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(株)岩波書店 (イワナミシヨテン)

企業情報
企業名:岩波書店
いわなみしよてん
イワナミシヨテン
コード:00
URL: (株)岩波書店 http://www.iwanami.co.jp
      モモ 時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語 (岩波少年少女の本 37)

      ミヒャエル・エンデ , 大島かおり1976/08

      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね! Minnie chao kuuta caramel sunflower Ringo oriedesi
      • 匿名

        私もモモのような傾聴力を持ちたいです。心こそ、大切にしたいと思える作品でした。
        さか、こんなに昔に書かれていたなんて!まさに現代社会を映し出しているようなお話でした。

        一人ひとりの時間の花。
        見て見たいなぁ。
        >> 続きを読む

        2018/06/15 by 匿名

    • 他20人がレビュー登録、 77人が本棚登録しています
      君たちはどう生きるか (岩波文庫)

      吉野 源三郎 (1982/11

      カテゴリー:人生訓、教訓
      4.2
      いいね! Moffy
      • 3月の課題図書。

        少年コペル君と、亡き父の代わりに彼を見守る叔父さんとの心あたたまるストーリー。
        とてもメッセージ性の強い作品です。
        ゆっくり、時間をかけて読みたい。こんな気持ちにさえてくれた本は久しぶりでした。

        私たちはどう生きるか、どのように生きていくか。
        自分が死ぬまで延々と考えさせられるテーマだと思います。
        柔軟で選択肢の広い幼いうちから、コペル君のように考えていくことができるのは、その後の人生にどれだけプラスとなるか。
        もしこれが一人では、自分の考える範囲内だけの成長となってしまいます。
        叔父さんのような誰かと、時には失敗しながら考えていくこと。
        これが大きいのだと思います。
        漫画も出ていますし、この本に出会うことは容易です。
        しかし、人との繋がりが希薄となっている現代において、どれだけの人が彼らのようになれるのでしょうか。
        コペル君と叔父さんの関係は、とても眩しく映りました。
        >> 続きを読む

        2018/05/19 by あすか

      • コメント 7件
    • 他14人がレビュー登録、 25人が本棚登録しています
      はてしない物語

      ミヒャエル・エンデ , 佐藤真理子 , 上田真而子1982/06

      カテゴリー:文学
      4.5
      いいね! Ringo chao snoopy asuka2819
      • この歳になって今さらながらの「はてしない物語」。なるほど、こういう物語だったのか

        まず、本の造りがすばらしい。
        あかがね色の艶やかな絹の装丁、たがいの尾を咥えた2匹の蛇の絵。
        2色刷の本文。
        小説でしかできない表現によって、読者をぐいぐい小説世界に巻き込んでいく。
        重くて扱いづらい本書だが、これはやっぱりハードカバーで読むべきだ。

        虚無の侵食により危機に瀕したファンタージエンを救うためにアトレーユが旅に出る前半は、とても面白く読めた。どうやら自分が救い主らしいと気づいたバスチアンが、英雄でも王子でもないチビでデブの自分のような者が出て行ったら、幼ごごろの君やアトレーユに笑われるんじゃないかと不安になるところなど、とても共感できて震えるほどだった。

        バスチアンがファンタージエンに入り込んでからの後半、その世界描写は前半と同じく面白かったけれど、急に説教臭くなってしまったのが残念だった。これは読んだ年齢によって受け止め方が変わるのかもしれない。小学校高学年くらいで本書に出会っていたら、教訓話としてもう少し素直に読んだのかも。

        人が物語を読むのは、現実世界では不細工で不器用で頼りない自分でも、物語を読んでいる間はそんな自分を忘れ、主人公と一体となってさまざまな冒険を経験したり、容姿端麗な王子になったり、敵をばったばったとなぎ倒す勇者になったりできるからではないか? なのに、いざ自分の好きなように世界を創造できる力を得たときに、人間世界の記憶を失っていくという代償を払わないといけないのはなぜなのか。なぜ、チビでデブの自分がいる現実世界に戻らなければいけないのか。

        読み進めるにつれて、たえず「物語を読む行為など、所詮は一時の現実逃避。英雄や王子など望んだところで無駄、現実のお前はチビでデブのエックス脚でしかないのだ」と言われているように感じて苦痛だった。これでは、読書を楽しもうとしている読者は、その物語世界を存分に楽しめなくなってしまうじゃないか。人間が物語を想像力を忘れ、ファンタージエンが危機に陥るのも仕方がないんじゃないか?

