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(株)講談社 (コウダンシヤ)

企業情報
企業名:講談社
こうだんしや
コウダンシヤ
コード:06
URL: (株)講談社 http://www.kodansha.co.jp
      永遠の0(ゼロ)

      百田尚樹2009/06

      カテゴリー:小説、物語
      4.4
      いいね! chao tomato tadahiko kuuta makoto yam megu kaoru fireman emi kawahara sunflower ENRIKE ryoji taiaka45
      • 読み終わった時の感想は心がじんわり。
        読んでいる最中は、本当に重たい。初めの方は全然手が進まない。
        でも物語が進むにつれて手が止まらなくなる。

        リアルに伝わってくる感情がすごいです。

        戦争を知らない人に読んで欲しい作品です。
        >> 続きを読む

        2021/09/14 by 藤堂修

    • 他65人がレビュー登録、 290人が本棚登録しています
      凍りのくじら

      辻村深月2008/10

      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね! Taku5
      • 辻村氏の作品でお勧めとされていたので読んでみた。面白かった。他のも読んでみようと思った。

        物語は前半比較的ゆっくり、後半次々と大きな出来事が起こり、謎解き、伏線回収しながら終末へと進んでいく。予想通りなこともあったり、驚きの展開もあったりと、かなりドキドキしたし、なるほどそうだったのかと安堵したりしながら一気に読み終えた。

        それから、この話のメイン部分と思われる、あの人はどう現れ、途中どう振舞っていたのか気になり、思い出しながら、確認しながら結局二度読みした。

        登場人物が感じる閉塞感のようなものを表すのがこのタイトルなのかなと感じたが、それに準じて暗めで、悲しい要素が多いストーリー。でも不幸だった主人公の女の子が独り立ちをして、やはり不幸な境遇にいた男の子も成長して、最後になんだか楽しそうにやり取りしている姿が救われた。

        ドラえもんとその作者の藤子・F・不二雄氏がかなり濃く絡んでいるので、馴染みの薄い人はあまり面白くなく感じるかもと思ったりした。私は子供の頃、ドラえもんを読んだり、観たり触れる機会が多かったのでかなり楽しめたけど。




        >> 続きを読む

        2020/01/03 by Sprinter

    • 他29人がレビュー登録、 99人が本棚登録しています
      100万回生きたねこ

      佐野洋子1977/09

      カテゴリー:芸術、美術
      4.4
      いいね! chibadebu chao ybook makoto sunflower kazuna-ri Sachupan romantic rerere40 wadachi Tsukiusagi
      • 子どもの頃に読んで凄く面白かったという記憶だけが残っています。

        ただ、内容があまり思い出せず。。笑
        またいつか読んでみたい本です!
        >> 続きを読む

        2021/02/18 by kanabad

    • 他27人がレビュー登録、 72人が本棚登録しています
      すべてがFになる The perfect insider

      森博嗣1998/11

      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! ice makoto aprilia MissTerry stone14
      • 2回目くらいの再読。
        散歩する時にPerfume「My Color」を口ずさんでいそうな陽気なお嬢様・西之園萌絵が、仙水忍みたいに複数の人格を持つ天才プログラマ・真賀田四季に会う目的で妃真加島を訪れる(妃真加島では、ネット上の人間関係についての簡単な調査なら瞬時に処理できるようなハイスペックPCを用いて優秀な研究者たちが仕事を行っている)。
        探偵役の犀川創平と共に再び妃真加島を訪れた西之園は、島内の研究所で両手両足を切断された真賀田の死体と出くわす。
        真賀田を殺害した犯人が、どうやってVTRでずっと出入り口が監視されていた研究所を脱出したかが最大の謎であり、本格ミステリ作家の腕の見せどころなのだが、ここで森博嗣は見事に成功している。
        本作を皮切りとする森博嗣のSMシリーズ全10作は、ほとんどの作品において意外な結末・ハイレベルのロジック・ハイレベルの密室トリックを兼ね備えた驚異的な水準の本格ミステリであり「森博嗣のSM物を読まずして、本格ミステリファンを名乗るなかれ」という感じである(仮定形に関する注釈になるが、もし森博嗣が中高生時代にエラリ・クイーン「Xの悲劇」と出会わなかったら日本本格ミステリ界の歴史は激変していたであろう)。
        森博嗣ファンなら既にお気づきであろうが、僕の書評で散見される「メンバ」とか「センタ」というカタカナの長音符号抜きの表記は、森博嗣が自著で採用している日本工業規格の表記に基づくものであり、特に深い意味はない。
        話は変わるが、2021/9/4-11/28まで東京国立博物館・表慶館で開催されている「フォーシーズンズ」という展覧会を訪れた際に、真っ先に真賀田四季の名前を連想した(展覧会の内容自体も素晴らしく、特に最初の展示作品は、この世のものとは思えない美しさであった)。
        さて、僕の書評を読んでくれている奇特な方にお知らせするが、今後少し仕事が忙しくなる予定のため、読書ログへの書評のアップを一時中断する。
        いずれまた復帰する予定なので、その時まで皆様ごきげんよう(たかまつななの口調で)。
        >> 続きを読む

