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(株)新潮社 (シンチヨウシヤ)

企業情報
企業名:新潮社
しんちようしや
シンチヨウシヤ
コード:10
URL: http://www.shinchosha.co.jp
      西の魔女が死んだ

      梨木香歩2001/06

      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね! daya linarosa Moffy peace_1987
      • ちょっと不思議ですごく愛情にあふれた素敵な話。
        読み終わって心地の良い余韻が残った本だった。
        文章のテンポも良くすごく読みやすい。

        中学生の少女まいは、学校での人間関係に嫌気がさし、登校拒否になってしまう。
        気分転換の為、彼女は田舎の祖母の家で過ごすことになる。
        彼女の祖母は、イギリス人で日本で結婚し日本の田舎に住んでいる。
        祖父は既に亡くなり、祖母は一人で暮らしている。
        祖母はちょっと不思議な感じのする人だが、彼女と共に生活する事でまいの心は健やかさを取り戻していく。
        そして彼女の家系の秘密も知ることになる。

        まいのおばあちゃんの人物造形がとても秀逸で、ちょっとミステリアスでユーモアを漂わせたイギリス人女性が目に浮かぶようです。
        このキャラクター無しに本書は成立しないと思う。
        著者の才能にただ脱帽するばかりである。

        だけどおばあちゃんのモデルってベニシア・スタンリー・スミスさんだったりするんですかね?

        >> 続きを読む

        2017/12/27 by kuniyan

    • 他38人がレビュー登録、 147人が本棚登録しています
      博士の愛した数式

      小川洋子2005/10

      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね! tadahiko masa920 mahalo caramel sunflower syuna Dies_irae Moffy
      • なんとなく手にした本だった。
        記憶が80分しかもたない博士と家政婦の私。そして、最後まで名前がわからないがルートと名付けられた息子。登場人物はほとんどこの3人なんだが、次々にページをめくってしまう。時にむずかしい数式が出てくるのだが、やさしく解説してあって、へえーと感心してしまう。
        ああ、心に染み入るようないい物語だなあ。博士と私とルートの3人がそこにいる情景が目に浮かぶようだ。一字一句が心に残る。私の好きな文体だ。最後の情景は、感動が自然と沸き起こる。2017年の最後に良い本に出会った。もう一度読んでみたい。
        >> 続きを読む

        2017/12/29 by KameiKoji

    • 他30人がレビュー登録、 140人が本棚登録しています
      夜のピクニック

      恩田陸2006/08

      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね! niwashi siois Sachupan kumpe
      • 時間を忘れてつい徹夜して読んでしまう本に会えるのは稀である。
        この恩田陸の「夜のピクニック」は、正にその稀な一冊である。
        毎年一回、夜を徹して80kmの距離をひたすら歩く行事「歩行祭」がある高校が舞台。
        卒業を控えた三年生の二人の男女が主人公。
        西脇融と甲田貴子である。
        高校生活最後の歩行祭に参加したこの二人を軸に物語が展開してゆく。
        ただ主人公たちが友達と一緒に夜通し歩くだけのイベントの話なのに本当に物語に引き込まれてしまい、夜通し本を読んでいる自分と夜通し歩いてる彼らの時間が一致してきたこともあり物語への没入感が半端ではなかった。
        作者の人物造形の見事さとストーリーテリングの巧みさが素晴らしい。
        主人公の二人だけでなく彼らを囲む友人達も素晴らしく非常に魅力的である。
        様々な葛藤を抱えている彼らがそれらに向き合い、そして乗り越える事で人として成長して歩行祭を終えるという正に青春小説の王道ともいえる物語の構成も甘酸っぱくそして清々しく非常に好感が持てた。
        >> 続きを読む

        2017/12/28 by kuniyan

    • 他30人がレビュー登録、 118人が本棚登録しています
      星の王子さま

      サン・テグジュペリ , 河野万里子2006/02

      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね! tadahiko makoto chao kuuta Minnie sunflower Romance caramel sox tamo Magic_Hour FiRST kissy1986 c1111 mee SAI Fragment keyaki- mariak1994 Kiiro_7
      • 6つの星をまわって人間が持っている特性の暗喩を示しつつ、大切なモノを見つける事自体がそれを失う事に繋がる、というような不思議な大人の童話。
        大人のフィルターの虚しさをを指摘しつつ、世界の見方の再解釈を促している、のか?
        >> 続きを読む

