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2012年11月の課題図書

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2012年11月の課題図書


秋の夜長の楽しみと言えば読書。
読書の秋がやってきました。

普段、ビジネス書を中心に読まれている方も、マンガを中心に読まれている方も
たまには日本文学を読んでみてはいかがでしょう。

日本を代表する文豪、夏目漱石の「こころ」。

この秋、じっくり本と向き合う時間を作って、日本文学を堪能してみませんか?

Book Information

こころ

3.8 3.8 (レビュー27件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 389 円
いいね! tomato kuuta tadahiko taiji

    レビュー

    すべてのレビューとコメントを開く
    • 評価: 4.0

      「…恋は罪悪ですよ、よござんすか。さうして神聖なものですよ」

      この「罪悪」の意味を「Kの裏切り」「Kへの裏切り」
      いずれか、もしくは両方のことを指すという解釈が一般的かもしれない。

      けれど私はこれは違うと考えている。

      「こヽろ」は、ある意味、漱石の恋愛小説の完成形なのだ。
      「三四郎」「行人」「門」で書かれたことと、違う切り口で書かれたもののはず。


      「明治の精神」を、江戸時代と対比し、世界に開かれ、個人の枠を超えた大志を持った向上心のある人間を目指すことだと仮定したら、
      個人的な感情の成就に自己存在をかける恋愛は対極の価値観と言えるかもしれない。

      天下の東大で志をもって学問に燃えていたはずの学生が、
      自分の恋愛を期に、Kという親友を失い、自己実現の挫折をも招く結果となった。
      選ばれしエリートとしては、堕落であり、あってはならぬことだった。

      正岡子規が、病に倒れ自己の大志を貫徹できない苦渋に
      身もだえしている姿を目の当たりにしていた漱石である。
      人物は異なれど、「こヽろ」の「K」への「先生」の尊敬は
      漱石の友への尊敬の実感が反映しているのかもしれない。


      恋愛の成就という個人的な次元の自己の願望を優先してしまったという自覚。
      それこそが彼にとっては自分を裏切る「罪悪」なのだと思う。
      自分を裏切った伯父を許せなかったのと同様、自分を裏切った自分をも許せない。

      そうでなければ、先生の自殺は説明ができないではないか?


      最終的に、「先生」は世の中の役に立つことをするという「逃げ」さえも選択できなかった。
      あまりにも純粋すぎ、自分に正直で頑なすぎたからだ。
      Kに対するあまりに強い劣等感もあって、それをさせなかったのかもしれない。
      (先生は自分よりもKを優れた人間と心から信じていた節がある)

      そして、妻・静を神聖に愛しすぎたためでもある。
      もはや静は人間ではなく恋の象徴となってしまったのではなかろうか。

      妻には何も知らせないでくれ。
      純白の妻を汚したくないから。と頼む。

      よって、先生には恋愛の純粋性、神聖さを貫き通す意図があったと
      私にはそう読めるのだ。

      そして、あまりにもロマンチシズムに耽溺した「先生」のこころは
      多くの現実を生きる女性には理解されない類の妄想となることだろう。

      先生自身、その思想がエゴイストのものだとわかっている。
      妻の立場に立てば、それは単なるわがままであり、無責任であり、逃げである。
      それをも承知で、深く傷ついている男がこの先生なのだ。

      ずるいよね。と、昔の私は思った。

      こういう人は現実を生きていけないよね。
      と、今なら思える。


      そしてやっぱり、男と女の間には、暗くて深い溝があるのだ。


      最初のレビューがちょっとおふざけだったので、みなさんのレビューを読んでちょっと反省。
      真面目な書評を追加で書いてみました。
      >> 続きを読む

      2012/11/19 by

      こころ」のレビュー

    • サラサラ読めるようで、なかなか頭に入って来ず、やっとこさ読み終えました。

      やっぱり夏目漱石は苦手...(笑)

      こういう思考の人がいるのは理解できますが、男性から見てもKと先生の自殺は受け入れ難い歯痒さが有ります。

      死んで楽になれるのかは知りませんが、なれるとしても自分だけ。自己中ですよね。
      >> 続きを読む

      2012/11/20 by ice

    • iceさんは漱石苦手ですか?(^^)
      そういうのってありますよね。私は太宰は苦手。というより受け付けません。

      >歯痒さ
      そうですよね。もどかしいし、いらいらします。
      その歯がゆさがゆえに文句も含めていろいろ言いたくなる小説なんだと思います。
      共感はできませんが、こころは刺激されているってことですよね。
      >> 続きを読む