        2021/09/27 by tygkun

      • コメント 2件
    • 他24人がレビュー登録、 119人が本棚登録しています
      風の歌を聴け

      村上春樹2004/08

      カテゴリー:小説、物語
      3.6
      いいね!
      • 読みやすかった。
        若い頃の何をやりたいのか何をやろうとしてるのかが曖昧にそれぞれが流れていく。

        音楽が常にそばにあって女の子とのやり取りもつかめそうで掴めない。そんな儚い青春の空気感を表現するのが巧いというか。デビュー作からやっぱり春樹カラーでした。


        >> 続きを読む

        2019/06/17 by miko

    • 他17人がレビュー登録、 73人が本棚登録しています
      十角館の殺人

      綾辻行人2007/09

      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね! sss21
      • 綾辻行人の"館シリーズ"の1作目の「十角館の殺人」は、要するに、叙述トリックものだ。

        一行で世界が変わるというからには、それしかないだろう。
        従って映像化は不可能。しかし、このトリック、確かに驚きはあるが、驚愕するほどでもない。
        「ほう、そうきたか」ぐらいのレベルだ。

        この物語の舞台は孤島で、十角館という建物があり、大学のミステリ研究会の面々が泊まりに行って連続殺人が起きる。

        アガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」のパターンだ。
        ただし、プラスアルファがあって、その孤島内の物語と本土の話が交互に出てくるのがミソ。

        本土側では、同じミステリ研究会の他のメンバーが、怪しげな復讐を匂わせる手紙を受け取り、孤島に行った連中を心配しつつ、独自に調査を始める。

        この同時並行のストーリーテリングが、読者の思い込みを誘発するようになっていて、ミスディレクションとしては、なかなか巧いと思う。

        だが、根本的な不満は、この「一行で世界が変わる」という、叙述トリックにあまりにも頼り過ぎで、ほぼそれだけであり、探偵役の推理もないし、解決のロジックもない。

        「実はこうでした」と驚かせておいて、あとは辻褄合わせをして終わるだけだ。
        だから、その一行でびっくり仰天し、ショックで10分ぐらい思考力が麻痺した、みたいな人は別だけれども、そうでなければ、結構、物足りない思いをすることになる。

        それから、登場人物たちの言動や雰囲気の描写が、どうも薄っぺらい。
        ミステリ研究会の連中が、お互いにポゥとかエラリイとかアガサとか呼び合うのも何か恥ずかしいし、犯人の行動にも色々と無理がある。

        要するに、リアリティとか言い出したら、完全にアウトだ。
        机上のゲーム的ミステリなのだ。

        それともう一つ、冷静に考えると、犯人のあの行動は、アリバイ作りにもなっていないし、不可能犯罪に見せかけるわけでもない。

        島と本土の両方のストーリーを知っている読者を驚かす以外、あまり意味がないのではないかと思いますね。

        >> 続きを読む

        2022/01/11 by dreamer

    • 他17人がレビュー登録、 100人が本棚登録しています
      チルドレン

      伊坂幸太郎2007/04

      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね! ooitee
      • 連作ふうでいて時間軸系。収拾がついてスッキリなやつ。陣内のカリスマ性はなかなか痛快。 >> 続きを読む

