桐野 夏生
路地裏
2018/06/24 by motti
板倉 俊之
板倉さんの算数の授業のコント?を観てこの人は才能があるなと思い、本作を図書館で借りました。2日で読み終えるほど引き込まれましたw本作は上質なミステリーと純愛なストーリー、どんでん返しの後のさらにどんでん返し!!芸人さんという事をすっかり忘れて普通にミステリーとして読みふけってしまいました(^o^)板倉さんの中で「お母さん」は重要なファクターで、子と母の深い愛に溢れた作品です。他の作品も読みたくなりました。 >> 続きを読む
2021/02/20 by jon
大倉 眞一郎杏
BOOK BAR⁉︎ いいなあ、そんなバーが近所にあったら…。これから始まるのは、書評ではなく、あくまで「本から始まる四方山話」序文にこう宣言されているように、本の筋とか詳細などよりも作家や内容の背景や自分との繋がりなどが語られていく。紹介されている本の多くを私は読んだことが無いし、また、必ず読むか?と聞かれたら、読まなそうな本も結構ある。でも、読む本はその人を表すもので、読書の傾向が似ているとそれだけでその人を理解できる気になったり、好きになったりする。知らない世界の本を読んでいる人にも興味と尊敬の念が湧いてきたりもする。ビブリオ・バトルだとマジに熱くなりすぎて、ついには喧嘩までしそうで怖いけど、ブック・バーで好きな本のことを遠慮なく話し合えて、共感したり刺激し合えたなら楽しいでしょうね。読書ログはブック・バーに似ている。リアルでお目にかかれないのは残念。一緒に飲めないのも、ちょっと寂しい『本との出会いは、人との出会いに似ている。偶然もあるし、必然もある。出会えた縁は何よりの幸いだし、それ以上に出会わない、出 会えない縁も星の数ほどある。』本当に!『まずは一ページ。一冊、一献、ロ方山話。 ラストオーダーまで、お付き合ください。』さて、次はどんな本を読みましょうか。 >> 続きを読む
2019/03/20 by 月うさぎ
氏田 雄介
2018/3/2石
2019/07/14 by ゆ♪うこ
森 晶麿
何となく森さんぽくないなと思いつつも一気読み。親友が失踪したのをSNSで知り、行き先を探すジャーナリスト。親友が背負っていた「悪い夢」とは何か、本当に親友だったのか。なぜ彼女ばかりこんな目にとも思うが、引き寄せる人っているんだろうな…。読後感はあまり良くなかった。 >> 続きを読む
2018/05/05 by tomolib
東野 圭吾
図書館本。気がついたら返却日を過ぎてたので慌てて読みまくる。さすが圭吾さん。最初からぐいぐい引き込まれる。円華の不思議っぷりにどんな展開になるのだろうと興味津々。自然現象が科学的に証明できそれを利用して犯罪も可能だというのを実行した知能犯の父と息子。お互い人間性欠陥ありで最後に父息子で戦う。少し違和感があったのは甘粕謙人が千佐都と近づくとき肉体関係が必要だったのかな。予知能力があるなら男女間の関係なくても可能だったのでは。完璧主義はある意味犯罪に繋がるのね。予知能力の手術をした円華は最後まで人間的にも魅力ありだったのは良かった。やっぱり東野圭吾さんは面白い。 >> 続きを読む
2019/07/11 by miko
ダン・ブラウン
英語版で読んだ。ラングドン教授が出てくる必然性は、あんまりなかったかも。最初の2つのように謎解きで大活躍するわけじゃなし。ま。売るためには必要だけどねダビンチコードシリーズっていうことが。そうじゃなければ私も手に取らなかったし。量子コンピュータ界隈の人は読むべき。D-WAVEとか出てきたときには驚愕。クリスチャンじゃない私には、あんまりしっくりこない世界だけど。さいきんスペインにはまっているので、とても楽しめた。理系脳の人には面白い。これ映画にするにはスペインが断固拒否するかもな。観光したくなるけど。英語は、わりと平易でするする読めた。止まらなかった。 >> 続きを読む
2018/10/08 by MihokoT
芦沢 央
芦沢 央の「いつかの人質」で描かれるのは、少女が友人と一緒に出かけたライブ会場で、何者かに誘拐されたという事件。 少女は、12年前にも誘拐されたことがあり、その際に視力を失っていた。 何故、彼女は二度も狙われたのか? 人質となった、少女の視点のパートからは、目が見えないが故に、事態を把握できない彼女の恐怖が、ひしひしと伝わってくるし、彼女の父親や、犯人と疑われた女性の行方を追い求める、夫の視点のパートも、彼らの焦燥感が、息詰まるほどの迫力で描かれている。 犯人の候補となり得るような、登場人物は多くはないし、犯行の動機の手掛かりは、驚くほど早い段階で提示されているのに、ミスリードが巧みなせいで、なかなか真相に辿り着けない。 似たタイプの前例が、ちょっと思い浮かばない、 誘拐ミステリーですね。 >> 続きを読む
