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(株)岩波書店 (イワナミシヨテン)

企業情報
企業名:岩波書店
いわなみしよてん
イワナミシヨテン
コード:00
URL: (株)岩波書店 http://www.iwanami.co.jp
      モモ 時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語 (岩波少年少女の本 37)

      ミヒャエル・エンデ , 大島かおり1976/08

      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね! Minnie chao kuuta caramel sunflower Ringo oriedesi Tukiwami
      • 子供向けの本ですが、大人が読むと読後の解釈が変わって来ると思います。時間泥棒は今に通づるものがあると思います。面白いです。 >> 続きを読む

        2019/02/21 by naaamo

    • 他21人がレビュー登録、 80人が本棚登録しています
      君たちはどう生きるか (岩波文庫)

      吉野 源三郎 (1982/11

      カテゴリー:人生訓、教訓
      4.2
      いいね! Moffy
      • 良書のベストセラーで未だに、話題性もあり読んでみるかのノリで、図書館で借りて読んだが、こう本は人それぞれで好き嫌いが分かれるか、難しくて読む意欲が進まないのもあるかな。青春の日々の物語の道徳版の表現が相応しいかも知れない。文章が古かしかったものの、読んでいて考えさせられる部分あったが、繰り返し読みたいとは思いません。 >> 続きを読む

        2018/12/30 by aki0427k

    • 他15人がレビュー登録、 27人が本棚登録しています
      はてしない物語

      ミヒャエル・エンデ , 佐藤真理子 , 上田真而子1982/06

      カテゴリー:文学
      4.5
      いいね! Ringo chao snoopy asuka2819 Tukiwami
      • この歳になって今さらながらの「はてしない物語」。なるほど、こういう物語だったのか

        まず、本の造りがすばらしい。
        あかがね色の艶やかな絹の装丁、たがいの尾を咥えた2匹の蛇の絵。
        2色刷の本文。
        小説でしかできない表現によって、読者をぐいぐい小説世界に巻き込んでいく。
        重くて扱いづらい本書だが、これはやっぱりハードカバーで読むべきだ。

        虚無の侵食により危機に瀕したファンタージエンを救うためにアトレーユが旅に出る前半は、とても面白く読めた。どうやら自分が救い主らしいと気づいたバスチアンが、英雄でも王子でもないチビでデブの自分のような者が出て行ったら、幼ごごろの君やアトレーユに笑われるんじゃないかと不安になるところなど、とても共感できて震えるほどだった。

        バスチアンがファンタージエンに入り込んでからの後半、その世界描写は前半と同じく面白かったけれど、急に説教臭くなってしまったのが残念だった。これは読んだ年齢によって受け止め方が変わるのかもしれない。小学校高学年くらいで本書に出会っていたら、教訓話としてもう少し素直に読んだのかも。

        人が物語を読むのは、現実世界では不細工で不器用で頼りない自分でも、物語を読んでいる間はそんな自分を忘れ、主人公と一体となってさまざまな冒険を経験したり、容姿端麗な王子になったり、敵をばったばったとなぎ倒す勇者になったりできるからではないか? なのに、いざ自分の好きなように世界を創造できる力を得たときに、人間世界の記憶を失っていくという代償を払わないといけないのはなぜなのか。なぜ、チビでデブの自分がいる現実世界に戻らなければいけないのか。

        読み進めるにつれて、たえず「物語を読む行為など、所詮は一時の現実逃避。英雄や王子など望んだところで無駄、現実のお前はチビでデブのエックス脚でしかないのだ」と言われているように感じて苦痛だった。これでは、読書を楽しもうとしている読者は、その物語世界を存分に楽しめなくなってしまうじゃないか。人間が物語を想像力を忘れ、ファンタージエンが危機に陥るのも仕方がないんじゃないか?

