こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)

2012年12月の課題図書

今までの課題図書

2012年12月の課題図書


当たり前のようにそこにある人間たちの時間。

人間が時間を「時間貯蓄銀行」から来たという灰色の男たちに奪われ、
不思議な力をもった少女モモが取りかえしてくれる。

「モモ」はそんな時間のお話です。

子供が読んでも大人が読んでも楽しめるこの物語は
心に余裕のない生活を送っている現代人への警鐘とも受け取られ、
また、現代の経済システムへの疑問が込められてるとも言われます。

でも、ここは難しいことはひとまず置いておいて
「モモ」の世界を純粋に楽しんではいかがでしょうか。

この本を自分へのクリスマスプレゼントにする、なんていうのも素敵ですね。

Book Information

モモ

時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語 (岩波少年少女の本 37)
4.1 4.1 (レビュー21件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 1,785 円
いいね! Minnie chao kuuta caramel sunflower Ringo oriedesi

    レビュー

    すべてのレビューとコメントを開く
    • 評価: 4.0

      「モモ」は子供のための童話、美しいイメージに溢れる王道のファンタジーだ。
      同時に大人にとっては寓意で語られた哲学や経済の書でもある。
      それも、非常に難解な…。
      「時は金なり」「時間がない」とはどういうことなのか。
      その裏にある恐ろしいからくりをファンタジーに隠して描いている。

      エンデはいつも自分の哲学や思想を物語に託してメッセージを送っているのだが、
      話の表面を通り一遍に読むとその意図に気づかずに薄っぺらい感想を持つことになる。

      「人間が時間を節約すればするほど、生活はやせほそっていくのです。」
      と書いているが、単に「時間に追われる生活は豊かではないよ」と言っているだけではない。

      「時間を節約する」ということが、本当は何を意味していて、人から何を奪っているのか。
      そもそも「時間」を「お金」に換算することが、(当たり前に感じているけれど)
      大きな間違いで罠だということだ。
      そして裏にはその「時間」を搾取している存在があるということに
      気づかなければならない。

      そもそも「時間」は量では測れず、質だという考えもあるだろう。

      エンデは言う。
      「なぜなら時間とは、生きるということ、そのものだからです。」

      彼がこの話をファンタジーという手段を選び、子供に読ませたいと思ったのは、
      すでに「灰色の男たち」と契約し、その記憶を消されている我々大人には
      彼の意図がもはや伝わらないと考えたからだろう。
      ピュアな子供に彼なりの洗礼を与えたい。そう願ってのことだ。
      そして事実、子供は、この物語のメッセージを正確に読み取れるのではないか。


      「人間はじぶんの時間をどうするかは、じぶんじしんできめなくてはならない。
      だから時間をぬすまれないように守ることだって、
      じぶんでやらなくてはいけない。」


      もちろん、寓意ばかりを探してせっかくの物語を堪能しないのは貧しく寂しい。

      モモや仲間たちへの愛や親しみをもってこの豊かなイメージに溢れた世界を楽しもう!

      そして、ラストの「時間の花」のなんと美しいことか!

      宇宙的神秘的な「時間の花」の姿を人はどのように脳裏に描くことだろう。

      あなたにとっての「時間の花」はどれほど美しいですか?
      >> 続きを読む

      2012/05/10 by

      モモ」のレビュー

    • 再読してとくに、子供には難しいのではないかと思いましたが、おっしゃる通り、子供のピュアな感覚の方がすんなり受け入れることができるのかも・・・と思い直しました。 >> 続きを読む

      2012/12/13 by emi

    • emiさん
      >子供のピュアな感覚の方がすんなり受け入れることができるのかも・・・
      モって素敵だよね。ベッポもジジも大好き。と自然に感じられれば
      そういう生き方を受け入れたことになるんでしょう。きっと。
      >> 続きを読む

      2012/12/13 by 月うさぎ

    • 評価: 5.0

      ミヒャエル・エンデの本を今まで読んだことがなく、特に「モモ」と「はてしない物語」は絶対に読みたいと思っていた。

      全体的な印象としては、とても美しい物語だと思った。
      物語の中の世界に没入する読書を楽しんだ。
      そして、あとがきにも書いてあったけれど、世の中を痛烈に批判しているとも受け取れるし完成された童話とも思えた。

      「モモ」は、盗まれた時間を取り戻す物語。
      時間を盗んでいるのは灰色の男たち。
      時間を盗まれた人間は生活において効率的に過ごすことだけを目指してイライラとせかせかと時を過ごし、仕事には愛情を持たなくなり、人と人との関係も希薄になってゆく。

