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2018年08月の課題図書

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2018年08月の課題図書


2018年8月の課題図書は森見登美彦さんの『ペンギン・ハイウェイ』です。

『太陽の塔』『夜は短し歩けよ乙女』『有頂天家族』など数多くのベストセラー作品をもつ
森見登美彦さんの代表作品の1つで、第31回日本SF大賞受賞作。

ペンギンたちが海から陸にあがるルートをペンギン・ハイウェイと呼ぶ。
なぜ、小学四年生のぼくが住む郊外の町に突然ペンギンが現れたのか。

その答えはきっと歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっているみたいだ。
最後まで読んだとき、皆さんはどんな気持ちを抱きますか?

少年とお姉さんとペンギンたちの、少し不思議な冒険ファンタジーを是非この機会に。

【関連情報】
8月17日(金)、遂にアニメーション映画『ペンギン・ハイウェイ』が公開。
アオヤマ君やお姉さん、そして不思議なペンギンたちや”海”が映像として私たち読者の目の前に現れる!

【お知らせ】
著者・森見登美彦さんインタビューも読書ログプラスに近日公開予定!
森見さんが影響を受けた作家から、本作品着想の経緯、作品の中心となる”世界の果て”について等たっぷりお話を伺いましたので、お楽しみに。
読書ログプラス

Book Information

ペンギン・ハイウェイ

4.0 4.0 (レビュー13件)
カテゴリー: 小説、物語
定価: 660 円
いいね! niwashi 2hak1

    レビュー

    すべてのレビューとコメントを開く
    • 評価: 3.0

      「父さん、ぼくはお姉さんがたいへん好きだったんだね」とぼくは言った。
      「知っていたとも」と父は言った。

      アデリー・ペンギンの出現と、この2文がこの作品の重要な部分の全部だったりする。

      『ペンギン★ハイウェイ』は〝第31回日本SF大賞受賞作”ということで読んでみたら、びっくり。
      これがSFなら村上春樹の作品の半分以上がSFになってしまう。
      と思いついたら、村上春樹に、それも特に「海辺のカフカ」にイメージが重なって仕方なくなってしまった。

      パスティーシュというのとは違う。そっくりに作ろうとしているのではない。
      比喩表現、ところどころの文体、浮世離れした感性の理論的な登場人物など。
      それと「海辺のカフェ」という喫茶店が作中に出てくるたびに
      「カフェ」と「カフカ」が被るのだ。
      (念のためにお伝えしておくなら「海辺のカフェ」は海辺にはない。)
      「海辺のカフェ」については作者は確信犯だと思うのだけれど。

      SF的不思議現象はでてくるのだが、SF大賞にふさわしい作品とは思わない。
      宇宙とか謎の物体とか非現実的な現象とかが描かれればSF
      というのは、まったくの誤りだ。
      これは物語の虚構性という範疇に収まるべきものだ。
      そうでないなら、童話も夢物語も全部SFになってしまうではないか?

      (これは作者のせいじゃなく、選んだヒトの責任だけど)

      それにこの作品が好きな人は、少年の「お姉さん」への初恋の部分にこそ惹かれているんだろうし。

      「ぼくはたいへん頭が良く、しかも努力をおこたらずに勉強するのである。
      だから、将来はきっとえらい人間になるだろう。」

      モロに理系男子でおっぱい星人の坊やアオヤマ君が主人公。
      研究が生きがい。観察、記録、実験、調査が大好き。
      ノート依存症。
      研究対象とおっぱいに関する関心以外の情操が欠如している。
      P248.249の2ページの中だけでも「おっぱい」という単語が12回も出てくる。正直少々ウザイ。

      こんな小学4年生の「ぼく」の研究成果をまとめたノートという体裁をとる。
      そのため一人称だが、場面展開がぶつ切りだし、散文的で読みにくい。
      非常に利口な理屈っぽい少年という設定なので、言葉は難しい言葉を使う一方で
      子供らしい無知や独特な想像力の世界も描いていて児童小説とは異なる。
      ところどころ、単なる記述の部分が入り込んでくるし、
      会話文なんかそのまま普通の小説の形態だし、
      少年の書いたノートという割に形式が徹底せずあいまいな感じ。

      歯科医院で働く「謎なお姉さん」のキャラクターも悪くはないけれど、
      なんというか……。
      森見氏の脳内では、現実の人間ではなくてアニメキャラの形で動かしている。
      そんな気がするんですよね~~~。
      アニメの絵柄で描かれた漫画によく出てくる女の子キャラみたいな。
      コーラの缶がペンギンに変容するシーンが素敵だが、
      これも超スローモーションのCGアニメの画像を思わせる描写だ。

      最初の200ページ位まではとにかく細々とした子供の生活が描かれていて
      同じことも繰り返されるしとても飽きる。
      この話に出てくる謎が「ペンギン」でなかったら、
      たとえば、オオサンショウウオだったりしたならば、
      読むのをやめてやるのに。

      と思っていたら、オオサンショウオにしか思えないへんな生物がでてきたので、
      またまた驚いた。


      ようやく最後の3分の一になって謎が物語が動き始める。
      森の中の草原に浮かぶ<海>とは?


