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今月の課題図書をみる

2017年09月の課題図書


重く突き刺さるような言葉と、圧倒的なユーモア。
カート・ヴォネガットの作品には人生を深く問うメッセージと、読者を楽しませるユーモアとが同居しています。

そんな彼のファンは著名人の中にも多く、大江健三郎や村上春樹、爆笑問題・太田光などが
大きな影響を受けたことでも知られています。

今月の課題図書「タイタンの妖女」は2冊目の小説であり、代表作品の1つです。
もしかすると難解に感じてしまうかもしれません。
しかし、この作品を抜きにしてSF小説を語ることはできません。

是非、この機会にトライしてみて下さい。

Book Information

タイタンの妖女

3.8 3.8 (レビュー5件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 798 円

時空を超えたあらゆる時と場所に波動現象として存在する、ウィンストン・ナイルズ・ラムファードは、神のような力を使って、さまざまな計画を実行し、人類を導いていた。その計画で操られる最大の受難者が、全米一の大富豪マラカイ・コンスタントだった。富も記憶も奪われ、地球から火星、水星へと太陽系を流浪させられるコンスタントの行く末と、人類の究極の運命とは?巨匠がシニカルかつユーモラスに描いた感動作。

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    レビュー

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    • 評価: 4.0

      読むのに異常に時間がかかった。。
      とても有名な作品なので「夢中になって読んだ!面白かったー」とか言いたいところだけど、なかなか物語に入り込めず、何度も何度も寝落ちしてようやく読破。
      でも読み終わってみるととても心に残る物語だったような気もする。

      読んでいる途中はどこに向かっているのかも全くわからないのだけど所々に出てくる表現やセリフに印象深いものがとても多い。

      「借りちゃった テント、あ テント、あ テント、 借りちゃった テント!」
      なんというシリカルさ。
      怖いし、気持ち悪さを感じる。

      「私はここにいます」
      「あなたがそこにいてよかった」
      最も心に残るシーンの1つ。
      これ以外の言語は何も持たないハーモニウムの交信。

      そして読み終わって、色々な疑問が浮かぶ。

      人間はなんのために生きているのだろうか?
      人間は自由意思で生きているのだろうか?
      アンクは幸せだったのだろうか、不幸だったのだろうか?

      この物語の魅力をまだ全然感じ取れていないと思う。でも
      「すべてはたいそう悲しかった。しかし、すべてはたいそう美しかった」
      そんな物語だった。
      >> 続きを読む

      2017/09/13 by

      タイタンの妖女」のレビュー

    • あ、でも難解な小説ではないですよ。文章は平易でユーモアで満ちていますし、ヴォネガット流のジョークに慣れれば心配ありません。
      時間感覚や語り手が不明な状態などがいわゆる普通の小説ではないという意味です。
      なんとこれから死ぬ予定の人にマークがつくんですよ
      >> 続きを読む

      2017/09/19 by 月うさぎ

    • 月うさぎさん
      色々ありがとうございますー!
      ちょっと安心しました♪
      構え過ぎずに読みます^^

      涼しくなってきて読書の秋ですね♡
      >> 続きを読む

      2017/09/19 by chao

    • 評価: 4.0

      「ボクハココニイル、ココニイル、ココニイル」
      「キミガソコニイテヨカッタ、ヨカッタ、ヨカッタ」
      いいなぁ、この小説。いいことがいっぱい書いてある。

      太田光の書評が読みたくて新装版で再読!
      「タイタンの妖女」は彼の心の書というだけあって的確かつ愛に溢れた解説で、私がレビューを書くよりも、彼のそれを読めといえば話が済んでしまいそうです。そして彼は読書の本質についても正しい認識の持ち主らしいです。

      今回はこの小説を読んでなお残っていた謎を解釈したくてスピード重視で読みました…なんて、面白くて一気に読んでしまっただけなんですけどね。
      ヴォネガットのユニークな宗教観、スケールの大きな時間感覚、人間の中に存在する善性と醜悪さ。
      この小説には色々な要素が詰まっています。
      滑稽なドタバタ劇と登場人物に対する非情で残酷な仕打ちにもかかわらず、全く嫌味を感じないのは何故?
      それは、彼には大きな願いがあるからです。
      一人の人間が世界を変えることはできないし、芸術の力を過信もしていません。でも、多くの人が大きな勘違いをしていることに気づくきっかけを与える事位はできるだろうと。だから彼は自分の言葉を伝え続けたのでしょう。

      この小説には新しい宗教が提案されていますが、神は余りに大きすぎるので一人一人の人間になんて構ってられないのだというのです。
      だから人間ごときが神に気に入られようとするのは思い上がりも甚だしい。神の意志に反しているなどと他人に脅威を与えるのも間違い。自分が特別であると考えることは不遜で、ただ単に運が良いとか悪いとかそんなことがあるだけだと。