        ファンタジーを読むこと、想像力を働かせることはこんなにも楽しく素晴らしいことなのだ、そのことが人間世界もファンタージエンも豊かにするのだと心から思えるような展開だったらよかったのに。それだったら、わたしもいつかファンタージエンに行って、幼ごころの君に新しい名を贈る役目を果たしたいなと思うのに・・・

        「はてしない物語」は、ずっと昔に年の離れた弟のために買い与えたものだ。本の虫だったわたしと違い、なかなか本を読まなかった弟のことを心配して、親がわたしになにかいい本がないかと相談してきたのだ。そこで、当時話題になっていたエンデの本書と「モモ」をバイト代をはたいてプレゼントしたのだが、実は自分で読んだことがなかった。幸い、弟は2冊とも気に入って何度も読み返していたようだから、無駄な出費にならなくてよかった。年齢的にもちょうどよかったのだろう。
        いつかはわたしも読もうと思いつつ、実家の本棚にずっと眠ったままになっていたのを、数十年ぶりにやっと読み終えることができた。星の数は3つにしてしまったが、感慨深い本であることは間違いない。
        >> 続きを読む

        2017/08/29 by 三毛犬

      • コメント 4件
    • 他11人がレビュー登録、 57人が本棚登録しています
      モモ

      ミヒャエル・エンデ , 大島かおり2005/06

      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね! tadahiko Moffy
      •  星8つぐらいつけたい!素晴らしい一冊!
         現代の私たちにも当てはまることがたくさんたくさん書かれてあって、風刺表現に「うっ」と心刺されたところがいくつもありました。

         スピーディーに生活できるようになって、私たちは自分が時間を節約して気持ちになり、得したと思っている。けど、生活として、命を感じた生き方は既に失われ、節約と思っていた生き方は実は一番時間を無駄にした生き方となっている。しかも、多くの人は多分まだそれに気が付いていない。
         もちろん夢を叶えるため、目標達成の為には時間の節約が必要だ。けど、何事を行うのも機械的ではなく、心を込めたものでなければならない。
         本書に時間は心で感じるものだと書いてあった。
         心を失われた人には、時を感じることもない、時を失う、ということだろう。
         それは本当に生きているとはいいがたい。
        >> 続きを読む

        2018/03/09 by deco

    • 他9人がレビュー登録、 30人が本棚登録しています
      星の王子さま オリジナル版

      内藤濯 , サン・テグジュペリ2000/02

      カテゴリー:小説、物語
      4.6
      いいね!
      • 久しぶりに読みたくなったのでてにとってみました。こんな内容だったかと驚いたのですがすごく心が洗われ考え込んでしまいました。薔薇の部分を忘れていたのでふわふわしていたけどこれはれっきとした純愛の物語。純愛と友情とこどものきれいな心の物語。離れて分かる愛、王子様が色んな人に聞いたからこそ知る事ができた愛に少し薔薇がうらやましくなったり。大人というのは皆見にくい。自分がきれいな心を見失わないように常に手元に置いておきたいと思いました。飼います。
        >> 続きを読む

        2018/02/28 by kaoru-yuzu

    • 他6人がレビュー登録、 32人が本棚登録しています
      読書について 他二篇

      ショウペンハウエル (1983/07

      カテゴリー:読書、読書法
      2.7
      いいね! Outsider Tukiwami
      • ショウペンハウエルなんて課題図書でなければきっと読まなかった。
        しかも「読書について」だなんて。
        読書ログさんは、ものすごいチャレンジャーだなと思って。
        仕方ない、読むしかないか。と腰を上げたのでした。

        どこかの読書●ーカーあたりのSNSでは本の冊数を競わせていますね。
        質やレビューの有無や読解力や読書のつながりとかは全く無関係に、ただ量のみこなすことを讃える感じで。
        それっていかにも現代の出版業界にこびへつらっているなと思っていたので。
        まさにショウペンハウエルさんのご意見は、耳が痛いながらも同感な部分が多々ありました。

        読書ログだって、営業上、本を売る側の立場に身を置いているのではないですか?
        それなのに「多読は害」なんていうご高説を課題図書に推してしまうんだから。
        さすがです。他のサイトにありえない荒業( ´∀`ノノ゙☆パチパチパチパチ

        テレビをあまり観ないので私って旬なお笑い芸人をほとんど知らないんです。よほど話題になった人くらいしか覚えない。
        それを呆れ非難されたとき、本当に覚えておくべき芸人さんなら、ほっておいても耳目に入る。
        入らないまま知らないうちに消えていってしまう芸人が9割なら、知らないままで何の不都合がある?といいました。

        新刊本にもまんまその言葉が適応できるとは!