        ファンタジーを読むこと、想像力を働かせることはこんなにも楽しく素晴らしいことなのだ、そのことが人間世界もファンタージエンも豊かにするのだと心から思えるような展開だったらよかったのに。それだったら、わたしもいつかファンタージエンに行って、幼ごころの君に新しい名を贈る役目を果たしたいなと思うのに・・・

        「はてしない物語」は、ずっと昔に年の離れた弟のために買い与えたものだ。本の虫だったわたしと違い、なかなか本を読まなかった弟のことを心配して、親がわたしになにかいい本がないかと相談してきたのだ。そこで、当時話題になっていたエンデの本書と「モモ」をバイト代をはたいてプレゼントしたのだが、実は自分で読んだことがなかった。幸い、弟は2冊とも気に入って何度も読み返していたようだから、無駄な出費にならなくてよかった。年齢的にもちょうどよかったのだろう。
        いつかはわたしも読もうと思いつつ、実家の本棚にずっと眠ったままになっていたのを、数十年ぶりにやっと読み終えることができた。星の数は3つにしてしまったが、感慨深い本であることは間違いない。
        >> 続きを読む

        2017/08/29 by 三毛犬

      • コメント 4件
    • 他11人がレビュー登録、 57人が本棚登録しています
      モモ

      ミヒャエル・エンデ , 大島かおり2005/06

      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね! tadahiko Moffy
      •  星8つぐらいつけたい!素晴らしい一冊!
         現代の私たちにも当てはまることがたくさんたくさん書かれてあって、風刺表現に「うっ」と心刺されたところがいくつもありました。

         スピーディーに生活できるようになって、私たちは自分が時間を節約して気持ちになり、得したと思っている。けど、生活として、命を感じた生き方は既に失われ、節約と思っていた生き方は実は一番時間を無駄にした生き方となっている。しかも、多くの人は多分まだそれに気が付いていない。
         もちろん夢を叶えるため、目標達成の為には時間の節約が必要だ。けど、何事を行うのも機械的ではなく、心を込めたものでなければならない。
         本書に時間は心で感じるものだと書いてあった。
         心を失われた人には、時を感じることもない、時を失う、ということだろう。
         それは本当に生きているとはいいがたい。
        >> 続きを読む

        2018/03/09 by deco

    • 他9人がレビュー登録、 28人が本棚登録しています
      星の王子さま オリジナル版

      内藤濯 , サン・テグジュペリ2000/02

      カテゴリー:小説、物語
      4.6
      いいね!
      • 久しぶりに読みたくなったのでてにとってみました。こんな内容だったかと驚いたのですがすごく心が洗われ考え込んでしまいました。薔薇の部分を忘れていたのでふわふわしていたけどこれはれっきとした純愛の物語。純愛と友情とこどものきれいな心の物語。離れて分かる愛、王子様が色んな人に聞いたからこそ知る事ができた愛に少し薔薇がうらやましくなったり。大人というのは皆見にくい。自分がきれいな心を見失わないように常に手元に置いておきたいと思いました。飼います。
        >> 続きを読む

        2018/02/28 by kaoru-yuzu

    • 他6人がレビュー登録、 32人が本棚登録しています
      幸福論

      神谷幹夫 , Alain1997/12

      4.6
      いいね! May
      • 『幸福論』(アラン / 神谷幹夫訳) <岩波文庫> 再読です。

        記録を見返すと、2012年11月に初めて読んだ作品でした。

        前回はとにかく新しい考え方のオンパレードで、心を震わせながら読むことができました。
        今回は、前回よく理解できなかったところも自分なりに考えていくことを目標に読んでみました。
        去年の初夏のころから少し困難な時期が続き、再読を思い立った次第です。

        おそらく原文の雰囲気を保つためだろうと思うのですが、岩波文庫版は訳がこなれていない印象がありますし、理解が難しいところも多々あります。
        もし、単に「幸福論というものを読んでみたい」というだけでしたら、いろんな出版社から訳本が出ているようですので、自分にあったものを選ばれるといいと思います。