      また、私はよく、宇宙人が攻めてでも来ない限り人類は結束できないだろうと残念に思っているのですが、ああ、この小説ってそういう話でもあったなと。

      人類はいつ気づくのでしょう?
      宇宙の中に存在する奇跡の有難さや悠久の時というものの本質とに。
      世界は人の心の持ちかた一つで、一瞬のうちに別の姿になるのに。

      いちいち同意やら納得やら感動やら、忙しい読書になりました。
      地球人がなんぼのものかと思い知らせるために、人間達がどんなに馬鹿げた酷い仕打ちをヴォネガットから受けようとも、ストーリーとして受け止めて読めるのに、AIのトラルファマドール星人のサロの悲痛な叫びにだけは泣かされてしまいました。

      私はやはりSF脳の人みたいです。
      >> 続きを読む

      2017/09/19 by

      タイタンの妖女」のレビュー

    • >面白くて一気に読んでしまっただけなんですけどね。

      何度も寝落ちした自分を恥ずかしく思いました。。。汗

      SFって本当に深いですね。昔は宇宙船同士で戦ったり宇宙人が攻めてきたり爆発したりするのがSFだと思っていましたが。ブラッドベリもそうでしたが淋しかったり悲しかったり。

      月うさぎさんのレビューでまたこの本について違った見方ができてとても考えさせられました。

      そしてハーモニウムの引用があるのが嬉しい♪
      >> 続きを読む

      2017/09/19 by chao

    • chaoさん
      ハーモニウムは究極的な平和な生物ですね。
      彼らのように2つのメッセージだけで用が足りるとしたら、どんなにか幸せなことでしょうか。ボアズの言葉も印象深いですね。
      「おれはなにもわるいことをしないで、いいことのできる場所を見つけた」
      >> 続きを読む

      2017/09/19 by 月うさぎ

    • 評価: 4.0

      読み終わったとき、"私が今この本で辿ってきた物語は、はて、夢だったのかな"という不思議な感覚が自分のまわりをつつんでいた。

      この物語ではあらゆる大きな〈こと〉が語られる。人間はなぜ存在しているのか、宇宙はどうなっているのか、そして時間と次元。
      さらには愛とは何か、友情とは何か、夫婦とは、親子とは?
      機械と生物ってどこがちがうんだろう、人間と鳥とは共生出来るの?

      作者は物語の中にありとあらゆる問いを散りばめ、主人公コンスタントの息子であるクロノが、土星の衛星タイタンの野原に作り置いた(土星群をモチーフにした)祭壇のごとく、読者である私たちにそんな問いをぽつんとのこしていくのである。

      そして登場人物たちはそれぞれに自分達の生きる場所を見つけ、人生を思い残すことなく全うしていく。
      アンク(マラカイ・コンスタンツの別名)の火星での友達のボアズは、ハーモニウムという菱形の生物とともに水星の洞窟でずっと生きることを決め、ラムファードは宇宙をさまよい、自分の運命がトラルファマドール星人の手の中にあると知りつつそれを受け入れたまま死に、クロノは、タイタンつぐみという鳥と生きる選択をし、マラカイは妻のビアトリクスが死ぬと、地球で残りいくばくかの余生を過ごすことを決め、そしてアメリカのインディアナ・ポリスの雪の中で眠るように死んだ。
      マラカイの唯一心残りだった、火星で友人のストーニイを殺してしまった事も、死ぬときにトラルファマドール星人のサロのかけた後催眠幻覚で、ストーニイとともに天国へいく夢を見ながら幸せに死んでいくことで解消された。

      世界は時間等曲率漏斗であり、また単時点的でもあるのである。
      それは結局それぞれの人が感じたりするそのことで世界は存在するんだ、だから別の次元でちがう自分が存在するかもしれないし、ただ真っ直ぐな線のような単純な世界かもしれない。
      世界はどうなっているかわからないままだけど、結局人はあるがまま生きていくんだなぁと、それでいいんだなぁと。

      余談だが、サロが出てくる場面は「銀河鉄道999」が、クロノがタイタンつぐみと暮らす場面は「おおかみこどもの雨と雪」が、マラカイが死ぬ場面は「あしたのジョー」がふと思い浮かびました。
      >> 続きを読む

      2017/09/15 by

      タイタンの妖女」のレビュー

    • 月うさぎさん

      そっか擬音あそびか。僕もすっきり!

