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2018年04月の課題図書

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【ミステリの女王】アガサ・クリスティが書いたミステリではない小説。
当初海外ではペンネームのメアリ・ウェストマコット名義で発表されていたが、
日本では最初からアガサ・クリスティとして登場。
アガサ・クリスティ作品を数多く訳している翻訳家・中村妙子氏が自ら見つけ、
訳し、出版社に持ち込んだとされる本作品。
最後まで殺人が起きないクリスティ小説として、私たち読者を新たなクリスティの世界へ導く本作品は、
中村さんの人生にも大きな影響を与えたのかもしれません。

読書ログ会員にも非常に人気がある作品、ぜひこの機会にいかがでしょうか。

Book Information

春にして君を離れ

4.4 4.4 (レビュー10件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 714 円

優しい夫、よき子供に恵まれ、女は理想の家庭を築き上げたことに満ち足りていた。が、娘の病気見舞いを終えてバグダッドからイギリスへ帰る途中で出会った友人との会話から、それまでの親子関係、夫婦の愛情に疑問を抱きはじめる...女の愛の迷いを冷たく見据え、繊細かつ流麗に描いたロマンチック・サスペンス。

いいね! Minnie MissTerry chao bakabonn

    レビュー

    すべてのレビューとコメントを開く
    • 評価: 5.0

      推理ものではないアガサ・クリスティーの傑作。

      主人公はイギリス人の婦人、ジョーン。
      彼女は家族を第一に考え、何ごとも冷静に判断して夫の愛情、可愛い子供たち、満ち足りた生活を手に入れた。

      その婦人が数日間、何もない砂漠で足止めを食らって何もすることがなくなり、ふと自分自身を見つめはじめる…

      読み終わった後に哀しい気持ちといったら。。。


      ※以下、ネタバレ含みます!






      全部を自分の都合の良い風に解釈して、真実を何も知らない(見ない)孤独なジョーン。

      面白い話では決してなかったけど、ジョーンの最後の選択のシーンは鳥肌もんだった。
      最後のロドニーの一言にはゾッとした。

      ジョーンは自業自得で哀れ。だけど同じくらい、ロドニーは嫌な奴だという印象が強かった。その点をあとがきで栗本薫さんがビシっと指摘していて激しく共感。

      自分だけが全てをわかっているような気になって、人を見下しているのはむしろロドニーの方なのでは?被害者みたいにしているけど、それも自業自得なのでは?相手のことを考えている風を装っているけど、ひとりよがりなのでは?

      …そんな感じで私の中では一旦落ち着いた。
      そして何気なく他の方のこの本のレビューを見ていたら、こんなコメントを発見。

      「ロドニーがジョーンに真実を言わないのは復讐なのだとしたら?」

      さらに鳥肌。。
      ずっと忘れられない本になりそう。
      >> 続きを読む

      2013/08/26 by

      春にして君を離れ」のレビュー

    • ちあきさん
      離婚とかよりもっと心の核心に近い部分を描いているんです。
      その描き方が秀逸です!

      月うさぎさん
      私もそうしないって思いますが、結末が違っていたら普通のお話になってしまいますよね、きっと。あの結末でこそ面白いというか怖い感じがします。

      あとMinnieさんへのコメントで「後からじわじわくる」と書かれていましたが、私もまさにそんな感じでした!

      別名で書いた小説だなんて。他のメアリ・ウェストマコット作品も読んでみたくなります♪
      >> 続きを読む

      2013/08/27 by chao

    • >自分だけが全てをわかっているような気になって、人を見下しているのはむしろロドニーの
      >方なのでは?被害者みたいにしているけど、それも自業自得なのでは?相手のことを考えて
      >いる風を装っているけど、ひとりよがりなのでは?

      真摯さに欠ける。そういう事ですよね。真摯さ、大事ですよね。
      >> 続きを読む

      2013/08/27 by Shimada

    • 評価: 5.0

      『あなたは少々自己満足の気味があります。
       自分のことばかり考えずに、ほかの人のこともお考えなさい。
       そして、責任をとることを恐れてはなりません。』

      物語中盤の回想シーン。
      聖アン女学院の卒業前面接で、ギルビー校長にジョーンはこう指摘されています。

      テル・アブ・ハミドのレストハウスで孤独と恐怖の中、自分自身が送ってきた人生に疑問を感じ始めるジョーン。
      根も葉もない想像なのか、それとも真実なのか。
      主人公の不安や悲しみが同じように伝わってきて、終始胸がざわざわしました。

