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(株)集英社 (シユウエイシヤ)

企業情報
企業名:集英社
しゆうえいしや
シユウエイシヤ
コード:08
URL: http://www.shueisha.co.jp
      白ゆき姫殺人事件

      湊かなえ2014/01

      カテゴリー:小説、物語
      3.2
      いいね! oasamaru yana ryoji
      • 巻末の資料集が秀逸なアイデア

        ホント、おもしろい作家さんです。
        文学的であるとか知的な感じはまったくなく(失礼)僕の勝手なイメージでは、なんかやたらベラベラ"くっ喋ってる"女(失礼)が独白も心情表現も重きを占めるストーリーを書いてるんですけども、それが今までの作品(一応全部読んでるファンですよ♪)どれも気色悪い風味がして素晴らしい。

        今回、本作のおもしろさはダントツで巻末の資料集。
        本編とは別にネットや新聞、週刊誌の記事ふうにレイアウトされているところがミソ。

        読者を楽しませてくれる仕掛けがサービス満点だし、大したアイデアだと思います。
        >> 続きを読む

        2018/08/09 by motti

    • 他14人がレビュー登録、 64人が本棚登録しています
      終末のフール

      伊坂幸太郎2009/05

      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね!
      • 再読。
        伊坂幸太郎テイストのディストピア。

        3年後小惑星が地球に衝突、人類は滅亡。
        そんな状況にある人たちの暮らしが描かれる連作短編集。
        不仲を改善しようとする家族、妊娠が発覚した夫婦、敵討ちのため殺人を試みようとする兄弟、恋人が欲しくなった少女、トレーニングを重ねる少年、自殺しようとする社長などなど。

        絶望的な世界なんだけど、登場人物たちはどこかおっとりしてて、のんびりしてるようにも見える。だけど、実は精神的に追い込まれていて、急に目眩を起こしたり嘔吐したりもする。3年後に人類滅亡、の『3年後』っていうのが実に微妙ですよね。
        長いようにも短いようにも感じる。
        何かをやるにしても時間が余りそうな足りなさそうな。

        登場人物たちがもがきながらユーモアを交えながら、日常に光を見出そうとする姿が印象的。絶望感が溢れる世界のはずなんだけど、読後感はすごく爽やか。不思議。
        今回再読してみて、自分でも意外って言っちゃあれだけど、けっこうお気に入りの小説になりました。

        3年後に死ぬ、ってわかってたら生き方が変わるのか?っていうところ。
        難しい命題やなぁ……
        >> 続きを読む

        2018/07/30 by ねごと

      • コメント 2件
    • 他13人がレビュー登録、 105人が本棚登録しています
      桐島、部活やめるってよ

      朝井リョウ2012/04

      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 子供っぽい。アマチュアっぽい。大学生が書いてる。現代的な描写力がどうとかそういうことは別として本作があんまり響くとことありませんでした。

        後日、映画化されて鑑賞したところ傑作になっておりました。
        自分の感性に自信喪失(^_^;)
        >> 続きを読む

        2018/07/13 by motti

    • 他11人がレビュー登録、 43人が本棚登録しています
      白夜行

      東野圭吾2002/04

      カテゴリー:小説、物語
      4.4
      いいね! tadahiko harujack masa920 fireman ryoh3 s_KN_k chappaqu
      • 衝撃的な悲しい結末でした。

        19年前の因縁から、二人はハゼとテッポウエビのように共生し、お互いを大切に思っていたのに、生きていくために雪穂は、亮司もはめたのではないだろうか。

        「あたしの上には太陽なんかなかった。いつも夜。でも暗くはなかった。太陽に代わるものがあったから。太陽ほど明るくはないけど、あたしには十分だった。あたしはその光によって、夜を昼と思って生きてくることができたの。あたしには最初から太陽なんてなかった。だから失う恐怖もないの」

