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(株)角川グループパブリッシング (カドカワグループパブリツシング)

企業情報
企業名:角川グループパブリッシング
かどかわぐるーぷぱぶりつしんぐ
カドカワグループパブリツシング
コード:04
URL: http://www.kadokawa.co.jp
      夜は短し歩けよ乙女

      森見登美彦2008/11

      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね! ybook niwashi 2hak1 Tukiwami
      • 山本周五郎賞受賞作品。
        親指を他の4本の指で包み込むように握ってお見舞いする鉄拳「おともだちパンチ」の紹介から始まる本書は、いい意味で酔っぱらいが書いたような小説でオフスプリングの5thアルバム「アメリカーナ」のような爽快感に満ち溢れている。
        登場人物である先輩の「だ・である」調の文体と黒髪の乙女の「です・ます」調の文体が交互に登場し、独特のリズム感をもたらしている。
        東堂という経営者が黒髪の乙女を揺らし、ついでに胸の中に手を入れ乳を揺らすというセクハラまがいのことを平然とするのは如何なものかと思った(黒髪の乙女も不思議と抵抗しない)。
        「詭弁論部」というネーミングの大学の文化系のサークルが登場するのは「映像研には手を出すな!」のメロディック・ハードコア部みたいなノリで楽しかった。
        飲み会で酔っぱらいの男性が黒髪の乙女に向かって「自分が惚れた男と結婚するのと惚れてない男と結婚するのとじゃあ、惚れてない男と結婚する方がいいよね」ということを話したのは、ちょうど同時並行で読んでいた「しょぼ婚のすすめ」(えらいてんちょう著)でも似たようなことが書かれていたので面白かった(ちなみに内田樹も同系統の思想の持ち主である)。
        先輩が黒髪の乙女と会うために「下鴨納涼古本まつり」という古本市に出かけた際、黒髪の乙女がジェラルド・ダレル「鳥とけものと親類たち」という本を読んでいた時、先輩が「そんなやつを読む暇があったら、むしろ私を読みたまえ、なかなかオモシロイことが色々書いてあるよ」と独白したのは「ヘブンズ・ドアか」とツッコミを入れそうになった。
        そのあとも先輩が「なるべく彼女(黒髪の乙女)の目にとまる作戦」(通称・ナカメ作戦)を敢行し「世界ボーッとする選手権」などの楽しいパワーワードも出てくる。
        ちなみに本書は、乃木坂3期生・久保史緒里が「黒髪の乙女」役の舞台化もされている。





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        2021/07/29 by tygkun

    • 他42人がレビュー登録、 178人が本棚登録しています
      ジェノサイド

      高野和明2011/02

      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね! tadahiko tomato chao kuuta ice chaos makoto mahalo pq1 kissy1986 sunflower hikaru ryoh3 ooitee
      • とても分厚い本なのでかなり時間がかかるのではと構えていましたが、夢中になって、あっという間に読み終えました。テーマが重く専門用語もたくさん出てきますが、文章が読みやすかったせいか難解さはあまり感じませんでした。物語の勢いに乗ったかんじです。テンポの良さや迫力は映画を観ているようでした。
        イラクで民間軍事会社で傭兵を勤めるイエーガーと大学院生の研人のパートが交互に展開され、当初は全く接点がないはずの二人が、新人類の存在をきっかけに驚愕の事実に辿り着きます。イエーガーのパートは戦闘シーンが多く、残酷な場面も多くあります。子ども兵士が教会を襲うシーンは特に読むのが辛かったです。今も命の危機のさらされ、凄惨で地獄のような思いをしている人たちがいることを、知る手段はいくらでもあるはずなのに考えないようにしています。知ってしまったら辛くなるから。こうやって文字から想像してしまうと、旧人類である私たちの存在意義について考えてしまいます。エマやアキリから繋がっていく新人類は旧人類に対して、どのような審判を下すのでしょうか。

        少し気になったのは、日本人の傭兵が出てくるのですが、彼の書き方が日本人作家らしからぬところ。海外映画の誤解を受けるような日本人描写のようで、彼のキャラクターの曖昧さが浮いているようでした。その言葉はまずいのでは、というセリフもありましたし。あとはアメリカサイドを悪く書きすぎている(手を汚しすぎている)気がします。そのあたりの偏りも引っかかりました。