        50年後に、いえ、10年後ですら、読まれている「今の新刊本」が果たして何割あるでしょうね?
        現代の本のサイクルの早さ(特に漫画に著しい)といったら、かつての本屋好きには考えられない激変なのです。
        そして本当に好きで人に教えたい作品、ずっと読み返したい作家が、本棚から消滅していたという驚愕の事実。
        街の本屋がよそよそしい顔に変わってしまって、友であることをやめてしまったかのようです。

        ショウペンハウエルさんのいうことをもっと広めたくなる。
        特に出版関係者の耳に無理やりにでも流し込みたくなりました。

        でも、ちょっと反論もさせてください。
        古典。古典といいますが、この本だってそろそろ古典ですよ。
        どんな古典も最初は新刊だった。
        少なくとも活版印刷普及後の著作については、そうではないですか?

        悪書を読まぬために、良書を読みこなすためにも、多読で力を養うことも方法論としてはありだと思います。
        読書には技術と根気が必要です。
        スポーツでトレーニングが必要なのとまったく一緒。
        必要な筋肉がなければ動くことすらできません。
        プロだって、音楽を演奏するのに指のトレーニングをサボる訳に行きませんよね。

        文学に専門書を勘定に入れるのは私としては違和感があります。
        学者に物申したい気持ちは伝わりましたが、思想家からすると屁な学者のレベルにも達していない「論外」の我々一般読書愛好家にすれば、ショウペンハウエルの天から物申すのお言葉が、とってもウザイ。
        世の中頭のいい人だけで回っているんじゃないんだから。
        この本を読んでしまった一般ピープルは無力感を感じずにいられません。
        物語の魅力。その力。文学の破壊力。
        いいじゃありませんか、それを純粋に楽しんでも。
        読書は他人の考えをなぞるだけ、と言いますが、いい物語は自分の生きられなかった生を仮想ではありますが我がこととして想像させてくれます。
        自己完結のみで閉じた人間を私は愛したくありません。
        アメーバのように、他を取り込んで、自分が変化していく。
        その程度の存在でしかない私ですが、でも、それで人とつながれれば、それを嬉しく思う自分でいたい。

        だからきっとこれからも私は読書をするでしょう。
        でも、新刊本を追い求めて疲れるようなことは無用な事と割りきって憚ることなく切り捨てることとしましょう。

        人生は短い。
        読める本の数は限られている。
        読書は最低2度は読みましょう。
        この教えは教えられるまでもなく、真理ですから。
        >> 続きを読む

        2019/06/03 by 月うさぎ

      • コメント 7件
    • 他6人がレビュー登録、 21人が本棚登録しています
      幸福論

      神谷幹夫 , Alain1997/12

      4.6
      いいね! May
      • 『幸福論』(アラン / 神谷幹夫訳) <岩波文庫> 再読です。

        記録を見返すと、2012年11月に初めて読んだ作品でした。

        前回はとにかく新しい考え方のオンパレードで、心を震わせながら読むことができました。
        今回は、前回よく理解できなかったところも自分なりに考えていくことを目標に読んでみました。
        去年の初夏のころから少し困難な時期が続き、再読を思い立った次第です。

        おそらく原文の雰囲気を保つためだろうと思うのですが、岩波文庫版は訳がこなれていない印象がありますし、理解が難しいところも多々あります。
        もし、単に「幸福論というものを読んでみたい」というだけでしたら、いろんな出版社から訳本が出ているようですので、自分にあったものを選ばれるといいと思います。

        とにかく、一読に値する作品だと思います。

        いわゆる「世界三大幸福論」(アラン、ヒルティ、ラッセル)の中では私はアランのものが一番好きで、ストンと心に落ちてきます。
        >> 続きを読む

        2018/09/08 by IKUNO

    • 他5人がレビュー登録、 14人が本棚登録しています
      ちいさいおうち

      バージニア・リー・バートン , 石井桃子1965/11

      4.8
      いいね! chao
      • 保育園から借りてきました。

        保育園にずらっと並んだ絵本の中からこれを見つけ
        「ママが大好きな絵本だよ~」と言ったら「読む!」と。
        好きな絵本を娘と一緒に読むのはとても幸せな時間です。

