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2016年08月の課題図書

今までの課題図書

2016年08月の課題図書


今月の課題図書は先日発表された第155回直木賞受賞作品!!

還暦、作家デビュー20年など節目を迎えた荻原浩氏が5度目の候補作でついに初受賞。
受賞作品は家族と時間をテーマにした短編集。
選考委員の宮部みゆき氏は「圧倒的な読み心地のよさ」と評されています。

親子、夫婦、兄弟。色々な家族が登場し、様々な世代の人間をターゲットに
しているにも関わらず、すべてが自然に表現されているのはなぜだろう。
そんなことを考えたときに、単にベテラン作家だからだけでは済ませらない。それは果たして・・・。

その秘訣のようなものを受賞インタビューに垣間見ることができました。

(記者)--表題作の理髪店のように、各短編の中に魅力的な職人さんが登場する。
小説を書く仕事と、職人の仕事と共通性はあるか。

(荻原氏) 「理髪店の話を書くために、書籍で勉強をしたんですけど、これはいっぺん行かなきゃいかん、と。
実は僕、こんな髪の毛でも普段は美容室で切ってますから、床屋さんに久しぶりに行かなきゃと。
近所で評判の理髪店に行って、体を研ぎ澄ませて一挙手一投足を見たり、ひげを剃るときの感触とかタオルの熱さ、
ジョリッという音を全部記憶して。でもそれ一回きりでした。
短編の中で書いたんですけど、職人さんに限らず、すべての職業は人のことを考えることではないか。
他人に対する想像力が必要で、それをちゃんとやっていれば、真っ当にいい仕事ができるんじゃないかなと思います」


なるほど、荻原氏の他人を考えることを追求した結果がこの読みやすさ。
『相手の気持ちを考えなさい』
親や先生に小さい頃から言われるこの言葉を忠実に、純粋に追求しているのが荻原氏なのかもしれません。


是非この機会に読んで、友人、家族、同僚など相手の気持ち、
そして自分自身の気持ちを考えてみてはいかがでしょうか。
ひょっとするとあなたの人生を変えるちょっとしたターニングポイントになるかもしれません。
どの短編集がお気に入りか、そんな話題を読書ログで盛り上がっていただくのももちろん大歓迎です!

Book Information

海の見える理髪店

3.5 3.5 (レビュー15件)
著者: 荻原 浩
定価: 1,512 円
いいね!

    レビュー

    すべてのレビューとコメントを開く
    • 評価: 3.0

      どのような人生を送ろうとも、人に残されるものとは結局は、家族の記憶なのかもしれません。
      それは長い時を内包した分厚い記憶。
      ここに描かれた物語の語る「記憶」は、誰にでも容易に思い描ける感情を伝えている。
      十人十色といいますが、この小説は誰もが共有できる想いを呼び起こすことでしょう。

      表紙の雰囲気の良さも売れ行きに貢献している気がします。
      イラストは新目(あらため)惠さんです。
      小説に描かれたイメージをきちんと絵にしていますね。ほら、ブランコもちゃんとある。(裏表紙に)

      連作短篇なのかと思いましたがそれぞれが独立した小説でした。
      ところで私は荻原 浩さんってどうも女性と勘違いするんですよ。
      有川 浩さんのせいかもしれませんが。
      そして読み始めてやはりこの人は女なのでは?と思ってしまいました。
      理髪店のことを知らなすぎな感じとか(どう考えても取材した匂いしかしない)
      2作目の母娘の関係性のリアリティとかも。
      3作目の甘えた妻のワガママも。
      実際この方のハートは女性なのかもしれないですなあ。なんて感じながら読みました。


      短篇集 全6篇

      「海の見える理髪店」
      ああ、そう。そういう話だったのね。意外性がありました。多分に情をくすぐられるストーリーです。小説としては特に心地よいできとは思えませんでしたが。

      「いつか来た道」
      画家の母とそりが合わない娘。16年後の帰省をし、久々に対面した母の変容。
      娘が母を越える日がいつかは来るのだ。それはようやく獲得した自律でありながら、なんと寂しい姿をしているのか。
       母娘の関係ってこじれた人は本当に引きずるものなんですよね。よくわかるね~。男の人なのに。

      「遠くから来た手紙」
      ちょっとファンタジーめいた部分も日常の描き方の巧みさでバランスが取れた面白い小説。愛の経年劣化とはなんだ?結婚歴ン年も経ってる人なら誰でも身に覚えがあるはずですね。
      時に昔の自分に出会ってごらん。ご夫婦お幸せに。

      「空は今日もスカイ」
      子どもはつらいよ。親に人生を握られているのだから。
      彼らの理解者はやはり社会的弱者であり、彼らの声は無視される。
      いつだって世の中は知らん顔を決め込む。空も。

