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2013年05月の課題図書

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2013年05月の課題図書


ある日の暮方の事である。一人の下人げにんが、羅生門らしょうもんの下で雨やみを待っていた・・・

そんな一文から始まる、芥川龍之介の「羅生門」。

時は天災や飢饉の天変地異に苦しんでいた平安時代。
短い話の中に人間のエゴイズムを描き出した、強烈なインパクトを残す名作です。

この機会に読んでみませんか。

Book Information

羅生門・鼻

4.1 4.1 (レビュー18件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 389 円
いいね! sayaka chiaki emi mariak1994 nona

    レビュー

    すべてのレビューとコメントを開く
    • 評価: 4.0

      学生時代に読んだ記憶はない。多分、大人になってオーディオブック(ラジオドラマ風、効果音あり)で聞いた(寝ながら)のが最初だったか・・・。その時の印象は「えーーっ!? ・・・こっ、わ~」くらいだった。

      課題図書というので、読んであれこれ考えてみた。

      とりあえず「羅生門」について

      死人の髪を盗ることは「しなければ飢え死にするので仕方なくする事」なので、同じようなこと(嘘をつくこと)をしていたこの死んだ女も許してくれるにちがいない。だから老婆は、悪いとは思わない、と言う。
      ならば、下人が老婆の着物を剥ぎ取っても(強盗も)悪いことではない、「しなければ飢え死にするので仕方なくする事」なのだから老婆も恨まないだろう・・・

      って、ちょっと、下人さん!!! ちゃうやろ。どんな納得の仕方しとんねん!!!(なぜか大阪弁)

      老婆も、(死んだ女が)何勝手に許してくれるって・・・
      (ま、許してくれてるかもしれないけどね。・・てか死んでる人が許すも許さないもないんじゃ?)
      そもそも、「しなければ飢え死にするので仕方なくする事」は悪い事じゃないから、してもいい・・というのが違うでしょう。
      悪い事だからしてはいけない、悪い事じゃないのでしていい。という考え方をするからおかしくなる。
       

      悪を憎む、とか、善いこと悪いこと、で判断するからこうなるんだよ。
      善いこと悪いことって、だれが決めたの?
      自分にとって(都合の)よいこと悪いことならあるだろうけどね。

      「あげる」って言う人から物をもらうのならいい。私も、自分の遺体や遺品は自分が死んだ後は自分には必要ないから好きにしてくれていい(ケンカの種にならないようにはしたい)。でも、何も言われてないのなら、勝手に「要らんだろう」って盗っちゃダメでしょ。(女に遺族がいたらどうする?)
      くれるかどうか聞きなはれ・・・

      下人のしたこと(強盗)は、さらに、生きた人から盗ることなので、老婆がしたこととはまたちがう。別。
      くれるかどうか聞きなはれ・・・

      自分が生きてさえいければ、どんな生き方でもいい?
      人の物(命)を奪うことで、本当のしあわせが手に入るのか?
      人の物(命)を奪えば、本当に生きていけるのか? 永遠に・・・?(みんないつかは死ぬんだよ) 


      奪い合えば足りない。分け合えば(与え合えば)あまる。 みたいな言葉があったけど、そうだよ。

      奪おうとする人からは、みんな逃げたくなるものだよ。
      貧乏で、たとえお金や物がなくても、やさしい言葉や笑顔、ちょっとした親切は人にあげることはできる。
      そうしたものをあげることで、お互いに、おだやかに生きることはできるんじゃないのかと思うのですが。

      善い悪いじゃないんだよなあ・・・ 
      奪うことは、結局不幸につながってしまうということなのよ。
      助け合い、つながり、共存、しっかり生きるということ・・・

      下人は、強盗を働きに行く前にこういうことに気がついてくれればいいなあ、と思いました。
      (図書館で借りたのが「下人は、既に、雨を冒して京都の町へ強盗を働きに急いでいた。」だったので)
      >> 続きを読む

      2013/05/07 by

      羅生門・鼻」のレビュー

    • 客観的な「善悪」というのはないんでしょうね。盗賊になることを心に決めた下人は、自分は正当なことをしている・しようとしていると思っているのでしょうから。私は、中学生のころ、世をすねていたことがあり、この下人に感情移入したものです。・・・かと言って自分が盗賊になろうという気にもなりませんでしたが。 >> 続きを読む

      2013/05/07 by iirei

    • >正当化させるため 自己中心的
      そうですね。人間のエゴなのでしょうね。

      >書かれた当初は、どうやら彼は「道徳」を憎んでいたらしい。
      善悪に縛られ自由な精神を持てない自分に忸怩たる思いを抱いていた?