        とにかく、一読に値する作品だと思います。

        いわゆる「世界三大幸福論」(アラン、ヒルティ、ラッセル)の中では私はアランのものが一番好きで、ストンと心に落ちてきます。
        >> 続きを読む

        2018/09/08 by IKUNO

    • 他5人がレビュー登録、 14人が本棚登録しています
      高慢と偏見

      富田彬 , ジェーン・オースティン1994/07

      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね!
      • 高慢と偏見、資産家の男性と結婚できるかどうかが女性の人生の全てを左右する時代。学歴や知識を身に着けた女性でも、自立して仕事をする道はなく、自分を養ってくれる男性と結婚できなければ惨めな人生が待っている。高慢と偏見でお互い誤解しあっている男女が最終的には結ばれる、その過程が本当に楽しいです。現代でも女性差別は残っているけれど、当時と比べると女性の地位は格段に向上している。それなのに、高慢と偏見に共感を感じるのは、現代でもお金持ちの男性との結婚が女性の幸せという価値観が残っているからなのかもしれませんね。 >> 続きを読む

        2017/08/04 by 香菜子

    • 他3人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      読書について 他二篇

      ショウペンハウエル (1983/07

      カテゴリー:読書、読書法
      3.7
      いいね! Outsider
      • 良くも悪くも古典。
        今の商業出版の時代にこれだけ読書のデメリットを論じることは難しいだろう。
        はじめの「思索」では「多読は精神から弾力性をことごとく奪い去る」といった鋭い洞察が多く散りばめられていた。
        逆に「著作と文体」は同時代人への悪口ばかりで得られるものが少なく、途中で読むのをやめた。
        >> 続きを読む

        2016/12/24 by Nishijima

    • 他3人がレビュー登録、 17人が本棚登録しています
      文学部唯野教授

      筒井康隆2000/01

      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 電車で読んでたのに構造主義の授業に入るところで笑っちゃって声が出ちゃったよまったく。

        学生のころにみんな読んでたから、なんとなく避けてたけど読んでみたらおもしろかった。
        文化系の学部だったので懐かしい単語や人名盛り沢山。

        こんなに学術的な内容と現実に起きた事件と小説を混ぜて話にするなんてスゲーなと思う。

        ちなみに初筒井だった。


        >> 続きを読む

        2018/10/27 by W_W

    • 他3人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      影との戦い

      Le GuinUrsula K , 清水真砂子2006/04

      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 荒涼感がたまらない。
        師匠の野山を探索する日々とか。
        海をづっと進むのに酔いそうになるけど。。 >> 続きを読む

        2017/03/16 by Matching

    • 他2人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      ちいさいおうち

      バージニア・リー・バートン , 石井桃子1965/11

      4.7
      いいね! chao
      • みなさんのレビューで興味を持ち、さっそく読んでみたところすっかりこの本のファンになった♪

        まず、このいかにも「絵本」!!という感じの表紙がいい。
        多分この本が家にあるというだけでほんのちょっと毎日がハッピーになると思う!

        そして意外と考えさせられるストーリー。
        子供にとってはきっと「よかったね♪」と思える結末。
        大人にとっても「よかったね♪」と思えることは間違いないが、失われていく自然とか、都市開発とか、そういった社会問題のことも考えさせられる。

        けど、やっぱりこの本は子供の頃出会いたかったなぁ。

        次、小さい子にプレゼントする機会があったらこの本にしよう♪
        >> 続きを読む

        2013/07/03 by sunflower

      • コメント 6件
    • 他2人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      長くつ下のピッピ

      大塚勇三 , LindgrenAstrid2000/06

      4.0
      いいね!
      • ピッピは赤毛のひっつめ三つ編みがトレードマークの9歳の女の子。そばかすもだぶだぶの黒靴も片方ずつ色違いの長くつ下も、全部がお気に入り。

        お母さんはずっと昔に天使になってしまったし、船長だったお父さんは波にさらわれてしまって、帰ってきません。
        でもピッピはお父さんが黒人の島に流れ着いて王様になっていると信じていて、いつか迎えに来るはずだから、まったく寂しくないのです。
        小さな町のはずれにお父さんが残してくれた素敵な庭に建つ家「ごたごた荘」にニルソン氏という名のかわいいサルと馬と一緒に暮らしています。

        小学生のころ大好きだったシリーズ。
        大人が読んでも素晴らしい童話も数多いですが、これは子供のころに読んでほしいタイプの児童小説です。

        お行儀、衛生観念、社会規範、そんなもの、ピッピの前にはないも同然。
        馬を軽々と持ち上げる怪力の持ち主なので、怖いものなし。
        自活するに十分な料理の腕とお父さんが残してくれたトランクいっぱいの金貨があるので、何の不自由もありません。