        2017/05/31 by aka1965

      • コメント 1件
    • 他27人がレビュー登録、 101人が本棚登録しています
      こころ

      夏目漱石2004/02

      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね! tomato kuuta tadahiko
      • 学生時代、上「先生と私」までは読んだことがあったが、
        中「両親と私」、下「先生と遺書」まで読んだのはこれが初めてだった

        下「先生と遺書」で語り手が「先生」へと移る形で遺書が読まれ、
        なぜ今の「先生」の状況が作り上げられたのかが判明する

        その内容は簡単に言うと、優柔不断な「先生」と親友「K」が御嬢さんを奪い合い、
        最終的に「K」と「先生」共に自殺するというものだ
        (本当にざっくりとした説明だが。。)
        自身も優柔不断な所があり、内容に共感することが多々あった

        物語は「先生」が遺書を読み終えた所で完結してしまう
        遺書を受け取った「私」はその後どうしたのか?
        「先生」に先立たれた御嬢さん(妻)はその後どうしたのか?
        非常に気になるところではあるが、もしそこまで語られていたら
        それは蛇足と言われるのだろう
        >> 続きを読む

        2017/05/26 by highsee

      • コメント 1件
    • 他24人がレビュー登録、 83人が本棚登録しています
      向日葵の咲かない夏

      道尾秀介2008/06

      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 『向日葵の咲かない夏』(道尾秀介) <新潮文庫> 読了です。

        まず、冒頭の
        ----------
        油蝉の声を耳にして、すぐに蝉の姿を思い浮かべる人は、あまりいないだろう。
        ----------
        という一文が素晴らしい。
        この一文で一気に引き込まれました。

        読み進めていけば、その不思議な世界と粘りつくような空気感に魅了されます。

        ただ、とにかく陰鬱。
        もう、途中で諦めて読むのを止めようかと思ったくらいでした。
        それでも、その世界に取り込まれ、とにかく抜け出したくてようやく読み終えた、という感じです。
        (褒めてます)

        途中から、こんなトリッキーな形にする必要があるのかな、と疑問に思い始めました。
        彼の筆力、表現力なら、ストーリーではなく、文章力で十分読ませることができるでしょう。

        しかし、解説によると、基本的にミステリ作家なんですね。
        私の感覚からすると、ちょっともったいないかな、という印象です。

        ミステリベースの作風と知っていたら読まなかったかもしれませんが、『カラスの親指』は買ってしまったので、とりあえずそこまでは読みます。
        >> 続きを読む

        2017/12/08 by IKUNO

    • 他23人がレビュー登録、 90人が本棚登録しています
      レインツリーの国

      有川浩2009/05

      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね! tanreinama chika-0305 KEMURINO future
      • 先日読み終わった「図書館戦争」にも登場した本。そのため内容については読む前から把握していた面もありました。

        私は臆病なので、この本の内容に触れるのが難しい。なので、印象に残った一節を書き残しておくことにします。

        『痛みにも悩みにも貴賤はない。周りにどれだけ陳腐に見えようと、苦しむ本人にはそれが世界で一番重大な悩みだ。救急車で病院に担ぎ込まれるような重病人が近くにいても、自分が指を切ったことが一番痛くて辛い、それが人間だ。』


        有川さんの本は、とりあえず今回で終わり。
        >> 続きを読む

        2017/10/22 by esu

    • 他22人がレビュー登録、 137人が本棚登録しています
      老人と海

      アーネスト・ヘミングウェイ , 福田恒存2003/04

      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね! Tsukiusagi Minnie su-kun sunflower cocodemer niwashi ryoh3
      • 有名すぎる一冊で、読んだ記憶もあるのに、人様のレビューに「そんなシーンあった??」と動揺しておもわず再読してしまいました。

        本書はいろんな版で出版されているはずなのに、表紙絵は決まったかのように「おだやかな海」。物語の大半はそんな海とは似ても似つかぬ……と書き進めたところで、作中にあった女性名詞「ラ・マール」としての海に思いが及ぶ。男性的じゃないんだ、海は。