        雪穂にとって亮司は、太陽に代わる暗闇を照らしてくれる存在だったので、 亮司が死んだ後は、暗闇しかないのに…。「雪穂は一度も振り返らなかった。」から、雪穂の覚悟を感じました。
        >> 続きを読む

        2018/06/28 by うらら

    • 他11人がレビュー登録、 127人が本棚登録しています
      箱庭図書館

      乙一2013/11

      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね! kotata
      • なかなか好きな内容ですけども.....。

        6作それぞれが独立したお話しではあるけれどちょっとリンクしている。
        関連性は多少無理があるところもあると思うけど、今どきそれくらいやらないと1冊の本に仕上がらない感じがするよねw

        シメのホワイト・ステップは「せつなぃ系」全開。コレ読むだけでも意義があった本だゎ。

        そもそも思ったのは、他人のアイデアをもとに書きなおすというのはちょっとなぁ。
        そんなところもあって、乙一さんの本はずいぶん久しぶりですが感激はうすかったヵな。
        >> 続きを読む

        2018/07/28 by motti

    • 他8人がレビュー登録、 30人が本棚登録しています
      第三の時効

      横山秀夫2006/03

      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね!
      • 初の短編集でした。
        読み始めの「沈黙のアリバイ」の最後で一気に引き込まれました。
        分には短編集は向いていないのかな…と感じたところでの急展開でした。
        「囚人のジレンマ」での捜査一課の見事なまでの個性の表現は、長編小説に匹敵するほど登場人物の全体像をハッキリと読者に伝えています。
        それ以降事件の展開はもちろんですが、登場人物の魅力にどんどんハマっていくという表現が合うかな…と思います。
        「モノクロームの反転」の一班の朽木班長と「密室の抜け穴」の三班の村瀬班長がとても魅力的です。
        >> 続きを読む

        2018/09/17 by chiiiisim

    • 他8人がレビュー登録、 30人が本棚登録しています
      夏と花火と私の死体

      乙一2000/05

      カテゴリー:小説、物語
      3.6
      いいね!
      • 表題作(デビュー作!)では乙一さんの田舎者(失礼)具合にリアリティを感じます

        2018/07/06 by motti

    • 他8人がレビュー登録、 53人が本棚登録しています
      星の王子さま

      池沢夏樹 , サン・テグジュペリ2005/08

      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね! skr35_ Moffy
      • 良い本です。

        池澤夏樹さんの訳も読みやすくて良いです。
        ちょっとだけワードセンスが自分にはハマらない部分もありましたが、
        文体は好きでした。

        「大切なことは、目に見えない」

        本当にその通りです。
        そういうことを大事にしたいです。
        >> 続きを読む

        2018/12/02 by lafie

    • 他8人がレビュー登録、 22人が本棚登録しています
      イリュージョン 悩める救世主の不思議な体験

      佐宗鈴夫 , リチャード・バック2009/05

      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね! chao Minnie pyon321
      • Illusion――幻影
        む~~。レビューがとっても難しい一冊です。
        小説としてはストーリーが薄い、哲学じゃない、自己啓発本としては半端、奇想天外さではSFに遠く及ばない。
        どうしようね。この本……。

        世界的大ベストセラーの「かもめのジョナサン」の著者が書いた第2作目。
        しかし、「新版・かもめのジョナサン」を読んでしまうと、
        この「イリュージョン」はなんとも中途半端で中身はほぼ一緒という結論に達してしまう。
        両方とも、空飛ぶ若者の元に突然救世主なり仙人なりの超存在が現れて、主人公を開眼させて、救世主の跡継ぎにするっていうお話しです。
        まあ、人間の物語にしたというところだけが新しいというか。
        さらに露骨にキリスト教くさくなったというか。

        もっと自由に生きようという方向性はわかります。
        堅牢で動かしがたいように見える現実世界だって、幻にすぎない。
        見方、考え方一つで世界は変化する。
        一人一人が異なった世界を持っていてそれを見る事ができ、自分の世界で生きることができるのだ。
        それもごもっともです。

