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2015年11月の課題図書

今までの課題図書

2015年11月の課題図書


今月の課題図書は芥川賞受賞で話題となったピース又吉さんの敬愛する斜陽
太宰治の代表作の一つである「斜陽」です。

戦後の混乱に巻き込まれ東京から伊豆に移り住んだ貴族の母親とその娘和子。
父の死後、貴族らしい生活からかけ離れてしまい、弟の直治も戦後帰還するも麻薬中毒は悪化していた。
そんな折、和子は以前「ひめごと」のあった妻帯者の上原に再会し、強く惹かれてしまう…

没落貴族の一家を題材に描く本作は、哀しき人間の恋と古い道徳からの革命を考えさせてくれるはずです。

今なお賛否を呼ぶ太宰作品。
一度も手にしたことのない方はぜひ一度お試しください。

Book Information

斜陽

4.2 4.2 (レビュー10件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 340 円
いいね! KEMURINO mariak1994

    レビュー

    すべてのレビューとコメントを開く
    • 評価: 4.0

      11月の課題図書。
      戦後間もない、没落貴族の家庭を舞台に描かれています。

      「日本で最後の貴婦人」
      この母と主人公・かず子の日々の生活が興味深く、すぐに物語に入り込んでいきました。

      生活が苦しくなってきたため家を手放し、伊豆の山荘で暮らし始めますが、生活が一変しても貴族であることを忘れない、無邪気で美しい母。そんな母を心から愛するかず子。
      戦争から帰ってきた弟直治は、麻薬と酒に溺れます。
      彼が慕う、破滅的作家の上原。
      四人四様の滅びの姿が描かれています。


      久しぶりに太宰治を読みました。「人間失格」「晩年」を読んだ時は、たしか10代の頃。
      よくもこんなに陰鬱とした感情を文章にできるなと思いながら読んでいましたが、死を身近に感じ、受け付けませんでした。
      「斜陽」は特権階級の没落という、自分が今まで知ることのなかったテーマだったので、最後までおもしろく読むことができました。

      *以下ネタバレです。


      物語の途中にいくつか印象的な手紙が書かれています。
      上原への想いを募らせていくかず子により、6年前に出会ったときのこと、それから弟から得た話で上原像が創られてしまいますが、これが弟の最後の手紙で覆されます。そして、その弟の遺書で彼が胸に秘めておきたかった愛する人が、かず子→上原への手紙でわかる構成もおもしろい。上原へのお願い事も含めて。

      「人間は恋と革命のために生まれてきたのだ」
      その言葉通り、庶民の上原の子を宿し、かず子だけは貴族のまま終わるのではなく、力強く生きていく決心します。
      弟には、それが出来なかった。
      貴族階級であるからこその苦しみ、民衆に憧れていたけれどなれなかった自分を最後の手紙で吐露します。
      「姉さん。僕は、貴族です」と。

      上手く物語を纏めたようですが、ここで終わってしまうのかとも思いました。
      貴族出身のかず子がシングルマザーとして、お金もないのにこの先どうやって生きていくのでしょうか。
      叔父を頼るのか・・・それとも、これもまた滅びの道なのでしょうか。
      >> 続きを読む

      2015/11/23 by

      斜陽」のレビュー

    • 斜陽凄く面白いですよね!
      私は太宰治は走れメロスしか読んだことないのですが、こんなに面白い小説があるとはっと、思いました。
      私の伯父はもともと華族家系の女性と結婚したこともあり、華族には興味があり、当時の空気感が伝わってくるようでうっとりしました。

      そして、又吉が好きな太宰治ですが、凄く似てるというか共通点があるような気もして微笑ましく感じました!
      太宰のブラックユーモア、凄く好きです。
      >> 続きを読む

      2015/11/28 by snoopo

    • snoopoさん
      斜陽、かず子の今後を考えると複雑ですが、最後までおもしろく読めました!
      私は「走れメロス」読んだことないんですよね。アニメは小学校のときに、担任の先生が昼食の時間にかけてくれたのを覚えてます(*´艸`*)

      >私の伯父はもともと華族家系の女性と結婚したこともあり、華族には興味があり、当時の空気感が伝わってくるようでうっとりしました。
      !!?
      なかなか想像できない世界です!
      snoopoさんがコメントくださったことで、私もその雰囲気に少しでも浸ってみたい!という気持ちになれました。いろんな人が参加している読書ログのおかげで、新たな発見が多いです。ありがとうございます。

