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2014年05月の課題図書

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アガサ・クリスティが描くクローズドサークル。

孤島に招かれた10人の男女。
そこで起こる殺人事件・・・

その後の推理小説にも多大な影響を与えたミステリーの金字塔。
多くのファンが愛してやまない最高傑作です。

Book Information

そして誰もいなくなった

4.1 4.1 (レビュー18件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 798 円

その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が響く...そして無気味な童謡の歌詞通りに、彼らが一人ずつ殺されてゆく!強烈なサスペンスに彩られた最高傑作。新訳決定版。

いいね! chao sunflower tadahiko tomato Minnie napori

    レビュー

    すべてのレビューとコメントを開く
    • 評価: 4.0

      クリスティの代表作であり一番の自信作。ミステリー界の傑作とされる大ヒット作。
      クローズド・サークル(密室もの)の代表的作品であり、「童謡殺人」(見立て殺人)の代表的作品でもある。
      この作品に影響を受けた小説や映画が世界にどのくらい存在することか!
      その影響力は計り知れません。
      未読で未知の人は幸せです。
      どこかでネタバレを目にする前に(無理かも)、一刻も早く読んでしまいましょう。

      この作品はミステリーというより、ホラーです。
      それも超一級の「心理的な恐怖」を描き切っています。
      この話は、読み飛ばすよりも少しゆっくり読んだ方が「より怖い」ですよ。
      だから、先を急がずにわざとゆっくり読み進めてみて欲しいです。
      一つ殺人が起こって、次の殺人が起きるまでの、心理や推理を登場人物になったつもりで味わってほしい。

      なぜならば、人間にとって最も大きな恐怖とは、
      「殺されてしまうかもしれない恐怖」ではなかった!

      映画では、どうもホラーの側面を強調して情けないB級作品にしてしまいがちですが、
      この作品の恐怖とはつまり「人を疑う恐怖」なのです。

      童謡の歌詞にあわせて次々に人が殺されていく。
      自分だけは自分が犯人ではないことを知っていますが、それを証明する手段はないのです。
      この人は大丈夫と思った人がそうでなかったなら……?!

      嵐の海に浮かんだ孤島という条件も追い込まれた心を増幅させます。

      ミステリー界における代表作のひとつという以上に、すぐれた文学作品だとと思います。

      クリスティは作品によって文体を変えています。作中の文のリズムも変化させています。

      特に本作は短文や不完全なモノローグ的な文章を効果的に多用しており、
      “――”や“…”がかなり多く使われています。
      この余韻は、見た目にも不安感を与える効果があります。
      (セリフがないシーンが出てくる漫画を思い出してみてください。)

      最小限の文章表現によって読者を物語に引き込むことに見事に成功していると思います。

      願わくば、原文のテイストを生かしたすぐれた翻訳作品が登場してほしい。

      誰もあの本の本当の雰囲気を訳せていない。
      あの和訳を読まされている日本人はあの本の本当の怖さをまだ知らない。と思うからです。


      最近のハヤカワの「クリスティ文庫」という新訳シリーズはファンの間ですこぶる評判が悪いです。
      教科書みたいな直訳、台詞に品格がなく軽すぎる、等々。

      そして、この新訳「青木久恵訳」は特に悪い部類でしょう。
      現代語訳。さらに言うなら、ラノベバージョンというべき。

      読点も無駄に入っているし、直訳でもない。
      客観的な叙述シーンが登場人物の独白に差し替えられていたりします。
      会話や独白の言葉に品がない。女の子言葉で物を考えるヴェラってアリ?

      例えば下の例。
      淡々としたシーンの連続が視覚的効果を呼び、ぼんやりとした不安を増す効果を出しているのに、
      人物がべらべらおしゃべりしてしまっては、台無しです。

      The sea―its deep warm blue―mornings spent lying out on the sands―Hugo who had said he loved her...
      She must NOT think of Hugo...

