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2015年07月の課題図書

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2015年07月の課題図書


1954年に発表されたフランスの作家フランソワーズ・サガンの小説。
サガンが18歳のときに出版された処女作です。

17歳の少女セシルがコート・ダジュールの別荘で過ごす一夏を描きます。

若くして成功をおさめたサガン・・・
それゆえにすごい人生を送ることに・・・
そんな彼女自身に想いを馳せつつ、17歳の少女の心情を感じてみて下さい。


世界的にも有名な本作品、是非この機会に読んでみてはいかがでしょうか。

Book Information

悲しみよこんにちは

3.7 3.7 (レビュー13件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 460 円

セシルはもうすぐ18歳。プレイボーイ肌の父レイモン、その恋人エルザと、南仏の海辺の別荘でヴァカンスを過ごすことになる。そこで大学生のシリルとの恋も芽生えるが、父のもうひとりのガールフレンドであるアンヌが合流。父が彼女との再婚に走りはじめたことを察知したセシルは、葛藤の末にある計画を思い立つ...。20世紀仏文学界が生んだ少女小説の聖典、半世紀を経て新訳成る。

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    レビュー

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    • 評価: 4.0

      旧訳で昔読んだ時に特に印象に残らなかったので、わざわざ新訳で読み直すのもなぁーと思っていたけれど、読書ログの他の方々に後押ししてもらって新訳で読んで本当に良かった!

      多感で無邪気で気まぐれで父親が大好きな18歳のセシル。
      セシルと心を通わせて友達のような関係を築きつつ自分の自由な恋愛も楽しむ父親。
      父親に恋する明るいエルザ。
      亡くなったセシルの母の友達でプライドが高く洗練された品のあるアンヌ。
      セシルに恋する誠実な青年シリル。

      私は登場人物誰にも似てないけれど、でも全員憎めないし、全員に共感できる部分がある。恋愛でありがちな無邪気さゆえの残酷さや、悪意なしに相手を傷付けた後に相手が感受性豊かな人間だったと気がついた時の恐怖感など、若かりし日を振り返ってみると身に覚えがあるような、ないような…。そんなコントロールできないまま移り行く不安定な感情が美しい文章で綴られていて、その美しい言葉に浸りながらの読書はとても心地よかった。

      それにしても、こんなに前回と今回の読後の印象が違うのは本当に翻訳のせいだったのか?それとも読書経験や年齢によるものなのか?と昔読んだ旧訳の本を本棚から出してきてパラパラ比べてみたけれど…ぜんっぜん違う!!同じセリフも同じシーンも全然印象が違う!!これから読む方はぜひぜひ新訳で読んでください。
      >> 続きを読む

      2015/07/28 by

      悲しみよこんにちは」のレビュー

    • snoopoさん
      とても自然ですーっと入ってくる美しい言葉ですよね。シルバーグレーのドレスが出てきた時は、おぉーと思いました。翻訳によってここまで印象が変わるとは…と本当に驚きです。 >> 続きを読む

      2015/07/30 by chao

    • 今日古本屋で旧訳を読んでいたのですが、全然違いますね!!ホントにびっくりしました
      読みにくい・・・わけではないのですが、なかなか入ってこなかったです。
      河野訳があまりにおもしろくて他のサガン作品読みたかったのですが、ちょっと後回しにしようと思いました・・・笑
      >> 続きを読む

      2015/08/01 by あすか

    • 評価: 4.0

      7月の課題図書。
      おもしろかったです。一気読み!
      登場人物のそれぞれの関係や、17歳のセシルの緻密な心情を追うのが楽しくて、良い読書ができました。

      セシルは父レイモン、その恋人エルザと南仏の海辺の別荘でヴァカンスを過ごします。
      そこに母の旧友であるアンヌが合流。
      父は40歳だけど若々しく活力と能力にあふれ、6ヶ月ごとに相手を替えるプレイボーイ肌。恋人がいながらも、アンヌに惹かれます。
      読んでてそろそろ歳相応の行動を・・・と呆れますが、父みたいに本能のまま生きる方が人生は楽しいのでしょう。
      身内にいるのは嫌ですが。

      アンヌとの再婚が決まり、セシルは葛藤します。
      若さゆえの残酷さ、感情は一過性のもので目まぐるしく変化していきます。
      自分の感情をコントロールできない幼さは、かつての自分を見てるかのようでした。
      取り返しのつかない事態になる可能性もあったんだ、と今さら気がつく。

      あと、11章の恋愛に対するあっさりとした結論も身に覚えがありました(;´∀`)

      読了し冒頭の文章を読むと、こみあげてくるものがあります。
      >> 続きを読む

      2015/07/26 by

      悲しみよこんにちは」のレビュー

    • 返信が遅くなりました。すみません。
      来週会社行けば、夢の9連休がやってまいります!