        大学院生の研人と韓国人・李 正勲の友情が良かったです。わけも分からず恐ろしい事件に巻き込まれながらも、二人で人を助ける治療薬の研究に取り組む姿にじわりとくるものがありました。正勲はとても頼もしい存在でした!
        「父(母)と子」の物語でもあり、様々な形の絆に、未来は明るいものであることを願いたくなりました。
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        2021/09/21 by あすか

      • コメント 2件
    • 他39人がレビュー登録、 140人が本棚登録しています
      栞子さんと奇妙な客人たち 栞子さんと奇妙な客人たち

      三上延2011/02

      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね! niwashi chika-0305 Tukiwami
      • 北鎌倉駅近くの線路沿いにある古い小さな古書店。
        その名も「ビブリア古書堂」で、ふとした経緯から主人公の五浦大輔は働くことになる。

        店長の篠川栞子さんが、怪我で入院中の為、そのサポートをするように頼まれたからだ。

        その経緯が第1話で語られ、後の第2話から第4話までは、大輔と栞子がタッグを組んで、持ち込まれた古書にまつわる、ちょっとした謎を解き明かしていくという体裁になっている。

        栞子さんは、ベッドに座りながら、ほんの些細な手掛かりから物事の全体像を推理し、謎を解明する安楽椅子探偵であるが、現実の生活では、人の顔も満足に見ることが出来ず、うまく喋る事も出来ない、極端に内気な女性なのだ。
        だが、大輔とは何故かそんなに構えずに相対することが出来るのであった。
         
        そんな風に、二人の結びつきも話が進むにつれて深まっていくし、何と言っても、扱われているのが大好きな本のことであるから、最後まであっと言う間に読み進み、とても愉しい時間を過ごさせてもらった。

        それにしても、私も本好きの端くれと今まで思ってきたが、この物語に登場してくる本好きには、到底叶わないなと、つくづく思いましたね。
        特に栞子さんには、完璧に脱帽です。

        この本を読んで、本の魅力を喚起させられ、今の読書三昧の日々をあらためて有難く感じましたね。

        >> 続きを読む

        2022/04/19 by dreamer

    • 他26人がレビュー登録、 111人が本棚登録しています
      キッチン

      吉本ばなな1998/05

      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! fireman Erika pikapika
      • キッチン
        満月-キッチン2
        ムーンライト・シャドウ

        3編が収録されています。とても有名な「キッチン」、初めて読みました。特に意識することなく、すっと物語に入っていくことができたのが印象的でした。3編通して共通しているのは、主人公たちが生と死のはざまにいるところでしょうか。なんとも脆く、硝子のような世界です。

        「キッチン」の主人公みかげの祖父・両親はすでに亡く、唯一の肉親である祖母を亡くしたところから物語はスタートします。祖母の行きつけの花屋でアルバイトをしていた田辺雄一と、その母親・えり子さん(実は父親)の元で、孤独を癒し、次へのスタートへ踏み出していきます。
        「キッチン」で大きな存在感を見せたえり子さんの死から始まるのが、続編の「満月」です。少しでも間違えたら死の方に振れてしまいそうになる、そんな危うさを、必死に生へと繋ぎ止めていく過程が描かれています。みかげも雄一も、頼れる肉親が一人しかいない不安のなかで生きてきました。その繊細な心が至るところに表現されています。以前読んだ「とかげ」でも思いましたが、ばななさんは、若者たちの細やかな感情を表すのが本当に上手い。

        「ムーンライト・シャドウ」にとても好きな描写がありました。

        『たとえば、今は昨日よりも少し楽に息ができる。また息もできない孤独な夜が来るに違いないことは確かに私をうんざりさせる。このくりかえしが人生だと思うとぞっとしてしまう。それでも、突然息が楽になる瞬間が確実にあるということのすごさが私をときめかせる。度々、ときめかせる。』

        この作品も恋人を亡くした女の子が主人公と、兄と恋人を亡くした弟がメイン。
        「キッチン」も「ムーンライト・シャドウ」も、暗い底から這いあがって、生を掴もうともがきます。一人ではない心強さを感じる作品でした。
        >> 続きを読む

