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2021年05月の課題図書


2021年5月の課題図書は夏目漱石の「坊っちゃん」です。

夏目漱石のユーモアが溢れた痛快な一冊。
時代こそ違えど、描かれている人間模様は現代も変わらず考えさせられることも多く、まさに不朽の名作です。

是非、この機会に読書時間を。

Book Information

坊っちゃん

3.9 3.9 (レビュー11件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 300 円
いいね! mariak1994

    レビュー

    すべてのレビューとコメントを開く
    • 評価: 4.0

      「親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしてゐる。小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間程腰を抜かした事がある。」
      で始まり、
      「だから清の墓は小日向の養源寺にある。」
      で終わる『坊ちゃん』。

      『坊っちゃん』と『吾輩は猫である』は、ストーリー性や文学性を飛び越えて、
      今なお多くの国民に愛されている小説である。
      私は両作品とも小学生のころに子供用の本で読んだ。
      省略はなく、るびつき、新仮名遣い、言葉の意味の解説が巻末に載っているという類のハードカバーの文学全集シリーズ。
      共に特に出だしの文の調子が良くて、特に冒頭部分は何度読んだかしれない。

      『坊っちゃん』を、そのストーリーから、成長のない展開のない幼稚な話だと
      決め付ける向きがあるが、そうだろうか?
      子供でも読めて、面白いと思える小説だから馬鹿にしているのかもしれない。
      それはあまりに子供を馬鹿にしたお話ではないか?

      『坊っちゃん』のよさは、話の筋にあるのではない。
      多くの読書家がストーリーのことにのみ云々しているのには寂しいものがある。
      物語そのものを楽しむ小説、話に含まれる比喩や批判や哲学を読み解く小説と、
      さまざまなタイプの小説が存在するわけで、
      『坊っちゃん』は「文章」と「心」を楽しむ小説なのだ。

      ラストの一言には、いつ読んでも心がじんわりと暖かくなる。

      江戸弁に流れを汲む東京弁のリズム感。
      これは、漱石が落語好きだったことも大きいと思うが、
      ぜひ、声に出して(出したつもりで)読んでみて欲しい。

      ぽんぽんと、キレの良い言葉は、例えば、寅さんにも似ている。
      この言葉を活かすのが、『坊っちゃん』の喧嘩っぱやさなのだ。

      「新聞ほどの法螺吹きはあるまい。
      おれのいってしかるべきことをみんな向うで並べていやがる。
      それに近ごろ東京から赴任した生意気な某とはなんだ。
      天下に某という名前の人があるか。考えてみろ。
      これでも歴然とした姓もあり名もあるんだ。」

      「その夜おれと山嵐はこの不浄の地を離れた。船が岸を去れば去るほどいい心持ちがした」

      こう言っては身も蓋もないかもしれないが、
      東京弁って悪口に似合うのかも(^。^)


      ただ口汚い話だったらもちろん、小説として愛されることはないだろう。

      この物語の最も重要なのは下女の「清」である。

      父親からも母親からも可愛がってもらえなかった『坊ちゃん』を清は
      「あなたは真っ直でよいご気性だ」と溺愛した。

      坊ちゃんのほうも、
      「田舎へ来てみると清はやっぱり善人だ。あんな気立のいい女は日本中さがして歩いたってめったにはない。」
      と恋人みたいな想い様。

      清というおそらく瓦解した武家の出である老女の「坊ちゃん」への無制限の愛とは、何か。
      江戸時代の人間にとって明治時代は、田舎者が東京を征服し日本を支配した時代である。
      武士道にとって変わって西洋かぶれが蹂躙する日本。
      清と坊ちゃんの愛は、江戸時代への思い、「東京」という町への愛の代弁者であったのかもしれない。

      坊ちゃんは多分に時代的政治的なニュアンスを含む小説なのだ。

      坊ちゃんがだから「赤シャツ」を代表とする近代日本に歯向かっても無力なのは当然なのだ。
      (「赤シャツ」は漱石が嫌っていた伊藤博文がモデルという説があるらしい)

      官僚や田舎での権力などに何の未練もなく、とっとと愛する故郷と
      自分を最も愛し、必要とする人の元に帰っていける若い坊ちゃんの潔さ。
      社会や大人と折り合いを付けて生きていくことを成長とは、漱石さんは考えなかった。

      なるほど、東大の先生の職を蹴った人だけのことはあると思いませんか?