      4月の課題図書。
      クリスティの心理描写の上手さが際立つ本書です。
      夢中になって1日で読み終えました。

      *以下ネタバレ含みます












      異国で孤独と恐怖の中でしか、自分を見返ることができないのが愚かな上に、最後の選択が結局そうなるか!というかんじで。
      すごいですよね。
      イギリスに帰り、自分の普段の生活が色濃くなってくると、ああもあっさり考えを変えるのですから。
      リアルすぎて全く否定できません。
      夫ロドニーの考え方も、そう思いながら自分を保っているのかな、と思いながらもちょっと・・・

      皆、子供たちも含めその道を選択し続けたのもまた、家族の在り方だと思います。
      ある程度満足感はあるかもしれないけど、寂しい人生だな。
      >> 続きを読む

      2018/04/18 by

      春にして君を離れ」のレビュー

    • あ、全然OKです!無問題です( ‐ω‐)b
      期待して頂けるのであれば頑張ります(笑

      その為にはこれからも色々な方面にアンテナを常に張って置かなければ…(*^^)v

      がんばるぞい( -`ω-)✧
      >> 続きを読む

      2018/04/22 by 澄美空

    • 美空さん
      快くOKしてくださり、ありがとうございます!!!
      どんな変化球もキャッチできるよう頑張ります♪
      なんて(*^▽^*)
      >> 続きを読む

      2018/04/22 by あすか

    • 評価: 4.0

      他の方のレビューの評価が非常に高く、
      かつ2018年4月の課題図書だったため、恐る恐る手にとってみました。
      おかげで新しい読書ができました。


      お金に不自由することもなく、
      優しい夫と子供3人に恵まれているというのに、
      なんという不幸なジョーン・・・

      過去にも他人からの忠告はたくさんあったはずなのに
      すべて自分の都合の良いようにしか解釈せず
      問題に正面から向き合ってこなかったのだから自業自得とはいえ、
      この先の彼女の人生が気の毒で仕方ありません。

      でもせっかくの気付きを無駄にして、また同じ選択をしたのですからどうしようもない・・・

      夫も夫だ、と思わなくもないですが、
      でもロドニーもきっと今まで多くの助言をしてきた上で、
      あきらめの境地に至ったのだろうな、と思わずにはいられません。
      だって、いくら夫婦とはいえ、他人の心を変える事は相当に困難ですから。

      独りよがりな人生の孤独さ、空しさを恐ろしいほどに感じました。
      >> 続きを読む

      2018/05/07 by

      春にして君を離れ」のレビュー

    • >上から見下ろしつつ、ある意味可愛がっているというか^^;
      私も自分のレビューで書いていますが、ロドニーは妻をペットと思っていますね。
      かわいい動物。
      かわいがって、贅沢させて、気持ちよく過ごさせてあげて、そりゃあ時には馬鹿!って思うけれど、所詮動物。言葉が通じないから我慢我慢…。
      飼った以上死ぬまで責任もって見てあげるからねって感じよね~。
      >> 続きを読む

      2018/05/11 by 月うさぎ

    • ペット!ペットですね!!!
      でも人として認められていない妻って・・・
      なんて気の毒な(涙) >> 続きを読む

      2018/05/14 by アスラン

    • 評価: 5.0

      クリスティの本の中でも好きな本です。

      純粋なミステリーとは違います。
      この本の中では事件は起きないのです。
      自分自身を見つめるお話です。

      心がざわつくような、少し苛立つような、クリスティの心理描写の素晴らしさを思い知らされます。

      人によっては退屈だと感じるかもしれませんが、人によっては内面をえぐられるような気持ちになるかもしれません。

      人によっては「怖い本」と言います。
      それもわかる気がします。
      >> 続きを読む

      2013/08/09 by

      春にして君を離れ」のレビュー

    • >春にして君を離れ

      なんかユーミンの歌とかで有りそうな名前ですねー♪

      2013/08/10 by makoto

    • > 春にして君を離れ

      春なのにビーチサンダルって違和感有るなぁ...

      2013/08/10 by ice

    • 評価: 4.0

      旅の本質は「非日常」です。
      生まれて初めて足を踏み入れた場所にいる。それだけで特別な気分になるものですが、もっとも日常とかけ離れた環境――沙漠にたった一人で向き合わなければならなかったとしたら、心はどこへ彷徨いだすことでしょう?

      主人公ジョーンは英国の中流階級の専業主婦。
      弁護士事務所を営む夫の収入で豊かな暮らしをし、子どもを育て上げ、日々様々な用事をこなしそれなりに多忙な充実した人生を送っている良妻賢母。

      「物思いにでもふけるしかすることがないようなところでにっちもさっちもいかなくなったら」
      旧友とのこの会話が現実になるとは!