      そうですね、もしかすると辛いのかもしれないですね・・・
      旦那が私のことをキングスライムというのですが(パッチリおめめとモグモグしる時の口元、デカイ態度がそっくりらしい)、最近はバブルスライムのようだとも言います。
      この喩えわかります?毒を持ってるってことです…(;´Д`)ウウッ…

      うん、機会があれば、いつかお会いできたらいいなと思ってます!そのときはスイーツめぐりにお付き合いよろしくおねがいします~(気の毒・・・)
      >> 続きを読む

      2015/08/01 by あすか

    • いえいえ。
      そうなんですね♪良かったですね(^^♪。久々にゆっくり出来るのではないでしょうか?存分に羽根を伸ばしてくださいo(*^▽^*)o

      そうですか・・・。陳腐な言葉になってしまいますが、その辛さ=努力は必ず報われると思います!
      そ、そうなんですね・・\(◎o◎)/!
      パッチリおめめもモグモグしてる口元も可愛らしいからそう仰るのではないんですかね?自分なら好きな人がそうだったら間違いなく可愛いと思います。
      バ、バブルスライム・・・ど、毒・・・そ、それも良い意味で・・!す、凄くポジティブな方向でですよ・・・!!

      あざーっす!その時には是非に。良いですよ♪喜んでお共致します(^^♪。
      >> 続きを読む

      2015/08/01 by 澄美空

    • 評価: 4.0

      今月もギリギリに読み終わりました・・・課題図書!

      「フランス文学」ということでとても構えていたけど、私の文学作品の重厚で難解な言葉がわんさか出てくるみたいなイメージとは全然違った本でとても楽しく読めた。海外の本は宗教とかその社会的背景とかの知識がないと理解できない本も多いけど、これは人の心を描いているから私にとって特に興味を持って読めたというのもある。

      読む前に「プレイボーイの父」みたいなあらすじを読んで「そりゃー家庭は荒れるわーそんな父親イヤだ〜」みたいな安易な印象を持ったが、読んでみるとそんな単純じゃなかった。良い父親と言い切れないかもしれないけど、私はこの父親がけっこう好きだった。人間って色々な面を持っていて、決して白黒に二分できない生き物だからこそ、面白くもあり、複雑でもあり、一歩間違えるとみんなが不幸な残酷な事件も起きる。

      ひとりひとりの気持ちを考えるととても切ない気分になった。
      >> 続きを読む

      2015/07/30 by

      悲しみよこんにちは」のレビュー

    • >決して白黒に二分できない生き物だからこそ、面白くもあり、複雑でもあり、
      本当にそうですよね。物事は多面的に見ないと白黒で判断できないし、それが人の面白さだったりします。 >> 続きを読む

      2015/07/31 by aldebaran

    • 月うさぎさん
      外人だからというのと、自分の家族ではないから言えるというのはあるかもしれませんね。日本人だとだいぶイメージが違う・・・

      aldebaranさん
      本当にそうですねー。人を見て色々判断しちゃいますが、きっとほんの一面しか見えてないんだろうなぁと思いました。
      >> 続きを読む

      2015/07/31 by sunflower

    • 評価: 4.0

      取り返しがつかないことが人生にはある。
      後悔してもしたりない忘れることのできない心の疼き。
      それを彼女は「悲しみ」と名付けた。

      日ざしのまばゆさ、南仏のヴァカンスの甘くけだるくゆったりとした時の流れ
      その夏に起きた悲劇はしかし悪夢の色彩を纏わない。
      アンヌは「悲しみ」の代名詞としてセシルの心の中の奥底にいつまでも存在し続けるのだろう。
      時折思い出しては味わうものとして。

      新訳での再読だが、訳文の違い以前に以前の感想が全く蘇ってこないことに気づく。
      なぜだろう?