        2018/07/06 by motti

    • 他16人がレビュー登録、 99人が本棚登録しています
      殺戮にいたる病

      我孫子武丸1996/11

      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね! ryoji
      • 若い女性相手に猟奇殺人と屍姦を繰り返す蒲生稔、愛する息子の行動を不審に感じる蒲生雅子、稔の被害者の一人と交友関係のあった元刑事の樋口の三人を語りとし、物語は三人の視点を切り替えながら進行する。冒頭にプロローグではなく「エピローグ」が配され、稔の最後の犯行に三人が一同に会すシーンと、稔のその後が描かれる。第一章では最初の事件が発生する約3カ月前にまで巻き戻り、冒頭で描かれた稔の逮捕にいたる事件の経過を辿る。展開の都合上、当事者である稔だけは他の二人よりも一ヵ月ほど過去となっており、最終の十章に向けて次第に時間差が縮まり、最終的にエピローグのシーンで合流する流れとなっている。

        稔による凄惨な犯行シーンはあるものの(グロテスクな描写が苦手な方は注意)、途中登場する精神科教授の猟奇犯罪への解説などもおざなりに感じ、読み進むほどに退屈さが増して作品の内容に対して不安を覚えた。しかし最終的には、出版から長らく経つにも関わらず、本作がなぜ人気を保ち続けているか、その理由を知ることができた。過程を退屈に感じてしまったこととオチの性質から再読するのは厳しいだろう点も含め、昨年読んだ他の著名なミステリー作家のある代表作と同じ方向性の作品でもあった。
        >> 続きを読む

        2021/04/11 by ikawaArise

    • 他15人がレビュー登録、 47人が本棚登録しています
      流星ワゴン

      重松清2005/01

      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! verytiyome
      • 自分は今似たような状況だとも思います。
        家族もいて仕事もし、中年になり子供も思春期
        若いころに思い描いた理想の家族像とは大きく違います。
        主人公は現在の多くの父親、夫が思っている不満の最上級の渦中にいる人物です。
        ここまでではなくても、自分のように主人公に共感する父親は多いはずです。
        そして、そこに現れる不思議なワゴンにも期待してしまいます。
        最後にハッピーという感じではないけど、未来に希望が少し期待できるような最後でした。
        >> 続きを読む

        2020/01/23 by ryoji

    • 他15人がレビュー登録、 81人が本棚登録しています
      ノルウェイの森

      村上春樹2004/08

      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね! tadahiko
      • 学生の頃に読んで、そのあとも何度か読んで、中年になった(?)ワタナベやレイコさんと同世代になって再読。

        読んでいる間じゅう、しっとりと霧に包まれた静かな山道と針葉樹の濃い緑色が目に浮かぶ、そんな小説。
        阿美寮のイメージ。
        突撃隊も好きだし、昔はよくわからなかった永沢さんの台詞に共感するようになっていて、自分の内面の変化を感じた。

        もう少し年齢を重ねてから、また読んでみたいと思う。 


        ただ数年前に映画を見てしまい、読んでる途中で直子役の菊池凛子(歴史に残るミスキャストだと思う)が頭の中に何度も登場してきて興醒め。
        映画さえ見ていなければ!
        悔やまれる。
        >> 続きを読む

        2020/06/22 by sally

    • 他14人がレビュー登録、 105人が本棚登録しています
      新装 ぼくを探しに

      シェル・シルヴァスタイン (1979/03

      4.1
      いいね! chao sunflower atsushi kyon-kyon
      • メンバーさんのレヴュ(みんなの感じ方)を読んで、すごくその本に興味を持ち早速読みました!

        自分の欠片(弱点)とみれば協調性の欠落だな・・・
        とか思っているけども、、、その弱みを活かした強味もある努力で欠片を補う行動あり。

        実際読み終えたら、いろいろ湯水のごとく、色んな考え、感情が湧いてきて、こちらの単純な絵、イラストではありえない、白い紙が、感情のコラージュでいっぱいになっちゃうような絵本になりそうです。読んだ後の「ぼくを探して」のページが。。。チョーカラフルになっています!

        いったんいろいろ書いたけど、まとまりがなくなったので一度消しました。笑

        ただ、自分にピッタリ欠片で真ん丸になりスピーディに転がる人生もありだとはおもいました。もちろん、ミミズや蝶々としゃべれないけどもスピードある世界にはその世界を楽しみがあると。何かを手に入れる事は、同時に何かを失うものだとも。。。(ボクシングに夢中になり手にした感情もあるけど網膜剥離になったとか。左目で字が読めなくとも一生自分に刻みこんだ、矜持の欠片を手に入れる)