        でもヴォネガットは「変えられないこともある」って言っています。
        捕虜という自由から最も遠い立場にいて、目前で大量虐殺が起こり、自分も死んだかもしれなくて、
        見るだけで他にどうすることもできなかった無力を心に叩きつけられる。そんな体験をした彼は、
        『世の中でできないことは何もない。できないとすればそう思いこんでいる自分のせいだ』と、
        能天気に歌い上げることはできなかったのです。

        私も頑固なのかもしれませんが、物理的に水の上を歩けるはずで、歩けないのは水に溺れるという思い込みのせいだ。
        赤ん坊は水の上に立てないと思っていないから水面を歩けるのだ
        というのには文学表現の上のことであっても、賛成できません。
        じゃあなんで数センチの水たまりで溺死するんですか?

        交通事故で半身不随の車いすの男を「奇蹟」で健康にする。
        それも「彼が歩けると信じたから歩ける」という簡単な解決方法で。
        救世主は「その奇跡を起したかったから」そうするのが楽しいから起したのだと言います。
        貧乏暇無しを嘆く人もその人がそういう生き方を望んでいるからだし、死ぬのも納得の上?
        では戦火の下で生きる子供達にも同じことを言えますか?

        ラストもドンの半端な退場で拍子抜けでした。
        ドンはいい奴かもしれない。でもなんとも気まぐれな救世主。

        第一、一人一人バラバラな世界で主人公になって、それで本当に満足ですか?
        人びとと世界を共有しないのなら、芸術は必要ない。

        悪いことは言っていないかもしれません。
        この本で心が軽くなる人がいればそれはこの本の効き目でしょう。
        でも、私についていえば、もっと心に響くことを言ってくれなくてはね。という感じでした。

        類は友を呼ぶ。君は奇蹟を行える人間だ。だから僕と出会った。
        これからは君が救世主のハンドブックで修行してごらん。

        ほら、あなたも救世主になれる。
        あなたの望むやり方で。

        で、リチャードはこの本を書いた。のだそうです。
        >> 続きを読む

        2015/12/03 by 月うさぎ

      • コメント 4件
    • 他8人がレビュー登録、 16人が本棚登録しています
      白ゆき姫殺人事件

      湊かなえ2012/07

      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • 映画の方を先に見てしまったので、楽しめないかと思っていたが、犯人が分かった状態で見ると、それはそれで言動がいかに嘘なのかを見れる。

        他人がどう思っているかの解釈は自分では永遠に知れない。
        その矛盾を吐き出すのがネットやSNS。
        それによって殺人犯が出来上がってしまう現代。

        真実かウソかを雑誌の記者が取材し、対象者が独白していくという構成。
        この構成が映画と本の一番の違い。

        独白のみなので物足りなさはあるが、こういう形のミステリもあり。
        >> 続きを読む

        2018/02/12 by オーウェン

    • 他8人がレビュー登録、 21人が本棚登録しています
      るろうに剣心 明治剣客浪漫譚

      和月伸宏1994/08

      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.2
      いいね! yutaka nepia stone14 kuuta tadahiko makoto
      • 実写映画化で話題になっている、るろうに剣心。
        少年時代、ジャンプでリアルタイム連載を読んでいた身としては懐かしい作品の一つである。

        一時代を築いた作品の第一巻は

        ①悪者登場
        ②「なんだこの優男は?」
        ③悪党フルボッコ
        ④「えー!お前が幕末最強の剣士人斬り抜刀斎!?うひー」

        といった単調な展開が続くため、
        再読ということもあるが、グッと引き込まれるといったことはない。

        ただ薫はもちろんのこと、
        弥彦や左之助といった今後物語の中核を担うメンバーが続々登場。

        曖昧な記憶と懐かしさだけで、再読を続ける十分な理由になる。
        できれば、続巻で新鮮な発見があるといいな。
        >> 続きを読む

        2012/09/21 by すーくん

      • コメント 2件
    • 他8人がレビュー登録、 12人が本棚登録しています
      ONE PIECE 巻一 ROMANCE DAWN -冒険の夜明け-