        2021/06/15 by あすか

      • コメント 2件
    • 他23人がレビュー登録、 78人が本棚登録しています
      グラスホッパー

      伊坂幸太郎2007/05

      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね! loon ooitee
      • おもに東京都心部を舞台に、妻の復讐を誓う男と二人の殺し屋の一日あまりを描いた作品。タイトルの由来は、通常の孤独相から群生相に変化した際に凶暴化するバッタの生態を、都会にくらす人間になぞらえたもの。

        【鈴木】元教師。妻を轢き殺した男の父が経営する違法取引を扱う会社に潜入し、復讐の機会を窺っている。
        【鯨】「自殺屋」とされる殺し屋で、依頼に応じて対象を自殺に追い込む大男。依頼人は政治家や官僚が多い。
        【蝉】零細組織に属する二十代前半の殺し屋。上司にあたる岩西に反抗心をもつ。短絡的な性格。

        上記の三人が順繰りに語り手となる多視点の一人称小説。鈴木が復讐するはずだったフロイラインという会社の御曹司が「押し屋」によって唐突に殺害され、鈴木を含めた三人がその渦中に巻き込まれていく。三人のうち唯一殺し屋ではない鈴木が真の主人公にあたり、作中もっとも無防備な人物ともいえる。各パートが10ページ程度で切り替わり、作品のテンポの良さの源となっている。カバーの裏表紙には「疾走感溢れる筆致」とあるが、多視点で同じシーンを描く必要性からリプレイのような箇所もあり、物語全体の流れはそこまで軽快でもなく、中盤はやや中だるみする。

        エンタメ作品とはいえ、あまりに死を軽く扱いすぎるなら抵抗があると考えていたが、殺した人間たちの亡霊によって常に悩まされている鯨だけでなく、蝉の終盤の展開にも殺人への咎めが描かれており、要らぬ心配だった。ポップな作品を予想していたが、現代社会に対するネガティブな視点も交え、思っていたよりシックな作風だった。かといって過剰に重くもなく、サスペンスとして楽しめた。
        >> 続きを読む

        2021/06/11 by ikawaArise

    • 他19人がレビュー登録、 148人が本棚登録しています
      四畳半神話大系

      森見登美彦2008/03

      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! niwashi 2hak1
      • ずっと大学生活の2年間を無駄にしてて面白い。
        パラレルワールドかな?って思ってたら最後は意外な展開だった。いろんな選択肢があっても結局一つに収束するってことはα世界線から抜け出せないのね…という話ではない。
        妙な疲労感が残る作品でした。主人公、おつかれ。




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        2021/08/29 by aki

    • 他18人がレビュー登録、 93人が本棚登録しています
      ナミヤ雑貨店の奇蹟

      東野圭吾2012/03

      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね! kaoru
      • 映画を見て原作がベースになっていると知り、手に取りました。
        映画から入った分、雑貨店の店主さんとかキャラクターのイメージはしやすかったです。
        ストーリーは分かっていたつもりですが、読み進めていくうちにどんどん世界観に引き込まれて行って、時間を忘れてついつい夢中になっていました。
        映画では気づけなかった伏線になっていた部分に気づけて、より東野さんのすごさを感じました。
        よくここまでストーリーを緻密に設計立てて組み立てられるなと感心です。
        東野さんの本は初めて読みましたが、他の作品も読んでみたいと思いました。
        >> 続きを読む

        2019/04/29 by 吉竹下真弘

    • 他17人がレビュー登録、 57人が本棚登録しています
      図書館戦争

      有川浩2011/03

      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね! kaina ukarei
      • まず最初に言えることは堂上教官が大好きになります、
        小学五年生のときに友達に勧められて図書館で借りたことがあったのですが当時の私には有川さんの文章や図書館戦争の世界観をあまり理解出来ず、楽しむことが出来ませんでした。
        しかし改めて高校生になって読んでみたのですが、とってもとっても面白い一冊だということに気付きました!
        是非みなさんに読んでもらいたい、そう思います。
        タイトルから想像すると堅苦しいお話に思えるかもしれません…

        しかし!!!!!!!!!!!!

