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今月の課題図書をみる

2018年05月の課題図書


5月の課題図書は、イギリス人作家ジョージ・オーウェルの「一九八四年」です。

1949年に刊行された本作品の舞台は、1950年代に発生した核戦争を経て、
1984年現在、オセアニア、ユーラシア、イースタシアの3つの超大国によって分割統治されている世界。
ロンドンに住む主人公のウィンストン・スミスは、真理省記録局に勤務する党員で、歴史の改竄が仕事だった。
彼は、完璧な屈従を強いる体制に以前より不満を抱いていた。
ある時、奔放な美女ジュリアと恋に落ちたことを契機に、彼は伝説的な裏切り者が組織したと噂される反政府地下活動に惹かれるようになるが...。
出版当初から冷戦下の英米で爆発的に売れた本作品は、
2002年にノルウェー・ブック・クラブが発表した「史上最高の文学100」に選出されるなど、欧米での評価は高く、
思想・文学・音楽・映画など様々な分野に多大な影響を与え続けている名作です。

是非、この機会にいかがでしょうか。

Book Information

一九八四年

4.3 4.3 (レビュー13件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 903 円

“ビッグ・ブラザー”率いる党が支配する全体主義的近未来。ウィンストン・スミスは真理省記録局に勤務する党員で、歴史の改竄が仕事だった。彼は、完璧な屈従を強いる体制に以前より不満を抱いていた。ある時、奔放な美女ジュリアと恋に落ちたことを契機に、彼は伝説的な裏切り者が組織したと噂される反政府地下活動に惹かれるようになるが...。二十世紀世界文学の最高傑作が新訳版で登場。

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    レビュー

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    • 評価: 4.0

      いつか読んでみようと思っていた本書を、ようやく読む。
      なぜだかとても読みにくかった。
      何が書いてあるのかわからない程に難しいことが書いてあるとか、登場人物が多くて混乱するといったことはないのだが、読みにくい。

      ビッグ・ブラザーにより管理統治された思考、思想の禁じられた近未来。
      歴史の改竄を仕事とするウィンストン・スミスは、現体制に不満を感じていた。
      ジュリアと出会い、告白されて恋人となったウィンストンは、政府に感じていた不満を行動に移すことを考えはじめる。

      デニムの上から脚を掻くような、もやっとした感じで読み進める。
      面白いと評価の高い本作の面白さが伝わってきたのは、後半になってから。

      人間にとって自由に物事を感じたり考えたり出来ないこと、正しいことを正しいと言えないことは人間であることを否定されたようなものだろう。
      本作中でも、『自由とは二足す二が四であると言える自由である』とウィンストンの日記で言わせている。

      権力を持つ人間は、権力を持つこと自体が目的であるということや、真実に平等な世界などあり得ないといったことなど、いつの時代でも不変な事実が書かれていたり、とてつもなく暗い気持ちにさえなる一冊。
      そういった内容になるだろうことは承知で読んだけれど、「夏の扉」のような希望が今は恋しく感じる。

      自分に加えられる苦痛から解放されるのなら代わりに誰でも差し出すといった、究極の事態においては自分の身の安全しか考えられない人間としての業のようなものも描かれる。
      これも、きっと誰でも同じようになってしまうことが当たり前と思うのだが、本の中くらい毅然と権威に抗って死さえ厭わないといった綺麗事が欲しかったりもする。

      強い権力を持つ人物が、圧倒的な権威によって支配する世界が長くはつづかないということが、文章で明らかに書かれているわけではないのに、読むと自然に感じられることが素晴らしい。
      全体として危なげな雰囲気が満ちているというか、近未来の世界を描いているようでいて、既に終わった時代を描写しているように感じられるというか。不思議とも言える感覚だった。

      ジュリアの声は、感情を持つ人間すべての声ではないだろうか。
      『どんなことでもー あることないこと何でもー 言わせることはできるわ。でも信じさせることはできない。人の心のなかにまで入り込めはしないもの』。
      >> 続きを読む

      2015/09/09 by

      一九八四年」のレビュー

    • この本はデビッド・ボウイのファンだったので買って読んだ本です。
      彼「1984」にインスパイアされてアルバム作っているんですよ。
      最近は新訳も出ているんですよね。そっちで読み直してみようかと思っています。
      >> 続きを読む