      「時のない時計」
      時計の針を逆に戻すように時間を巻き戻せたなら…。形見の時計に生前余り接点のなかった父を想う。
      「海の見える理髪店」と対称的な作品で、容れ物の違いでこんなに異なるテイストになるよというサンプルみたいです。
      本作中でこの時計屋は唯一魅力の感じられない人物でした。

      「成人式」
      子を失った哀しみから抜けることは困難だ。
      生きる気力を無くしたような夫婦の元に手違いで届いた成人式の振り袖のDM
      二人の決断は非常識なものだったが、夫婦の危機は二人で手を取り合って乗り越えなければならない。
      人は生き続けなければならない。

      本作を評価する人が非常に多いようです。

      全ての作品が家族のつながりに関して、いろいろな角度から書いています。
      悪くないです。ケチのつけどころが無い小説ですね。
      でもとびぬけた作品集ではない。
      つまり、感動して人に是非読んでみろと勧めるような小説にはなっていないです。
      長編にできそうなスケールや凝縮されたボリューム感もなさそうです。

      直木賞ねえ…。
      「4回落しちゃったし、もうそろそろやった方がいいか…」みたいなセンセイ方のトークが聞こえてきそう。

      ああ、これがすでにケチですか。スミマセン。
      >> 続きを読む

      2017/03/25 by

      海の見える理髪店」のレビュー

    • あすかさん
      〉他に出会いたい本はたくさんあるので。
      それそれ、それなんですよね~。人生で読める本の数は限られています。
      読書は労力も時間も費やす訳なので(お金はちょっとで済みますが)ハズレ本ばかりを数読んでも仕方ないと最近年齢も気になる私は特にそう思います。
      文学の海にはまだまだ傑作がたくさん溢れていて私を待っているのよ。
      と思ったら、流行作家を追いかけるのにあまりモチベーションは上がらないの。
      喰わず嫌いはもったいないので読書ログでチェックはさせていただいてますが。
      >> 続きを読む

      2017/04/05 by 月うさぎ

    • chaoさん
      〉、、、とりあえずこれは読まないことにします笑!
      読まない決断も大事って聞きましたよ。養老さんかな丸谷さんかな。
      乱読の勧めってのもあれば、乱読不要論もありますね。
      自分の感性+興味の方向にお気に入りのレビュアーさんの読書の後を追ってみて
      というのが最近の私の読書傾向です。
      あ。もちろん、読書ログさんの課題図書もです。
      カミュにブラッドベリなんてとっても挑発されている気分です。
      再読せねば…。
      >> 続きを読む

      2017/04/05 by 月うさぎ

    • 評価: 3.0

      全体的にリズミカルな文章で綴られている気がします。
      物語性はありながらも
      例として髪を切る音、髭を剃る音など音楽的な部分が
      主人公のリアルな五感を、読者に体験させている印象を受けます

      ただし、語り手・登場人物の移り変わりや
      人称の境界線が曖昧で読んでいてわかりずらい部分もありました。
      (これは自分の読解力の低さもあるかもしれません...)

      この二つの効果から、小説というよりは
      却って詩を読んでいるような感覚がありました。

      他の短編もタイトル作品と毛色は少し違うものの
      自分としてはあまり入り込めない分野でした...

      とりあえず直木賞ということで一読してみました。
      これから機会があれば是非、作者の他の作品もチェックしてみたいです!
      >> 続きを読む

      2016/08/24 by

      海の見える理髪店」のレビュー

    • > 例として髪を切る音、髭を剃る音など音楽的な部分が
      主人公のリアルな五感を、読者に体験させている印象を受けます

      とても興味を魅かれました。
      読んでみたいと思います♪
      >> 続きを読む

      2016/08/24 by ice

    • 評価: 3.0

      やっと借りることができました、8月の課題図書。
      家族の絆を感じる物語6編。優しくて、少し切ない雰囲気に包まれます。
      さらっと読めるのはいいのですが、記憶に残る作品は「成人式」くらいだと思いました。
      良く言えば日常生活を切り取った身近な作品、悪く言えばよくある話。

      以下のレビューはネタバレも含みます。
      ご注意ください。



      *海の見える理髪店

      その理髪店は海辺の小さな町にあった。
      細部に渡る丁寧な仕事と、店主の昔話。

      店主がどんな思いで自分の人生を語ったのか、原田が予約を入れるまでの間にどれほどの葛藤があったのか。
      いろんな感情があふれてきます。
      ただ私、この手の話になるといつも思うのですが。
      自分の気持ちを押し殺すことなく、もっとストレートに話し合えばいいのになぁ。
      ・・・なんて、ついつい物語にならないようなことを思ってしまうのです。
      頭の中で考えるより先に言葉に出してしまうタイプなので、こんなドラマのような展開にならないですね(^^;)