      火星人が地球人を捕まえる呪文かと思った(笑)
      >> 続きを読む

      2017/09/20 by Reo-1971

    • 小太鼓の音は人間の意志を奪って操るための呪文であるというニュアンスでいいと思います。 >> 続きを読む

      2017/09/20 by 月うさぎ

    • 評価: 4.0

       巨匠ヴォネガットの名作。

       この本を手に取った時、思わず変な感慨に浸ってしまいました。
      「ついにヴォネガットを読むようになったか……」と。
       ディックやイーガンのときにも感じたものです。おそらく、いや完全に自己陶酔というやつでしょう。
       
       ネットで「おすすめ SF」と検索しているような安直な私にとって、これらの名前はしょっちゅう目にするものです。
       そして「面白いんだろうな。でも難しいんだろうな。読んで面白さがわからなかったらどうしよう。」と思い悩みつつ、恋いこがれていた名作たちです。
       
       結論から言いますと、「やっぱり、早かったか」というのが正直な感想でした。読み解けてないな〜と感じる部分は多かったです。
       ただ自分にとって今読むべき作品であったのは確かです。

       この一冊を読むことで「なんで生きてるの? 運命って何? 偶然て何? 人生の意味って何?」といった根源的な問いを自分に問うことができます。そしてヴォネガットはその答えは示さないまでも、答えの存在を感じさせてくれます。

       多読家で知られる爆笑問題の太田さんが解説を書かれていますが、それがとても秀逸です。読中、読後の思いをうまく言語化してくれています。

       分けわからん、でも感じ取れそう、それが正直なところです。
       人生の一冊になりうる本だと思います。
      >> 続きを読む

      2014/11/16 by

      タイタンの妖女」のレビュー

    • 読まねばとおもいつつ。

      参考になりました。

      2014/11/17 by 空耳よ

    • この小説で泣ける太田さんってナイーヴだなって思いました。
      (私は旧版で読んだので太田氏の解説は読んでないんですが、TV番組で語っていたのを聞きました。)

      でも私にとってはヴォネガットのベストはこれじゃなくて「ガラパゴスの箱舟」なんですよね~♪
      (まだレビューしていませんが。ものすごく影響を受けた作品でした。)
      独特のユーモア、というかジョークが真面目にSFを読もうとする人には違和感ありって感じになるかもしれません。
      この著者には慣れが必要な部分もあるかも。です。
      >> 続きを読む

      2014/11/17 by 月うさぎ

    • 評価: 3.0

       読書ログ初めての投稿です(よろしくお願いします m(_ _)m)。
       9月の課題図書がこの本になっていたのでまずはお試しで。

       いかにもカート・ヴォネガット・ジュニアらしい、シニカルで人を喰ったようなSFです。
       ヴォネガットの最高傑作と言われている作品ですが、これは好きずきだろうなぁ。

       物語はラムファードという大富豪の数奇な運命を狂言回しとして進んでいきます。
       ラムファードは、愛犬のカザックと共に、個人用宇宙船に乗って宇宙空間にある時間等曲率漏斗にまっしぐらに突っ込んでいった結果、起点を太陽系内部に置き、終点をベテルギウス星に置く歪んだらせんの内部で波動的存在として生きていくことになりました。

       え?何だかよく分からないですって。
       全然構いません。
       取りあえず、ラムファードは宇宙の様々な場所に実体化すると共にらせん内部のあらゆる時空間にも同時存在しているということのようなのです。
       地球の私邸には59日おきに実体化します。

       ある時、ラムファードは、地球に残っている妻に宛ててコンスタントという若い大富豪を呼ぶようにメッセージを届けます。
       どうやら、土星の衛星であるタイタンで、ラムファードはコンスタントと出会っているというのです。

       好奇心に惹かれたコンスタントは、招待に応じて実体化したラムファードに会いに出かけます。
       そこで、コンスタントは、未来を予知できるというラムファードからある託宣を賜るのでした。
       それは、今後、コンスタントは火星→水星→地球→タイタンへと旅をすることになり、また、火星で自分の妻とまぐわい、男児をもうけることになるというものでした。

       何でそんな目に遭わなければならないの!
       まっぴらごめんだというコンスタントに対し、ラムファードは一枚の不思議な写真を見せます。
       それは3人の超絶美女が映っている写真で、この3人の美女がタイタンでコンスタントを待っているというのです。
       それにしても、宇宙に行くなんて……

       ところが、ラムファードの予言は的確で、コンスタントとラムファードの妻は、そんな運命は意識的に避けてやろうと決意していたにもかかわらず、予言通りになっていってしまうのです。

       と、まぁ、こういう物語なんですが、ヴォネガットが書いているので、ユーモア満載、シニカルで、あのぉ、もうちょっと真面目に書いてくれませんか?(笑)的な作品になっています。
       この感じは……そう、ダグラス・アダムスの『銀河ヒッチハイク・ガイド』に似た雰囲気と言えばお分かり頂けるでしょうか。
       まぁ、ダグラス・アダムスの方がヴォネガットにインスパイアされているのでしょうけれど。

       あんなハチャメチャなお話が繰り広げられるわけですが、最後の最後では、ちょっとだけほろっとさせることも忘れてはいません。
       ツボに来る人には楽しめる一冊かもしれませんね。
      >> 続きを読む

      2017/09/24 by

      タイタンの妖女」のレビュー

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    タイタンノヨウジョ 
    たいたんのようじょ

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