        で、

        いろいろ自分の人生、自分に置かれている環境から思うのは、

        「一つの正解はない!」

        これはこの本のひとつの根幹だと思うし、問題提起だと思うけども、

        「自分の回答は正解!」には、導く為の努力を惜しまない

        ともつよ~く日々思っています。


        で、

        大げさだけども、人生最後の瞬間、死の前のその瞬間(もちろん未経験)に、自分に「よしよく頑張った」と思える生き方をいつも考えています。その時に初めて自分の最後の欠片を自分に埋め込めれると私は考え思っています。

        なので、

        この本もそうだし、昔ばなし(ストーリー、展開)などのラストの「めでたしめでたし・・・」的な余韻、、、のあとの人生、時間(行動)がすごく自分には重要で大事だと考えています。


        >> 続きを読む

        2018/08/04 by ジュディス

      • コメント 6件
    • 他13人がレビュー登録、 21人が本棚登録しています
      ぼくのメジャースプーン

      辻村深月2009/03

      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね! riiriurie
      •  命の重さ、罪と罰、人間の悪意、答えは出ないけれどいろいろなことを考えさせられた。それにしてもサンタクロースがいるかどうかの話のときの、「ぼく」に対するふみちゃんの言葉はすごい。自分だったら「ぼく」に何が言えただろう、と思った。
         読後、心に引っかかっていることが二つ。「自分」をしっかり持っているふみちゃんが、何故ピアノの発表会で上手な子の次になるのをあんなに嫌がったのだろう。先生は、何故好きな人を庇って亡くなった学生のことを「ぼく」に話したのだろう。そのことが「ぼく」をぎりぎりの状態に追い込んでしまったのではないかと思った。
        >> 続きを読む

        2021/04/24 by よんよん

    • 他13人がレビュー登録、 60人が本棚登録しています
      スロウハイツの神様

      辻村深月2010/01

      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね!
      • 正直、上巻では退屈ささえ感じなかなか読み進まなかったが、下巻に入ってからの展開がすごくて、どんどん引き込まれあっと言う間に読み終えた。辻村さんの作品だから、後半何か起こるだろうと思ってはいたが、なるほど、こうなっているとは。さすがと言うほかない。

        終わりに近づくごとに、あれはこういうことだったのか、の連発で、ドキドキ、わくわくしながら読み終えた。そして、今、感想を書いているが、もっと色々感じ、考えたことはあると思うんだけど、簡単には言い表すことができない、余韻に浸っている感じ。ただ、また辻村さんの作品を読みたいと思った。
        >> 続きを読む

        2020/05/04 by Sprinter

    • 他13人がレビュー登録、 60人が本棚登録しています
      ハサミ男

      殊能将之2002/08

      カテゴリー:小説、物語
      4.5
      いいね! ooitee meritabo Tukiwami
      • 残忍な手口で二人の少女を殺害してニュースにもなった「ハサミ男」は、半年ぶりとなる三人目の殺害を計画して目星をつけた、次の被害者となるはずの女子高校生を付け狙っていた。そんな折、「ハサミ男」は偶然にも狙っていた少女が殺害されている現場に出くわし、警察に通報する羽目になる。驚くべきことに少女が殺害された手口は「ハサミ男」によるものと全く同じだった。殺害事件後、物語は所轄の目黒西署の刑事たちと本庁の犯罪心理分析官による捜査パートと、自身の手口を真似てターゲットを殺害した真犯人の独自調査を開始した「ハサミ男」のパートを交互に展開する。

        ツイッター等でたびたび評判を目にしたミステリー小説のひとつだった。オチとしては、同様にツイッター上で評価の高かったなかから読んだ、いくつかの他作家の作品と同じ系統であり、どのような傾向のミステリに人気が集まっているかを窺い知ることができた。同じように試した他作品との比較としては、登場人物たちがユニークに描かれていると感じた。自殺未遂を繰り返し別人格を備える主人公の「ハサミ男」、捜査にあたる刑事たちと彼らの関係性、清楚な外見ながらも裏の顔をもつ被害者の少女など。また主要人物だけでなく、大きく扱われない「ハサミ男」のバイト先のスタッフたちの個性も描かれており(岡島部長に好感)、退屈せずに読み通すことができた。捜査員たちによって徐々に犯人包囲網が狭まっていく様子を描いた終盤の展開もスリリングである。余韻を残す終わり方だが、「ハサミ男」のキャラクターを考えると、やや大人しかったようにも思う。
        >> 続きを読む