      交通網が不備な時代の旅行には遅延はつきものですが、
      よりによって砂漠の真ん中の駅のレストハウスにただ一人の滞在客として取り残されるハメに陥ります。

      駅とレストハウスと国境の鉄条網。
      それ以外ははるかかなたまで広がる漠とした砂の世界。
      もし目印を見失うほど遠くまで歩いてしまったら、方角を失い遭難の危険も大です。

      静寂、日光、そして孤独……

      それは果てしなく広がる牢獄

      なんとも奇妙で恐ろしく魅惑的な設定です。
      文明人は果たしてこの環境に何日耐えられるものでしょう?

      ジョーンは家族への献身が実は自己満足と無理解による押しつけであったことに気づき、愕然とします。
      「愛するだけでは十分ではないのだ」

      人は信じたいことだけを信じ、理解できないものや不都合な真実に目と耳をふさぎ、知らなかったことにしがちです。
      正論には保身や自己都合の裏が隠れています。

      「あなたのためだから」というCMがありましたっけ。
      まさにあれが表現しているのが真相ですね。

      ジョーンは、子どものためという伝家の宝刀を振りかざし、今迄自分を疑う事なく家族を隷属支配してきました。真の姿を知り、新たな関係性を築くことができるでしょうか?

      人間性をするどく見つめるクリスティの非ミステリー小説。
      考古学者の夫と共にアフリカや中東へ実際に旅をした経験が生きています。
      男性なら歴史や自然や哲学に目が行くことでしょう。
      リアルな自己の内面へと向かうという切り口が新鮮です。
      それもエッセイという形ではなく、ドラマティックな小説に作り上げてしまうなんて。クリスティの才能を見せつけられた気がします。

      でも、以前この小説を読んだ時、正直結末にとっても不満だったのです。
      再読すれば、この結末が所詮大方の人生の姿なのだという意味で、書き手としては当然こう書くべきだったと気づきます。
      でも、物語を読んだ時のカタルシスが全然なかったのですよね。
      小説には、現実ではないものも求める場合がありますから。要するに、せめて小説ではハッピーエンドになってほしいとか、そんな希望がありますよね。
      それがどこにもいかないというエンディング。(今風かも)

      今回特に強く感じたのは、妻ってのは男にとってペットなのね。ということでした。
      「愛だけではだめ」というのは妻の立場からの問題だけではない。
      「大事にするだけではだめ」なんですよ。
      夫婦が互いに人生のパートナーであるか否かという大切な問題です。
      ロドニーにとって、子どもたちは自分の人生をかけた大事な存在でした。しかし妻は、結婚した責任はあり、護るべき大切な女でありながら、共に生きる相手ではありません。
      心を打ち明け、人生を分かち合う事をとうの昔に諦めたのか、最初から期待していなかったのかはわかりませんが、人として認められていないことは間違いないです。
      これは夫婦のあり方としてどうなのか?というクリスティの問いかけがあります。
      オースティンの「高慢と偏見」の父も妻に対してこういう態度でしたから、英国のジェントルマンの伝統的な男像なのかしら?

      ここにはジョーンと真逆の女たちが登場します。
      彼女らは客観的に見て幸せな人生ではありませんが、本人は精一杯自分らしく生き、あがきつつも幸せだと考えています。
      簡単にこの生き方が正解、と、決めつけてはいないのですが、読者は彼女たちから何かを感じ取ることでしょう。

      アガサ・クリスティーは心の底から本物の作家なのです。
      流行作家ではなく。
      >> 続きを読む

      2018/05/09 by

      春にして君を離れ」のレビュー

    • わー月うさぎさんのレビュー!
      楽しみに待っていました^^

      >小説には、現実ではないものも求める場合がありますから。要するに、せめて小説ではハッピーエンドになってほしいとか、そんな希望がありますよね。

      私の場合はここでハッピーエンドだったら☆評価3くらいだったかもしれません。「いつでもやり直せるよ!」みたいなメッセージの本になってしまったらそれこそ普通~と私は思ってしまうかもと思うのです。

      >この結末が所詮大方の人生の姿なのだという意味で、

      そうなんです!!!人が変わることがいかに難しいことなのか。残酷なようですが、人間の本質がものすごい鋭く描かれているような気がして。

      でもジェーンみたいな人生絶対嫌ですけどね(T T)
      >> 続きを読む

      2018/05/16 by chao

    • chaoさんのレビューでそのお話し、しましたよね♪
      〉「いつでもやり直せるよ!」みたいなメッセージの本になってしまったらそれこそ普通~と私は思ってしまうかもと思うのです。
      ですよね!
      今回は結末がわかっているので、じっくり展開を読み込めました。
      この小説こそが、作家の目だと思います。
      人ってなかなか変われないものです。
      まして人を変えるなんて至難の業ってことですね。
      自分の人生に不満のある人は、好き好んで不満な人生を選んで生きているのだとそう思い知らされます。
      ぞっとしますね。
      >> 続きを読む

      2018/05/16 by 月うさぎ

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