        りんごの木やお花に囲まれ、
        おひさまやお月さまを見ながら、
        四季を感じながら過ごしているちいさいおうち。
        ところが月日が経つと周りには道路ができ、お店や駐車場ができ、
        電車が通り、ビルが建ちます・・・

        昔から好きな絵本なのですが、
        3歳半の娘と一緒に改めて読んでみると
        けっこうお話は地味というか、わかりやすくはないというか、
        退屈しちゃうかもなぁと思ったりもしました。
        でも毎晩選んでくるし、毎回2回は読むので、
        娘なりに何か感じている様子です。

        大人の私にとってはイラストや雰囲気が可愛いらしいというだけでなく
        考えさせられることが多いです。
        町=悪とは思わないし、都会の便利さも享受している私ですが、
        人々が常に急いでいる様子などはエンデの「モモ」を思い出したりしました。
        自然に囲まれ四季を感じることの素晴らしさも。

        時代はどんどん変わっていくけれども
        ちいさいおうちが幸せでありますようにと願うと同時に
        娘もいつまでも幸せでいられますようにと願ってやみません。
        >> 続きを読む

        2019/07/06 by chao-mum

      • コメント 2件
    • 他3人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      吾輩は猫である

      夏目漱石1990/03

      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね! Shizu
      • ミステリアスな猫目線を介して、人間社会の矛盾、不条理など言いたいことをアウトプットする手法を考えた100年以上前の小説家による自由力に今さらながら脱帽。

        処女作のパワーは、いつの時代も最先端に生きているフォーカス力だと痛感しながら、500ページ余、全11エピソードのボリューム感と格闘。

        1文豪の洞察力は、管理しやすい方向へまっしぐらに進む現代を予言しているようにも思え、刺激にゃんにゃんだぜ!
        >> 続きを読む

        2019/03/03 by まきたろう

    • 他3人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      高慢と偏見

      富田彬 , ジェーン・オースティン1994/07

      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね! Tukiwami
      • 高慢と偏見、資産家の男性と結婚できるかどうかが女性の人生の全てを左右する時代。学歴や知識を身に着けた女性でも、自立して仕事をする道はなく、自分を養ってくれる男性と結婚できなければ惨めな人生が待っている。高慢と偏見でお互い誤解しあっている男女が最終的には結ばれる、その過程が本当に楽しいです。現代でも女性差別は残っているけれど、当時と比べると女性の地位は格段に向上している。それなのに、高慢と偏見に共感を感じるのは、現代でもお金持ちの男性との結婚が女性の幸せという価値観が残っているからなのかもしれませんね。 >> 続きを読む

        2017/08/04 by 香菜子

    • 他3人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      論語

      金谷治1999/11

      カテゴリー:経書
      2.8
      いいね!
      • 2000年の超ロングセラー。これだけ長い間残っているものなら、きっと刺さることが書いてあるに違いない。
        学生の頃、音読したことはあるのですが、あまり覚えていなかったので読んでみました。

        まさか『論語』がこんなに長いものだとは思っておらず、十巻まであって読み終えるのにかなり時間がかかりました。
        ちらほら良い事言っている箇所もありつつ、少し説教臭いものもあり、孔子の人柄や出来事が書かれていたりしました。それと、当時の文化や歴史がさっぱりわかっていなかったので、読んでいてあまり理解が出来なかったところもありました。

        紀元前の人達も、考えていたことは今の人とそう変わらないですね。
        >> 続きを読む

        2019/06/13 by May

    • 他3人がレビュー登録、 11人が本棚登録しています
      文学部唯野教授

      筒井康隆2000/01

      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 電車で読んでたのに構造主義の授業に入るところで笑っちゃって声が出ちゃったよまったく。