      なるほど~です! 「道徳」って難しいですね。

      >盗賊になることを心に決めた下人は、自分は正当なことをしている・しようとしていると思っているのでしょうから。

      生きるため仕方がないこと=悪ではない となるらしいですね。
      人間のエゴによって簡単に悪も善になるし、善も悪になることがある。
      絶対的な善も悪もないということですね。

      図書館で借りた本は、他の短篇がちがうので、結局この本買いました。
      できたら、他の短篇についてもレビューを書いてみたいと思います。
      >> 続きを読む

      2013/05/07 by バカボン

    • 評価: 4.0

      「羅生門」といえば、中学や高校の国語の教科書の定番でしたが
      あまりにインパクトの強い作品で、その世界の残酷さと醜さのイメージが
      初めて読んだときに悪夢のように刻まれてしまったほど。

      大人になって読むと、猟奇的な印象は消えより深い人間の業を感じました。
      ここに描かれているのは「善悪」ではないのです。
      欲と罪、それは生きるものの哀れそのものでした。

      『どうにもならない事を、どうにかするためには、手段を選んでいる遑(いとま)はない。
      選んでいれば、築土(ついじ)の下か、道ばたの土の上で、饑死(うえじに)をするばかりである。
      選ばないとすれば――』

      道徳の呪縛から逃れることで果たして下人は自由を得られたのでしょうか?
      否。
      罪を犯すことで人は永遠の業の応報を受け流転の運命に組み込まれます。


      「羅生門」のラストの1文は、言いようもなく余韻を残し、私は大好きなのですが、
      この文こそ、芥川が推敲の上、後で付け加えた一文だとか。

      試しにこの文を抜かして読んでみて下さい。
      作品のトーンがまるきり別物になることに気づかれるでしょう。

      ない方がいい、そんな異なる意見もあるらしいですが、それも含めて、

      これぞ文学。と私は思うんです。


      本作は「王朝もの」といわれる作品を集めた短篇集ですが、
      教養を必要とする作品が多く、内容的にも子供の世界観で理解できる作品はあまりないと思います。

      今改めて読むと、以前読み飛ばして忘却していた作品が意外に面白かったりするので、
      自分も大人になったものだと感慨深い気分になりました。

      以下全8篇

      「羅生門」 善悪とは、盗人になる勇気とは。様々な解釈を呼ぶ名作。

      「鼻」   高僧・禅智内供は長い鼻によって傷つけられる自尊心に苦しんでいた。
          ある日、京へ上った弟子の僧が長い鼻を短くする法を教わって来た。
          「傍観者の利己主義」をあぶりだす。
          (鼻の毛穴の角栓を見るといつもこの話をリアルに思い出してしまうんですよ…)

      「芋粥」  芋粥を飽きるほど食べたいという願い。そんなささいなことが彼の「夢」。
          夢が簡単にかなってしまうこと。それは果たして幸せなのだろうか。
          なんとも苛立たしいような複雑な気分になるお話し。

      「運」  ブラックな印象。
         「人を殺したって、物盗りの女房になったって、
         する気でしたんでなければ仕方がないやね。」
         (いや、そうは思えないですが。)

      「袈裟と盛遠」 男女の姦通の話。恋愛において肉欲を否定すると愛は歪み汚れる。
         肉欲を全肯定し謳歌すれば文学は消える。
        *袈裟(けさ)とは貞女とされる女性の名前です。

      「邪宗門」  うっぅそ~~~!!!というところで終わってしまう未完の小説。
         完成すれば短篇ではなく中編小説になったかも。
         それは、キリスト教VS仏教で法力バトルを繰り広げるスペクタクル巨編(^^)

         摩利信乃法師と名乗る謎の沙門がキリスト教布教のため京都の洛中に現れ
         阿弥陀如来を妖魔よばわりし、仏菩薩か天上皇帝かいずれが正法か、
         法力較べで決せよと言い出す。
         なんと!大胆な!!
         中御門(なかみかど)の姫君という美女との恋愛を絡めた王朝ロマンでもあります。

         名作『地獄変』に登場した堀川の大殿の子、堀川の若殿様が主人公。
         「地獄変」も併せてお読みください。
         でも、どこがどう関連しているのかはわかりません~(^^;)
          『良秀の娘の乗ったような、炎々と火の燃えしきる車が一輛、
         人面の獣に曳かれながら、天から下りて来た』などと書かれていますが
         この部分が「地獄変」のお話しにあたります。
          
      「好色」   平安時代のドン・ファンが恋に堕ちたら…。    
          裏でスカトロ文学とも噂される異色作。
         (芥川はどっちのつもりで書いたと思います?)