      10代の少女のデビュー作。世界的大ヒット。
      今でも名作の名を汚すことなく読み継がれている小説。

      サガンは18歳でセシルは17歳。少女の感性が鮮やかに描かれている…?

      いや、この小説はそんなもんじゃない。

      若者が主人公であるけれど、これは「若者小説」などではない。
      「ライ麦畑でつかまえて」のような、若者の世代と現実社会の断絶や対立もない。

      若いセシルとシリルの初めての真剣な恋愛は一つのテーマだが
      むしろ主題は大人同士の恋愛模様のほうにある。

      セシルは個性的だ。確かに。そして魅力的な女の子だ。
      けれど普遍的な存在でもある。
      アンビヴァレントで良心的で快楽主義者で自己中心的で自分に正直な。
      つまり若い者の象徴であるといえるだろう。

      若さゆえの思い違いは、それが間違いだという決定的な結果をみるまで
      決して気づくことができない。
      そんな苦い事実も普遍的な真実だ。

      セシルは充分大人の知力を持った責任の無い子供であり、
      独立した自我を備えながら、制御不能な感情の嵐を抱えている。
      努めて客観的であろうとしたがため、かえって独善的な断定を分析的な判断だと誤った認識をしてしまう訳だ。
      このあたり、いかにも皮肉でフランス文学してますね~。

      子供の頃、大人が子供時代を経て大人になったことが、頭でわかっても想像はできなかったし、感覚的にも受付けなかった。
      それと同様に、若いころの私は、この小説の痛みが分かっていなかったのではないかと思う。

      アンヌは勘違いおばさんで、セシルは残酷、パパは軽薄でエリザは尻軽、シリルはガキンチョ。
      ひょっとしてそんな風にしか見えていなかったような…。
      いや~、若いってあんまりいいもんじゃないですな~( ̄∇ ̄;)

      そして同時に理解した。

      フランソワーズ・サガンは18歳にしてありえないほど大人の作家だった。
      批評家たちはその確かな目で作品を評価したのだ。
      日本の某新人賞のように話題性に飛びついたのではない。
      だからこそ半世紀以上も昔の小説がこんなにもみずみずしくリアルで、
      そして暑い空気も変わらない。


      夏のコート・ダジュール。
      お金持ちたちは恋以外に何の気苦労もない。
      そのけだるい暑さがなんと心地良いことか。

      セシルとパパの関係性も面白い。
      ただのべったり甘い親子ではなく「友達」「共犯」関係だというのだから。

      「父はいわゆる軽い性格で、恋愛に器用、好奇心が強くて飽きっぽく、女性にもてた。わたしにしても、ごく自然に父を愛していた。それも心から。
      やさしくて包容力があり、陽気で、わたしにあふれるような愛情をそそいでくれる。
      これ以上の友だち、一緒にいておもしろい友達は、ほかに考えられなかった。」

      一つにはセシルは2歳で母を失って以来修道院の寮生活をしており、
      15歳までは父親と会わずにいたという背景がある。
      セシルにとってレイモンは父親であり大人の男の理想形でありパトロンでもあり、
      真逆の世界への夢のガイドでもあった訳だ。

      それは多分、女の子たちの一つの憧れの世界でもあるでしょう。

      そこに現れた気高く生真面目なアンヌ。

      「あの人は、わたしが自分自身を愛せないようにしてしまう」

      彼女を尊敬し愛しつつも、受け入れがたい現実に引き裂かれるセシルがとった道は…。

      理解することはそのまま受け入れること。
      その通りです。
      こんな目覚めた少女だったら、私ももっと粋に生きられたのかもしれません。

      【おまけ】
      原題:Bonjour Tristesse (英語: "Hello Sadness")
      英語だとなんか軽薄ですね~。
      「悲しみよ」と呼びかるように訳された朝吹さんのタイトルは秀逸です。
      >> 続きを読む

      2015/08/12 by

      悲しみよこんにちは」のレビュー

    • アンヌのこの言葉…
      「あの人は、わたしが自分自身を愛せないようにしてしまう」

      凄い、共感できるというか…あるあるですね。。
      こんなに何不自由なさそうで気高いアンヌにとっても、セシルのお父さんはそういう存在だったんだ…となんか一人納得してしまいました。
      >> 続きを読む