        老人の夢に何度も登場するライオンもまた、獰猛というより温厚な、まるで猫のようなようすで……ラストシーンあたりで老人の視界に入ってくる猫はまるで夢の中から抜け出してきたのか? なんて想像は、再読してみて気付いた疑問です。

        よめばよむほど味わいのある極上のこんぶみたいな本、それを名作と人は呼ぶのですね。
        >> 続きを読む

        2016/01/24 by junyo

      • コメント 1件
    • 他22人がレビュー登録、 82人が本棚登録しています
      深夜特急

      沢木耕太郎1994/02

      カテゴリー:地理、地誌、紀行
      3.8
      いいね! makoto chao sunflower tadahiko tomato halujack ice momomeiai
      • 旅好きは読んどけ!と言われるほど有名になった本。
        それはぜひ読まなければ!と読んでみた。

        旅は旅でも、キラキラしたツアーではなく(そりゃそうだ)、大学生の思いつきバックパッカーでもなく、どこかサバイバルを思わせる放浪生活のような旅。

        なんだろう。自分の知らない世界を知りたかったり、疑似体験をしたい人にはいいのかもしれない。そういう男子(女子も)はいるだろう。

        けど、個人的に旅のノンフィクションには旅を通じての人の成長だとか、問題提起とか、そういうのを求めてるので終始ノリが合わず。

        まぁまだ一巻しか読んでいないので分からないが、これ以降はいいかな。

        ケツの青いガキには早すぎました。
        >> 続きを読む

        2017/08/25 by 豚の確認

    • 他20人がレビュー登録、 64人が本棚登録しています
      何者

      朝井リョウ2012/11

      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • キツイ読後感でした。就活の世代の話ですが、内定が取れないという事は、何だか「駄目」という烙印を押された気がして、自己肯定感がどんどん失われいていくのは、痛いくらいわかります。
        観察者、傍観者として、他人事のように誰かの悪い所を、自分の物差しでジャッジして、自分の正当性を確かめたいだけで、結局不安なのでしょう。そんな事にかまけて、自分から逃げているだけなのではないでしょうか。それを突き付けられた気がします。就職したらしたで、やりたい事だけやれる訳ではない。こんなはずではなかった、と転職ジプシーになってしまう人も少なからずいるように思います。
        後半の主人公と里香の言い合いは、読んでいてかなりキツかった。里香の言い分は正しいのかもしれないけれど、目くそ鼻くそという感じ。
        人の事上からあれこれ言ったり、人のSNSをチェックしたり、架空の世界で毒を吐いたり。現実逃避しているだけで、現実には誰の助けもしていないし、現実社会で誰かの役に立ったり、自分の成長の為の努力をしていないから、何も変わらない。いつか、何者かになれる夢ばかり見て、時が止まっている。程度の差はあっても、多かれ少なかれ、そういう部分は私にも他の人にもあるのではないかと。格好悪い自分を、まず認める勇気をもった主人公に、苦しいけど、頑張ろう、私も頑張ろう、と思いました。現実を見て、ある部分は妥協もし、行動する事でちょとずつ現実を変えて行こう。頭の中で考えていても、行動しなければ妄想の中でちっぽけな自分を守っているだけなのだなと。行動して、必死に物事を対処する中で、恥もかくかもしれないけど、そうする事でしか心の筋肉をつける事はできないのだなと痛感しました。
        >> 続きを読む

        2017/07/16 by チルカル

    • 他20人がレビュー登録、 47人が本棚登録しています
      旅のラゴス

      筒井康隆1994/03

      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね! Kazama
      • 高度な文明社会を失い代わりにテレポーテーションやテレパシーの様な超能力を発達させた人類の住む世界を一人旅する男ラゴスの物語。
        SF的な設定ではあるがこの物語は寓話である。
        読む人によりこの話の意味する内容は変わってくるだろう。
        人生、文明、旅、アニマ、男女、権力、生と死、老い、夢・・・
        様々な観念のメタファーに満ちた不思議な物語である。
        多分、何年か後にふと思い出しまた読みたくなる本だと思う。
        >> 続きを読む

        2017/12/28 by kuniyan

    • 他19人がレビュー登録、 83人が本棚登録しています
      変身

      フランツ カフカ (1952/06

      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね! chao Minnie Outsider
      • 2周目だったが、やはり、作者が伝えたいことは今回もわからなく、自分で解釈をしようとしたけど、難しくてできませんでした。
        それでも、作者が伝えたかった不条理の厳しさを知ることができて、とてもすごい良書を読んだ気分になりました。
        >> 続きを読む

