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(株)中央公論新社 (チユウオウコウロンシンシヤ)

企業情報
企業名:中央公論新社
ちゆうおうこうろんしんしや
チユウオウコウロンシンシヤ
コード:12
URL: http://www.chuko.co.jp
      八日目の蝉

      角田光代2010/12

      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 角田光代さんの作品を読むのはこれが3冊目となる。
        心の揺らめき、歪み、そんなちょっとした何気ない、自分には気にも止めないような心の微動。風景の騒めきを角田さんは丁寧に紡ぎ出す。
        誘拐犯として罪を背負いながら薫を愛し、逃げて逃げて、1分でも長く薫と共に過ごしたいという希和子の母性。
        人は幸せを追い求める命だと言うことを希和子の母性から滲み出て感じる。
        人それぞれが求める幸せのカタチ。
        登場人物それぞれの幸せを求めるカタチが歪な形を帯びて絡み合う。
        身勝手だったり欺瞞に満ちていたり。
        なのにそれぞれが加害者で被害者であるのがこの小説の面白いところだ。
        時に傷つけ傷つけられ、儚い幸せの瞬間瞬間に悲哀の念を感じる。
        綴られる風景と時間。登場人物の心の反芻。衝動に人間の血液の様な温かみを感じる。
        >> 続きを読む

        2020/01/06 by masahiro

    • 他14人がレビュー登録、 68人が本棚登録しています
      Tugumi

      吉本ばなな1992/02

      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね! fireman mt-yuto
      • 小中学生の頃に読んで好きだった本です。

        極度に美しい人は最低の事をしても許される、ということをここまで露骨に書いた本はなかったので当時衝撃を受けました。つぐみの手紙は、そこだけ読み返す程好きな場面でした。

        つぐみも町も、主人公自身の生活に関わる全てに現実の世界より濃い命があるように思えます。
        >> 続きを読む

        2016/11/15 by MaNaSo

      • コメント 2件
    • 他9人がレビュー登録、 40人が本棚登録しています
      グレート・ギャツビー

      F・スコット・フィッツジェラルド , 村上春樹2006/11

      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね!
      • 訳者のあとがきが一番印象的でどれだけこの作品に村上春樹の思い入れがあるか伝わってきた。
        作品自体は、何となく平らな印象が残って良さがよく分からなかった。
        多分訳者のように原文で何度も読み返すと魅力が伝わってくるんじゃないかと思う。
        自分には無理だけど。
        >> 続きを読む

        2017/11/11 by キトー戦士

    • 他8人がレビュー登録、 31人が本棚登録しています
      人質の朗読会

      小川 洋子 (2014/02

      3.7
      いいね!
      • 海外で反政府ゲリラに人質にされた8人の日本人。拉致されている間、それぞれの思い出を書いて朗読する会を始めた。8人の朗読内容が各章で紹介されている。内容そのものよりも、各8人が自分の過去の出来事について向き合い、拉致されるまで他人だった人たちに向かって朗読するという行為。体験したことはないから、本当に想像するしかない。実際に、最後は現地の政府軍兵士が、日本語がわからないのにかかわらず、この朗読会の意義について思いや考えを巡らせ掴もうとしている。設定はショッキングだが、静かな祈りのような雰囲気が漂う。
        (ef177さんのレビューを読んで興味を持って図書館で借りて読みました。)
        >> 続きを読む

        2020/02/19 by かんぞ~

    • 他7人がレビュー登録、 16人が本棚登録しています
      人質の朗読会

      小川洋子2011/02

      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね!