        この小説は初恋の甘酸っぱさそのもののような少女漫画のような、そんな雰囲気があったりするんです!
        教官と部下だからこそ成り立つ関係性が私はとても好きでした〜!
        >> 続きを読む

        2018/12/13 by minase86

    • 他17人がレビュー登録、 135人が本棚登録しています
      植物図鑑

      有川浩2009/06

      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね! rinel
      • このタイトルだと明らかに専門書コーナーに置かれそうな本だが、中身はちゃんと小説であり、野草や野花などの知識が大量にある。

        さやかの住んでるマンションの前で行き倒れていたイツキ。
        住ませてやる代わりに家事などを担当すること条件に、2人の居候生活が始まる。

        その居候だが、イツキは植物の知識が豊富で、出てくるご飯には山菜がいつも入っている。
        そこでさやかは休みの日に野草採りに出かけるのが日常に。

        しっかりと植物の種類が描かれており、料理のレシピも載っている。

        有川さんが後書きで書いているように、少女漫画のような世界を文章化したらこうなったような一例。
        だから女性は楽しめると思うけど、男からしたら話的には退屈な部分も。
        とはいえ調理の部分は興味深く読めた。
        >> 続きを読む

        2022/01/09 by オーウェン

      • コメント 2件
    • 他17人がレビュー登録、 77人が本棚登録しています
      クリムゾンの迷宮

      貴志祐介1999/03

      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね!
      • 藤木芳彦は、どことも知れぬ場所、まるで火星のような場所で目を覚ました。
        どうして、こんなところに連れて来られることになったのか?

        傍らに置かれた携帯用のゲーム機が、ゲームの始まりを告げている。
        藤木は、この未知の場所で、サバイバルゲームを強いられることになる。

        どこの誰とも知らぬ、8人の者たちと共に-------。

        貴志祐介の「クリムゾンの迷宮」を再読。
        著者の作品の中で、ミステリ以外のエンターテインメント作品としては、一番好きな作品であるかもしれない。
        特にRPGや昔懐かしゲームブックなどが好きであれば、より楽しめる内容になっている。

        実際にはRPGというよりは、ゼロサムゲームとか、むしろサバイバルゲームといったほうがしっくりくるくらいの内容。
        未開の地で生き残りをかけた、駆け引きの様子が描かれている。

        序盤で起こる"サバイバルアイテム"、"護身用アイテム"、"食料"、"情報"の4つの選択が行われ、以降、食糧の確保、未知の動植物、ゲームのルールと目的、他の参加者との闘い、そして"グール"の謎と真相。

        こういった展開がなされながら、主人公である藤木の文字通りの死闘が繰り返される。

        このような作品であれば、通常、全体のルールが最初にわからなければ、面白くないものが多いと思えるのだが、この作品は、そのルールや目的がわからないわりには、意外と楽しめる。

        徐々に、その全貌が明らかにされるという展開をうまく描いた作品と言えるであろう。
        そうしたミステリ的な謎解きと、迫りくる恐怖といったホラー的な内容を楽しめる作品になっている。

        だだ、惜しいと思われるのは、最後の幕引きがやや弱いところか。

        >> 続きを読む

        2022/02/05 by dreamer

    • 他15人がレビュー登録、 58人が本棚登録しています
      ペンギン・ハイウェイ

      森見登美彦2012/11

      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね! niwashi 2hak1 ooitee
      • 小学4年生のアオヤマ君は好奇心旺盛。
        毎日調べることが山積みで、今日は街中に現れたペンギンが研究対象に。
        するとそのペンギンには歯科医のお姉さんが関わっていることを知る。

        小4が見る空想と現実の世界の具現化。
        大まかにはあるが、物語の空想はあちこちへと飛んでいく。
        想像に制限はなく、広がりは止まらない。