        2018/01/15 by hiyoko5130

    • 他19人がレビュー登録、 65人が本棚登録しています
      羅生門・鼻

      芥川龍之介2005/09

      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね! sayaka chiaki emi mariak1994
      • 50頁近くある注釈により一見難しそうに見えますが、8編のほとんどが読みやすく感じました。

        *羅生門
        8編中、一番心に残った作品。
        不気味で恐ろしいと感じる情景描写ですが、何度も読み返していました。
        この情景と、下人の心の変化がとても合っています。
        ラスト一文がまた秀逸。
        注釈を読んで、初出稿と第一短編集稿は結びが全く違っていて驚きました。

        *鼻
        禅智内供の鼻は上唇の上から顎の下まで下がっている。
        こちらも有名な話ですね。
        「羅生門」同様、内供や周りの人たちの心の動きを客観的に追うのはおもしろくもあるけれど、自分を振り返るとドキっとさせられます。
        そんな身近な感情がたくさん詰め込まれています。

        *芋粥
        風采の甚だ揚がらない、多くの侍たちに愚弄されている男は、「芋粥に飽きたい」という欲望のみを大切に持ち続けてきました。
        そんな彼が、遠路はるばる命の危険に怯えながら辿り着いた先で、たっぷりと芋粥が振舞われ・・・
        「達せられないからこそ価値がある」人間の心理なんてそんなものですよね。
        その繰り返しで、人は豊かな生活を求め続けているのではないでしょうか。

        *運
        「物質的な幸福と精神的な幸福とは、どちらが真の幸福であるか」
        精神的な幸せ!ときれいごとは言いません(^^ゞ物質的な豊かさもないと心は満たされませんよね。
        少しゆとりのある生活ができる程の財力がベストだと思っています。
        どちらがなくても不平不満ばかりとなりそうです。

        *袈裟と盛遠
        盛遠の独白、袈裟の独白の二部構成。
        盛遠は袈裟を凌辱し、夫を殺そうではないかと囁く。
        愛憎、情欲、贖罪、蔑み、浅ましさ・・・・人間の醜い感情が嫌というほど溢れてきます。
        独白前の冒頭の文章がそれぞれを表しているようで、とても好み。

        *邪宗門(未完)
        若殿vs摩利信乃法師。
        ここからが読みたいのに・・・というところで終わってとても残念。

        *好色
        平貞文(平中)がいくら文を送っても、侍従は相手にしない。
        思いつめた平中が取った行動は・・・

        芥川さん、こんな話も書かれているのですね。
        邪宗門の風呂敷を広げすぎた未完の作といい、なんだか笑えます。
        侍従の容姿が序盤と変化しているのがおもしろい。
        恋は盲目、少々のことは美化してしまうものなのですね。

        *俊寛
        平安末期の僧。鬼界ヶ島に配流。
        倉田百三、菊池寛ver.と比較してみたい。
        >> 続きを読む

        2017/05/15 by あすか

    • 他17人がレビュー登録、 40人が本棚登録しています
      金閣寺

      三島由紀夫2003/04

      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね! chao tomato tadahiko
      • 本当に読んで良かった。

        2016/09/23 by マサキ

    • 他17人がレビュー登録、 61人が本棚登録しています
      江戸川乱歩傑作選

      江戸川 乱歩 (1960/11

      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね! syuna sunflower
      •   中学生の娘が「昔の小説の名作を読みたい」と言い出したので、
        そんなこと言ったってラノベしか読んだことない子に
        いきなり漱石とか渡してもなぁ~とか考え、
        推理小説系ならいいかと思い
        9本の短編が収められている こちらを購入。
        渡す前に自分も読んでみました。
         
         江戸川乱歩 初体験だったのですが、
        なんだか若干イメージが違いました。
        というか、推理ものの枠におさまらない方だったんですね。
        ちょっとオカルトチックなところもあって
        子どもに読ますには微妙かなと思うところもありましたが、
        まぁ渡してみようと思います。
         