        ピッピの破天荒な言動は時に眉をひそめたくなるでしょう。
        床でクッキー生地を延ばしてみたり、サーカスに飛び入りしてみたり。
        でも子どもってある点で過激なことだって、全然平然と受けとめるものですね。
        ピッピが教育上よくない子だなんて全く思ってもみませんでしたから。

        ピッピを見ていると「自由」という言葉が浮かんできます。
        何をどう受け止め、どう考えるか。
        実は世界は認識で成り立っている訳で、その認識が異なれば善悪も常識も変わってくる訳です。
        ピッピには孤児院も学校も何も「必要」ではありません。

        ピッピを指導しようとして逆にやり込められる大人たちを見ているととても愉快。
        子どもって実はこんな風に自分も大人をやっつけてやりたいと思っているのかもしれませんね。

        胸をときめかせる毎日は、自分の心が作るのです。
        何か面白いことはないかなあと、待ち望んでいたお隣に住むアンニカとトミーはピッピによって世界が変わりました。
        何が起きるかわからないワンダーワールドに!


        この本を再読すると大人になっちまった自分がちょっぴりうらめしいです。
        「コーヒーの会」でのピッピのふるまいは、トミーとアンニカのお母さんの立場についつい思いが行ってしまうのですよね。いくらなんでも、これでは、お行儀が悪いと、出入り禁止を食らうのも無理ないな…。なんて。
        でも、上品に悪口大会を繰り広げるご婦人と、大ぼらを吹いて盛り上げて楽しませようとするピッピと、心根はどちらがいいのか?と言われたら?
        結局常識なんてその程度の吹けば飛ぶようなものだったりするのですね。
        そして大人だったリンドグレーンがなんでこんなに子供心を持てたんだろうと。驚嘆するばかりです。

        今の日本の子どもは社会的な不自由はあまりないかもしれません。
        お金は自由に使えるし夜町中をうろついたり、といった自由はあるようですよね。
        その代わり、大人の干渉から逃れるすべを持っていないと感じることが多々あります。
        大人の論理をそのまま生きているように見えるんです。
        子どもだけの世界を持っていないような。
        大ぼらを吹いたり調子に乗ったり夢中になったり冒険をしたり。
        子どもにはいろいろな特権があるのにね。
        なんだか、子どもの特権を大人が奪って、いつまでも手放さない結果、子どもの住処が減っているのかな。とも思います。
        文明社会人に浸食されて滅びゆく原住民の話みたいですが。

        この本が時を越え、ずっと子供たちのそばにありますように!
        >> 続きを読む

        2018/08/24 by 月うさぎ

      • コメント 2件
    • 他2人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      飛ぶ教室

      KastnerErich , 池田香代子2006/10

      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね! Moffy
      • 本書のまえがきを読むと著者の人生と正義に関する読者への痛切なメッセージがあり、何かただならないものを感じる人も少なくないと思います。
        それはこの本が書かれた時代を反映しています。
        それは、著者の母国ドイツでナチスが台頭し、世界中が人類史上最悪の戦争に向かっていた時代です。
        著者はナチスに迫害されながらもドイツに留まり続け、次世代を担う子供たちの為に、メッセージを送り続けていたのです。

        元気の良い男子寄宿学生たちが繰り広げる物語。

        読み終わって感じたのは、懐かしさでした。
        昔の子供達ってこんな感じだったよなとしみじみ感じました。
        様々な背景を持った少年たちが一緒に喜んだり悲しんだり、時にケンカもあったりで、ちっともじっとしていない。
        生命力にあふれた少年たちの物語は、クリスマス集会での「飛ぶ教室」という題の劇の上演に向けて集束してゆく。
        彼らは、様々な経験をし、また人生の師とも呼べるような大人たちとの出会い等を通して人として成長してゆく。
        物語のエンディングはクリスマスにふさわしい素晴らしいもので、図らずも少しほろりとしてしまいました。
        >> 続きを読む

        2017/12/28 by くにやん

    • 他2人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      ゲド戦記

      Le GuinUrsula K , 清水真砂子2009/01

      カテゴリー:小説、物語
      4.4
      いいね!
      • 映画のゲド戦記を見てから読んでます。文章だけだと内容が頭に入りづらい。先に最後の訳者あとがきを読んでから読み進めるべきだった。この物語の意味するところが書かれていて、それを念頭に置けば読みやすかったかも。 >> 続きを読む