      • 地球の裏側のある村で日本人のツアーが、反政府ゲリラに襲われ、拉致される。

        3カ月後、8人の人質は全員死亡する。それから2年が過ぎて公開された盗聴テープには、人質たちの声が録音されていた。

        内容はそれぞれが語る自身の物語だ。「自分の中にしまわれている過去、未来がどうあろうと決して損なわれない過去」が語られる。

        この小川洋子の「人質の朗読会」は、もはやこの世にいない人質たちの物語という設定を通して、語った人が消えてもなお手渡されることが可能な物語の力と役割とを伝えるのだ。

        一編ごとに読み進めていく間は、語り手がすでに死んだということを、つい忘れてしまう。
        読み手である私が言葉を読んで受け取る瞬間、語り手はその存在を生き直すからだ。

        整理整頓が何より好きなアパートの大家さんと、製菓会社に勤めるビスケットの製造にたずさわる「私」との微妙な距離感を描く「やまびこビスケット」。
        アルファベットの形をした出来損ないのビスケットをもらって帰り、大家さんと食べる場面が、妙に心に残る。
        寂しさとユーモアのバランスに何度も胸を打たれる。

        次の一編「B談話室」では、公民館の受付の女性にうながされ、その部屋へ足を踏み入れた「僕」は、会員にならないまま、そこで開かれる会にふらりと参加することを繰り返す。

        危機言語を救う友の会や運針倶楽部定例会や、事故で子供を亡くした親たちの会合などだ。

        その経験によって「僕」は、やがて作家になる。つまり、作品を書くことは世界中の「B談話室」へ潜り込むことと同じなのだ。
        「その他大勢の人々にとってはさほど重要でもない事柄が、B談話室ではひととき、この上もなく大事に扱われる」。

        怪我をした鉄工所の工員のために枝を切って杖を作る「杖」。

        突然、台所を借りに来た隣人を描く「コンソメスープ名人」。

        語られる過去や記憶は、時空を超えて共有される。そこに願いと希望を託す方法は、確かに存在する。

        なぜ人は物語るのか。この作品は、その答えをそっと示してくれる。

        >> 続きを読む

        2018/10/20 by dreamer

    • 他6人がレビュー登録、 19人が本棚登録しています
      それからはスープのことばかり考えて暮らした

      吉田篤弘2009/09

      カテゴリー:小説、物語
      4.4
      いいね! momomeiai keyaki-
      • ゆっくりと流れる時間を感じる1冊。
        静かな時の流れ。
        さりげなく、お互いを思うこころが滲む。
        >> 続きを読む

        2020/03/14 by けんとまん

    • 他5人がレビュー登録、 20人が本棚登録しています
      八日目の蝉

      角田光代2007/02

      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね! tadahiko masa920
      • 先日テレビで映画版を見た。永作博美が秀逸だった。原作の記憶がなくて手にとったらどうやらうっかり読みそびれていたことが発覚。角田ファン失格(笑)。深夜0時から読み始め、明け方4時半まで一気に読んでしまった。噂には聞いていたが、圧巻。

        映画と原作を比較することはナンセンスでもあるけど、映画に感動した人は、ぜひ、恵里菜の母親や妹や恵里菜自身の内面が描かれた原作の方も読んで欲しいな思った。

        また、私自身は、映像や音楽や俳優の声で物語を与えられるより、活字だけの世界で縦横無尽に自分で想像するほうが、圧倒的に好きなんだろうなと実感もした。

        角田さんは、「紙の月」でも犯罪を扱っているが、どちらも罪を犯す人物の方に読み手が気持ちを吸い寄せられる、そのベクトルみたいなものが私は好きだ。

        >> 続きを読む

        2016/03/06 by umizaras

      • コメント 2件
    • 他4人がレビュー登録、 34人が本棚登録しています
      怒り

      吉田修一2014/01

      カテゴリー:小説、物語
      3.8
      いいね!
      • 冒頭で八王子に夫婦が殺された事件が発生し、犯人は逃亡。
        1年後犯人らしき人物が同時に3つの場所に現れる。
        警察は似顔絵を公開し犯人逮捕を目指すが、3者ともその土地の人と繋がりをもっていた。

        映画の方を見ていたからどのパートが真犯人なのかは知っていた。
        それでもどれがという感じでサスペンスを生んでいるし、3つのうち1つは間違いなく悲劇が待っているというのはやはり辛いものがある。

        時代を示す歌や時事が出てくるが、この時代でもやはり逃亡犯というのは簡単に捕まらない。
        その中で犯人の可能性がある人物と関係を築いてしまう。

        下巻は真犯人登場と同時に、関係していた人物たちのその後も気になる。
        >> 続きを読む

        2019/10/25 by オーウェン

    • 他4人がレビュー登録、 17人が本棚登録しています
      怒り

      吉田修一2014/01

      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね!
      • 何となく匂わせて終わった上巻に続いての下巻。