      尾田栄一郎1997/11

      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.2
      いいね! ice
      • すごく楽しかったです

        2018/07/17 by jp-miura

    • 他8人がレビュー登録、 22人が本棚登録しています
      光

      三浦しをん2013/10

      カテゴリー:小説、物語
      3.6
      いいね!
      • 三浦しをん著の「光」は、波のような物語だ。寄せては返す波に似た暴力のありようが、この作品のテーマなのだと思う。

        島に住んでいた中学生の信之は、家族や生活を津波で根こそぎ奪われてしまう。
        彼は、ともに生き残った恋人・美花の危難を救おうと暴力を振るう。

        それから二十年後、平凡に生活する信之に、島のもう一人の生き残り、輔が近づいてくる。
        そして、信之の家族が暴力にさらされ、やがて彼の過去が暴かれようとする。

        この小説は、章ごとに視点となる人物が交代する。彼らはみな、自分を客観視できず、相手が自分をどう考えているか理解できない。

        だが、彼らは理解しあえないにもかかわらず、互いに影響を及ぼし合う。
        波が海岸線を削り、島の輪郭を変えるように、相手の生活に影響を与えていく。

        この物語は、信之たちの住む島を津波が襲い、生活の輪郭が激変させられたのが出発点になっている。
        それは、つらい出来事だったが、奇妙な歓喜をもたらすものでもあったのだ。

        住民の大部分が死んだ島で、美花とともに助かった信之は、二人が創世神話のごとき新世界最初のペアになったと想像し、興奮を覚えるのだった。

        暴力的な波に、それまでの生活を削りとられた結果、彼は新たな自分の輪郭、アイデンティティーを発見したと錯覚し、一度は喜んだのだ。

        だから、後に彼が南海子という名の女を妻に選び、故郷の花から娘を椿と名づけたのは、島を懐かしむという理由ばかりでなく、再びの津波襲来をどこか望んでいたためではないかと疑ってしまう。

        この小説では天災、性的暴力、親からの虐待という暴力が描かれている。
        だが、登場人物たちは、それらを忌避するだけではない。

        暴力が自分を輪郭づけてくれると逆に期待する部分がある。
        その感覚に迫真性があるし、このように誘う暴力と我々は無縁ではないと思う。
        >> 続きを読む

        2018/10/12 by dreamer

    • 他7人がレビュー登録、 20人が本棚登録しています
      追想五断章

      米澤穂信2012/03

      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!

      • 書物や小説そのものをめぐる物語は、ただそれだけで読書好きの人間の胸を騒がせるものだ。

        この米澤穂信の「追想五断章」は、小説内に埋め込まれた"リドルストーリー"と言われる、結末を伏せて読者の想像に委ねる物語と、小説内の現実が微妙に絡み合っていく、凝った構成のミステリなんですね。

        伯父の古書店でアルバイト中の菅生芳光は、客の北里可南子から、ある依頼を受ける。
        可南子の亡き父である北里参吾が、かつて叶黒白という名義で発表した5篇の小説を見つけて欲しいという内容だった。

        芳光は、可南子から得た情報を元に、同人誌などから参吾の作品を探し出すのだった。
        だが調査の過程で芳光は、参吾が22年前に海外で起きた妻の死への関与が疑われ、大スキャンダルに見舞われた事実を知るのだった-------。

        この作品は、芳光の調査と、発見された掌篇小説が交互に配置されているんですね。
        心に鬱屈を抱える芳光のパートと、海外を舞台にした夫婦と親子をテーマにした寓話めいたリドルストーリー。