      でも、大人になって、いろんなしがやみや損得にまみれてしまってからは
      理解できないのかもねえ。

      子供の頃に読んでよかった。(^^♪


      【蛇足】
      清の墓は小日向ではなく、文京区『千駄木』の養源寺にあります。
      小日向には夏目家の菩提寺「本法寺」があります。

      【蛇足その2】
      今日、12月9日は漱石忌だそうです。享年49歳。うそ~。若すぎです。
      あまりに惜しいです。彼がせめてあと10年生きたら、どこまで行けていたことか…。
      >> 続きを読む

      2012/12/09 by

      坊っちゃん」のレビュー

    • sunflowerさん
      し…しまった。
      「坊ちゃん」の、夏目漱石の、文豪のレビューがぁぁ~( ̄▽ ̄;) >> 続きを読む

      2012/12/10 by 月うさぎ

    • 気が付いたら全く違う話題で盛り上がってしまったーι(´Д`υ)!!

      2012/12/10 by sunflower

    • 評価: 4.0

      「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。」という書き出しがとても有名ですよね。
      あまりにも有名で、かつ松山に旅行した時に至る所で「坊ちゃん」を体感したので、すっかり読んだ気になっていました。
      5月の課題図書。少し遅くなりました。

      「人間は竹のように真直でなくっちゃ頼もしくない。真直なものは喧嘩をしても心持がいい。」とはっきり言い切る主人公と、赴任先の中学校で起こる事件の数々。登場人物が濃くておもしろいです。
      そんな真っ直ぐな坊ちゃんに、陰湿で才気のある赤シャツ。悪役。江戸っ子気質な坊ちゃんと合うわけがない。
      会津出身の山嵐(数学教師)、狸(校長)、野だいこ(教頭の太鼓持ち)、うらなり(英語教師)と、それぞれが持ち味十分のキャラクターをしています。
      マドンナがほぼ登場しなかったことに驚きました。てっきり、坊ちゃんのマドンナだと思っていたので。松山でそんな先入観を植え付けられていたので。ドラマ版だと出番が多いのかな?

      赴任先の出来事も楽しく読ませてもらいましたが、それ以上に良かったのが下女の清との親子以上の関係!
      父親は可愛がってくれず、先に亡くなった母は兄ばかり贔屓。兄とはそりが合わない。良いとは言い難い家庭環境で唯一愛情を注いでくれたのが、下女の清。松山に赴任後は特に、距離が離れたことで清への思いが至る所にみられ、あたたかさを感じました。自分を肯定してくれる存在に、より感謝がわいたのではないでしょうか。今頃どうしているのか、風邪などひいていないだろうかとお互いを思いやる心にじわりときます。

      多くを語らなくとも伝わる、ラスト5行がとても好きです。
      >> 続きを読む

      2021/06/02 by

      坊っちゃん」のレビュー

    • 自分は未だに容姿も中身も坊っちゃんって言われています(笑)
      まあ、作中の坊っちゃんよりかは全然何も成していないし、立派でも無いですけどね(;^_^A >> 続きを読む

      2021/06/03 by 澄美空

    • 坊ちゃんもこの作品では成し遂げてな…ぃ笑
      私自身も全然成し遂げていないし、立派でもありません(^^ゞ
      歳だけは取ります。笑
      >> 続きを読む

      2021/06/05 by あすか

    • 評価: 5.0

      東京から出て田舎の中学校の教師として働くことになった坊ちゃんが、悪戯してくる悪がきや、私利私欲に走って、陰謀をめぐらす教師たち相手に悪戦苦闘するなか、坊ちゃんの心の中心に清がいて、清だったらこう言うとか、こうするとあれこれ考えて、心の支えにします。
      清が坊ちゃんを心からかわいがっていることや、坊ちゃんが清をいつも気にかける様子が伝わってきて、心がほっこりと温かくなります。「お墓のなかで坊っちゃんの来るのを楽しみに待っておりますと云った。だから清の墓は小日向の養源寺にある。」の文章は、何度読んでも胸にしみます。
      >> 続きを読む

      2015/07/21 by

      坊っちゃん」のレビュー

    • Ulalaさん、フォローして下さりありがとうございます。

       プロフィール画像可愛いですね、うちのカミさんかと思いました……というのは冗談で、

      >だから清の墓は小日向の養源寺にある。」の文章は、何度読んでも胸にしみます。
       うんうん、本当にそうですね。ぼくも『坊っちゃん』は何度でも読めます。この小説の凄いところは、いたずらに長い小説にしなかった点にあるという人もいます。ほら、電車に乗ったらいきなり愛媛松山に着くでしょう。要するに、電車内の描写をカットしています。これは川端の『雪国』もおなじで、このようにシーンをバッサリと省略するのが上手くいっている作品は名作になりやすい、という説もあります。
      >> 続きを読む

      2015/07/21 by 素頓狂

    • 素頓卿さん

      プロフィールの画像、かわいくて、ちょっとのんきな感じがして、楽しそうなクリップアートを選びました!