      2015/08/16 by snoopo

    • snoopoさん
      こういう気持ちって理解できますよね。
      ところで曖昧な書き方ですみませんでしたが、このセリフはセシルのなんですよ。
      アンヌを敬愛していることに変わりはないのに、彼女を疎ましく思うのはなぜ?
      単なる嫉妬ではない。
      その自問自答の答えがこの言葉なのです。
      アンヌは父との結婚を人生を賭けたものとして自分の責任として受け止めている。
      一方、父はどうなのか?
      アンヌを恋人として娘の母親としては想定しているが、「妻」としてはどうなのか?考えていないのではないか?
      セシル(サガン)はそこまで洞察しています。
      これを当時18歳のサガンが文学的に消化して書ききっているということが
      いかに驚異的なことか、今ようやく理解できた次第です。
      >> 続きを読む

      2015/08/16 by 月うさぎ

    • 評価: 4.0

      こんなにも有名な作品に、今まで手をのばさないできた。
      それ程に海外作品を避けていたことに我が事ながら驚く。
      今でも慎重に選ぶことは同じだけれど、以前よりは何でも読むようになったのは遅まきながらの成長かもしれない。

      父親とふたりで暮らす17歳のセシル。
      父親の愛人と三人でバカンスを過ごしていると、セシルの母親の友人であり憧れの対象でもあるアンヌがやって来る。

      こうはじまる物語だが、既にツッコミどころ満載。
      多感な時期の娘と愛人と旅行に行けてしまう父親の神経が太い。極太。
      そこへ更にもうひとり女性を呼ぶという暴挙に出てしまう。
      何か起こること間違いなしなのに、そんなこと考えなくてもわかるのに。
      馬鹿か。と本に向かって言ってしまう。

      案の定、父親との自由な生活が乱れはじめる。
      そこでセシルの取る行動は。

      この本は若い頃に読まなくて本当に良かった。
      今でも潔癖なところは残っているが、それなりに世俗にまみれたので許容するということを憶えたけれど、若い頃なら許せなかった。
      所謂、お父さん不潔よおおというやつ。
      こんな父親、本当に我慢ならない。
      父親であっても男なので、恋も身体の関係も大切だと思うし、そこは否定もしないけれど、娘に見えないところでやって欲しい。
      こういったことに親子であっても頓着しないところが西欧風なのかな。
      コテコテの日本人のわたしには俄かに理解出来ないけれど。

      17歳なのに当たり前に煙草を吸ったりお酒を飲んだり。
      自由だ。
      知らない西欧文化にへえと驚きながら読む。

      そういった色々はあるけれど、17歳の少女と女性の間にある不安定さや、思慮の浅さ、責任からもスルリと身を交わすところや、自身を悲劇的な位置に置こうとしたり、悪意なく他人を利用したり出来るところが上手く著されていた。
      アンヌへの憧憬、自分の世界を壊す相手は排斥したい、思ってもいない結果に動揺するセシルの繊細で傷つきやすく身勝手である意味逞しい人物像が確立されている。
      こういった描写を、サガン自身がその時期にあるときに出来ていることに驚嘆する。
      素晴らしく冷静に自分たち若い世代を見ている。

      小池真理子さんの解説にあるように、オシャレ小説といった感のあるサガンを、そんなものに興味はないのよと尖っていたわたしは避けていたのかもしれない。
      誰が何を読もうが関係ないし興味もなかったのに、自分はそこらの薄っぺらい文学少女じゃないんだと誰でもない誰かに示したかったのだろう。
      かわいいな自分。
      避けて通ってきた海外の作品をようやく楽しめるようになったことを喜ばしく感じる。
      >> 続きを読む

      2015/09/30 by

      悲しみよこんにちは」のレビュー

    • 〉セシルの繊細で傷つきやすく身勝手である意味逞しい人物像が確立されている。
      この視線の確かさと表現の見事さには感服しますね。
      オシャレ小説なんかでは全然ないですね。ものすごく文学していると思います。
      >> 続きを読む

      2015/09/30 by 月うさぎ

    • 月うさぎさん
      コメントありがとうございます。

      若いときに読んだらオシャレ小説で終わっていたかもしれませんね。
      サガンなんてダメよとわかった顔で言っていたかもしれません。
      >> 続きを読む

      2015/09/30 by jhm

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