        いよいよ3人のうち犯人が判明するのだが、伝えるべきは犯人の心情でないことは明らか。

        タイトルである怒りがそれぞれ形を変えて表されている。

        見ず知らずの人間に対して信頼をできるかということがいかに難しいのか。
        また脆く崩れやすいのか。

        それを3者3様で描いており、特に沖縄の辰哉の苦悩は響くものがある。

        「悪人」もそうだったが、吉田さんは決して画一に描こうとは思っていないのがよく分かる。
        >> 続きを読む

        2019/10/26 by オーウェン

    • 他4人がレビュー登録、 15人が本棚登録しています
      失敗の本質 日本軍の組織論的研究

      戸部良一1991/07

      4.1
      いいね!
      • 日本軍の敗北の要因を組織論の観点から分析した本。近年盛んに叫ばれる「ダイバーシティ」や「レジリエンス」に似た主張がなされていると思われた。

        ・大東亜戦争のリーダー群は、暗記・記憶力を強調した教育システムを通じて養成されてきた。
        ・適応は適応能力を締め出す。日本軍は環境に適応しすぎたことにより、環境変化に対応する能力がなくなっていた。
        ・既存の知識や行動様式を捨てることを、学習に対して学習棄却という。
        ・適応力のある組織は、絶えず組織内に緊張を創造し、多様性を保持してコンティンジェンシーに対応しなければならない。
        >> 続きを読む

        2018/01/03 by r_std

    • 他4人がレビュー登録、 19人が本棚登録しています
      スティル・ライフ

      池沢夏樹1991/11

      カテゴリー:小説、物語
      4.4
      いいね! Tsukiusagi
      • Wikipediaの純文学のところで挙げられていたので読んだ。表題作とヤーチャイカの2つの中編が収められていた。スティルライフは染色工場で働く青年がそこで知り合った年上の男の投資活動をする話。ヤーチャイカはテレシコワのわたしはカモメのロシア語だが、ロシアから来た貿易商と父娘との交流。でも、娘の夢の中なのか恐竜を飼っている挿入話もあってもやや幻想的。正直なところ、さほど楽しくはなかったが、最後までちゃんと読めた、というところ。 >> 続きを読む

        2019/12/20 by 和田久生

    • 他4人がレビュー登録、 11人が本棚登録しています
      ピース

      樋口有介2009/01

      カテゴリー:小説、物語
      3.1
      いいね!
      • 秩父の田舎街で起きたバラバラ殺人事件。
        真相のカギは、ピースサイン。

        ミステリーというにはちょっと苦しいかなあ?と
        思います。
        とりあえず、投げっぱなしの伏線が多すぎる。
        ここは、『僕と僕らの夏』でもあったことなので
        残念。

        でも、登場人物の細かい心理、秩父の田舎街の描写は
        さすがだと思いました。
        >> 続きを読む

        2016/05/03 by UNI

    • 他4人がレビュー登録、 13人が本棚登録しています
      聯愁殺

      西沢保彦2010/09

      カテゴリー:小説、物語
      2.5
      いいね!

      • マンション住まいの女性が、自室で若い男性に襲われるという事件が発生した。
        彼女の命は無事だったが、その後、県内を震撼させていた連続殺人事件と深いつながりがあることが判明。

        複数の手掛かりがあったものの、彼女を襲った犯人は見つからず、未解決のまま迷宮入りになってしまった。
        しかし、ミステリ作家や私立探偵、犯罪心理学者らが集まる勉強会「恋謎会」でこの事件を、秘密裏に再検討することになった。

        この場を用意した刑事が公開した捜査情報や彼らの推理によって、連続殺人の被害者たちを繋ぐ糸が、次第に明かされていく。
        だが、事件には思いがけない幕切れが用意されていたのだった-------。