        2017/07/17 by aya5150

    • 他2人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      吾輩は猫である

      夏目漱石1990/03

      カテゴリー:小説、物語
      4.7
      いいね! Shizu
      • えっ、おもろい。
        これが感想でした。笑

        『こころ』など、後期作品で暗〜いイメージを持っていたのですが、本作の軽い口調にびっくりです。

        知識人ならではの、むずかしい例えや用語などは出てくるものの、山芋を盗んだ泥棒の話や、子どもたちのおもしろおかしいやり取りについ笑ってしまいます。

        「ネコ目線」で書かれているのも妙ですね。「吾輩」の主人は漱石がモデルなのですが、自己の反省というか、自分への考えを作品に仕上げているところが凄みであり、旨みなのだなあと思います。


        >> 続きを読む

        2016/09/18 by botan

      • コメント 2件
    • 他2人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      銀の匙

      中勘助1999/04

      カテゴリー:小説、物語
      4.7
      いいね!

      • 今回読了したのは、日露戦争から大正期にかけて一大ブームを巻き起こしたと言われている、追憶文学の白眉とも言える中勘助の「銀の匙」。

        この作品は、子供時代の思い出を、ある意味淡々と述懐していく。
        とりたてて大事件も起こらないんですが、何がいいかと言うと、恐らく著者本人の投影らしき、この語り手の子供が、凄く人嫌いなのです。

        そこをこう書いています。「生きもののうちでは人間がいちばんきらいだった」と。

        生きもののうちって、何か凄い言い方だと思うんですね。
        縁日だのお祭りだの、とにかく人混みがまるで駄目なんですね。
        こういうところが、私も共感を覚えるところで、とても素敵です。

        そのうえ、どこか懐かしくもある。掛け布団の日向くさいところに顔を寄せたりとか、天井の染みが不気味でしょうがなくて、育ててくれてる伯母さんと一緒に寝たりとか、育った時代が私とは全く違うのに、子供の感性において普遍性を獲得しているんですね。

        そうかと思うと、〈ひらがなの「を」の字はどこか女のすわった形に似ている〉ので、慰謝を求めてこの字ばかりを並べ書きしていたとか。

        聞けば、五つくらいまでは、ほとんど土の上に降りたことがないくらいの乳母日傘ぶりだったらしいのだ。
        なよやかさと、選ばれし者の恍惚みたいな感覚の、いかにも芸術家になるべくしてなった人らしいセンスを感じます。

        お兄さんと海に行くところもそうで、みんなは嬉しくてはしゃいでるんだけど、自分だけうじうじしてるもんだから、〈お友だちはふりかえりふりかえりしてたがしまいに立ちどまって くたびれたのか、気分でもわるいのか と親切にたずねたので正直に「波の音が悲しいんです」〉って答えるんですね。

        多分、この子にとって世界はわけもなく哀しいんだろう。そこが実にいいんですね。
        この子にとっては、世界が哀しみでできているという感じなんですね。

        それから、露天で葡萄餅を売ってるお婆さんのエピソードも凄く好きですね。
        〈七十ぢかいしなびかえったばあさんが ぶどうもち とかいたはげちょろの行灯をともして小さな台のうえに紙袋を数えるほどならべてるがついぞ人の買うのをみたことがない。---私は市のたんびに幾度となくそのまえを行きつもどりつして涙をためていた。が、いつも買いおおせずに本意なく帰ってきてしまった。とはいえある晩とうとう思いきって葡萄餅の行灯のそばにたちよった。ばあさんはお客だとおもって「いらっしゃい」といって紙袋をとりあげた。私はなんといってよいかわからず無我夢中に二銭銅貨をほうりだしてあとも見ずに少林寺の藪の陰まで逃げてきた。胸がどきどきして顔が火のでるように上気していた〉。

        実にいいなあと思いますね。この侘しいものへの怯えの感性。

        子供なのに気鬱をかこっているところもたまらない。
        それと、女性性が強いというか、女の人の方が好きなんですね、この子は。

        男の人のことは、ちょっと怖いと思っている。山の手に越してやっと友達ができるんですが、それも女の子。
        そういう、何というか、アンチ・マッチョ的な性格も可愛い。

        母親でも姉でもなく、お婆さんとか伯母さんていう人たちへの思慕、無垢なんだけど、ひたむきな女性たちへの温かさも特徴的なんですね。

        これは多分、病弱な子供だから面白いんだと思う。やっぱり、体の弱さと子供のイノセンスというのが、何か喪失感みたいなところで、クロスしているんでしょうね。

        >> 続きを読む

        2018/09/21 by dreamer

    • 他2人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      ガリヴァー旅行記 (岩波文庫)