      2012/11/20 by 月うさぎ

    • 評価: 4.0

      高校の時に「こころ」の一部が教科書に載っていた気がするが、当時は全く興味ももたなかった。「先生」が出てくるというくらいの記憶しかなく、今になってどんな本だったのか読みたくなり読んだ。夏目漱石をちゃんと読んだのは実は初めてだと思う。

      「私」も「先生」も「K」も正直私にとっては全く共感できず、感情移入もできない。

      ただ人間誰しも持っている精神的な自己矛盾とか、裏切られてどうしても許せないような過去を持っていたのに気が付いたら自分がその許せなかった人と同じような立場にいたとか、人間の「こころ」のありのままが描かれていて、「こころ」ってそういうものだよねと思える。

      人間の心が理屈で説明できるわけもなく自分でも制御しきれないものだということ。それはある意味当たり前の人間の本質だと思うけれど、個人的には「そんな厭世的に生きるのは勿体ないよ、先生!!」と言いたい。
      >> 続きを読む

      2012/09/21 by

      こころ」のレビュー

    • >「そんな厭世的に生きるのは勿体ないよ、先生!!」

      そうですよ。先生!!☆

      2012/11/20 by aimi☆

    • 内に籠る自由が有るのは、相当目減りしたとは言え資産家だという点が大きいのでしょうね。

      食うために稼ぐ必要が有る立場では、そんな自由は有りゃしないですもん。
      >> 続きを読む

      2012/11/20 by ice

    • 評価: 4.0

      「『こころ』は本当に名作か?」なんてタイトルの本がでていましたね。
      私は「こころ」は名作だと思います。
      が、それは、読み手がいろいろに解釈できる点、
      時代が変わっても、まだ読み続けられている点、
      読んだ人が何かを語りだしてしまうような触媒作用を持つ点、などによります。

      小説としては、完全な推敲のもと、計画的に書かれたものではないので、
      矛盾もあるだろうし、整った形式美もないですね。
      三島の作品とは全く異なります。

      それでも。魅力的なのは…漱石が天才だからよ。
      ははは。それじゃ、レビューにならないだろう(≧∇≦)ノ彡 バンバン!

      すみません。

      これもですね。
      男と女ですご~~く評価がわかれる作品なんですよ。

      Kに対する評価が真逆になることがある。

      女でKを好きという人は多分いないと思う!

      ルックス魅力無いし、楽しくないし、勘違い野郎だし、
      好かれて迷惑ってお嬢さんは思うはず。
      単なる横恋慕。
      その癖に「道」のために死ぬなんて恰好つけて、
      よりによってその人の家で流血自殺するなんて!!!迷惑千万なKY男。
      お前なんか死んで良かったよ、バカ野郎!
      …と、大昔、高校生のころの私は思いました。

      なのに、男はKに同情というか、何か感じ入るものを感じるそうです。
      で、先生は男らしくない情けない奴。と感じるらしいです。
      (なにしろ先生本人が自分をそう思っているのですからね)

      Kが好きという人(男)がいます。私には信じられませんが、本当です。

      一方、三浦しをんさん(作家)は、この小説に同性愛を見て取って
      きゃいきゃい喜んでいます。
      (彼女はBL系腐女子ですから)さもありなん。

      いいけどね~。そう読みたけりゃ読める作品ではあるから。

      でも、漱石さんはそう意図して書いてはいませんから念のため。

      彼の天才は人間の心の不可思議なありのままを
      わからないまま、書ける人だったということです。


      とはいっても、女としては
      「女から一言言わせろ!!」と言いたくてうずうずする作品ですね。
      >> 続きを読む

      2012/05/15 by

      こころ」のレビュー

    • iceさん こちらにも書き込みありがとうございました。
      より素直な感想がこっちです
      高校生のころの私はKにも先生にも怒りまくっていました。
      名作だとはちっとも思わなかったですね~。
      それが、いつまでも、どっかに未消化な部分が残っているからすごく不思議で。
      作者による解決がなされていないところにも原因があるのかも。
      大学の偉そうな先生の解説読んでも、それ違う。って思います。
      この小説を誰も解明できていないのでしょう。
      >> 続きを読む