        そして、二つのパートが進むにつれ、芳光の現在の状況と参吾の過去が徐々に明かされていく。
        バブル経済の破綻が原因で起きた父の急死によって大学を休学し、希望のない毎日を送る芳光。
        スキャンダルに見舞われながら、奔放な日々を満喫したに違いない参吾夫婦。

        この対照的な両者を、参吾の掌篇小説がつないでいく。
        さらに、可南子の元に残されていたリドルストーリーの結末が、過去に起きた死の謎を解き明かす重要な鍵となって浮上するのだ。

        文学の豊かな味わいと、巧緻を極めたミステリの香気。
        この作品には、この二つの要素が絶妙にブレンドされていると思う。

        >> 続きを読む

        2018/11/12 by dreamer

    • 他7人がレビュー登録、 34人が本棚登録しています
      歪笑小説

      東野圭吾2012/01

      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね!
      • 編集社と小説家のお話
        短編集

        2016/06/20 by ゆ♪うこ

    • 他6人がレビュー登録、 33人が本棚登録しています
      何もかも憂鬱な夜に

      中村文則2012/02

      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね! KEMURINO
      • うむむ……

        『何もかも憂鬱な夜に』
        タイトルどおり内容はまぁ暗いです。笑
        児童施設で育った刑務官の主人公、死刑判決を受けたが控訴をしない山井、施設で時間を共にした真下や恵子、施設長である「あの人」、主人公の上司にあたる「主任」、、

        登場人物はさほど多くないけれど、それぞれの(暗い)エピソードがとても印象に残るし、台詞もなんというか…人の心の闇まで抉り出す感じ。自分の心も炙り出される。

        暗い暗いってさっきから何度か言ってるけど、暗さがあるぶん差し込む光が余計に眩しく感じられてなんだか自分が救われたような気分になるのも確か。
        『何かになりたい。何かになれば、自分は生きていける。そうすれば、自分は自分として、そういう自信の中で、自分を保って生きていける。まだ、今の自分は、仮の姿だ。』
        自分を保たないと生きていけない、っていうところ。それはその通りだと思う。

        ラスト、山井からの手紙の最後の部分。
        主人公にとって希望なのか絶望なのか、、、
        思わず唸ってしまった。
        >> 続きを読む

        2018/01/12 by ねごと

      • コメント 2件
    • 他6人がレビュー登録、 28人が本棚登録しています
      おれは非情勤

      東野圭吾2003/05

      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • おれは25歳の非常勤講師。
        産休や急病、急死した教員の代理として短期間だけ生徒を受け持つ代理教師だ。
        生来の仕事嫌いで正門を出たら仕事は終わり、というのが主義だ。
        「もしおれが真の教育者なら、非常勤で満足しているはずがないだろうが。」
        といいながらも……なんだかんだ、かかわってるじゃね~の。(^^)
        去りゆく前に子どもに語る言葉から彼の本音が覗ける。
        人間ってどうやって生きていけばいいんだろう?お前たちよく生きろよ。そんなメッセージだ。

        部外者の目で見るから見えてくる子どもの顔やクラスの雰囲気。
        彼はそんな違いに繊細に気づいている。
        そして短い時間だからこそ先入観や贔屓目なしに生徒を直視できる。
        そして恐れがない。

        おれの子どもに対する態度は大人としての強さがあるし、人間としては平等だ。

        ここが巷によくいる先生方とは違う点なのだ。
        多くの教員は子どもの顔色をみておもねるか、子どもの気持ちを無視するか、子供扱いするかのどれかなのだ。

        非常勤は別ればかりの職業だ。
        「非常勤講師なんて契約社員と一緒。必要以上に親しくなったって仕方ない。」
        それは彼の心を守るためのポーズ。やせ我慢なのかもしれない。
        非常の文字が非情なのは、そう言い聞かせないとやっていられないから。
        ああ。だからこの小説をハードボイルドだって感じるわけね。なるほど。

