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2013年09月の課題図書

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2013年09月の課題図書


残暑が厳しく、寝苦しい・・・
そんな夜に江戸川乱歩の傑作選はいかがですか。

二銭銅貨
二癈人
D坂の殺人事件
心理試験
赤い部屋
屋根裏の散歩者
人間椅子
鏡地獄
芋虫

あなたの家の天井には穴が空いていませんか?

Book Information

江戸川乱歩傑作選

4.2 4.2 (レビュー18件)
著者: 江戸川 乱歩
カテゴリー: 小説、物語
定価: 578 円
いいね! syuna sunflower

    レビュー

    すべてのレビューとコメントを開く
    • 評価: 3.0

      乱歩はすごいよ。とは聞いていたのです。
      でも江戸川乱歩を知ったのは幼少の頃の「少年探偵団」のドラマだったりして、
      天地茂の明智探偵があまりにオヤジでちっともコドモ心にフィットしなくて
      怪人20面相もキッチュでオソマツなイメージだったので、本もせいぜい1冊しか読まなかった気がする。
      (表紙がまた昔風でキッチュだった)
      そのうちに、本家のエドガー・アラン・ポーに興味が行ってしまったため、今に至るまで乱歩作品にはほぼ手つかず。
      課題図書になったことでようやく手に取るチャンスが。ありがとう。読書ログさん。

      殺人や変態が出てくるにもかかわらず、大正時代というベルエポックを映してか、
      品が良くてどこかのんびりしたそれでいて退廃的な印象を持ちました。
      まず語り口調が扇情的ではありませんし、思ったほど残酷な描写もありません。
      残虐さの中に美とエロスを見出して描く。そんなタイプの作家でした。

      また、「読者諸君」などという呼びかけの文体には、
      昔、こういうスタイル、あったな~と懐かしい思いがしました。

      乱歩の素晴らしさとは言葉のイメージにより変態趣味を文学的にみせることができた点と、
      ミステリーという日本では未知のジャンルの文学を紹介し、探偵小説というスタイルを一般化し、後継者を育てたことなのではないでしょうか?
      つまりはミステリーを本当に愛した人なのだと思います。


      「二銭銅貨」 乱歩のデビュー作。ポーの「黄金虫」に発想を得た暗号もの。
       アレンジの仕方が和風で面白いし、オチにも、もう一ひねりがある。

      「二癈人」  どっかで読んだような…とは思うものの、やはり一ひねりがある。 
       乱歩は一筋縄ではいかない。
       そしてお話しよりも実は人間を描く作家である。

      「D坂の殺人事件」 記念すべき「明智小五郎初登場」の密室殺人事件。
       この作品ですでに乱歩の変態志向性が明らかに!   
       「物質的な証拠なんてものは、解釈の仕方でどうにでもなるものですよ。
       いちばんいい探偵法は、心理的に心の奥底を見抜くことです。」
        ――なるほど。明智小五郎はエルキュール・ポアロと同じことを言うんですね。

      「心理試験」 完全犯罪(殺人と窃盗)の試みがいかに失敗したか。
        明智小五郎が真犯人をワナにかけて追い詰めます。
        心理テストの功罪と昔から人の智恵としてあった「心理テスト」の有効性を説く、真面目な作品でもあります。

      「赤い部屋」 99人もの人殺しをしたという殺人狂の告白。意外な展開。
        …なんですが、スレている私は結末に驚けない。
        例えばフレドリック・ブラウンの短篇の驚きには到底かなわない。
        発表当時はすごかったんだろうな~。こういう話。

      「屋根裏の散歩者」
        殺人に憑りつかれた変態男の話。明智小五郎が登場。
        展開が面白いのですが、絵的には実に地味なんですよね。 
        しかし、これが3度も映画化されているとは!!!
        俳優さんの演技に負うものがかなり多い作品になるでしょう。
        三上博史の郷田三郎。観てみたいです~!

      「人間椅子」 乱歩の代表作にもなっている。変態男の告白の手紙。という形なのだが…。
        乱歩のだましのテクニックが光る、冴えた作品。名作です。

      「鏡地獄」 最も乱歩の趣味を反映したのがこの作品であるように思われる。
        万華鏡というのは乱歩の美学の核になるアイテムなのだということがはっきりとわかる。

      「芋虫」 どう読むかは読者次第だと思うけれど、これはエロ小説だと思う。
       グロというよりも残虐趣味的。怖いと言うよりも不快というべきだと、私は思いますが。
       暴力性と性との近似性や残酷さに性的恍惚を見出す人間心理を乱歩は知っていた。
       それを躊躇なく描いて見せたのがこの作品なのだと思う。