      スウィフト (1980/10

      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね!
      • この本、というか旅行記を読んでいて自然と思い浮かんだ言葉は"相対"です。主人公ガリヴァーは今までどんな旅行家も訪れたことがないであろう国々に辿り着き、これまた誰もが体験したことがないであろう奇妙な経験をする。

        主にリリパット国、ブラブディンナグ国、空飛ぶ島ラピュータ、フウイヌム国の5つの国が印象に残りました。ガリヴァーはこれらの国々で当時のイギリスでは(もちろん今も)ありえないようなことを見聞きする。リリパット国では小人に出会い、ブラブディンナグ国では巨人に出会うという真逆の体験をする。空飛ぶ島ラピュータでは数学と音楽が当時のイギリスと比べ物にならないくらい発達しており、しかしお偉い方は常に瞑想状態で会話もままならないという有様。フウイヌム国では馬が最も理性的な生き物であり人間を飼いならしている、いわば人間と馬が逆転したような世界が広がっていた。こうした超刺激的な世界を前にしてガリヴァーには様々の疑問や考え、尽きぬほどの好奇心が湧き上がっていた。

        彼がこれら各国で見聞した事物を詳細に叙述したものは現代の私たちの興味を引くには十分で、また、それに彼なりの色々な思いが述べられている本書は、私たちに人間の立ち位置を考え直させてくれるものです。人生のうちで一度は読んでおきたい、読んでおいて良かったと思わせてくれる1冊でした。
        >> 続きを読む

        2018/10/15 by Afro

    • 他2人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      高慢と偏見

      富田彬 , ジェーン・オースティン1994/07

      カテゴリー:小説、物語
      4.7
      いいね!
      • 高慢と偏見、登場人物が多くて、それぞれの性格や人間関係も多種多彩なので、上巻の内容をしっかりと記憶しているうちに下巻も読んだほうが、楽しさはきっと倍増します。高慢と偏見でお互い誤解しあっている男女が最終的には結ばれる、その過程が本当に楽しいです。高慢と偏見、もちろん時代背景は現代とは違うけれど、現代の人が読んでもこんなに楽しめるなんて。それが普及の名作と呼ばれるゆえんでしょうか。原題は、Pride and Prejudice、これを高慢と偏見と日本語訳した人は素敵な感覚の持ち主だと思います。 >> 続きを読む

        2017/08/04 by 香菜子

    • 他2人がレビュー登録、 3人が本棚登録しています
      ドン・キホーテ

      Cervantes SaavedraMiguel de , 牛島信明2001/01

      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • 読了日は適当。
        ドン・キホーテといえば風車に向かって行った狂人として知られている。
        が、狂った理由を聞けば、諸兄らはぎくっとするだろう。
        本の読みすぎ。
        騎士道物語を読みすぎて、彼は狂ったのだ。
        諸兄らもないかな?
        夜、手元の灯りで、ワインなぞかたむけて、血沸き肉踊る冒険譚を読み、ああ、俺はやるぞ、地の果てまで駆けてやる、ひそかに興奮していることが。
        あるいは顔も知らぬ美しい姫が(顔は分からないが美しいのだ)夜毎自分の助けを求めているなどと。
        本ほど人生を助けてくれるものもないが、本ほど命を縮めるものはない。さらに分かっていても止められない。
        されば槍持て馬に乗り、走り出すしかない。当然荒野ではなくなじみの本屋に。馬は表に繋いで、槍であの本が欲しいと示せば良い。そしてまた本に酔っぱらう。
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        2016/05/20 by kido

      • コメント 1件
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      後世への最大遺物

      内村鑑三2011/09

      カテゴリー:信仰録、説教集
      4.8
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      •  人に勧められて読みました。
        もっと早くこの本に出会いたかった気もしますが、
        生のこのタイミングで出会ったのは
        かえって共感と理解を深められてよかったかもしれません。
         
         文章に慣れるまでは多少読みにくいですが、
        内容は難しいことを言っているわけではないので大丈夫でしょう。
        内村鑑三はキリスト教徒ですが、
        本書は宗教の教義など関係なく、
        人生の意味や意味付けを考える
        一つの指標になりえる良書だと思います。
        心を強くする一冊でした。
        >> 続きを読む

        2015/02/01 by kengo

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