      モモを読んで、時間の使い方を考えさせられる。
      豊かに時間を使うことは心を豊かにすることだと改めて気づかされる。

      また、時の花と音楽の描写。
      時間という目に見えないものを、あんなに美しく描けることに驚く。

      ベッポやジジも大好きだけど、一番好きなのはカシオペイア。
      彼の登場で物語がもっともっと豊かに、ユーモア溢れるものになっている。

      エンデの本はハードカバーで持っていたいような気がして、ハードカバーを購入。
      持ち歩くのは重かったけど、やっぱりハードカバーで買って良かった。

      またいつか必ず読み返したい、物語の力を感じる本だった。
      >> 続きを読む

      2012/12/04 by

      モモ」のレビュー

    • chaoさんのレビューを拝見して、アタマが固くなって来ているのかなぁ...と自問してしまいました... >> 続きを読む

      2012/12/06 by ice

    • iceさん
      私はファンタジーを読む時はあまり現実のことと結びつけないでその世界観に浸っちゃうのかもしれないです…。iceさんのレビューを読んで改めて、同じ本読んでも感じ方色々、着目するところも色々で面白いなぁと感じました☆ >> 続きを読む

      2012/12/06 by chao

    • 評価: 5.0

      本当に素晴らしい本だった。
      これほど豊かな、これほど豊饒なイメージとテーマとメッセージと物語の本が、まだこの世界にあったとは。


      この本、実は、二十数年前近所の家のおばあさんの蔵書にあって、最初の部分だけ読んだことがあったのを、読み始めて思い出した。


      たしかに、この最初の部分だけ、その時読んだ。
      二十数年前の記憶なのに、しっかり覚えてたのが不思議だった。


      考えてみれば、実際にきちんと読むまで二十数年かかったのか。
      もっと早く、子どもの時から若い頃にしっかりこの本を読めていたら、「時間」の不思議さやからくりをもっと鮮やかに自覚して自由に生きてこれたかもしれない。
      でも、いま読むことができて、本当によかった。


      人の話をじっくり聞くモモの姿勢。


      「俺は俺なんだ。世界中の人間の中で、俺という人間はひとりしかいない。だから俺は俺なりに、この世界で大切な存在なんだ。」


      「いちどに道路全部のことを考えてはいかん。わかるかな?つぎの一歩のことだけ、つぎのひと呼吸のことだけ、つぎのひとはきのことだけ考えるんだ。いつもただつぎのことだけさ。するとたのしくなってくる。それが大事だな。たのしければ、仕事がうまくはかどる。こういうふうにやらにゃあだめだぁ」


      などのセリフ。


      時間と生活。生活とは人の心の中にあるもの。人間が時間を節約するほど、生活はやせほそってなくなっていく。


      現在がないと他の二人(過去と未来)はいられない。


      時間は一種の音楽。いつも響いているので、とりたてて聞きもしない音楽。とても静かな音楽。風が水の上を吹くと起こるさざなみ。


      心が時間を感じとらない時は、その時間はないも同じ。


      人間は自分の時間をどうするかは自分自身で決めなくてはならない。


      役に立つことばかりだと忘れていく「他のあること」があること、つまり楽しいと思うことや、夢中になることや、夢見ることがあること。


      などなどのメッセージは、とても深く心に響いた。


      カメのカシオペイアが三十分先だけ見通すことができ、ゆっくり歩むというのも、本当は人は三十分先だけ考えれば十分で、かつせかせかと急がずゆっくりと歩むべきなのかもしれないと考えさせられた。


      「道は私の中にあります」
      「遅いほど早い」
      「先のことはわかります。あとのことは考えません」


      というカシオペイアのセリフも、なかなか考えさせられる。


      ミスター・ホラの「お前の人生の一時間一時間が私のお前へのあいさつだ」というセリフも、深く心に響いた。


      星の声と時間の花という、本当に美しいビジョンも、本当に深く心に刻まれた。


      これほどの詩、これほどの物語はめったにない気がする。
      まさに、現代人にとって魂の書だろう。


      思えば、十八ぐらいの時から、私もかなり灰色の男たちに浸食され、やられてきたような気がする。
      とはいえ、完全にやられていなかったからこそ、今この本を読むことができたのだろうか。


      もうちょっと早く読んでたならと思うこともあったけれど、きっと人にはしかるべき時にしかるべき縁があるのかもしれない。
      今読むことができて本当によかった。
      また時を置いて、繰り返し読んでみたい。
      >> 続きを読む

      2012/12/20 by

      モモ」のレビュー

    • atsushiさん 素敵なレビューをありがとうございました。
      いろいろなメッセージ、上げていただいたものを改めて見るだけでも
      やはり「モモ」ってすごいな。と思いました。