      総合的には面白い作品と言えるのだが、絶対に短篇向きではないかと感じた。
      もしこれが3分の1程度のページ数で、もっと濃密に構成を練って、
      スリリングにもしくはファンタジックに統一したイメージをもって書いてくれたなら。
      とってもとっても面白くなったと思う。

      なんといってもよちよち歩く(・θ・)が出てくるだけで、
      ペンギンファンはたまらないのだから。


      【ちょっと気になる類似点】
      「世界で一番タフな15歳の少年」なることを願うカフカ少年と
      将来えらくなることを信じている日本で一番ノートをたくさんかく小学四年生

      名前をカタカナで書くことと匿名性
      アオヤマ君、ウチダ君、スズキ君、ハマモトさんvsナカタさん

      歯科医院のお姉さんも名前が出てこない。
      子どもたちも姓はあるけれど、名前はない。妹もただ「妹」

      年上のお姉さんに性的な恋をする
      (アオヤマ君はお姉さんとは寝ないけどおっぱいには執着している)

      図書館や森、水源、不思議な現象、日常の中に紛れ込む非日常
      「世界の果て」という観念が繰り返されることも春樹さんチック。
      以上
      >> 続きを読む

      2013/10/03 by

      ペンギン・ハイウェイ」のレビュー

    • ちあきさん
      レビュー、ちゃんと読んでくださってありがとうございます。
      妙なレビューになりましたが、これが本音です。

      半端にチャレンジングな作風にせず、初恋ものに特化すればよかったじゃん。
      そんな感じ。
      あと、これは、コミカライズすべき作品ですね。
      絵で見ればなかなかにいい絵になりそうです。
      >> 続きを読む

      2013/10/04 by 月うさぎ

    • アニメのノベライズみたいな小説と思ったら、ホントにアニメになりました!
      これはアニメで見るべき作品だと思いますよ。小説読むよりも
      ペンギン好きならぜひ!
      >> 続きを読む

      2018/08/03 by 月うさぎ

    • 評価: 5.0

      とても好きな作品。

      冒頭が「ぼくはたいへん頭が良く、しかも努力をおこたらずに勉強するのである。」と、最初から少しクセがある。
      (森見さんの作品の中では読みやすい部類だとは思うけど…)

      簡単なストーリー。
      小学四年生のアオヤマ君が住む町にいきなりペンギンが出没し、どうやらそれは歯科のお姉さんと関係があるということが分かった。
      研究熱心のアオヤマ君はペンギンやお姉さん、町の地図、いじめっ子軍団など様々な研究を進めて行くが…。

      構成としては、アオヤマ君の記録ノートという体だが、実際は彼の主観の物語がメインでたまにメモ書きが混ざるような形。

      ただ、ませている少年の主観というのは面白い。
      たまに大人顔負けの思考もするが、やはり子どもならではの思考・行動もある。
      そのバランス、調合がハマる人にはハマる。

      そして登場キャラ。森見さんの登場キャラはいつもクセがあり面白い。本書にも素敵なキャラがたくさんいるが一部だけ。

      アオヤマ君の友達ウチダ君。
      気が弱く、いじめっ子のスズキ君のターゲットになることも。アオヤマ君に憧れのような物を抱いており、彼も自分が気になることを研究している。宇宙のことや死についてなど、彼もおおよそ小学四年生に思えないような思考を持っている。

      いじめっ子スズキ君。
      彼はいわゆる小学四年生の代表的存在。自分が理解できないやつはいじめちゃうし、好きな子にはいじわるしちゃう。
      周りがませている子が多いので、これが普通の小学生よね、と安心できる存在。

      アオヤマ君のお父さん。
      仕事が忙しいけれど、アオヤマ君にとって先生でもあり、支えでもあり、良いお父さん。
      アオヤマ君が研究で悩んでいる時も、答えではなく考え方だけを教える。休日は2人で宛もなく、気ままにドライブをしてこっそりコーヒーを飲んで帰ってくる。
      何となくお父さんは全てが分かっていそうな雰囲気を持っている。子どもから見た何でも分かる大人代表、という存在。