         とっても有名な明智小五郎も何度か登場するので、
        そこには何らかの反応を示すでしょう。
        どんな感想が返ってくるか楽しみです。

         それにしても、なんだろうこの本のイメージ。
        何故スイカ? 実際のカバーは全く別物です。
        >> 続きを読む

        2017/12/25 by kengo

    • 他17人がレビュー登録、 43人が本棚登録しています
      重力ピエロ

      伊坂幸太郎2006/05

      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • アヒルと鴨のコインロッカーが面白かったので、同じ作家のこの作品を読んだ。
        リズムのある文章なので、次の展開を期待してしまう。最初にあった布石が、最後に生きてくる仕掛けだ。取り扱うテーマがちょっと重いがそんな雰囲気を感じさせない。この兄弟のかわす軽妙な会話が知識人同士の会話のようで、とてもじゃないが自分の兄弟とあんな会話はできんなと思う
        物語は十分面白かったし、結末もうんうんという感じ。
        >> 続きを読む

        2017/12/13 by KameiKoji

    • 他17人がレビュー登録、 159人が本棚登録しています
      満願

      米澤 穂信 (2014/03

      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね! kurobasu
      • 「このミステリーがすごい」など話題となった「満願」が文庫になり購入しました。
        ミステリー短編となっており、まったく違うストーリーが6編となっています。
        きれいな姉妹が登場する「柘榴」、商社マンが仕事のため殺人まで犯す「万灯」、お世話になった人を弁護する「満願」、事故が続くカーブその都市伝説を主事する「関守」、殉職した新人警察の謎「夜警」
        自殺のために宿泊客がくる「死人宿」
        「柘榴」「万灯」、「関守」がなかなか面白かった。
        どのストーリーも「あれこれで終わり?」なんて思ってしまいます。そんなところが個人的にはあまり短編が好きではないところですが
        もしかしたらこのシャレた終わり方が好きな方も多いでしゅうか?
        でも2日ぐらいで退屈なく読めました。
        >> 続きを読む

        2017/08/27 by わくさん

      • コメント 1件
    • 他17人がレビュー登録、 55人が本棚登録しています
      オーデュボンの祈り

      伊坂幸太郎2003/10

      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね!
      • 読書にはまったきっかけの本です。冬になると読み返したくなる、1番大好きな本です。

        2017/06/20 by kantoheiya

    • 他16人がレビュー登録、 137人が本棚登録しています
      人間失格

      太宰治2005/12

      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね! tomato chao chaos mariak1994
      • 言わずと知れた名作『人間失格』。新潮文庫の累計発行部数が漱石『こころ』に次ぐ2位で、それだけ人々から愛されている作品であることが分かります。

        主人公大庭葉蔵は、太宰本人がモデルとみて間違いないでしょう。東北の金持ちの家に生まれ、頭も良くて女性に次々と愛される美男子、他人からは恵まれているように見える人物。しかし心の中にひた隠しにしている人間恐怖から、酒・タバコ・女・薬におぼれて破滅の道を歩むことになります。

        人間恐怖、その原因は「人の気持ちが分からない」というものでした。人を怒らせる(本性を思い知らされる)のが怖くて本音を隠し、道化を演じ続ける葉蔵は人をだましているという意識に苦しみます。自分を演じる、これ自体は他人もやっていることです。たとえば葉蔵の父が属していた政党の有名人が演説をしたとき、帰り道で演説の悪口を言っていた人たちが、父には「演説会は大成功だった」と嬉しそうな顔をする。しかし彼らは、だましだまされても傷つく様子ひとつなく、清く明るく朗らかに、自信をもって生きている。多くの人が自然にやってのけるこのことが、葉蔵にはどうしても理解できなかったのです。

        また道化が好かれることも重荷になりました。本音を言えない、自分を偽った状態が受け入れられるのだから無理もないことです。人間恐怖から道化を演じる、好かれる、期待を裏切るまいとますます道化がやめられなくなる、という負のスパイラルに陥ったのも葉蔵にとっては不幸なことでした。

        葉蔵が一番精神的ダメージを受けたのは、やはり内縁の妻ヨシ子が商人に犯され、汚されてしまったことでしょう。ヨシ子は人を疑うことを知らない、無垢の信頼心の持ち主でした。それが原因で、犯されるという罰を受けたヨシ子の姿を見て葉蔵は、「信頼は罪なのか」と最後の救いを奪われたような気持ちになるのです。