        世界の果てを見るのはかなしいというセリフ。
        つまりはそれが大人になるという裏返しであり、おねえさんへの憧れも解る。

        「夜は短し歩けよ乙女」もそうだったが、森見さんの本はアニメ化されるのが納得の作風を違和感なく見せてくれる。
        >> 続きを読む

        2019/04/16 by オーウェン

      • コメント 2件
    • 他14人がレビュー登録、 76人が本棚登録しています
      アイの物語

      山本弘2009/03

      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね!
      • 内容紹介-------------------------------------------------
        人類が衰退し、マシンが君臨する未来。食糧を盗んで逃げる途中、僕は美しい女性型アンドロイドと出会う。戦いの末に捕えられた僕に、アイビスと名乗るそのアンドロイドは、ロボットや人工知能を題材にした6つの物語を、毎日読んで聞かせた。アイビスの真意は何か?なぜマシンは地球を支配するのか?彼女が語る7番目の物語に、僕の知らなかった真実は隠されていた―機械とヒトの新たな関係を描く、未来の千夜一夜物語。
        --------------------------------------------------------

        豊崎由美のあとがきに共感する。
        山本弘は物語で世界を変えようとしている。
        『アイの物語』は強いメッセージのこもった本だ。

        あらすじの通り、アイビスが読み聞かせるのは6つの物語。

        「宇宙をぼくの手の上に」
        「ときめきの仮想空間」
        「ミラーガール」
        「ブラックホール・ダイバー」
        「正義が正義である世界」
        「詩音が来た日」
        「アイの物語」

        こうして並ぶからこそ多少の差は出るが、すべて☆5でいい作品たちだ。
        書き下ろしは最後の2作品だけだが、その他は初出の時期がバラバラで、それを一冊にまとめてひとつの物語を紡ぐという構成力がすごい。

        一つ一つの物語を見ても、構成の上手さが光る。
        SFなので都合の良い設定を生み出しやすいとはいえ、それをどう使うかは力量次第。
        この作品では設定されたものは使いつくされる。
        情報に無駄がない。

        構成をいじって、山本弘がよりうまく伝えようとしたものは何か?
        それは「i」だよ「i」。
        人間というものは、とにかく自分のものさしではかろうとする生き物だと考えさせられる。

        作中にある通り、「フィクションは『しょせんフィクション』ではない」。
        現実の言葉だろうがフィクションの中の言葉だろうが、その言葉自体の重みは変わらない。
        それどころか、物語の方が現実より正しいことは往々にしてある。
        『アイの物語』には真実が書かれている。
        たくさんの人に読んで欲しい。

        >> 続きを読む

        2015/10/02 by しでのん

    • 他14人がレビュー登録、 30人が本棚登録しています
      ビブリア古書堂の事件手帖

      三上延2014/01

      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね!
      • 匿名

        ついに母親との対峙の時。母親と似ている自分もいずれ母親と同じ道を辿って、愛する者の前から姿を消すのではないかと恐れる栞子。だがその気持ちは母親から父とのなれそめを聞くことで少しずつ変化していく。 >> 続きを読む

        2018/04/17 by 匿名

    • 他14人がレビュー登録、 70人が本棚登録しています
      アルケミスト 夢を旅した少年

      山川紘矢 , CoelhoPaulo , 山川亜希子1997/01

      カテゴリー:ポルトガル文学
      4.1
      いいね! SAI
      • スピリチュアル的な本としてここ最近よくネットで紹介されているような気がして、好奇心で読んでみた。
        なるほどスピリチュアルだ……聖書からきたと思われる節々もあるが、他の宗教の教えともごっちゃで混ざっている気がして、慎重に吸収する必要がありそう。
        ただ「今に集中する」という部分は非常に良かったし、その通りだと思った。
        過去や未来にばかり気を取られずに、今目の前のことを少しでも良くすることをこれから私もやっていこうと思う。
        運命だの宝物だのについても結構たくさん書かれているが、いまいちピンとこなかった。(気になるが)
        終わり部分の風や太陽との会話も良く分からなかった。何か意味をしていると思うが、じっくり解釈しようとする気にはなれなかった。再び読む機会があったら、その時にまた。
        >> 続きを読む

        2022/04/14 by Moffy

    • 他13人がレビュー登録、 57人が本棚登録しています
      夜明けの街で

      東野圭吾2010/06

      カテゴリー:小説、物語
      3.6
      いいね!
      • 渡部は妻子ある四十代のサリーマン。
        今までは不倫をする奴なんて馬鹿だと思っていた。