2021/04/13 by dreamer
木原 音瀬
ホラー短編集だが、収録作の中では圧倒的に「罪と罰」が面白い。サイコパス物だが、最初から最後までパーフェクトな作品。ドストエフスキの著作名を冠するだけのことはある。この一編は、もう少し話題になってもいいのではないか。 >> 続きを読む
2019/01/03 by tygkun
円居 挽
推理ゲームのベテランプレイヤーであるカタリが新人プレイヤーのノゾミに行う推理講義。5W1Hの謎を解決すればクリアにも関わらず、出題が偏っているという設定も面白かった。 >> 続きを読む
2018/04/08 by tomolib
尚史, 鴻上
演出家である鴻上さんが、39歳の時に文化庁の制度の研修生として、ロンドンの演劇学校に1年間留学した時の、日記。エッセイというかほぼ日記。なんとなくヨーロッパが好きで、最初に行った海外がロンドンだったからか、ロンドン留学記とかに弱い私は、タイトルだけで手に取ってしまったが、面白かった。カハハ!と笑えるところもたくさんありつつ、途中途中プロの演出家ならではの見解が真面目に語られていたり。この年齢で、20代の若者の中に飛び込もうとする姿勢、しかも、海外の学校に飛び込んもうとする姿勢、さらにプロ演出家であるにも関わらず、もっともっとと多くを学ぼうとする姿勢には、尊敬という言葉しかない。それにしても、やはり言葉の壁は大きいのだなと改めて思った。ましてや語学学校に通う留学ではないから、留学生向けではない英語の中でネイティブと同じ授業を受ける大変さ。アメリカ人さえ、イギリス英語に苦戦している様子に、「鴻上さん、あなた、よくがんばったね」と言いたくなる。演じることや観劇に全く興味はなかったのだけれど、俳優養成のための教育(訓練)が、すべての人間への訓練で、よりよく生きるための訓練だというようなことが書いてあって、少し興味が湧いた。俳優になるうんぬんじゃなくて、こうゆうワークショップを受けてみたかったと思った。面白かった。読んでよかった。 >> 続きを読む
2020/09/24 by URIKO
奥泉 光
私が大好きな作家・奥泉光の創作技法には、毎作大きな驚きがあるが、「雪の階」の壮大な試みには、度肝を抜かれた。作者はこの傑作において、最高度に洗練された小説文体のあり方を提示したと思う。物語としては、二・二六事件前夜のオルタナティヴ・ファクト(あり得たかもしれない真相)が浮き彫りになる。男女の死の謎を解くミステリであり、二大戦間の政情を背景にした政治サスペンスであり、日本、ドイツ、ソ連をめぐるエスピオナージであり、史実をモデルにした歴史小説でもあり、そのうえ、優れた恋愛小説でもある。果たして、その真の姿は? これらの小説スタイルの批評的擬態、日本にもギリシャにもエジプトにも、はたまた世界中に見られる、「異能のきょうだいによる天地開闢と統治」という、神話アーキタイプの現代的展開と言えるかもしれない。幕開けは、日本が軍需景気にわく一九三五年(昭和十年)。「天皇機関説事件」や、「相沢事件」が起き、国体明徴声明が二度発せられた。そんな年の四月、この作品では、樹海で女学生と陸軍将校の死体が発見され、情人同士の心中とみなされる。女性は天皇機関説を主導する大学教授の娘、男性は急進的皇道派の中尉。この心中説に強い疑いを持ち、捜査に乗り出すのが、美しき伯爵令嬢で天才的碁打ちの笹宮惟佐子だ。父はヒトラーに心酔する国粋主義者にして、二流の策士だが、娘はずば抜けた頭脳とリベラルさを持っている。この深窓の探偵の補佐役に、少々そそっかしいが、行動力のあるフリーカメラマンの女性がつき、さらに彼女の助っ人として、取材力のある新聞記者の男性が加わり、恋愛模様を展開する。惟佐子は、来日中の高名なドイツ人ピアニストから、じきじきに日本の案内役を頼まれる。奥泉文学の大ファンとしての私は、「心霊音楽協会」所属のこのピアニストが弾く「ピタゴラスの天体」が、先行作に出てきたのを思い出しましたね。彼の奇妙な依頼の裏には、惟佐子の伯父で、欧州に行ったきり消息不明の白雉博允の存在があった。一体、その目的とは--------?武田泰淳の「貴族の階段」を踏まえ、松本清張の“時刻表ミステリ”へのオマージュもみられる。また、一人の女性をめぐる、二人の男性の行動と死には、作者が最も影響を受けた夏目漱石の「こころ」の構図も見え隠れする。