      又吉さんの「火花」は手元にあるので、近々読む予定です。
      旦那の両親の本なので、年始までに読んで返さなきゃ。笑
      >> 続きを読む

      2015/11/30 by あすか

    • 評価: 4.0

      没落貴族の成れの果て。

      「斜陽」という言葉から想像していたのとは異なるオチ。むしろこの方が深い気がした。

      良い言葉が思い浮かばないので意味が違うのを承知で言うと「最後の侍」とでも言うような、最後の貴族たる母親とそれを取り巻く人々の葛藤。

      主人公としては娘になるのだろうが、圧倒的に印象的なのは母親の方。
      いわゆる育ちの良さを具現化したような魅力的な女性で、経済面では没落しているものの精神性では最後まで貴族で有ったと言えるように思う。

      「斜陽」すなわち凋落途中という意味では、この母親にフォーカスして終わるのだと思いきや、終始その子孫たる娘にスポットを当てることで本当の斜陽を表現している。

      考えてみれば没落過程を経験する母親も辛かろうが、それを見届け、その後の人生を生きる娘の方がよほど辛かろう。
      良い時代を知るが故の切なさがそこには存在すると思うから。

      全編、悲哀に満ち満ちているようで読み進めるのが辛くなる半面、どんな境遇で有れ、自分の人生は自分で能動的に選択すれば、こうはならなかったのではないかと思ってしまった。

      そういう思考こそが雑草で、育ちの良い貴族には難しいと言ってしまえばそれまでだが、努力を怠って良いことの言い訳にはならないだろう。

      結局人は生きる目的を、自分以外の誰かに投影しないと生きられないものなのかもしれない。
      >> 続きを読む

      2012/06/06 by

      斜陽」のレビュー

    • 母親、印象的ですよね。本当に貴族の心を持っているという感じで、通常ならば雑草根性の方が好きですが、この母親はとても魅力的に映ります。

      わりと最近読んだのにまた読み返したくなってきました…
      >> 続きを読む

      2012/06/06 by chao

    • 物悲しく重い空気ですね…。
      堕ちていき、ラストはどうなるのか気になります…。

      2013/11/08 by kumahachi

    • 評価: 3.0

      恐らく初読。
      女性として(当時の時代背景から鑑みる)通り一遍の幸福を得ることが出来なかった30歳直前の主人公が、最後の貴族と評される母親の時代の移り変わりや病に翻弄される姿を目の当たりにし、型通りの女性像から脱却の為の「最後の戦い」を決意し挑むまでの心の流れが描かれています。
      氏の後期の作品と知っているだけに、登場人物がすぐに死にたくなるのと、新しい女性の価値観がダメダメ作家を赦すという展開についつい穿った見方をしてしまって反省しきり。
      素直に読めば古いしきたりからの脱却は年代不変のテーマで大変面白かったです。 >> 続きを読む

      2014/04/14 by

      斜陽」のレビュー

    • >登場人物がすぐに死にたくなるのと

      生きていれば、きっといいことがあるので、死なないでー・・・ >> 続きを読む

      2014/04/14 by makoto

    • この作品、冒頭のシーンがすごく好きです♪

      2014/04/14 by chao

    • 評価: 5.0

      文集文庫で読んだ。

      とてもとても面白かった。
      笑いあり、涙あり。

      母の「おしっこよ」と一番最後のMC「マイコメディアン」のオチにチェーホフじゃないんかよ!!wと爆笑してしまった。

      なんだかシュールで、、

      母が弱っていく描写はとても泣けた。
      自分の母を看病するカズコ、とても強く優しい女性だ。
      私と同じ歳なので、特に共感した。

      そして何よりも最後の弟の手紙に感動した。

      彼は根っからの貴族なんだ。
      どんなに一般人に合わせようと不良になったとしても、貴族として育てられた貴族なんだ。

      凄く感動した。
      最後の分の「僕は貴族です。」凄い泣けた。

      弟、どうしようもない奴だとばかり思っていたが、素直でお母さん思いのいい子じゃないか。

      太宰治初めて読んだが、こんなに面白いとは…。

      特に華族に対して興味を持っていたが、あまり華族がテーマの小説って私の知る中では少ない。

      凄い良いテーマだと思ったし興味深かった。

      一気読みだった。
      >> 続きを読む

      2015/11/20 by

      斜陽」のレビュー

    • 評価: 評価なし

      この本の名言をご紹介します。

      ***
      他の生き物には絶対に無くて、
      人間にだけあるもの。
      それはね、ひめごと、というものよ。
      いかが? >> 続きを読む

      2013/11/08 by

      斜陽」のレビュー

    • こんなの高校の時に課題にされて読んでたんだ。
      へへっ。笑っちゃう。

      2013/11/08 by 月うさぎ

    • 人間以外にはないもんなんですかね...

      2013/11/08 by ice

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