        2021/04/12 by ikawaArise

    • 他12人がレビュー登録、 62人が本棚登録しています
      13階段

      高野和明2004/07

      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 【巧妙に練られたミステリ】
        『日本の現代作家をもう少し読んでみようシリーズ』今回は高野和明さんの本作を選んでみました。
         これもネットではお勧めの作品として挙げられていましたので。

         ストーリーは、死刑確定囚の冤罪をはらすことを依頼された弁護士が、その調査を知人の刑務官の南郷に頼むところから始まります。
         刑務官という立場上、死刑囚の冤罪を晴らす調査をするというのは相当に抵抗があると思われるのですが、南郷は間もなく刑務官を退職することを決意しており、また、死刑制度や刑務所における処遇の在り方などについて疑問を抱いていたこともあってこの依頼を引き受けることにしました。

         南郷は、調査を進めるに当たり、その手伝いを三上という若い仮釈放者に頼みます。
        三上は傷害致死罪により2年の実刑に服していたのですが、満期3か月前に仮釈放になったのです。
         三上の家は、この事件の賠償で火の車であり金に困っていることが予想されたので、弁護士から申し出られた高額の報酬を折半しても三上に手伝わせたいと考えたのですね。
         南郷は、自分が刑務官をやめるに当たり、最後に見込みのある仮釈放者の更生を見届けたいという気持ちもあったのです。

         こうして南郷と三上による冤罪調査が始まるのですが、何とも奇妙な話ではあります。
         高額の報酬を出すことを約束して弁護士に調査を依頼してきた者は、自分の素性を隠すことを弁護士に要求しているのですが、何故そんなに冤罪であると確信できるのでしょうか?
         死刑囚は記憶喪失になっているということで、新たな情報と言っても最近思い出した「事件の時に階段を上った記憶がある」という位の事実しか無いのです。
         
         この作品は果たして本当に冤罪なのかどうか、冤罪だとすると真犯人は誰なのかというミステリになっているのですが、それだけが魅力の作品ではありません。
         この作品の中には、死刑制度をどう考えるべきか、犯罪被害にあった者やその遺族はどれだけ悲惨な思いをするのか、罪を犯した者の更生の困難さ等々がかなりの紙幅を取って描き込まれており、むしろそちらの方にウェイトがあるんじゃないかと思えるほどです。

         その様なテーマの作品を書くに当たり、作者は随分色々調べて書いているということがよく分かります。
         ただし、中には実際にはそういうことにはならないという部分もいくつかはあるのですけれど。
         重いテーマを伴ったミステリですが、なかなかに練り込まれている作品だと感じました。
         

        読了時間メーター
        □□□     普通(1~2日あれば読める)
        >> 続きを読む

        2020/05/06 by ef177

    • 他12人がレビュー登録、 49人が本棚登録しています
      風の中のマリア

      百田尚樹2011/07

      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! kaoru emi
      • 昆虫であるハチが主人公の昆虫の世界のお話。
        視点が新鮮でした。

        2020/02/08 by mirio3

    • 他12人がレビュー登録、 38人が本棚登録しています
      半落ち

      横山秀夫2005/09

      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね! ryoji ooitee
      • 著者のお子さんも小説の主人公と同じく子どもが白血病になっており、骨髄移植を経験したとの事で読んでみた。
        もう18年前の作品なのね。

        主観が各章毎に切り替わってそれぞれの立場で事件を追いつつ、各人の人間ドラマもしっかりしていて引き込まれる。
        確かに初読の時は自分も直木賞に選ばれなかった理由とされた、あの状況でドナーになれるかの点については引っかかった。自分も経験があるのでそんなことできるのかなって思って、やっぱできないよなーって。
        でもそれってこの小説の面白さ全体を壊すようなものでもないのに、、、と思う。
        ミステリー的な観点で見る人ってすごく辻褄を重視するんだろーなー。

        「重大な欠陥があるのに売れてるのは、、、」的な事を選者が言って、読者批判したらしい。
        それこそ世間の人が本を読む理由ってミステリーの仕掛けの精度じゃなくて“物語の力”である事の証明だと思う、売れたってことは。


        <以下余談>

        骨髄というのは血液を造る機能があります。
        なので、血液のガン(白血病等)で正常な血が造れない人は骨髄をそっくり入れ替えます。
        元のよくない骨髄を根絶させるため、“致死量を超える大量の抗がん剤投与および放射線照射が行われる”そうです(Wikipedia引用)。
        実際この処置の際に亡くなられる方もいます。