      〉カメのカシオペイアが三十分先だけ見通すことができ、ゆっくり歩むというのも、本当は人は三十分先だけ考えれば十分で、かつせかせかと急がずゆっくりと歩むべきなのかもしれないと考えさせられた。

      もしかしたら、病などで命に限りがあることを知らされてしまっている人は
      みな、このように生きているのかもしれません。
      それは、終わりを知っているか、無いと思っているかの違いでしかないのに。

      私ももう一度本を開いてみたくなりました。
      >> 続きを読む

      2012/12/21 by 月うさぎ

    • <Tsukiusagiさん

      コメントありがとうございます^^

      なるほど、たしかに、そうかもしれませんね。
      病気などで、死を直視している人は、あまり先のことまで考えず、その時その時の今を大切にする心の目が開かれているのかもしれませんよね。
      ミヒャエル・エンデの『モモ』は、不思議と、そうした智慧の眼の本のような気がします。

      本当にすごい本ですよね^^
      こちらこそ、そうおっしゃっていただき、また読み返したくなりました^^
      >> 続きを読む

      2012/12/21 by atsushi

    • 評価: 5.0

      課題図書になっていたので久しぶりに読み返してみました。

      子供の頃、この本が大好きでした。特にモモが大好きでした。
      子供たちが想像力を膨らませて船で冒険をするシーンや、不思議なマイスター・ホラの家のシーンなどドキドキ、ワクワクしながら読んだものです。

      この本はそれ以来読んでいなかったので、みなさんのレビューで「難解な本」とか「経済」とかいう言葉が出てくるのが正直少し不思議な感じがしました。

      そして今、改めて読んでみて、みなさんのおっしゃっていることがとてもよく分かった気がします。子供の時はただワクワクと読んでいましたが、その中にはエンデからのメッセージがあったのですね。

      いつどのタイミングでどのように読むのが良いのかはわかりませんが、1冊の本が持つ色々な顔を見た気がしました。
      >> 続きを読む

      2012/12/07 by

      モモ」のレビュー

    • 私も再読でしたが、年齢なのか環境なのかはわかりませんが、きっと読む度に違う感じかたをさせてくれる本なんじゃないかなって思いました。

      いつ、どんなときでも、時間は大切ってことですね♪
      >> 続きを読む

      2012/12/13 by emi

    • お返事遅くなってしまいました。

      chaoさん、Aslanさん
      本はずっと好きでずっと家で本を読んでいたい子だったのですが、スポーツや楽器は苦手です。読書ログのみなさんは読書以外にも色々な趣味があるみたいで、羨ましいなーといつも思っています。

      Tsukiusagiさん
      >この作品の宝は何よりも愛らしいモモと数々の美しいイマジネーションです。
      本当にそう思います。1冊の本の中にこんなイマジネーションの世界が入っているなんて、素晴らしいですよね。

      iceさん
      子供の頃に読んだものは直感的に好きとか嫌いとかありましたが、基本的にどんなことも素直に受け入れられた気がしますね。

      makotoさん
      makotoさんのレビューも楽しみにしています!

      emiさん
      「モモ」も読者に想像させる余白があるような本だと思うので、読む人によって感じ方も色々ですよね。そこがまたこの本の魅力だと思います。
      >> 続きを読む

      2012/12/13 by Minnie

    • 評価: 5.0

      今読み直してみても子供の頃どこに興奮したのか覚えていて、いくつものメッセージがまだ自分に残っていることが大人として嬉しくもあり、またそのメッセージを消化できずに暮らしていることが悲しくもありというのが率直な感想。


      「モモ」のサブタイトルは「時間泥棒と、盗まれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子の、不思議な物語」。

      人間性を阻害する要素の一つの象徴としての時間泥棒(=灰色の男)と、人間性の象徴である子供がさらに抽象化されたような女の子(=モモ)との戦いを描いている。

      作中語られるモモの唯一といっていい特技は「話を聞く」こと。
      営業をしていた頃に、技術が上がるに連れてお客さんに対して操作的になってしまうことへの処方箋としてモモを読んだことがあった。
      モモが対面する相手の心を開いていく姿勢を取り入れたかったのだけれど、残念ながら上手く生かせなかった。
      というのも、モモの力は他者に純粋な興味を持つところにあり、目的的なコミュニケーションに組み込む場合はその目的と自分がシンクロしていないといけないから。コーチングなんかにも役立つかなと思っていたがカウンセリングの領域だろうと諦めた。