      *空は今日もスカイ

      家出した茜、継父に虐待されている陽太の冒険。
      一晩泊めてくれたビッグマンとの交流が続き、心安らぐ場所となることを祈らずにはいられません。

      物語よりなにより、茜のかぶっていたベイスターズのベースボールキャップに釘付けです。
      今でこそ人気球団となりましたが、この作品の初出が2012年3月。
      たしか親会社がDeNAになったばかりのではないでしょうか。
      本当に弱かった時代(まるで今が強いかのような言い方だけど)だったのに、このチョイスはすごい。

      ・・・一応言っておきますが、私横浜ファンですので。笑


      *成人式
      鈴音の死から5年。成人式の着物カタログが送られてきた。
      娘の死を乗り越えるきっかけとして、代わりに成人式に出席する夫婦の話。

      少し痛い展開も覚悟しましたが、そんなことはありませんでした。
      嘆きと悔恨の日々を振り切ろうとする2人の姿にじわりときました。



      どの作品も後日談が気になります。
      様々な理由があり、良い関係を築けない家族たち。
      それなのに、どれも不思議と爽やかな読後感でした。
      >> 続きを読む

      2016/11/01 by

      海の見える理髪店」のレビュー

    • 月うさぎさん
      まさかの理髪店つながり。笑
      こんな偶然もあるのですね~(*^▽^*)

      私も買う気が起こらなくて、図書館待ちしていました。
      おかげでもう11月・・・表紙は夏っぽい爽やかさがあるんですけどね~

      >きっと表紙の絵の雰囲気があっている中身なんではないでしょうか。
      そうなんです!!!
      中身は違えど、6編すべてが表紙のような雰囲気をもっていました。
      図書館から連絡が来るのを、私も楽しみに待っています♡
      >> 続きを読む

      2016/11/04 by あすか

    • starryeyedさんも、予約待ちなのですね!
      やはり直木賞を取ったので、読みたい人が多いのですね。
      早く順番が来るといいなぁ。
      レビュー待っています♪
      >> 続きを読む

      2016/11/04 by あすか

    • 評価: 3.0

      直木賞受賞作&8月の課題図書ということで
      最近あまり本を読んでいなかったけど、久々に読んでみることに。

      良くも悪くも、かるく読める感じです。
      二晩で読み切りました。

      短編集の1作目が表題作。

      大物俳優にも腕を認められ、政界の大物も通いつめた伝説の床屋が
      海の見える場所でひっそりと店を営む。
      ある日訪れた客に対して詳細に半生を語る、、
      その理由とは。

      ラストがとても好きです。

      ☆4つ!

      ただそこがピークだったかもしれない…
      なので全体としては☆3つです!

      >> 続きを読む

      2016/08/02 by

      海の見える理髪店」のレビュー

    • 最初がピークちょっとわかります^^;でも自分は最後の成人式も結構キマシタ!

      2016/08/03 by fraiseyui

    • 月うさぎさん

      >この本が課題図書。意表を突かれました。(^^)
      ですよね!
      今までの課題図書とちょっと違って、新鮮でした。
      >> 続きを読む

      2016/08/04 by アスラン

    • 評価: 3.0

      第155回直木賞受賞作

      ということで読み、そのままになってしまっていましたが、、、
      読書ログの課題図書になっていたので、思い出してレビュー投稿。

      ◆海の見える理髪店
      海辺の小さな町にある理髪店。
      かつては大物俳優が通い、銀座に2号店まで出したこの店が、今はなぜこんな場所にあるのか。
      東京で働く主人公が、はるばるこの店までやってきた理由とは。
      理髪店の主人が、やけに饒舌に自分の過去の話を語る理由とは。
      最後まで読み終わった時に納得、そして最後の一文にじーんとくる。

      「あの、お顔を見せていただけませんか、もう一度だけ。
      いえ、前髪の整え具合が気になりますもので。」

      ◆いつか来た道
      自分が好きか嫌いかの価値観だけで判断し、
      すべての物事に自分勝手な美意識で優劣を付ける母親に育てられた娘。
      その母のせいで、決して幸せではない子供時代を送り、家を飛び出したが
      弟のすすめにより母に再会。
      そして気付いた母の異変。

      老いの切なさを感じるとともに
      子供を育てる母として、子供の可能性をつぶすこの発言に怒りを感じた。

      「あなたには根本的に才能がないのね」

      ◆遠くから来た手紙
      ◆空は今日もスカイ
      ◆時のない時計
      ◆成人式
      その他4作品は私には合わなかったため、レビュー省略。。

      >> 続きを読む

      2016/07/29 by

      海の見える理髪店」のレビュー

    • rock-manさん

      そうなんです。
      軽~~~く読める短編集ですのでぜひ! >> 続きを読む

      2016/08/04 by アスラン

    • あすかさん

      >この作品は、じーんきそうな、優しい作品が多そうです。
      そうです。優しい読み心地です。 >> 続きを読む

      2016/08/04 by アスラン

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