      海―深々として暖かな海の青さ―ヒューゴーは言ってくれた―愛しているって―
      だめ、ヒューゴーのことを、考えちゃだめ…。 青木久恵訳

      なに?これ?主語は三人称ですが…?なんで台詞にしちゃってんの?
      ハーレクインロマンスみたい。安っぽすぎ~。(#`Д´)ノ彡☆バンバン!

      クリスティの人物設定はいつも非常にきめ細かいのです。

      翻訳者は人物について、勝手に過剰なアレンジはしてはいけないのに、
      青木訳ではキャラクターを自己流に演出しすぎており、悪いことに、それが間違っています。

      この女性、ヴェラは「普通の女の子」ではありません。
      彼女は夢想的な理想主義で、プライドが高く野心家でセンシティヴな女性だと思うのですが。

      冷酷で自己中で高慢な考え方。体育教師ならではの決断力と身体能力。
      一途な愛情による無謀さ、女性らしい過敏さ、クールでタフな判断力という相反した性格を複雑に併せ持つ存在です。
      一方ロンバードという男は、タフガイを自負しつつも、女性に冷酷になりきれない。
      ヴェラに対しては非常に紳士なのです。
      この二人の外見と内面の相反する二面性が独特な緊張感を醸し出しているのですが、
      それが、あまりにもゆるい翻訳で台無しにされています。

      そして最も残念なのがここ。ロンバードのセリフです。

      Lombard said:
      〝It's true,my dear."
      〝So that's it,Vera?"

      この台詞。泣けるのにぃ~~(ρ_;)
      このニュアンスが違う。翻訳しきれていない。すごくもどかしい。


      言葉のセンスにも疑問。
      ゴシップ新聞の名称Busy Beeが「風便配達人」、Mr.Merryweatherが「好天好日」。
      中国風?それともこれがオシャレなつもりなのか??

      a guest houseは「旅館」になってる。ひゃ~。勘弁して!
      島の名前も「兵隊島」ではあんまりです。ソルジャーアイランドのままでいいのに……。


      という訳で、せめて古書か図書館で清水俊二氏の旧訳を探して読んでください。
      古い本を持っている人は買い替えないように!

      小説は☆5ですが、この翻訳のせいでマイナス☆1です。ごめんなさい。


      英語でも読んでみて、その印象が随分と違ったのですが、
      英語でないと伝わらない直接的なイメージの違いがあるのですね。
      例えばワーグレイヴ判事は Mr.Justice Wargrave――ダブルミーニングになっていますね。
      言葉としても強く、するどく心に残りますよね。

      心の揺れも、英語のまま読んだ方が、ニュアンスが伝わるようにも思えました。

      文章の醸し出す、スローモーションのような感じと、短いセンテンスの対比は絶妙。
      私にとって、原書のほうが、より感動できた作品だったのです。
      ぜひぜひ原書を読みましょう。

      原題: And Then There Were None


      【童謡について】
      よく誤解されていますが、「Ten Little Niggers」という童謡は米国のもので、
      『マザーグース』ではありません。
      日本で知られている「10人のインディアン」も別の曲です。

      英国での発表当初はそのまま曲名を使い『Ten Little Niggers』という題になっていました。
      アメリカ発売時に差別用語ということで、歌も島の名前も改変しています。
      Nigger →Indian →Soldierという具合に次々に。

      それにしてもソルジャーとはね…兵隊が死んでいっても当たり前。怖さも半減だと思うのですが…。

      また、クリスティはニガーが(日本語のニュアンスでは黒ん坊でしょうか)差別的な言葉(アメリカでは奴隷をさす)だということは知らなかったとみえます。
      >> 続きを読む

      2014/05/27 by

      そして誰もいなくなった」のレビュー

    • >疑心暗鬼に陥った登場人物たちの内心の思惑を独白が入り乱れる形で描くシーン
      確認しました!!!
      読んだ時は全く気が付きませんでしたが、犯人の台詞が特定出来てしまう台詞がありましたー!!!ひぇーびっくりした!(;´Д`)
      清水訳がこのシーン、どうなっているのか確認してみます。
      また読書の楽しみが出来てしまった♪
      >> 続きを読む