反機関説勢力は当然、一枚岩ではなく、思惑が入り乱れる。一君万民、特権階級の廃絶を唱える急進派もいれば、権力の中枢にすり寄って甘い汁を吸おうとする華族や資産家もいる。ここにゴットメンシュ(神人)の血筋を支配層とすべく、皇室の転覆を目論むマッドな優生論者が--------。作者が、この作品で初めて採用した「三人称複合多元視点文体」は、単に一人称的な内面視点を並列したものではなく、本当に素晴らしい。作中、ヴァージニア・ウルフへの目配せがあるが、かの人もかくやという自在さ。時には、助詞ひとつで視点が切り替わり、語り手から作中人物へ、さらには幾人もの人物の間を「目」が行き来するスリル。時空を超えて、相対すはずのない二人が、言葉を交わすかに見えたりする。後半まで、ヒロインの心の内が見えないのもいい。他人への反感も共感もないエンパシー・ゼロの惟佐子を囲み、人々の声が生で反響し合う。だからこそ、終盤で、「もし雪が球体ならばもっと規則正しく運動するだろう。だが雪の結晶は複数が絡まり合い、不揃いな鳥の形をなすがゆえに風を孕んで滑走するのだ」という、彼女の内なる声が響いてきた時の感慨は深い。そして、これはまさに、この作品を評する言葉に他ならないと気付くのだ。 >> 続きを読む
2021/03/25 by dreamer
Michael Wolffマイケル ウォルフ
トランプ政権の内部事情を明らかにした暴露本。しかし、その中身は驚くべき内容でそもそも大統領になるつもりもなかったし、なってみたところで大統領らしく振舞えないし、振舞うつもりもない人が超大国アメリカのトップに居て、今この時ももその状態が続いているということである。既に辞任して本書に協力したスティーヴ・バノンによると、モラー特別捜査官にロシア疑惑を暴かれて弾劾される可能性が33.3%、既に危険な状態にあるが大統領が職務能力を失い辞任する可能性が33.3%、残る33.3%がどうにかこうにか2年の任期を満了する可能性だそうだ。いずれにしても二期目は絶対にありえないそうだ。 >> 続きを読む
2018/04/01 by STALIN
今村翔吾
泣けます。再読でも泣けます。実は「ぼろ鳶シリーズ」。最初に読んだのはこの「鬼煙管」でした。シリーズとして1巻から読み通すことを決意したのは、この小説が素晴らしかったから本シリーズの主人公は松永源吾ですが、本作のもう一人の主役は長谷川平蔵。江戸で火付盗賊改方頭を務め、出世して京都へ転任となった長谷川は京都で起こっている謎の火付殺人を調査すべく、信頼する火消しの松永を頼る。源吾は平蔵の息子・銕三郎と共に事件を追うが、反りが合わないことこの上なし。銕三郎の悪を許さぬ正義感は時として暴走する。このコンビネーション、どうなるの?ということで、当巻の舞台は京都。火消の面々は今回は江戸でお留守番。セレクトした2人を連れて、謎解きに挑戦です。ミステリーとしての楽しさでは他の作品にはなかった味わいです。(フルメンバーではない寂しさも、私は初作品だったので特に感じず…。再読して初めてわかりました。)スピンアウト的な一遍ではありますが、第1巻で圧倒的な魅力を発揮していた長谷川平蔵が再登場。彼の不在を寂しく思うファンも多かったことでしょう。それが嬉しくもあり……。渋いおじさんの魅力に最近痺れているので、平蔵の登場は私も大歓迎です。「真っ当に生きる者が笑える世を作る。途方もない夢だ。だが誰かが始めねば道は出来ん。手伝ってくれぬか」「人も同じ、身分は違えども煙草の銘柄ほどのもの。最後は煙に変じて灰になる」カッコいいです!平蔵さん。でも、これは勿論、作者の今村さん自身の言葉、そして信念なのですけれどね。「一度過ちを犯しても、人は優しさに触れてまた立ち直れるはずということ」これです!単純な勧善懲悪ではなく、悪と正義。憎しみに惑わされる人の心の脆さと闇の深さ。そこをテーマにし、かつ善意で一貫している点が今村さんの個性かと思います。イヤミスを否定はしませんが、それがウリっていう作家は、私は好みません。なんと新鮮な時代小説でしょう!物語を最後まで読んで、本を閉じ、表紙を見て平蔵の後ろ姿に、焔の熱さに、泣けました。脳裏に焼き付くシーンが、まさにこの表紙の後ろ姿。完璧に小説を語っています。北村さゆりさんも、さすがです!! >> 続きを読む
2022/02/25 by 月うさぎ
出版年月 - 2018年2月発行,出版の書籍 | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト
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