        学生のころにみんな読んでたから、なんとなく避けてたけど読んでみたらおもしろかった。
        文化系の学部だったので懐かしい単語や人名盛り沢山。

        こんなに学術的な内容と現実に起きた事件と小説を混ぜて話にするなんてスゲーなと思う。

        ちなみに初筒井だった。


        >> 続きを読む

        2018/10/27 by W_W

    • 他3人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      影との戦い

      Le GuinUrsula K , 清水真砂子2006/04

      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 荒涼感がたまらない。
        師匠の野山を探索する日々とか。
        海をづっと進むのに酔いそうになるけど。。 >> 続きを読む

        2017/03/16 by Matching

    • 他2人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      長くつ下のピッピ

      大塚勇三 , LindgrenAstrid2000/06

      4.0
      いいね!
      • ピッピは赤毛のひっつめ三つ編みがトレードマークの9歳の女の子。そばかすもだぶだぶの黒靴も片方ずつ色違いの長くつ下も、全部がお気に入り。

        お母さんはずっと昔に天使になってしまったし、船長だったお父さんは波にさらわれてしまって、帰ってきません。
        でもピッピはお父さんが黒人の島に流れ着いて王様になっていると信じていて、いつか迎えに来るはずだから、まったく寂しくないのです。
        小さな町のはずれにお父さんが残してくれた素敵な庭に建つ家「ごたごた荘」にニルソン氏という名のかわいいサルと馬と一緒に暮らしています。

        小学生のころ大好きだったシリーズ。
        大人が読んでも素晴らしい童話も数多いですが、これは子供のころに読んでほしいタイプの児童小説です。

        お行儀、衛生観念、社会規範、そんなもの、ピッピの前にはないも同然。
        馬を軽々と持ち上げる怪力の持ち主なので、怖いものなし。
        自活するに十分な料理の腕とお父さんが残してくれたトランクいっぱいの金貨があるので、何の不自由もありません。

        ピッピの破天荒な言動は時に眉をひそめたくなるでしょう。
        床でクッキー生地を延ばしてみたり、サーカスに飛び入りしてみたり。
        でも子どもってある点で過激なことだって、全然平然と受けとめるものですね。
        ピッピが教育上よくない子だなんて全く思ってもみませんでしたから。

        ピッピを見ていると「自由」という言葉が浮かんできます。
        何をどう受け止め、どう考えるか。
        実は世界は認識で成り立っている訳で、その認識が異なれば善悪も常識も変わってくる訳です。
        ピッピには孤児院も学校も何も「必要」ではありません。

        ピッピを指導しようとして逆にやり込められる大人たちを見ているととても愉快。
        子どもって実はこんな風に自分も大人をやっつけてやりたいと思っているのかもしれませんね。

        胸をときめかせる毎日は、自分の心が作るのです。
        何か面白いことはないかなあと、待ち望んでいたお隣に住むアンニカとトミーはピッピによって世界が変わりました。
        何が起きるかわからないワンダーワールドに!


        この本を再読すると大人になっちまった自分がちょっぴりうらめしいです。
        「コーヒーの会」でのピッピのふるまいは、トミーとアンニカのお母さんの立場についつい思いが行ってしまうのですよね。いくらなんでも、これでは、お行儀が悪いと、出入り禁止を食らうのも無理ないな…。なんて。
        でも、上品に悪口大会を繰り広げるご婦人と、大ぼらを吹いて盛り上げて楽しませようとするピッピと、心根はどちらがいいのか?と言われたら?
        結局常識なんてその程度の吹けば飛ぶようなものだったりするのですね。
        そして大人だったリンドグレーンがなんでこんなに子供心を持てたんだろうと。驚嘆するばかりです。

        今の日本の子どもは社会的な不自由はあまりないかもしれません。
        お金は自由に使えるし夜町中をうろついたり、といった自由はあるようですよね。
        その代わり、大人の干渉から逃れるすべを持っていないと感じることが多々あります。
        大人の論理をそのまま生きているように見えるんです。
        子どもだけの世界を持っていないような。
        大ぼらを吹いたり調子に乗ったり夢中になったり冒険をしたり。
        子どもにはいろいろな特権があるのにね。
        なんだか、子どもの特権を大人が奪って、いつまでも手放さない結果、子どもの住処が減っているのかな。とも思います。
        文明社会人に浸食されて滅びゆく原住民の話みたいですが。