        この作品は、連続殺人事件のつながりと動機を推理するミッシングリンクもののミステリで、作品の大部分が「恋謎会」の面々による推理で占められる。

        そして、著者・西澤保彦お得意のディスカッションは、この作品でも遺憾なく発揮されるが、更にそれが、アクロバティックな展開に奉仕するという離れ業を演じていることは驚嘆に値する。

        その構図の技巧に反して、犯人の動機はあっけらかんとしたものであったが、それは著者の裏テーマとして追求されている、異様な心理の一パターンとみるべきだろうと思う。

        >> 続きを読む

        2018/12/07 by dreamer

    • 他4人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      SOSの猿

      伊坂幸太郎2012/11

      カテゴリー:小説、物語
      3.5
      いいね!
      • 再読。
        ある意味傑作!僕は好きです。
        この作品が少し異色なのは漫画家、五十嵐大介さんとのコラボ作品だということ。五十嵐さんのマンガ『SARU』と対になっている。

        伊坂作品史上で見ると社会性を帯びた作品が多くなっていたこの時期に突如出現したエンタメ度の高い『SOSの猿』。ただしけっこうぶっ飛びエンタメです。ちょうどいいエンタメの書き方を忘れちゃたようです。笑

        物語のあらすじとしてキーワードだけ挙げていくと…エクソシスト、引きこもり、虐待事件、悪魔祓い、株の誤発注による300億円損失事件、そして孫悟空。
        これら魅力的なキーワードが絡み合い紡ぎだすのは"因果関係"の物語。
        ついていくのに必死になりながらも、構成は上手だし、読んでてすごく楽しかったなぁ。

        ちなみに孫悟空はデフォルメされた可愛らしいお猿さんではないです。
        成人男性くらいの身長に顔はふつうの猿。獣の臭いをまとい、興奮すれば歯茎を剥き出しにする。もちろんキン斗雲、如意棒を所持。

        この作品も好き嫌いがはっきり分かれると思う。
        ちょっと意味が掴みにくく、クセが強め。
        そう意味ではこれも実験作なのかも。
        >> 続きを読む

        2018/09/18 by ねごと

      • コメント 2件
    • 他4人がレビュー登録、 36人が本棚登録しています
      SOSの猿

      伊坂幸太郎2009/10

      カテゴリー:小説、物語
      2.5
      いいね!
      • 意図的なのか伊坂さんが作風を敢えて変えているこの作品。

        二つの話が進行していくのだが、まさかのエクソシストと西遊記が関係してくる変な話。

        どこでリンクしてくるのだが、ずいぶんとあっさり繋げてきたし、何よりもユングやフロストの心理学を用いた例えが話の流れを悪くしているのは否めない。
        そのせいか、やたらと読むのに時間が掛かった。

        孫悟空が出てくる必然性も薄いし、隣室で起きた事件も有耶無耶なままフェードアウトだし、結局はエクソシストや西遊記の小ネタだけが印象に残った奇妙な作品だった。
        >> 続きを読む

        2020/01/03 by オーウェン

    • 他3人がレビュー登録、 18人が本棚登録しています
      恋しくて Ten Selected Love Stories

      村上春樹2013/09

      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • とくに何の感慨もなし(;´Д`)
        ひまつぶしに読む感じの本になってる。
        洋物がシャレオツだなんて言われてる気がして(もちろんそういうことではないだろうけど)感覚がダサい気がする。
        翻訳能力がいいでしょっていうのも感覚的にずれてる気がする。
        というわけで、村上氏の書きおろしの短編が注目だと思う。
        この短編を書いたら短編を書きたくなって次の「女のいない男たち」という短編集をだしたそうです。
        こちらも読みました。

        (amazon解説)
        村上春樹が選んで訳した9編のラブ・ストーリー + 書き下ろし短編小説
        マイリー・メロイ 「愛し合う二人に代わって」
        デヴィッド・クレーンズ 「テレサ」
        トバイアス・ウルフ 「二人の少年と、一人の少女」
        ぺーター・シュタム 「甘い夢を」
        ローレン・グロフ 「L・デバードとアリエット」
        リュドミラ・ぺトルシェフスカヤ 「薄暗い運命」
        アリス・マンロー 「ジャック・ランダ・ホテル」
        ジム・シェパード 「恋と水素」
        リチャード・フォード 「モントリオールの恋人」
        村上春樹 「恋するザムザ」(書き下ろし)
        >> 続きを読む