      「俊寛」   俊寛は真言宗の僧。「平家物語」に登場する。
         藤原成親・西光らの平氏打倒の陰謀に加わったとして鬼界ヶ島(薩摩国)へ流され、
         流刑地で自害したとされるが、それは嘘で、実像はこのような姿だったのではないか。
         人物像と共に南海の孤島での暮らしも魅力的に描かれる、思いのほか気持ちの良い小品。


      【おまけ 羅生門のラスト】
      初出 :下人は、既に、雨を冒して、京都の町へ強盗を働きに急ぎつつあつた。

      短編集:下人は、既に、雨を冒して京都の町へ強盗を働きに急いでゐた。

      現在 :下人の行方は、誰も知らない
      >> 続きを読む

      2013/05/02 by

      羅生門・鼻」のレビュー

    • iceさん
      やはり「誰も知らない」がいいですよね~。

      時々映画とかで、ケリがつかずに終わるパターンがありますが、
      それって結論放棄しただろう!(`・ω・´)ノ_彡☆って思うことがあります。
      >> 続きを読む

      2013/05/03 by 月うさぎ

    • sunflowerさん
      ネタバレでしたかね。ごめんなさいね。
      でも、ラストだけが重要な作品ではありませんのでご容赦を。

      「好色」のラストのネタバレのほうが、ヤバイですよ。驚愕の結末!

      思うに、スタイルは古典なのに芥川ってかなり現代的なセンスをしています。
      「邪宗門」なんて、漫画の原作になりそうだな。と思いました。
      最近平安とか戦国時代の歴史ファンタジーというジャンルの少女マンガ
      結構あるんですよ~。
      物の怪とか霊力とか陰陽師とかそういうのがでてくるやつ。
      >> 続きを読む

      2013/05/03 by 月うさぎ

    • 評価: 5.0

      これは、子供に読ませてはいけない本なのではないだろうか、とさえ思える。
      確かな記憶では高校生の現国、もしかしたら中学生の頃、教科書を通じて、初めて芥川龍之介に触れたと思う。
      この「羅生門・鼻」は、所謂、王朝ものの短編を集めている。
      国語の教科書に載るくらいなのだから、内容について今更あれこれ書かなくても良いだろう。
      改めて読んでみると、むしろ、そのスタイルに唸らされる。
      端的に言うと、ひとつひとつの文が、というよりもっと、ひとつひとつの言葉が、凝縮されている。
      言葉に無駄が無く、それ以外の言葉ではあり得ない、と思わせるような言葉の選び方だと思った。
      そして、それらの言葉が織り成す文は、それ以外の表し方が無いと思わせるような文だ。
      それはつまり、言葉と文との繋がり度合いが、非常に高いということだろう。
      冗長な表現は無く、かつイメージを刺激するような表現が連なる。
      「羅生門」の冒頭は、雨の降りそぼる夕暮れから、一人の男にクローズアップし、背景の朱塗りの門に視線を移し、そこに留まっている蟋蟀へと視点が移っていく。
      まるで、長回しのワンショットの映画の冒頭のように描写が連なって、その小説世界へと連れて行かれる。
      短編小説として、そのスタイルは完璧だと思った。
      薄暗い夕暮れの都の外れの羅生門で、盗人と老婆と死体になってしまった女で繰り広げられる物語は、冗長さも無く隙がない。
      そこに描かれるのは、乱世に暮らす人の姿であり、それは現代(芥川が生きた大正・昭和であり、いまこの平成でもある)とも紙一重であることを、ありありと示しているように思うのだ。
      そして「鼻」や「芋粥」では欲望の表裏を、皮肉めいた視線で描いている。
      コンプレックスや卑屈さといったものを、裏返しの欲望の実現として設定するのだが、やはり元の場所へと帰っていくというストーリーは底意地が悪いと言っても良いだろう。
      さらに「好色」に至ると、スカトロジーまで登場する。
      この本には、芥川の皮肉めいた笑いが詰まっているような気がする。
      >> 続きを読む

      2013/05/10 by

      羅生門・鼻」のレビュー

    • 月ウサギさん

      こちらこそ、どうぞよろしく

      >よい文章とであう機会は子どもの内にもったほうがいいと思いますが
      >それをまるごと感覚で味わうことこそが大切です。
      そうなんです
      私も、文章を味わう感覚、それが大事だと思っています

      >授業で教えると、その解釈を教師からの回答として与えられたうえ
      >テストで叩き込まれるので非常によろしくないですね。
      今にして思うのは、「作者は何が言いたいのでしょう」的な問題って何だったんだろうということです
      恐らく、読解力を試されていたんだろうと思いますが、むしろ正解しない方が、創造的だったのでは?って思ったりします
      ひとつの文章には、作者によって意図的に籠められた意味と、作者が意図せずに籠められてしまう意味がある、ということ、読んで正解を探すんじゃなくて、身体で感じ、言葉の一つ一つに打ち震えるような体験をしなさい、と小学生の私に伝えてやりたいです
      >> 続きを読む