      2016/01/18 by あすか

    • あすかさん。手間をかけさせてごめんなさい。そしてご協力ありがとう♪
      ね?ね?ね?これはあんまりでしょう?!
      私が編集者ならこんな訳は絶対に!通しません!
      クリスティはヒントの出し方を工夫していて、なにげなく書いてるけれどわからないように、といつも気を使っているんです。作者の苦労を舐めとるのかと思います。
      清水訳のほうがマシですが、文章が少々硬いかも。ベストではないですね。
      しかしなんでこれがわざわざ出した新訳なのか?ハヤカワの新訳には他にも問題のある訳本があり、古くからのファンの間でも不評です。そんなに文句を言うのなら、自分で訳せと言われそうですけれどね。
      たとえ英語を解したとしても英語の小説が深く読めるのとは次元が違うので私にはとても無理です。スミマセン。
      >> 続きを読む

      2016/01/19 by 月うさぎ

    • 評価: 5.0

      時間を忘れるほど熱中して読みました。
      探偵役不在の中、童謡の通り1人、また1人と殺されていく恐怖。
      ラスト1行まで、彼らの心理描写の凄さに圧倒されました。

      孤島に閉じ込められた10人、その背景まで辿るとかなりの人物が登場します。
      少し不安になりましたが、とにかく人物が丁寧に丁寧に描かれているので全く問題ありませんでした。

      勢いで読んだ後、もう一度記憶をなくしてまっさらな状態で読みたいと思いました。
      それくらい面白かった。
      星新一に出てくる悪魔でもランプの精でもなんでもいいから、ひとつ目の願いとしてどうかお願い。


      *以下ネタバレのためご注意下さい*












      残り2人になったとき、緊張感がぐっと高まりました。
      「あの人が犯人!自分は殺されるわけにはいかない!」
      …と互いが思ったであろう瞬間。
      この狂気のシーンが一番の見所でしたが、こっそりヴェラとロンバードを押していた私にとっては悲しい時間でもありました。

      タイトル通り「誰もいなくなった」後の真相も読み応えがありましたね。



      最後まで楽しみましたが、訳がさらさらとしすぎていたような気がします。
      読みやすかったのですが、同時に文章の軽さを感じました。
      清水訳を探して読んでみようと思います。

      記憶はリセットされないので、今度は登場人物をじっくり追っていくことにします。
      >> 続きを読む

      2016/02/01 by

      そして誰もいなくなった」のレビュー

    • 月うさぎさん
      えぇ、結末が違う!!!!?????
      パターンが作れちゃう!!?????
      クリスティはさすがですね。そのありとあらゆる結末が知りたい・・・

      >謎解きの告白が無いパターン
      こちらも想像つかないですね(^_^;)
      犯人からの手紙は必須だと思っていましたが・・・きっと上手くまとめているのでしょうね。
      >> 続きを読む

      2016/02/06 by あすか

    • chaoさん
      タイトル、壮絶なネタバレですよね!!
      読んでいる途中、このタイトル通りになるってことだよね・・・ということばかりぐるぐるしていました。
      やはり「おもしろい」と言われてる本はおもしろい!!!
      クリスティ作品をまだまだ読むことのできるシアワセ。
      この作品は2度目も楽しめそうだし、旧訳も気になるのでまた読んでみようと思います☆
      >> 続きを読む

      2016/02/06 by あすか

    • 評価: 5.0

      序盤は、こんなに登場人物覚えられない…と思いながら読み、少ししたら面白くなってきて、後半は「あと少し!」と思いながら読み続けて、気が付いたら明け方になっていました。こんなに没頭したのは久しぶりです。

      眠い…。
      けど満足度高!