        断れない、無抵抗な性格でありながら、どうしても欺きあいながら胸を張って生きていくことが受け入れられなかった葉蔵は、あまりに繊細でもろく、そしていい人だったのでしょう。そう思うと、すべてに共感はできないけれど寄り添いたくなる気持ちが分かるような気がしました。
        >> 続きを読む

        2017/10/08 by カレル橋

    • 他15人がレビュー登録、 65人が本棚登録しています
      火車

      宮部みゆき1997/12

      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね! naho-11

      • "巡り来る火の車-----普通の女性が迷い込んだ夢と悪事の狭間を鮮烈に描いた 「火車」"

        この宮部みゆきの社会派推理小説「火車」は、第6回山本周五郎賞を受賞した作品で、クレジットカード社会の実態、とりわけ自己破産のそれにまつわるエピソードの数々を、物語の中に溶かし込み、表面上は社会派推理小説の形をとりながらも、事件に関わる様々な人物像を掘り下げていき、"厳しい人間ドラマ"となっており、彼女の著作のひとつの頂点を極めた代表作だと思います。

        ------以下、ネタばれ注意------

        人生をやり直したい。違う私になりたい------。どれだけ願っても、いったん歩き始めた人生をご破算にするのは難しいものです。だが、ここに一つの方法がある。

        違う人間の戸籍を手に入れ、別の人間になりきってしまうこと。もちろん非合法に。だが、それを行なうには、手に入れるべき戸籍の当事者をどうするのか? それでも、消したい過去への悔いが、ひっそりと事件を生み出していく------。

        「電車が綾瀬の駅を離れたところで、雨が降り始めた。なかば凍った雨だった」という印象的な書き出しで始まるこの長編小説は、「関根彰子」の失踪から幕を開け、我々読者はクレジット社会に隠された"闇の世界"へと迷い込んでいくのです。

        この物語は、徹底した追跡小説仕立てになっていて、怪我で休職中の刑事・本間俊介は、親戚の銀行マンから失踪した婚約者の関根彰子の行方に関する調査を依頼される。

        彰子はクレジットカードで自己破産した経歴があるのでバレて間もなく、彼の前から忽然と姿を消したという。本間は早速、彼女の職場や自己破産手続きに携わった弁護士などに当たってみるが、やがてとんでもない事実が判明することになる。

        自己破産した彰子と失踪した彰子は、全くの別人だったのだ。そこに事件の匂いを嗅いだ本間は、真相究明に乗り出すことを決意するのだった------。

        "巡り来る火の車------。火車とは、生前に悪事をした亡者を乗せて地獄に運ぶという、火が燃えている車のことです。だが、悪事とは、どこまでが悪事なのだろうか?

        まず、クレジットカードをつくる。勧められるままに枚数と回数が増えてくる。そのうち雪だるま式に借り入れが増えて、やがて破産に至る。ささやかな夢の連なりが地獄への火の車につながるのだとしたら、余りにも悲しすぎる。何かがおかしい------。

        この作品は、現代の女性が迷い込んだ、夢の末路が悪につながる"迷宮"を、緻密な構成で鮮やかに描いた傑作だと思う。

        サラ金、破産の物語というと、ひと昔前なら「失敗者」的に書かれがちだったが、宮部みゆきの目はあくまでも優しい。「OLも、二十代も後半になって、使い走り程度の事務仕事をしていると、それなりに惨めで辛い思いをすることだろう」と温かな視線で、"夢と悪事の狭間"を問いかけるのです。

        クレジットカードを手に、なぜ、何の夢を追うのか? 現代になっても尚、「花の命は短い」からではないのか? 小説としての圧倒的な面白さもさることながら、生き急ぐ現代女性の姿を見つめて、私を含む多くの宮部ファンの心を捉え、共感を得た作品になっていると思う。

        読み終えて、あらためて思うのは、この「火車」という作品は、従来の社会派推理小説ものと大きく異なり、話の興味が謎というものから人間ドラマの方に徐々に移行していき、遂には事件の顛末そのものよりも、社会の暗黒面に絡めとられたまま生きざるを得なかった"犯人像の受容"へと至る点にあると思う。



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        2017/05/11 by dreamer

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