      昔読んだエンデの対談本に、政治と経済と芸術とが等価値である社会が理想だというようなことが書いてあった。
      エンデがこの三つをそれぞれどのように規定していたかは覚えていないが、モモは作中で想像の源泉のような役割を果たしているので芸術に属する存在だと考えられる。
      では芸術とは何なのか。
      今回読んでみたモモから伝わってきたメッセージは「存在の肯定」。
      これを社会にガッチリ組み込んで、それと連携する形で政治と経済が動いていくことをエンデは望んだのではないかと思う。

      灰色の男たちと人々への影響の描写は、資本主義による過度の合理化や利益至上主義によって時間(や価格)と価値(=喜び)が乖離させられていくことのメタファーだと考えられる(エンデ自身はマルクスも手放しで評価していた訳ではないようなので、共産主義に対しての批判であれば相応の灰色の男たちが想像されたのだと思う。)。
      ただし、合理化によって利益を得ること自体の喜びは人間に当たり前に存在する感情であって、またそこから生み出されたものが他者の人生に喜びをもたらすことだって当然ある。現代を上手く生きられている人はこうした喜びや成果とともに人生の充足もしっかりあるのだと思う(ただ、その本人は灰色の男たちを生み出している可能性はあるが。)。

      そこで、上記の三つの要素をボロメオの輪のような捉え方をしたときに、独立した領域のみを追求するのではなく互いに重なる領域を意識しながらバランスを測ることによって、その喜びが暴走することのない適度な社会ができるのではないか。こう考えると、それぞれの領域での充足を他領域に持ち込んだり、完全に分業するのではなく不可分な領域に責任を持ちあったりすることができれば、今の世の中でもより良い生(=時間)が増えるのではないかと思うが、どうやらエンデ自身はより具体的な理想の社会を考えていたようだ。
      三つの輪が重なる中心の世界をイメージできればこの理想社会を理解しやすいのだろうし、この生活自体を豊かなものにするヒントになるのだろうが、今の自分にはその中心世界に名づける言葉が見つからないので、今後折に触れ考え探していこうと思う。
      >> 続きを読む

      2012/12/31 by

      モモ」のレビュー

    • 資本主義と社会主義の視点が興味深く感じました。

      Pettontonさんのフラットな視点がいいなぁ。 >> 続きを読む

      2013/01/01 by ice

    • >Aslanさん
      エンデの対談は「オリーブの森で語り合う」という本で、ドイツの政治家と芸術家との鼎談でした。特にテーマを定めず話した内容を収めた感じでしたが、刺激的でとても面白いものでした。

      >Tsukiusagiさん
      この対談を読んでいたのでエンデが考える社会にとってのモモの位置づけが見えやすくなったと思っています。お蔭で大人の自分にもモモがかなり座り心地の良いものになりました。
      ただし、じゃあどうやってその理想社会に変革させていくの?というところで現実的な案があったかというと・・・だった記憶があるので、読む人によっては全く評価しないであろう本でした。

      >iceさん
      >現代を上手く生きられている人はこうした喜びや成果とともに人生の充足もしっかりあるのだと思う
      実はこの辺りはiceさんの影響です。
      モモを読むときは体制批判的になりがちなんですが、ユートピアを思い描くのも良いけど今この社会でできることはもっとあるでしょという視点と両立させないとマズイよねと反省を込めて。。。
      それから灰色の男たちを村上春樹の1Q84に出てくるリトルピープルとダブらせたので、より普遍的な存在として読めたんだと思います。
      >> 続きを読む

      2013/01/01 by Pettonton

    もっとみる

    この本を本棚に入れている会員

    77人が本棚に追加しています。

    suggestion

    「モモ」は時間の物語。
    楽しい時計、可愛い時計、色々な時計を集めてみました!
    となりのトトロ からくり時計
    かわいい となりのトトロのからくり時計 があれば
    毎日楽しく過ごせそう!
    価格: 25,670 円
    カッコー時計
    見ているだけで ハッピー になれちゃうカッコー時計。
    プレゼントにいかがですか?
    価格: 20,000 円
    ファシル砂時計
    紅茶を入れる時に、歯磨きの時に、インテリアとしても
    オシャレな砂時計 は重宝する。
    価格: 1,260 円
    BIRD ALARM CLOCK TKM56-LBL
    一味違った目覚まし時計をお探しのあなたに。
    やさしい小鳥のさえずり で毎朝目を覚ましませんか?
    価格: 2,850 円
    商品の価格は変更している場合があります。商品の詳細はAmazonの詳細ページでご確認ください。

    モモ 
    もも

    2012年12月の課題図書 - モモ | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト

    会員登録(無料)

    今月の課題図書
    読書ログってこんなサービス
    映画ログはこちら
    読書ログさんの本棚

    レビューのある本

    最近チェックした本