      素頓卿さんのコメントを読んで、作品の特徴をつかんで、分析するって、すごいなぁ~と関心してしまいました。「雪国」もぜひ読んでみたいと思いました!
      >> 続きを読む

      2015/07/22 by うらら

    • 評価: 3.0

      (勝手に)日本の文学に触れようキャンペーン第二弾。


      ちなみに購入したのは角川文庫祭のカバーがハイカラなやつだ。


      冒頭の2行ほどだけ覚えている。その後の文章も小学生か中学生あたりで教科書で読んだはずだがどんな気持ちで読んでいたか思い出せない。

      全体的にはオチがないのが残念だけれど、文章のテンポは良いし、江戸っ子の荒々しさや実直さなどが面白く気持ちよく読めた。
      >> 続きを読む

      2013/05/09 by

      坊っちゃん」のレビュー

    • > 全体的にはオチがないのが残念だけれど、文章のテンポは良いし、江戸っ子の荒々しさや実直さなどが面白く気持ちよく読めた。

      オチが無い感じありますよね。

      ファンが多い作品だけに、山盛り期待して臨んだのが敗因でした...
      >> 続きを読む

      2013/05/09 by ice

    • >江戸っ子の荒々しさや実直さなどが面白く気持ちよく読めた。

      とても面白そうです☆
      もしかしたら入試に出ちゃうかもしれないクラスの名作ですし、読んじゃおっかな♡ >> 続きを読む

      2013/05/10 by aimi☆

    • 評価: 4.0

      今年は、夏目漱石没後百周年らしい。
      ということで久しぶりに夏目漱石を読む。

      漱石はいくつか読んできたのだが、正直言って余り好きではない。
      読んだときが幼くて漱石の魅力がわからなかったからか、文体が苦手なのか今となってはそれもわからない。

      「坊ちゃん」は実は読んだことが無かった。
      この年になって「坊ちゃん」も悪くないかと思い読むのは「坊ちゃん」に決定。

      思っていたよりも短い作品なのだと手に取って感じた。
      長編というよりは中編くらい。200ページ無い。

      だいたいの物語は知っている。
      有名な書き出しも知っている。
      しかし、今回読んで知ったことがいくつかある。
      野だいこのことは野だとなっていること。
      マドンナは殆ど出てこないこと。
      坊ちゃんの名前が最後までわからないこと。
      道後温泉などの明確な地名に関する記載はないこと。
      読んでみると違うのだという至って当たり前なことに気づく。面白い。

      坊ちゃんの口がまた随分悪い。まさに毒舌。
      文章が軽妙で思ったよりも読みやすい。
      「坊ちゃん」を読んでいたら漱石を敬遠しなかったかもしれない。漱石ごめんなさい。

      悪い、を悪るいと表記していたり、漢字の送り仮名が現代とは違うものもあるのだなと、時代の違いも感じる

      腹の立つ赤シャツたちに最後はやり返すところが大きな見せ場だけれど、そんなにやってやったという程に痛快さは無かった。
      でも、このささやかな仕返しが少年向きだとも言える。
      何かされても、仕返しでやり過ぎない。汚れきった大人にはこの程度かと、物足りなく微笑ましくさえ感じるくらいにとどめておけよという漱石先生の声が聞こえてくるようだ。

      口は悪いがばあやを大切に思うやさしい坊ちゃん。
      最後の文章に胸があたたかくなる。

      坊ちゃんを若き夏目漱石に重ねながら読んだ。
      >> 続きを読む

      2017/01/10 by

      坊っちゃん」のレビュー

    • rock-manさん
      コメントありがとうございます。

      「吾輩は猫である」は中学生の頃に読みました。
      確かそこそこ面白く、最後にありゃりゃと驚いた記憶があります。
      でも年齢を重ねると見えてくるものも変わりますよね。読み返しもいいかもです。
      >> 続きを読む

      2017/01/11 by jhm

    • 月うさぎさん
      コメントありがとうございます。

      子供の頃に嫌いな登場人物を、大人になると見方が変わることってよくありますね。
      成長する上で、白と黒では分けられないことや、そうせざるを得ないといった内面が見えてくるものですよね。
      「吾輩は猫である」も漱石と言ったらの作品ですね。
      >> 続きを読む

      2017/01/11 by jhm

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