      物語は割と序盤に変化が訪れる。その後、アオヤマ君の研究が進んだり、行き詰まったり…。
      小学四年生なのでもちろん学校生活や、夏休みのイベントがあったり。

      ゆっくり、でも確実に何かが起こっている。

      そして後半一気に物語が進み、アオヤマ君が立てたアオヤマ仮説が実証されていく…。

      後半のお姉さんの心情や、アオヤマ君のこれからの事。色んな想いが馳せます。

      本書はSF大賞受賞作品らしいですが、そこには少し違和感です。
      藤子不二雄氏のように「すこし・不思議」という発想ならバッチリ当てはまりそうですが。

      個人的には、本書を一言で表すと「少年の時に起こった一夏の不思議な非現実的体験」という感じで、SFとまではいかない。

      また、少年がお姉さんに抱く初恋ストーリーという見方もあるみたいだが、それはメインではないだろう。

      小学生の一夏の事を思い出してみても、どこかぼんやりしていて、なんか不思議なことがあったようなないような…何とも言えない気持ちになるが、そこがメインのような気がする。

      そこに、お姉さんの事やタイトル回収も含めラストがあのようになった、という印象。

      確かに急にラストがうまくまとまりすぎていたので、あれ?これは少年の恋物語?という印象もあるけど。

      ただ、そこも含めて面白い作品だった。

      少年のSF(すこし・不思議)な物語。


      何故か今さらアニメ映画化されたが、個人的には実写化の方が映えそうだな、と思った。表紙絵もそうだが、アニメのアオヤマ君とお姉さんが自分の想像の許容範囲外だったので映画は見ないかも。
      >> 続きを読む

      2018/09/01 by

      ペンギン・ハイウェイ」のレビュー

    • アニメだったら普通。だと、私も思いました。というか、この小説はアニメだと思ったんですよね。
      この作家がそういう傾向なのかもしれませんが、キャラが立ち過ぎというか…
      決められた役どころを各登場人物が迷いなく演じていて、まあ、それが気持ちいいタイプの作品だなあ。と。

      私は映画しか観ていませんが、「ソラリス」は映画の方が有名じゃないかしら?
      タルコフスキー監督の「惑星ソラリス」で、1972年、旧ソ連の映画です。
      SF映画の名作として必ず話題に上る作品で、オマージュも数多い。
      「未来」の設定で、日本の首都高速道路が出てくるので、最近オリンピックがらみで話題になっていますね。
      映画と小説は異なるようなので小説も読んでみたいと思います。
      …でも「ソラリスの陽のもとに」は難解(テーマが哲学的だし)という評判なので、少しとっつきにくい作品かもしれません。
      >> 続きを読む

      2018/09/04 by 月うさぎ

    • >月うさぎさん
      確かにキャラが立ちすぎですね。手を加えようものなら一瞬で分かりそうな気がします。

      映画が有名なのですね。どうもそういう事には疎くて…。
      なるほど。いつか本を読む能力が上がってきたら読んでみたいと思います。
      >> 続きを読む

      2018/09/05 by 豚の確認

    • 評価: 4.0

      8月の課題図書。
      ペンギンの群れが出現したり、お姉さんが空き缶からペンギンを産み出したり。
      はじめはそれが当たり前のように受け入れられ、物語が展開していくことに違和感を感じていましたが、だんだんと森見さんの世界観に惹きこまれていきました。
      不思議できらきらして、そして切ない小学四年生の夏。

      頁を繰るごと、アオヤマくんの研究が進むごとに、物語が終わってほしくない気持ちにさせられました。
      なので、
      『そのときまったく突然に、ぼくが読み返したメモと、これまでに書いてきたメモの断片がすべて頭に飛びこんできて、まるでレゴブロックできれいな青い壁を作るようにカチカチと組み合わさった』
      瞬間、胸がぎゅっと痛む思いでした。
      切ないけれど、この表現すごく素敵。
      読了したのは二週間前ですが、しばらくその余韻に浸っていました。

      夏の終わりにぴったりの本ですね。
      >> 続きを読む

      2018/08/31 by

      ペンギン・ハイウェイ」のレビュー

    • 評価: 4.0

      頭の良い小学四年生アオヤマ君と、少し変わったお姉さんを中心に、街にペンギンや謎の球体が出現したことを研究追跡していく話。

      「有頂天家族」の次に選んだ本書も、また随分と奇想天外な設定。
      そのためか、森見作品は入り込むのに時間がかかる。
      文章も面白いし読みにくいところは特にないが、何故か読むのに時間がかかる。
      しかし、一度入り込めば気持ち良く浸かっていられるのが森見ワールドなのかもしれない。