       呂后は戚氏を奴隷とし、戚氏の両手両足を切り落とし、目玉をくりぬき、薬で耳・声をつぶし、
      その後便所に置いて人彘(人豚)と呼ばせた、と史書にあるそうです。
      中国は残虐さでは日本の上手を行くでしょうね。
      そしてエロさでは日本が上を行くのです。


      【おまけ】「D坂の殺人事件」のトリビア
      D坂とは東京都文京区にある「団子坂」(だんござか)のこと。
      乱歩自身「団子坂で自営した古本屋の店構えや近所の様子を
      念頭に置いて書いた」と自著で言っているそうだ。
      乱歩の古本屋を想像しながら読むとより奇妙な味がでるかもしれない。
      普通、自分の家を殺人現場にしないよなあ。(^^)

      明智小五郎が長髪のもじゃもじゃ髪で、服装は木綿の着物によれよれの兵児帯とは。
       イメージが全然違うんですが~(;゚Д゚)!

      ミステリー・ファンでもある乱歩は作中に好きな作品名を登場させている。
      ポーの「The Gold-Bug(黄金虫)」、谷崎純一郎「途上」
      ドイルの「レジデント・ペーシェント」、ルルーの『黄色い部屋』

      ★恐ろしいことにネタバレもやらかしてくれます。
      ポーの「モルグ街の殺人」ドイルの「スペックルド・バンド(まだらの紐)」の犯人をバラしています。((+_+))
      ご注意ください!
      >> 続きを読む

      2013/10/05 by

      江戸川乱歩傑作選」のレビュー

    • 江戸川乱歩はエドガー・アラン・ポーをもじっていたのを最近知りました。

      2013/10/07 by opapi

    • opapiさん
      では、萩尾望都さんの漫画「ポーの一族」のポーが
      エドガー・アラン・ポーから来ていることはご存じかしら?
      登場人物の少年2人の名前がまんまエドガーとアランです。
      (⌒-⌒)
      >> 続きを読む

      2013/10/07 by 月うさぎ

    • 評価: 5.0

      確かに『江戸川乱歩傑作選』の名を
      冠しただけのことはあるといいますか。

      きちんと押さえられている印象といったら
      いいのか。

      合う人は合うでしょうし
      合わない人は途中で中断しても良いと思います。

      自分の好きな『屋根裏の散歩者』も入っていて

      原作を読んで興味をもたれた方は
      実相寺昭雄監督版の同名作品をオススメします。
      (その他の映像化作品は・・・(泣))

      三上博史演じる、郷田三郎のデカダンさを
      見事なまで、体現していたり
      ある人物に“犯人”と“探偵”の相似性を指摘させたり

      犯罪の動機。
      ラストの郷田に向けられた台詞も含め
      屋根裏が異常に美しく見える描写が見事です。

      その他の「東栄館」の人々の生活は
      正直、どうでもいいです(笑)

      それにしても
      表紙の画像はこれしかないのかな?
      前の方が断然良い気がしますが・・・
      >> 続きを読む

      2013/09/01 by

      江戸川乱歩傑作選」のレビュー

    • 映画もご覧になっているんですね。

      映像化された乱歩の世界♪

      興味あります☆
      >> 続きを読む

      2013/09/02 by MissTerry

    • 皆様 コメントありがとうございました。
      お返事が遅くなって、本当に申し訳ありません

      月うさぎさん
      ご無沙汰しております。

      >三上さん好きなんですよ~。
      おおっ!!いいですねぇ~。
      あの人の『あなただけ見えない』の多重人格者の役の延長線にある吹っ切れた演技と
      本当にデカダンとしか表現できない、もの憂い感じの演技が郷田三郎という人間の中に
      共存している感じが、とてもいい感じです。

      tadahikoさん
      ご無沙汰しております。

      >みなさんの評価が高くて期待しちゃいますが
      そうですね。乱歩って作品数が多いので
      どれから読んでいいのか分からないって事が多いと思いますが
      この作品集は比較的、入り込みやすい作品(内容自体は濃いですが)を
      チョイスしてあるのでオススメです。

      chaoさん 
      ご無沙汰しております。

      >『人間椅子』が好きでした。
      いまだに、年代物の椅子を見るとこの作品のことを思い出してしまう事があります。
      そう考えると、乱歩の妄想力というかイメージの喚起力の強さに
      今更ながら、とんでもない人だったんだなぁ・・・って思います。

      >あと好きという表現はなんか違いますが『芋虫』はスゴイって思いました!!
      本当にお書きになっている文章がぴったりといいますか
      『芋虫』も・・・改めて読んで、どっと疲れますね。
      良い、悪いは別にしてスゴイ、衝撃を与える作品ですね。

      aimi☆さん
      >いろいろ想像すると怖いんですけどー☆
      人間の様々な欲望の形を、覗き見していくのですが
      主人公の犯行動機がある意味、一番怖いです。