        この本が時を越え、ずっと子供たちのそばにありますように!
        >> 続きを読む

        2018/08/24 by 月うさぎ

      • コメント 2件
    • 他2人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      飛ぶ教室

      KastnerErich , 池田香代子2006/10

      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね! Moffy
      • 本書のまえがきを読むと著者の人生と正義に関する読者への痛切なメッセージがあり、何かただならないものを感じる人も少なくないと思います。
        それはこの本が書かれた時代を反映しています。
        それは、著者の母国ドイツでナチスが台頭し、世界中が人類史上最悪の戦争に向かっていた時代です。
        著者はナチスに迫害されながらもドイツに留まり続け、次世代を担う子供たちの為に、メッセージを送り続けていたのです。

        元気の良い男子寄宿学生たちが繰り広げる物語。

        読み終わって感じたのは、懐かしさでした。
        昔の子供達ってこんな感じだったよなとしみじみ感じました。
        様々な背景を持った少年たちが一緒に喜んだり悲しんだり、時にケンカもあったりで、ちっともじっとしていない。
        生命力にあふれた少年たちの物語は、クリスマス集会での「飛ぶ教室」という題の劇の上演に向けて集束してゆく。
        彼らは、様々な経験をし、また人生の師とも呼べるような大人たちとの出会い等を通して人として成長してゆく。
        物語のエンディングはクリスマスにふさわしい素晴らしいもので、図らずも少しほろりとしてしまいました。
        >> 続きを読む

        2017/12/28 by くにやん

    • 他2人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      ゲド戦記

      Le GuinUrsula K , 清水真砂子2009/01

      カテゴリー:小説、物語
      4.4
      いいね!
      • 映画のゲド戦記を見てから読んでます。文章だけだと内容が頭に入りづらい。先に最後の訳者あとがきを読んでから読み進めるべきだった。この物語の意味するところが書かれていて、それを念頭に置けば読みやすかったかも。 >> 続きを読む

        2017/07/17 by aya5150

    • 他2人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      銀の匙

      中勘助1999/04

      カテゴリー:小説、物語
      4.7
      いいね!

      • 今回読了したのは、日露戦争から大正期にかけて一大ブームを巻き起こしたと言われている、追憶文学の白眉とも言える中勘助の「銀の匙」。

        この作品は、子供時代の思い出を、ある意味淡々と述懐していく。
        とりたてて大事件も起こらないんですが、何がいいかと言うと、恐らく著者本人の投影らしき、この語り手の子供が、凄く人嫌いなのです。

        そこをこう書いています。「生きもののうちでは人間がいちばんきらいだった」と。

        生きもののうちって、何か凄い言い方だと思うんですね。
        縁日だのお祭りだの、とにかく人混みがまるで駄目なんですね。
        こういうところが、私も共感を覚えるところで、とても素敵です。

        そのうえ、どこか懐かしくもある。掛け布団の日向くさいところに顔を寄せたりとか、天井の染みが不気味でしょうがなくて、育ててくれてる伯母さんと一緒に寝たりとか、育った時代が私とは全く違うのに、子供の感性において普遍性を獲得しているんですね。

        そうかと思うと、〈ひらがなの「を」の字はどこか女のすわった形に似ている〉ので、慰謝を求めてこの字ばかりを並べ書きしていたとか。

        聞けば、五つくらいまでは、ほとんど土の上に降りたことがないくらいの乳母日傘ぶりだったらしいのだ。
        なよやかさと、選ばれし者の恍惚みたいな感覚の、いかにも芸術家になるべくしてなった人らしいセンスを感じます。

        お兄さんと海に行くところもそうで、みんなは嬉しくてはしゃいでるんだけど、自分だけうじうじしてるもんだから、〈お友だちはふりかえりふりかえりしてたがしまいに立ちどまって くたびれたのか、気分でもわるいのか と親切にたずねたので正直に「波の音が悲しいんです」〉って答えるんですね。