      ぼくはたいへん頭が良く、しかも努力をおこたらずに勉強するのである。
      だから、将来はきっとえらい人間になるだろう。

      この書き出しに既に笑ってしまう。
      可愛いな、この子。

      ペンギンが街に突然出現しても、さほどパニックにならない住民。
      街に猿や猪が出てきて走り回ったら、ニュースで取り上げられるのが普通なのに、ペンギンが闊歩するという異常事態に日常を乱さないところが素晴らしい。
      ペンギンが街にいるなんて、こんな興奮することないと思うのに。

      小学四年生のアオヤマ君が書く文章や考える内容が大人顔負けなこと。
      アオヤマ君と同じ年頃、確かわたしはもっとアホな子供だったはず。
      考えることといったら、いかに今日を楽しむか、今夜の食事を自分の好物に持っていけるか、そんなことくらい。

      アオヤマ君とお姉さんの程良い距離感のあるような会話や、アオヤマ君を付かず離れずの距離で見守る両親、それぞれの個性豊かな友達。
      登場人物も魅力的。

      全体的にこの小説は何小説なのかがわかりにくい。
      ジャンルに分類させない異種な作品。
      大人の童話、そんな印象を受けたが作者の意図はわからない。
      勝手にそういうことにしておく。

      ラスト二行には、胸をギュッとされた。
      アオヤマ君とお姉さんの未来に幸あれと願う。
      >> 続きを読む

      2015/05/14 by

      ペンギン・ハイウェイ」のレビュー

    • レビューを拝見して、読みたくなって図書館で借りました。
      今、半分くらい読み進めています。面白いですね~。
      いい本を紹介してくださって、ありがとうございます。
      >> 続きを読む

      2017/08/15 by かんぞ~

    • かんぞ〜さん
      コメントありがとうございます。

      最近時間が作れずレビューも書けていないわたしに、おひさしぶりにコメントがついていたのを発見しました。
      森見ワールド愉しんでくださいね。
      >> 続きを読む

      2017/08/21 by jhm

    • 評価: 評価なし

       この本の主人公、アオヤマ君、小学4年生は、世界で一番忙しいたいへんりこうな小学生です。
      そう自分でそう言っているのだから、そうなのでしょう。

       アオヤマ君は、何でも研究対象にして、難しい本を読んで知識を仕入れ、ノートに書き、研究活動にいそしんでおられます。

       クラスのいじめっ子、スズキ君ですら、スズキ帝国研究としてその心理を観察、分析している。

       本に書いてあることを絶対だと信じるだけでなく、大学で教える父の言う通り仮説を立て、ノートをとり、勉強にはげみ、本を読む。宇宙のことも、海のことも、相対性理論のことも知っている。

       アオヤマ君はとてもりこうだから、他の子は相手にせず、ほとんど口をきかない。
      それでいいのだ、ぼくはたいへん研究に忙しい小学生であるのだから、という完全自己完結。
      転校生でちょっと気の弱いウチダ君が唯一の相棒です。

       そしてアオヤマ君が遭遇する歯科医院のすてきなお姉さんと突然現れる、謎のペンギンたち。
      早速、謎のペンギンを調べる事にするアオヤマくんたち。


       ウチダ君と大変賢い女の子、ハマモトさんもペンギンの研究に加わる事になる。
      この物語は、ファンタジーであると同時に『ソラリス』の影響を受けたSF小説でもあるのです。

       そのことで、微妙に人々の感情にさざ波が起こるのですが、アオヤマ君は全く気がつかないぼんくらぶり。

       その辺、よくわかっているのは、実はウチダ君なのです。
      「スズキ君がぼくたちをいじめるのは、スズキ君がハマモトさんを好きだからだ」ということがアオヤマ君は全くわからず、ウチダ君は思わず「アオヤマ君は全くわかってないなぁ」

       この世には「大人の世界」「子どもの世界」「大人と子どもの世界」の3つがあると思うのですが、作者、森見さんは、そこを本当にきっちりと描いています。

       子ども同士のことに大人は口を出さない。大人の会話に子どもは入らない。そして家族や学校という大人と子どもが一緒になる世界。

       大人と子供、べたべたと依存しあう姿がないのが爽快とも言えます。
      そこがとても気持よい世界でした。
      そして、森見さんの文章の句読点の打ち方はとても美しいのです。
      >> 続きを読む

      2018/06/11 by

      ペンギン・ハイウェイ」のレビュー

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    ペンギンハイウェイ 
    ぺんぎんはいうぇい

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