      前に読んだことあるようなないような?結末を聞いたことがあるようなないような?と思いつつ、読みましたが、読んだことなかったです。有名な本だと、読んでもいないのに知っている気になっちゃいますよね。。

      孤島に取り残されて1人ずつ殺されるなんて、実際は絶対にイヤですが、ミステリーとしては面白いです!
      >> 続きを読む

      2014/05/07 by

      そして誰もいなくなった」のレビュー

    • 知らぬ間にたくさんコメントいただいてました!
      みなさまありがとうございます。
      この本は登場人物多いのだけ大変ですが、面白いのでオススメですよ!

      manaさん
      さっそくこちらでもこんにちは♪
      ハヤカワ文庫全て!!!それはすごいですね。私は全然読めていませんが、月うさぎさんがクリスティー作品けっこう読まれていたような気がしますよ〜
      >> 続きを読む

      2015/02/12 by ただひこ

    • 誰が犯人かを考えながら読むと面白い作品でした。

      2016/07/05 by ミンティア

    • 評価: 5.0

      有名すぎるタイトルですが、海外の本って苦手意識があって(かつ国内の本で読みたい本があふれているので、)なかなか読んでいなかったのですが、まったく古さを感じないすばらしいミステリですね。

      本格ミステリ好きはやはり読むべき。
      みんな読んでるかな。

      彼女の他の本も読みたいけどなかなか手つかず。

      2013/11/03 by

      そして誰もいなくなった」のレビュー

    • >そして誰もいなくなった

      みんな忍者なんですねー

      どろろんw
      >> 続きを読む

      2013/11/04 by makoto

    • >sunflowerさん
      新訳の影響もあると思いますが、70年前の作品とは思えない
      、古臭さのなさに驚きました。

      >iceさん
      有名ミステリってたまにネタバレされちゃってますよね。
      私も読んでいないのにトリックを知っているホームズの話とか、結構あります。

      >makotoさん
      原題から、このタイトルに改題した人も、センスがあると思います。
      >> 続きを読む

      2013/11/04 by kwsk

    • 評価: 5.0

      あまりにも有名な作品だと、読むタイミングを逸したまま放っておいてしまうことが多々あります。
      「そして誰もいなくなった」はまさにそのような作品で、様々な場所で引用されているのを度々見聞きしてしまっていたため、何となく読む必要がないような気になっていました。

      今回、気まぐれに手に取ってみたのですが、今まで放っておいた自分の愚かさに気づかされました。面白かったです。

      10人が孤島に集められ、童謡に見立てた殺害方法で次々と消えていく。その筋を知っていても、十分に楽しめる一冊です。そもそもタイトルが「そして誰もいなくなった」なんて、物語の9割がたの筋を曝露しているようなものですが、その9割部分での極限状態での人々の心理描写は見事です。そして残りの1割で真実が明かされていく様子もまた非常に鮮やか。読み終えた後に、良質な作品を読んだという満足感を感じつつも、最後まで読んだうえでもう一度はじめから読み直したいとも強く感じました。

      これに限らず名作だと知っていながら読むことが出来ていない作品が多数あります。少しずつでも消化していきたいです。いつも同じようなことを言ってますが。
      >> 続きを読む

      2016/09/02 by

      そして誰もいなくなった」のレビュー

    • >タイトルが「そして誰もいなくなった」なんて、物語の9割がたの筋を曝露しているようなものですが

      こういう読み方(書き方)をされている方に初めて出会いました(*^ワ^*)
      はじめて読んだとき勝手な筋書きを考えるのですが、この作品はぴったり嵌って、読むのもウキウキでした。

      どこでこの題名にたどり着くのか、やはりこのところなどは名作の魅力ですね。
      >> 続きを読む

      2016/09/03 by 空耳よ

    • 空耳よ さん
      コメントありがとうございます。

      タイトル通りになった時点で残りのページ数がごく僅かになっていたので、大丈夫なのか…?と不安になりましたが、残り1割の面白さは衝撃的でした。
      読み終えてみると、タイトルもこの作品の魅力の1つだと改めて感じます。
      >> 続きを読む

      2016/09/10 by pechaca

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    ソシテダレモイナクナッタ 
    そしてだれもいなくなった

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