        多分、この子にとって世界はわけもなく哀しいんだろう。そこが実にいいんですね。
        この子にとっては、世界が哀しみでできているという感じなんですね。

        それから、露天で葡萄餅を売ってるお婆さんのエピソードも凄く好きですね。
        〈七十ぢかいしなびかえったばあさんが ぶどうもち とかいたはげちょろの行灯をともして小さな台のうえに紙袋を数えるほどならべてるがついぞ人の買うのをみたことがない。---私は市のたんびに幾度となくそのまえを行きつもどりつして涙をためていた。が、いつも買いおおせずに本意なく帰ってきてしまった。とはいえある晩とうとう思いきって葡萄餅の行灯のそばにたちよった。ばあさんはお客だとおもって「いらっしゃい」といって紙袋をとりあげた。私はなんといってよいかわからず無我夢中に二銭銅貨をほうりだしてあとも見ずに少林寺の藪の陰まで逃げてきた。胸がどきどきして顔が火のでるように上気していた〉。

        実にいいなあと思いますね。この侘しいものへの怯えの感性。

        子供なのに気鬱をかこっているところもたまらない。
        それと、女性性が強いというか、女の人の方が好きなんですね、この子は。

        男の人のことは、ちょっと怖いと思っている。山の手に越してやっと友達ができるんですが、それも女の子。
        そういう、何というか、アンチ・マッチョ的な性格も可愛い。

        母親でも姉でもなく、お婆さんとか伯母さんていう人たちへの思慕、無垢なんだけど、ひたむきな女性たちへの温かさも特徴的なんですね。

        これは多分、病弱な子供だから面白いんだと思う。やっぱり、体の弱さと子供のイノセンスというのが、何か喪失感みたいなところで、クロスしているんでしょうね。

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        2018/09/21 by dreamer

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      ガリヴァー旅行記 (岩波文庫)

      スウィフト (1980/10

      カテゴリー:小説、物語
      4.5
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      • この本、というか旅行記を読んでいて自然と思い浮かんだ言葉は"相対"です。主人公ガリヴァーは今までどんな旅行家も訪れたことがないであろう国々に辿り着き、これまた誰もが体験したことがないであろう奇妙な経験をする。

        主にリリパット国、ブラブディンナグ国、空飛ぶ島ラピュータ、フウイヌム国の5つの国が印象に残りました。ガリヴァーはこれらの国々で当時のイギリスでは(もちろん今も)ありえないようなことを見聞きする。リリパット国では小人に出会い、ブラブディンナグ国では巨人に出会うという真逆の体験をする。空飛ぶ島ラピュータでは数学と音楽が当時のイギリスと比べ物にならないくらい発達しており、しかしお偉い方は常に瞑想状態で会話もままならないという有様。フウイヌム国では馬が最も理性的な生き物であり人間を飼いならしている、いわば人間と馬が逆転したような世界が広がっていた。こうした超刺激的な世界を前にしてガリヴァーには様々の疑問や考え、尽きぬほどの好奇心が湧き上がっていた。

        彼がこれら各国で見聞した事物を詳細に叙述したものは現代の私たちの興味を引くには十分で、また、それに彼なりの色々な思いが述べられている本書は、私たちに人間の立ち位置を考え直させてくれるものです。人生のうちで一度は読んでおきたい、読んでおいて良かったと思わせてくれる1冊でした。
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        2018/10/15 by Afro

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      高慢と偏見

      富田彬 , ジェーン・オースティン1994/07

      カテゴリー:小説、物語
      4.7
      いいね!
      • 高慢と偏見、登場人物が多くて、それぞれの性格や人間関係も多種多彩なので、上巻の内容をしっかりと記憶しているうちに下巻も読んだほうが、楽しさはきっと倍増します。高慢と偏見でお互い誤解しあっている男女が最終的には結ばれる、その過程が本当に楽しいです。高慢と偏見、もちろん時代背景は現代とは違うけれど、現代の人が読んでもこんなに楽しめるなんて。それが普及の名作と呼ばれるゆえんでしょうか。原題は、Pride and Prejudice、これを高慢と偏見と日本語訳した人は素敵な感覚の持ち主だと思います。 >> 続きを読む