      2015/09/09 by 月うさぎ

    • 月うさぎさん
      コメントありがとうございます。

      デビッド・ボウイって懐かしいですね。お元気かな。
      古い訳と比べて読むのも面白いでしょうね。
      >> 続きを読む

      2015/09/09 by jhm

    • 評価: 5.0

       この作品が当時の冷戦下における,全体主義的な社会情勢に対する批判書なのは明らかです.わざわざ説明されるまでもなく,一から十まで作者の主張でぎっしりです.確かにこれは万人受けする傑作です.とてもフィクションだとは思えないリアルな怖さ.当時の人たちはこの作品をただの風刺ではなく,時間の問題でしかないリアルな未来と受け取ったんじゃないでしょうか.批判書どころか預言書のような.これを読んだら〈ビッグ・ブラザー〉が支配する退廃的な世界を想像せずにはいられません.そんな怖さ.

       そしてそんな怖さは時が経って1984年を過ぎ,今になっても通じる怖さのようにも感じます.作中には現代でも時折耳にする言葉がたくさん出てきます.「二重思考」は時折政府の答弁や評論家によって引用されるも,現段階ではまだまだ作り話に過ぎません.しかし「ダブルスピーク」は作中でしょっちゅう出てくる「ニュースピーク」や「二重思考(ダブルシンク)」,「ダックスピーク」から来る造語だと言います.
       アメリカはテロを口実に国民への捜査権限を強化する法律を「愛国者法」と呼び,阿部首相は国防のために憲法9条改正を謳い,軍を自衛隊と呼びます.言われるまで国民はおかしいと気づかない.気づいていても思考の上で表層化することはない.さすがに言い過ぎかもしれませんが,それでもまだまだ本気さが足りないとは思います.それは単純に国民の政治への無関心さゆえかもしれませんが,少なからず現代の人々も「二重思考」によって現実を都合よく捻じ曲げているからではないかと思いました..だからこそ現代になってもこの小説の怖さが容易に想像できてしまうのではないかと.

       現代の人々は当たり障りない表現や美化された表題ばかりに目をとられて,またはその本質に気づかないふりをして,まるで争いを望んでいるかのように思えてしまいました.
      >> 続きを読む

      2015/04/23 by

      一九八四年」のレビュー

    •  まさにSFの巨頭という感じだなあ。『1984年』を読んで、じゃあ本当の意味で理想的な世界とは何なんだろう……ということを考えてはいるのですが、いまだに結論がでていません。結論がでていないからこそ、本書はいまだに今日性を失わないのでしょうね。

       あ、ちなみにオーウェルの中でオススメをあげろと言われたら、僕は「象を撃つ」という短編をあげるかなあ。興味があったらチェックしてみてください。「権力」について深く考えさせる内容となっていますので、本書とも関係しているはず。
      >> 続きを読む

      2015/04/23 by ゆうぁ

    • コメントありがとうございます.

      >月うさぎさん
      本当にそう思います.
      「1984」をはじめとしてその頃のSFは社会への批判や警告を通してその地位を確立していったんですね.

      >ゆうぁさん
      難しい命題ですね.これを読むとどうしても考えずにはいられません.
      「象を撃つ」,読んでみます!オーウェルはまた触れる機会があると思うので.
      >> 続きを読む

      2015/04/23 by ryota

    • 評価: 5.0

       ついに読めました。

       SFにハマったのはここ1年くらいですが、結構色々読んできたと思います。「SF読むなら古典を読め!」との教えに従い、古典を読み漁ったり、「SFの未来はラノベにある!」との予言を信じて、ハヤカワさんの新進気鋭作家シリーズを読んだり、「そもそもはサイエンスだ!」と科学雑誌読んだり。

       でも、なぜかオーウェルとギブスンはまだだった。自分の中で機が熟すことがなかったのか、はたまた積ん読の下部に紛れ、忘れ去られていたのか。ただ、どれだけ読んでも、これを読まない限りSF初心者マークが取れないという自覚はずっとありました。