        それでもその後ドナーの骨髄を投与して生着する可能性はHLA型の一致する度合いにもよるようですが50%くらいと聞きます。

        生着するとドナーと全く同じ血液が流れることから、「親や兄弟よりも血のつながりが強い関係」となります。
        移植日を「第二の誕生日」と呼ぶ人もいます。

        この小説はそういった知識があるとより楽しめるかもしれません。
        >> 続きを読む

        2020/12/21 by W_W

    • 他11人がレビュー登録、 52人が本棚登録しています
      冷たい校舎の時は止まる

      辻村深月2007/08

      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね! Micchaaan
      • 雪の降る日に登校したのは、八人だけだった。
        校舎に閉じ込められ、外に出られなくなった高校生たちは、二カ月前の学園祭の最終日に、同級生が飛び降り自殺したことを記憶している。

        しかし、その顔と名前がなぜか思い出せない。あの瞬間の五時五十三分で止まった時計。
        出来事に深く関わっていたのに、姿を現わさない担任教師。

        人が消えるたびに鳴るチャイム。死んだのは、いったい誰だったのか?

        この辻村深月の「冷たい校舎の時は止まる」は、時空が歪み、異空間と化した校舎を舞台にしている。
        その上、考えなければならない謎も普通ではない。

        確かに、ミステリとして一風変わった内容ではあるのだが、綾辻行人の「辻」の字を筆名に入れた辻村深月(この作品のヒロインの名でもある)のこのデビュー作は、上質な青春小説でもあった、初期の新本格ミステリの感覚を受け継いでいると思う。

        生活環境や性格の違う、高校生それぞれが持つ強さと弱さ、クラス内の力関係などが、丹念に描かれていく。

        そして、偽った自分の心に逆襲される、一番意外なのは自分自身だった----というような、若者の心の揺れと、ミステリの手法としてのどんでん返しが緊密に結び付き、独特の世界を作り出していると思う。

        >> 続きを読む

        2020/10/22 by dreamer

    • 他11人がレビュー登録、 58人が本棚登録しています
      卒業 雪月花殺人ゲ-ム

      東野圭吾1989/04

      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね!
      • 加賀恭一郎の初登場作品。

        大学生の加賀は学友の7人のうちの1人、祥子が部屋で自殺か他殺か不明な状況で死んでいた。
        加賀は自身で推理していくが、第2の殺人まで起きる。

        刑事になる前なのだが、後の冷静で犯罪に対し躊躇しない姿勢はすでに表れている。
        また子供のころ母が蒸発したという過去もすでに明かされていて、後のシリーズでも加賀の重要な布石となっている。

        一方事件としては卒業を間近に控えており、青春ミステリーの様相を育んでいる。
        密室のトリックだったり、花札を用いる雪月花ゲームの仕掛け。
        これらを加賀が明かしていく謎解き場面のやるせなさは、結末にもある種の苦みを漂わせている。
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        2018/08/24 by オーウェン

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      海賊とよばれた男

      百田尚樹2012/06

      カテゴリー:小説、物語
      4.5
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      • 出光興産の創業者・出光佐三をモデルにしたノンフィクション。
        日章丸事件が起きるまでの、激動の時代を駆け抜けた気骨ある
        経営者の生き様の前編。
        日本人が忘れかけている勇気、誇り、闘志、そして義の心だ。

        虚弱な肉体、眼疾、神経症という三つの弱点を持った自分が世の中で
        戦っていくためには、教育を身につけることが必要と悟る自己分析。
        猛勉強して進学する。

        就職先は小麦卸の中小企業での丁稚。
        高学歴を鼻にかけず、大企業への進路を断ち切り、
        運命と思い、奮起して取引を増やす。
        そして、石油への先見性。
        独立して石油販売。

        立ちはだかるのは、日本人同士の団体だけではなく、
        海外企業やGHQまで。
        誹謗中傷、根回し、嫌がらせ、圧力。
        倒産の危機。
        様々な困難が待ち受ける。

        「中間搾取のない商いをしたい」
        生産者も消費者もともに潤う。
        そんな思いが、支援する人を増やす。

        主人公・国岡鐵造の思いは、愛国心。
        家族を愛し、社員を愛し、国民生活の安定を願う。

        長編物語ながら、スピード感ある展開に一気に読める。
        確たる信念を持って生きる素晴らしさを感じた。
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        2015/11/04 by てるゆき

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