        2017/08/04 by 香菜子

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      タタール人の砂漠

      脇功 , BuzzatiDino2013/04

      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね! Tukiwami
      • 【時に絡め取られる】
         主人公ジョヴァンニ・ドローゴは、士官学校を卒業してすぐにヴァツティアーニ砦への赴任を命ぜられました。
         この砦は国境を守備する砦ということで、(以前は)この砦で勤務するということは大変名誉なこととされていたということもあり、勇んで赴任したものの、砦の周囲には何もなく、至って淋しい場所でした。

         着任早々音を上げてしまい、上官にさっそく転任を申し出たのですが、4ヶ月後に軍医の健康診断があるので、その際に軍医に頼んで病気だということにしてもらうのが一番良いと言われ、そうして欲しいと願い出たのでした。

         ところで、この砦の北方には広大な砂漠が広がっており、その砂漠にはタタール人がいて、いつか砦を攻めてくるという話がまことしやかに囁かれているのですが、それにしては何も起こりませんし、過去にも何も起きてはいないようなのです。

         ドローゴは、こんなさびれたところで任期の2年間を過ごすなんてとても耐えられないと考えるのですが、すでに何十年もこの砦に勤務し続けている上官もいるのですね。
         そして、ドローゴも、いつしか変わり映えのしない砦の生活に埋もれていくのでした。

         待ちに待ったはずの4ヶ月目の健康診断の日が来ました。医師は上官から話を聞いているようで、事情を承知しており、すぐに病気の診断書を書いてくれました。
         ところが……ドローゴは何故か砦を去りがたい気持ちに襲われてしまい、その診断書を破棄してくれと軍医に頼んでしまったのです。ええ、まだしばらくは砦にいようと決意してしまったのです。

         しかし、その後も砦に攻め込んでくるというタタール人などまるで見あたらない毎日が続きます。
         しかし、ドローゴは、「俺はまだ若いんだ。この砦にあとしばらくいたところでまだまだ先はある。」などと考え、まるで時間に絡め取られるように砦での生活にしがみつくようになっていくのです。
         たまに休暇で生まれ故郷に戻ることがあっても、そこではすでにドローゴは浮いた存在になってしまっており、そそくさと砦に戻ってくるようになってしまいました。
         そして、いつか必ずタタール人が攻めて来るに違いないので、その時は軍人として活躍するのだと固く信じるようにもなっていくのでした。

         出だしの粗筋はこんな感じの物語なのですが、日々繰り返される砦での単調な生活に時間の感覚がどんどん麻痺していき、自分にはまだまだ先があると思い込んでいるものの、その思いよりも速く時は流れ去っていくのでした。
         また、いるのかどうかすら分からないタタール人との戦闘を固く信じるようになっていく経緯にはうすら寒いものすら覚えます。
         確かに、「すわ!攻撃か?」と思われるような事態も、この後起きないではないのですが……

         この「タタール人の砂漠」が刊行されたのは、イタリアが終戦を迎えて間もない時期だったそうですが、当時のイタリア人達は、記憶に生々しい戦争を描いたような作品を好み、この「タタール人の砂漠」のようにいつまで経っても何も起こらないような小説は「現実不参加」の小説だとしてあまり評価はしなかったのだそうです。
         しかし、その後徐々に評価が高まり、今では世界的に著名な作品になっていることはご承知のとおり。

         ある面では、カフカの不条理な小説のようでもあります。
         あるいは、非常に寓意的な作品とも言えますし、幻想的な作品と言うこともできるでしょう(その意味では、同じイタリアのイタロ・カルヴィーノを彷彿とさせるところもあるかもしれません)。
         また、私が一つ思い浮かべたのは、ジュリアン・グラックの「シルトの岸辺」という作品でした。この作品も戦争なんて起こり得ないような海辺の基地を舞台にしているのですね(その後の展開は本作とはまた違うのですが)。

         大変不思議な魅力をたたえた作品ではないでしょうか。
        >> 続きを読む

        2019/06/08 by ef177

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【(株)岩波書店】(イワナミシヨテン) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(出版社,発行所)

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