      2013/05/12 by ネムノキ

    • vaioMさん

      >なぜ授業で習ったときはあそこまで無感動に読んでしまったのか、と教科書に載っていた多くの作品について思ってしまいますね。

      私もそう思います
      むしろ当時は、何でこんなもの読まなきゃいけないんだ、って思ってる糞ガキでした

      >ただ、読み込めるほどに知識・経験が増えた今、選択肢として教科書に載っていた本が挙がる。
      >知識・経験が増えてどのように読み方が変わったのか実感する(どちらが良い悪いでなく)。という点だけでも授業の意味はあったかな。

      私は、高校生の頃、教科書が良質のブックガイドであることに、ふっと気付きました
      自分で本を選ぶと、どうしても好みが偏ってしまいますが、ある程度のクオリティを保って、それなりに幅広く(偏っていないわけではないですが)、いろんな文章に触れられるというのは、本読みにとっては嬉しいことです
      そして、丸ごと記憶していなくても、文章の印象なり一節なり記憶の片隅に残っていて、読み返したりすると、ふと蘇ったりする、それもまた楽しいですね
      >> 続きを読む

      2013/05/12 by ネムノキ

    • 評価: 4.0

      芥川龍之介の「羅生門」。
      課題図書にならなかったら決して読むことはなかったような気がする。

      この本は8編の短編集だが、やはりなんといっても衝撃的だったのは「羅生門」。「面白かった」とか「つまらなかった」とか、そんな風に一言では表せない作品だった。衝撃的だった理由は色々あるけれど、何よりも驚いたのは、ビックリするほど短い作品だということ。そして他の方もレビューされているが、ホラーではないが、読んでいてぞーっとするような気味悪さがあること。

      たまにこうやって有名な文学作品を読むのもなかなか良いもんだ☆

      2013/05/05 by

      羅生門・鼻」のレビュー

    • 黒澤明が、龍之介のこの「羅生門」と「藪の中」を巧くミックスして、中々の作品を創り上げたけど、今の若い人は、クロサワは、敬遠するんだろうなぁー
      多分、これで、ベネチア映画祭の金熊賞を取り、戦後、意気消沈していた日本人に勇気を抱かせたと聞いてるけど。

      >> 続きを読む

      2013/05/06 by togusa

    • togusaさん
      黒澤映画!!
      1つも観たことないのですが、実は興味津々です♪
      近々どれか観てみようかなぁ♪ >> 続きを読む

      2013/05/07 by chao

    • 評価: 4.0

      寂れた都の中でも、とくに退廃した羅生門。ある夜の一幕。

      もはやホラーとも言えるような退廃的、刹那的な場面の迫力が凄い。

      文豪の作品には、食わず嫌いに近い苦手意識を持っている。
      とくに夏目漱石がダメみたいで、話題のタネにと頑張って読むのだが、正直つまらない。

      そんな中、芥川龍之介は先日、青空文庫で「アグニの神」を読み、特別強い印象は無いものの、つまらなくは無いという安心感を持った。
      その流れで手に取ったのが羅生門。

      正直、期待と言うか予想を遥かに超えられた。
      筆致と言うのか、普段本を読んでも、全くと言うほど頭の中で映像化することがないにも関わらず、かなり鮮烈に映像として迫って来る気がした。

      しかも、その映像が分かりやすく言えば完全にホラー。
      それでも安易に恐怖心を煽ることに逃げず、その裏の無常感みたいなものの表現がテーマなところが感動的でさえ有った。

      おそらく当時は現在に比較すると、もっとモラルが重んじられていたはず。
      そんな中で、この作品が相当センセーショナルだったことは想像に難くない。

      これを機に、文豪の作品にも、もっと頻度を上げて触れて行こうと思った。

      一番迫力の有るシーンは、老婆が若い女性の死体に向き合うところ。「ひぃ~」ってなる...
      >> 続きを読む

      2012/07/11 by

      羅生門・鼻」のレビュー

    • 昔読んだことはありましたが、ほとんど記憶にないので
      この際に読んでみようと思います >> 続きを読む

      2013/05/01 by evitceted

    • ホラーになってしまうのか・・・・
      おじさんらにとっては、「善悪とは、なんぞや」になるんだけど・・・
      確かに描写は怖いけれど・・・・。
      >> 続きを読む

      2013/05/06 by togusa

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    ラショウモン・ハナ 
    らしょうもん・はな

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