        しかし、会社に派遣社員として秋葉が来たことにより、渡部の人生は変わることとなる。

        次第に秋葉との不倫にのめりこむことになる渡部。
        そんなある日、渡部は秋葉が昔、殺人事件に関わったことがあり、未だに容疑者の一人とされていることを知り-------。

        東野圭吾の「夜明けの街で」は、ミステリというよりは、不倫小説のような感じだ。
        東野圭吾が書く作品であるから、不倫小説という体裁をとったミステリ小説であると考えていたのだが、比重からすると、不倫小説という方に多く比重がかかっているように思える。

        この作品では、不倫相手の秋葉という女性が、殺人事件の容疑者として、もうじき時効を迎えるという点が最大のポイントになっている。

        しかし、この要素ですらも、ミステリ色を濃くするものというよりは、不倫小説の色合いをさらに濃くするようなものであったと感じられた。

        さらには、ミステリ作品としては、事件の内容に関しては、あまり深く掘り下げられていなかったのではという不満も残るものになっている。

        そういうわけで、この作品は、東野圭吾によるミステリ作品というものを期待するよりは、東野圭吾の手による、不倫小説というものを堪能すべきものであろう。

        四十代くらいのサラリーマン男性であれば、共感できる場面が多々あると思うので、一読の価値ありかもしれませんね。
        不倫を実体験されている方にとっては、これはある種のホラーともなり得るかもしれない。

        >> 続きを読む

        2022/01/12 by dreamer

    • 他13人がレビュー登録、 61人が本棚登録しています
      氷菓

      米澤穂信2001/10

      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね! Tukiwami
      • 特に何も考えずこの著者の本を借りて読んでいたら、このシリーズの最初の話を読んでいないことに気付いて購入した。
        やっぱキャラがはっきりしてるこの本を最初に読んだ方が良かったかなと思う。

        雰囲気はポップなんだけど、地の文に小難しい言葉が多い印象。
        本全体のストーリーや仕掛けが充分面白いんだからもっと砕けた言葉でいいんじゃないかと思ったりする。
        でも、舞台が高校だとなんだか楽しいのは自分がおっさんで昔を思い出すからだろうか。
        キャラクター造形のバランスもあるんだろうなー。
        主人公は面白いことや楽しいこと言う訳じゃないからその周りの人物が雰囲気作ってる気がする。

        「斗争」の文字は通常には変換されないことを今回知った。
        ゲバ文字と言うらしく、常用漢字ではないようだ。
        確かに自分も大学生の時に学内の看板で知った漢字だ。
        高校生なら尚のこと分からないだろう。
        >> 続きを読む

        2021/06/23 by W_W

    • 他13人がレビュー登録、 87人が本棚登録しています
      栞子さんと二つの顔

      三上延2013/01

      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね!
      • 匿名

        ついに栞子と母親が出会うー。本に携わる二人が、何年ものときを経て出会ったとき、何かが動き出す。母親のことを憎みながらも母親の血を濃く引く栞子と母親はどうなっていくのか? >> 続きを読む

        2018/04/17 by 匿名

    • 他12人がレビュー登録、 70人が本棚登録しています
      天使の囀り

      貴志祐介2000/11

      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • アマゾンの調査から帰ってきた高梨だが、恋人の早苗は違和感を感じていた。
        人格が明らかに変わっており死生観がまるで違う形容に。
        そして天使の囀りという言葉を残して自殺。
        早苗は原因を追究していく。

        なぜ人格が変わるのかや、洗脳などの言葉が変貌を遂げさせていくが、そこに科学的見地として答えを出していく。

        世界的に広がりを見せる可能性があるが、それを狭い範囲内で済ますという小規模なのがまた恐ろしさを生んでいる。

        終盤の山荘のどぎつい描写は貴志さんならではなホラー色。
        今のコロナの状況とは切っても切り離せない。
        >> 続きを読む

        2020/08/23 by オーウェン

    • 他11人がレビュー登録、 45人が本棚登録しています
      青の炎

      貴志祐介2002/10

      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 恨む人間を殺そうとするドラマなのだが、その実行者が高校生のため青春ドラマのように感じられるのが特徴。

        櫛森家は母と息子と娘の3人暮らしだが、そこに離婚問題で揉めた曾根が突然やって来て居座るように。
        秀一は妹にまで手を出そうとする曾根が許せず、遂には殺害計画を立て始める。