        しかし、忘れ去られる人かどうかは、過ごした長さだけではない。
        非常勤ではない教師だって公立学校では数年で移動になる。
        卒業して数年もすれば、母校を訪ねても誰ひとり知っている先生は残っていないわけだ。
        小学生というもっとも心の柔らかい時期に、成長に重要な瞬間がどれだけたくさんあるだろうか。
        そのチャンスに何度も立ち会えるおれは幸せではないか。
        その巡り合いの一瞬に彼の残した言葉を受け止めて生きていく子供がどれだけいるだろう。

        そんなナイスガイな先生に出会えないと嘆く子供がいたら、まあ、こんな本でも読んでみなよ。
        そう言ってあげよう。

        謎解きよりも子どもの抱えている問題の解決方法に痺れます!

        東野圭吾も先生には悩まされた人らしい。
        きっと彼が求めている先生ってこんな人だったのかもしれないね。

        一文字、二階堂、三つ葉、四季、五輪、六角、
        小学校の名前が章ごとに数字になっている。手抜きなのかこだわりなのか。


        【目次】
        第一章 6×3  
           着任早々、体育館で女教師が殺害されるという大事件に遭遇。
           死体の脇に6×3と読める「ダイイングメッセージ」らしきものが残されていた。
           クラスにはいじめ問題が起きていることもわかり…
                
           殺人事件に関してのミステリー要素はゼロです。なぞなぞと思いましょう。

        第二章 1/64
           体育の授業中、教室内で起きた財布の盗難事件。クラスの中の生徒が犯人と思われる。
           「犯人を突き止めるのが一番いいでしょうね」
           それと関係があるのかどうか、5年3組には子供だけの秘密があるようだ。
            
        第三章 10×5+5+1
           新任の若い教員の死亡事故のためか、子どもたちが異様に大人しい。
           実は自殺と思わせた殺人事件なのでは?
           警察も調べを継続しているようでおれに接触してきた。
           死の直前に教室の黒板に書き残された数式が意味するものは?

           これ真相はあまりにも唐突で嘘くさいし数式の意味はとっても簡単。
           なんとなくミステリーになっているのは、道筋の付け方がミステリー手法に沿っているから。

        第四章 ウラコン
           学校の向かいのマンションのベランダから飛び降りようとしているのはおれの生徒だ!
           必死で救いに走るおれ。原因はウラコンにあるとにらんだおれだが、生徒達は口を閉ざす。
           このクラスだけ異様に仲良しなのにもなにか理由があるのか。
            
           この時代はハガキだけれど今はもっと簡単にインターネットが使えてしまう。
           「わざわざ嫌いな人間を探す必要もない」
           私たちも、このおれのメッセージ。心に残しておきたいですね。

        第五章 ムトタト
           運動会に修学旅行。おれが苦手な行事が目白押し。
           そこに「修学旅行を中止にせよ しなければ自殺する いたずらではない」という脅迫状が。
           みんながみんな行事を楽しみにしているわけではないですよね。
            
           黒板に書かれた 先生ムトタトアケルナ の文字が犯人探しの鍵となった。
           というこの部分はなぞなぞなので超簡単ですね。
           子どもの心を開放し明るい方に向かって背中を押してあげる。ちょっと感動。
               
        第六章 カミノミズ
           授業中に突然苦しみだした少年は毒物中毒だった。
           ペットボトルの水に砒素が混入していたのだ。
           小学生が毒物を?そのボトルには「神の水」という言葉がマジックで書かれていた。
           警察も事件として動き出し、子供を守るために真相解明に乗り出すおれが見たものは?