       ものすごく個人的な良い小説の条件を挙げさせていただくならば、まず一つ、思想であれ価値観であれ感性であれ文体であれ、作者特有の何かが伝わってくること。さらに一つ、それを読んだ私が何らかの思索を巡らすこと。決してメッセージの押し付けではなく、自発的に。そして一つ、なにより面白いこと。知的興奮でも娯楽でも、しょーもなくても馬鹿馬鹿しくても、あるいは恐怖や胸糞でも、とにかく面白いこと。幸運にも、本作はそれら全てを満たす、良い小説でした。まぁ、わたし印でしかありませんが。

       解説にあるスターリンだのなんだのといった歴史背景を、私は知識としてあまり知りません。それらが正しいと仮定してですが、私は過去の記録を簡単に調べることが出来ます。でも、いつでも出来ることだからこそ、積極的に過去を知ろうとすることはありません。作中の表現を借りるなら、記録はあっても記憶がないのです。その点、歴史的背景や思想を踏まえた本書の価値は失われつつあるように思います。

       しかし、一方で本書の文学的価値は、いまだ上がり続けていると言えます。オーウェルは、まさかそこまで予期していなかったでしょうが、情報社会となり、生活環境のあらゆる場所で改革が起きている現代だからこそ、本書の内容が響くところが多くあります。

       本書は自分のレベルを一つ確実にあげてくれる作品です。もちろん、読んだから偉いとか、そんな話ではありませんよ。読後の自分は、読む前とは確実に異なっているということです。SFという括り以上に、一読書好きとしても読んでよかったと思います。

       読者である私はウィンストンで、作者はオブライエンなのかな、なんて少し思います。思想とかではなく、立ち位置的に。読まれた方、どうでしょうか?
      >> 続きを読む

      2014/12/10 by

      一九八四年」のレビュー

    • わたしはSFもミステリも初心者です。
      ですが、読書の条件は同感です。読書を始めた幼い時から、同じ楽しみで読んできました。知的な好奇心が満たされること、作者(書物)の個人的な意識に同調できること、単純に面白いこと。時代や国々の違いを超えて普遍的な(個人的でもいい)興味が続いて評価されていること。
      それは人間の本性や感性は人であれば同じく持っているものだと思います、源氏物語の「雨夜の品定め」が今も男性の思いとして感じられること、そういった意思や感情は時を越えて存在していると思えるからです。

      時代への警鐘、未来に向かう展望など、個人の平等、人間の基本に触れる部分は普遍であると思います。幸せを願うこと、平和を念じることは、形は違っても時代を超えて受け継がれなくてはなりません。
      そういった書物が評価されることは当然だと思えます。

      読書で気づいた一つの事柄が、単体でなく大きなつながりになって感じられたときは体にしみこむような嬉しさがあります。
      そして基本的な文章がきちんと的確に表現されて伝わること。情感が豊かで、刺激を受けることができること。
      あさ・くらさんが書かれたように私もごく個人的な感想です。
      好みは様々で同じ思いでも同じ本を好むとは限りませんが、そんな中で同じテイストを感じることが出来る読書仲間がいれば最高です。
      >> 続きを読む

      2014/12/11 by 空耳よ

    • >月うさぎさん
      コメントが非常に参考になりました。ありがとうございます。

      私は本作の批判する社会は2014年でもあると思います。
      そして、おそらく2020年でも。あるいは、きっと2050年でも。
      作者が変えようとした時代は、もはや過ぎ去りましたが、本作の主張はいまでも通用するものです。そして多分、新たな価値を得ていると思います。

      >空耳よさん
      長いコメント、ありがとうございます。
      とても同感です。きっと今同じテイストを感じていますよ!
      レビューの方も読ませていただいてます。好みは様々ですが、お互い楽しく読書しましょう!