        この殺害計画というのが常軌を逸しているかのような細かさ。
        作者の貴志さん曰く、この計画はほぼ間違いなく失敗するとしているが、これだけ綿密にやられるとその可能性がありそうに見えてくる。

        終盤に追い詰められていく秀一の場面はやるせなさしかない。
        間違いがないと信じれるからこそ実行する。
        だからこそ青春ドラマのように思えるのかも。
        >> 続きを読む

        2019/02/26 by オーウェン

    • 他11人がレビュー登録、 59人が本棚登録しています
      塩の街

      有川浩2009/12

      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね! kaina ukarei
      • 【いやいや、これはこれで甘いじゃないですか~(笑)】
         有川浩さんの『植物図鑑』を読んでレビューを書いたところ、「有川さん初読みで、しかもこの作品でしたかー(笑)。有川作品の中でもかなり甘々な女子向けですよね。」とのコメントを頂き、併せて本作のご紹介を頂きました(ありがとうございました)。

         あれ?
         有川浩としては『植物図鑑』は異色作だったのだろうか?
         本書はどうやら『自衛隊三部作』の一つらしいので、有川さんって本来もっとハードな作品を書く人なのだろうかなどと想像しつつ、せっかくお勧め頂いたのだからということで本書を読んでみることにしました。
         既に有川さんは読んでいますので、有川さんに関しては『日本の現代作家をもう少し読んでみよう』シリーズからは卒業ということで。

         で、読み始めてみると、おぉ!
         これはまたすごい設定ですね。
         東京湾をはじめとして、世界中に塩の塊のような隕石(?)が降ってきて、それを境に、当初は原因もよく分からないのですが、人々が塩になってしまうというのです。
         う~ん、これはソドムとゴモラか?
         と唸っていたら、本作中でもしっかりそのエピソードに触れられていました(やっぱりあの辺りが発想のヒントになったんでしょうかね?)。

         人々が塩化した後の世界はディストピアであり、社会的インフラは壊滅的打撃を受け、日々サバイバル状態になってしまいます。
         かろうじて配給システムや水道等は機能しているようなので、食料等は何とかなるにしても、いつ自分が塩になってしまうか分からないという恐怖があります。

         そんな中で、両親が塩化してしまった女子高生の真奈は、一人で家にいたところ、暴漢が家に押しかけてきます。
         単身で逃げ出した真奈ですが、暴漢に押し倒されてしまいます。
         そこに助けに入ったのが自衛官の秋庭でした。
         この後、真奈と秋庭を中心にして物語が進んでいきます。

         この作品、ちょっと変わった構成になっていて、メイン・ストーリーは、この塩害の原因を突き止めた秋庭の悪友である入江の作戦に基づき、秋庭らがこの世界を救うというストーリーなのですが、この筋は割とあっさりエンディングを迎えます(もうちょっとラストの辺り書いてくれても良いかなぁと思う位)。
         そして、その後に、4つの外伝的な物語が添えられているんですよね。
         本作は有川さんのデビュー作だということですが、最初から変則的な構成を取ったものです。

         そして、メイン・ストーリーはそこそこハードなのですが、秋庭と真奈の関係に関して言えば、かなり甘いじゃないですか~(苦笑)。
         いや、その他にもカップルが何組か登場するのですが、それぞれに甘い!
         『植物図鑑』に匹敵するような甘さが本作にも充ち満ちているではないですか。
         必ずしも『植物図鑑』が異色というわけでもないのだなと思いましたよ。

         メイン・ストーリーはもう少し書いてくれても良かったかなと上で書きましたが、外伝含めて全部読んだら、「ま。あれはあれでも良いか。」という気持ちになりました。
         それから、有川さんって、しゃべり言葉の表現が面白いですよね。
         真奈の言葉が初々しく感じたり、チャーミングな言い回しがあったりで、そんなところにも魅力を感じました。

         うん。
         面白かったです。
         ご紹介ありがとうございました。



        読了時間メーター
        □□      楽勝(1日はかからない、概ね数時間でOK)
        >> 続きを読む

        2020/03/12 by ef177

    • 他11人がレビュー登録、 79人が本棚登録しています

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