      ちあきさん
      >私もそれには同意ですね。最初なんだかわかりませんでした(笑)
      本当に、画像見て「え?何?え?」と脳が理解するのに時間がかかりました。

      makotoさん
      >塩かけたくなりますねーw
      ああ、その発想はなかったです(笑) さすがですね~♪

      iceさん 
      ご無沙汰しております。
      >お取り置きしている感じ(笑)でしょうか。
      いいですね~この表現。
      この機会に、ちらっと味見していただくのはどうでしょう?
      オイシイですよ。きっと。(怪しげな勧め方で申し訳ありません)

      Miss Terryさん
      >映像化された乱歩の世界♪
      そうですね。
      比較的ある方向(笑)に流れやすいのですが
      本質的には、人間の持っている欲望。
      それも表に出せないようなものを何らかの理由で顕在化させるのが
      乱歩の真骨頂のような気がします。


      >> 続きを読む

      2013/09/14 by きみやす

    • 評価: 5.0

      今更ながら初・江戸川乱歩。

      面白かったーーーー!

      ミステリーを読む時などは大抵、面白くなるまでしばらく辛抱して読む時間があるが、これは読み始めてから終始、何か嫌なことが起こりそうな予感がしてドキドキしながらページを捲る手が止まらなかった。

      特に「人間椅子」と「芋虫」が秀逸!!
      心がゾワゾワするほど気持ち悪いし、怖いし、面白い。

      文句なしの☆5♪
      >> 続きを読む

      2013/09/01 by

      江戸川乱歩傑作選」のレビュー

    • higamasaさん
      アドバイスありがとうございます!!
      さっそく本棚登録します♪

      2013/09/04 by chao

    • 蜘蛛男も有名です♪

      2013/09/05 by higamasa

    • 評価: 5.0

      この本の不気味な雰囲気、すごーく好みだった。

      私は楳図かずおのマンガが好きなのだが、楳図かずおのマンガと同じ気味悪さを感じる。ただのグロい描写とか過激な描写ではなくて、気持ち悪いんだけどセンスが光るというか。好き嫌いは別れそう。

      印象深いのは「人間椅子」。
      こんな面白い物語が世の中にあるんだ…とちょっと感動。

      これは本棚の永久保存版にしよう!

      「人間椅子」が好きな私に違う作家さんの本でも良いのでオススメの本があったら教えてくださいm(_ _)m
      >> 続きを読む

      2013/09/05 by

      江戸川乱歩傑作選」のレビュー

    •  iceさんもコメントされていますが、横溝正史は時代も近いし、おどろおどろしい作風と言うところは共通しています!おすすめはありすぎて絞れませんが、王道の『犬神家の一族』ですね!

       最近の方ですと、三津田信三ですね。こちらも、あえて名付けるなら「オカルト風ミステリ」で、民族伝承になぞらえられた事件が起こってそれを解決するっていう筋です。おすすめです☆
      >> 続きを読む

      2013/09/11 by kissy1986

    • みなさんコメントありがとうございます♪

      iceさん、kissy1986さん
      アドバイスありがとうございます!
      横溝正史、三津田信三チェックします!
      「犬神家の一族」も読んだことないので、色々読んでみたいです♪
      >> 続きを読む

      2013/09/11 by sunflower

    • 評価: 5.0

      あー、懐かしい!大学生時代に読みました!

       ただ、内容はあまり覚えていない・・・「心理試験」は殺人犯が心理テストの結果をごまかそうとするやつだったかな?

       「屋根裏の散歩者」は歌野晶午さんのあの本に似たようなトリックがありましたね・・・「あぁ、アレね」と思った人とは読書の趣味が合いそうですねw

       また読み直そうかな・・・ >> 続きを読む

      2013/08/30 by

      江戸川乱歩傑作選」のレビュー

    • 乱歩なのに表紙がスイカというところが、とっても謎です。
      でもとてもインパクトのある表紙ですね。
      乱歩のイメージと違いすぎて中身が想像できません(^_^;)
      >> 続きを読む

      2013/08/31 by 月うさぎ

    • >ちあきさん

      小五郎のおっちゃんですねw

      >◆空太◆さん

      そうなんです!「そういえば読んだことあるわ!」ってことでレビュー投稿しました。

      >iceさん

      折原一さんの本はわからないですwやっぱりけっこうオマージュされるんですね。「屋根裏の散歩者」さすが大家江戸川乱歩。

      >月うさぎさん

      乱歩でスイカはあまりにも爽やかすぎますよねw僕が読んだ文庫本の表紙は炭鉱?の真ん中にランプがともっているやつで、そっちのほうがよっぽど「乱歩らしい」です。
      >> 続きを読む

      2013/08/31 by kissy1986

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    エドガワ ランポ ケッサクセン 
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