           事件は、子供ならではの意外性があります。
           「子供に飯だけくわして、その子供がどういうふうに育つかは知ったこっちゃない
           という顔をする親がいたら、無責任だと思うだろう?」
           解決しておしまい、でないところがいいですね。

        確かにおれに再登板して欲しいかも。もうちょっと大人な事件で、もうちょっと長い物語で。

        放火魔をさがせ
        幽霊からの電話
           小林少年が登場するこの2篇はさらに昔の短編で、語り手も小学生。
           なので、本当にごく軽い読み物で、謎は小学生レベルで解ける謎です。
           幽霊からの電話はハートウォーミングな仕上がりでなかなか。です。
           でも自宅の電話番号掛け違いってほぼありえませんよね。
        >> 続きを読む

        2015/10/13 by 月うさぎ

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      百舌の叫ぶ夜 (百舌シリーズ) (集英社文庫)

      逢坂 剛 (2014/02

      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!

      • ドラマ化で話題をとった逢坂剛の「百舌の夜」を、ドラマは敢えて観ずに原作の方を読了
        この作品はプロローグが三シーンある。

        殺し屋"百舌"が、ある男をつけ狙っているうちに、爆発事故に巻き込まれるシーン。
        新谷和彦という男が、仲間にどこか遠方の崖縁に連れ出され、殺されるシーン。
        正体不明の男が、異国で一東洋人が処刑されるありさまをTV画像で見入っているシーン。

        続いて本筋に入ると、崖から落ちて命はとりとめたものの、記憶を失った新谷が再び登場し、さらに爆発事故に居合わせた妻を失った、警視庁公安部の倉木尚武警部が登場する。

        新谷は、自分の過去を辿りつつ、かつての仲間たちに復讐していき、倉木は爆発事故を仕組んだのが新谷らしいことを聞き込み、彼を追い始めるのだった------。

        つまり、自分の過去を突き止めようとする新谷と、その彼を追う倉木の"二重の追跡劇"が本筋であり、そこに百舌や公安の女刑事などを絡ませ、やがて、そもそもの事の起こりとなった爆発事故=爆弾誤爆事件の真相へと物語を収斂させていく。

        かなり入り組んだプロットなんですね。
        読んでる側からすれば、先読みしたくても見当がつかないうえ、ややこしいプロットに、最初は悪態をつきたくなりましたが、じっくり読み込んでいくうちに、実はこのカットバックの手法を応用した実験的なプロットこそ、この作品の最大の仕掛けなんだと気づいたのです。

        この作品を執筆するにあたり、著者は完成までに三年半も費やしたそうですが、それはプロットの仕掛けに凝ったからだけではないと思う。

        この作品のモチーフに、著者・逢坂剛という作家のテーマでもある、"スペイン内戦"の誘因となった"ファシズムへの警鐘"が込められている点にも、三年半の理由があるだろうし、逢坂剛の小説のもうひとつの作風である"心理分析もの"の趣向を、いかに百舌のキャラクターに活かすか苦心した結果が、三年半とも推察できる。

        >> 続きを読む

        2018/04/18 by dreamer

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      幻夜

      東野圭吾2007/02

      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね! ryoh3 chappaqu
      • 白夜行が面白かったので、続編の幻夜もと読みました。

        最後まで、新海美冬の正体が明らかにならなかったらたのは、どうかなと思いました。正体が分からないからか、白夜行の雪穂とは似ても似つかないタイプに映りました。美冬はただ単に計算高くて、嘘つきで、下品な感じがします。

        白夜行の雪穂と亮司は、強い絆で結ばれていて、お互い共有している痛みや悲しみがあったけれど…幻夜の美冬は冷酷で、だれも信用していない感じがしました。夜を生きていこうとする美冬と雅也の関係も幻ってことなのかな。
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        2018/07/30 by うらら

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      分身

      東野圭吾1996/08

      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!
      • 本屋で始めにこの本を手に取ったときは、どのような話だろうかと内心ワクワクしていました。「分身」という言葉さえ知らなかった私ですが、漢字の組み合わせとカバーの写真で何となく予想はつきました。実際に読んでみて、意外にも面白かったです。
        >> 続きを読む

        2017/04/28 by SM-CaRDes

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