      >> 続きを読む

      2014/12/11 by あさ・くら

    • 評価: 5.0

      ディストピアものに不慣れというのもありますが
      終始、暗く重い空気で物語は流れていきます。

      主人公は暗く淀んだ世界で一筋の光を見出そうとします。
      少し難解な文章から感じる閉塞感によって、私も主人公と同じような解放への希望を求めていました。(これは訳者によって変わるかもしれません)
      まさにストレスを味方につけたような、このような物々しさは他の作品では味わったことがないと思います。


      でもふと視線をずらすとそこには、
      本を読みながら誰にも邪魔をされることなく脚を伸ばしている自分がいて、
      (しまいには近くにコーヒーなんかが置いてあって)
      現実にたちかえるだけで、いま享受されている幸せを噛み締めることができます。

      結局この作品を通してオーウェルが読者に伝えたかったことの全容は、私にはわかりませんでしたが
      こういうことなのかな?とも思います。

      時代背景も当時とは違いますし、読む側の身勝手によって
      作者の解釈が変えられてしまうのは私自身どうかと思いますが
      このような読書体験ができること自体貴重な経験だと思いますので
      是非この作品をお勧めしたいと思います。
      >> 続きを読む

      2016/09/08 by

      一九八四年」のレビュー

    • 空耳よさん、コメントありがとうございます。

      >>どんな読後感を持つか、自分の読後感に興味が湧いています。

      いろんな方々のレビューを読んでいると、自分に置き換えた時のことを想像してわくわくしますよねー

      実際、空耳よさんのレビューはいつも
      わくわくしながら拝見させていただいています
      (あんな深みのある文章、自分では書けません...)
      読後のレビュー、是非期待して待ってます!
      >> 続きを読む

      2016/09/08 by マママ

    • ありがとうございます。
      恥ずかしいのですが、レビューというより勝手な感想文です。
      もこうして書いていると色々教えていただいて世界が広がります。
      これからもどうぞよろしく m(_ _)m
      (^-^)
      >> 続きを読む

      2016/09/08 by 空耳よ

    • 評価: 評価なし

      ディストピア物が大好きなのに読んでなかった1冊をとうとう読みました。
      前から読もうと思っていたけど図書館にないしー買うか〜という状態が
      長らく続いたなか、どなたか図書館に寄贈(!)してくれたよ。

      正直、疲れました。。。
      思いのほか読むのに時間がかかりましたねぇ。
      ソマリランドの本の前に読み始めたのに。
      北朝鮮がこんな感じなのかな〜と思ったりなんだり。

      以下、物語後半のことを











































      ウィンストンとジュリアは捕まって拷問や教育を受けるんだけど
      (ジュリアの描写はないですね)なぜ処刑にならないんでしょう?
      非在人間にしたほう体制側も楽なんじゃないですかね〜
      それとも教育などを受けさせるのが体制側にとって必要なんですかね〜
      >> 続きを読む

      2016/09/15 by

      一九八四年」のレビュー

    • いろんなところに出てきますので読んでおこうと思っているのですが、好きな分野でないので教科書気分です。
      たまにはこういうのも良いかもですね。
      わたしも息抜きしながら頑張ります、そちらが多くて(^_^;)
      >> 続きを読む

      2016/09/16 by 空耳よ

    • >でも規制のほうが体制側がやりがいあるかなw
      ナチスのユダヤ人虐待も看守のサディズムが暴走した結果という部分も大きいようですからね。ヒトは実際的で合理的なものよりも精神的満足を優先させてしまう欠陥動物なんです。
      >「すばらしい新世界」新訳は光文社古典新訳文庫ですね。
      そうです。ドストエフスキーの「罪と罰」の亀山 郁夫訳でセンセーショナルな話題になったのがこの文庫です。
      定番の翻訳とは違うという噂もあって、このシリーズに手を出すのを躊躇していたのですが、先日サン=テグジュペリの「人間の大地」と「小さな王子」を読んでみて、とてもよかったので(特に「人間の大地」は堀口大學の訳でとっつきにくさを感じた人にはぜひこちらで読み直してもらいたいと言いたいくらいよい作品でした!)今後も機会があったらクラシック作品はこちらで読んでみようかと思っています。
      一番新訳を希望するのは「風と共に去りぬ」です。
      新潮の新訳が残念なハーレクイン風なのと岩波がなんだか学術書もどきなので、その中間が絶対に必要です。と主張したいです。
      >> 続きを読む

      2016/09/16 by 月うさぎ

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    1984ネン 
    1984ねん

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