      2012/11/20 by 月うさぎ

    • tadahikoさん ありがとうございます。
      結局、これだけレビューが出て、語り合っても、共通の結論や解釈が出ない話なんです。
      なんだこりゃ~。が一番正解なのかも~。
      >> 続きを読む

      2012/11/20 by 月うさぎ

    • 評価: 5.0

      本棚に寝かし続けて3年。
      やっと読了することができました。
      なぜこんなにかかってしまったかというと、主人公が慕うほどの魅力を先生に感じなかったからです。
      何が良くて通っているのだろうと思っていました。

      上 先生と私
      中 両親と私
      下 先生と遺書
      の3部構成。
      上・中は主人公の視点で物語が進行します。下は先生からの長い手紙。
      先生の「こころ」がなかなか見えてこなかったので、上記のように良い感情を抱くことができなかったのですが、先生視点となってから彼の人生が明らかになり、物語にもどんどん惹き込まれていきました。
      病的なくらい、細部まで一人の男の感情が描かれているのは圧巻です。
      ここまで「こころ」露わに、誰にも話すことのできなかった出来事を美しい文章で手紙に綴る・・・
      正直なところ、先生は妻にくらい少しは伝えなよ、主人公は父の最期を見届けず衝動で先生の元へ駆けつけないでよ、と思いながら読んでいた部分もありましたが。
      どうしても伝えることのできなかった男の「こころ」を含め良い作品だったと思います。

      当初はまさか、このような感想になるとは思ってもみませんでした。
      もし同じような方がいらっしゃれば、何とか頑張って「先生と遺書」まで読んでほしいです。この作品の印象がガラリと変わります。
      私が言うまでもありませんが、名作です。
      >> 続きを読む

      2018/09/09 by

      こころ」のレビュー

    • >なぜこんなにかかってしまったかというと、主人公が慕うほどの魅力を先生に感じなかったからです。
      >何が良くて通っているのだろうと思っていました。

      わかります!!!
      わかりすぎます!!!

      私はこの本の中のクヨクヨ女々しい感じがどうしても許し難く、もう一度寝かし中です笑。またがっつり寝かしてから再読します♪
      >> 続きを読む

      2018/10/01 by chao

    • chaoさん
      びっくりするほど魅力感じないですよね!!!!!
      なのにこの読後感・・・夏目漱石恐るべしです。
      読んでよかったと思うけど、再読は私もしばらく遠慮したいですね。笑
      何年も寝かしてきましたが、読むことができて本当に良かったです♪
      >> 続きを読む

      2018/10/06 by あすか

    • 評価: 4.0

      11月の課題図書を読んでみました。

      実は読み始めてからしばらくの間、
      「先生」は女性だと勘違いしていました。
      なぜなら、「私」がどんどん「先生」に魅かれていくから。

      先生の妻が出てきて初めて、先生が男性であることに気付きました。
      恥ずかしい。

      夏目漱石をしっかりと読んだのは初めてだと思います。
      そしてこれが大正時代の作品だということにも驚きました。

      恋愛の悩み
      遺産相続問題
      就職探し

      ほとんど今と変わらない悩みばかりです。

      そしてその「恋愛」が招いた自分の過去の過ちを許せぬまま
      「死」という結末を選ぶまでの先生の生き方は、
      時代による道徳観念の違いからかどうしても受け入れられませんでした。

      「恋愛は神聖だけれども罪悪だ」

      2人の間にある純粋な愛は神聖ですが、
      それをとりまく環境も含めた時に、それがただ神聖なものではないこともあるのだろう、
      と思うと、この言葉は時代に関わらず共通する言葉として受け入れられました。
      >> 続きを読む

      2012/11/07 by

      こころ」のレビュー

    • >chibadebuさん

      chibadebuさんの年齢が気になってきました(笑)

      2012/11/20 by アスラン

    • >aimiさん

      aimiさんには「罪悪」ではない「恋」をしてほしいです♪

      2012/11/20 by アスラン

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