        2018/08/30 by motti

    • 他3人がレビュー登録、 11人が本棚登録しています
      神様

      川上弘美2001/10

      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 現実と非現実が絶妙に混ぜ合わさっていて、そこに違和感を全く感じない不思議な絵本のような小説。1話が短いので乗車時間があまりない時の電車の中で読みたいなと思わせる。よい本に巡りあった。 >> 続きを読む

        2015/12/12 by Seiko

      • コメント 1件
    • 他3人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      プチ哲学

      佐藤雅彦2004/03

      2.7
      いいね!
      • イラストと解説が交互に入る構成。
        ゆるいイラストと内容ながら、ビビッとくるものもあった。

        「結果と過程」ってのが特に良かった。
        受験生とか社会人になる前とかなってすぐって、「過程はどうでもいい結果が大事、結果しか評価されない」って人から言われまくると思う。
        そういう人に読んで欲しいと思った。

        擬人化されたおサルさんが神様にお願いする。
        「おなかいっぱいバナナが食べたい」
        →一瞬でおなかがバナナでふくれる。
          →「そういうことじゃなくって」

        擬人化されたカエル君が神様にお願いする。
        「あこがれのケロ子ちゃんと一生を添いとげたい」
        →一瞬でよぼよぼになったカエル君とケロ子ちゃんになる
          →「そうじゃなくって」
        >> 続きを読む

        2016/09/13 by W_W

      • コメント 3件
    • 他3人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      ミーナの行進

      小川洋子2009/06

      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね! hinataboko KEMURINO
      • 個人的には『赤毛のアン』『本屋さんのダイアナ』に通じる清々しい読後感を味わった!


        健気で前向きな少女たちの成長していく姿をあたたかく見守る周囲の大人たちが子ども目線で描かれていて、ときどきコミカル、ときどきミステリアスで魅力的だった。

        加えて、70年代という時代背景がめちゃおもしろかった。大阪万博、プラッシー(小説中はフラッシー)、こっくりさん、ミュンヘンへの道、ジャコビ流星雨などなど昭和を象徴するエポックな記憶が次々に蘇ったてワクワク!

        SNSに頼る最近の少女たちも、きっと答えが見えない何かを察知しているんだろうな。
        >> 続きを読む

        2019/12/01 by まきたろう

    • 他3人がレビュー登録、 8人が本棚登録しています
      ボートの三人男

      丸谷才一 , ジェローム・K・ジェローム2010/03

      カテゴリー:小説、物語
      4.8
      いいね! starryeyed
      • 犬は勘定にいれません。この言葉が頭の片隅にこびりついて離れなかった。ボートに三人の男と犬のモンモランシーが乗っているのだが、タイトルは「ボートの三人男」になっているのだ。なんだか面白いなぁと思いつつも、そっかぁ犬だから勘定にいれてもらえないのか……とちょっぴり切ない気持ちを抱えながらこの本を手にとった。

        イギリスのユーモアは皮肉というパンに挟む具のようなものだと思っていたけれど、この小説の面白いところは滑稽さと親近感にあると思う。例えば、あるパーティで歌手がドイツの悲劇の歌を披露する場面がある。パーティの参加者たちは事前に二人の若者にこれはコミックソングなのだが、彼はそれを悲壮感あふれる雰囲気で歌いあげるところがとても面白いのだと吹きこまれて、ドイツ語が分からない参加者たちは二人の若者にあわせて笑う(あれはどうも卑怯な態度だと思う)。結局ドイツ人の歌手は聴衆の態度に怒ってしまうのだが、この場面は滑稽以外の何者でもない。しかし、大人になってしまった今では「王様は服を着ている」と言ってしまう人々にどこか親しみやすさを感じてしまうのだ。

        また、本書はユーモアあふれる掛け合いに加えて、美しい情景描写や土地の歴史的なエピソードがごった煮になっている。それが、色々な具材をぶちこんだ鍋料理のように絶妙な味わいとなっているのだ。お調子者のジョージ、実務的で神経質で酒好きなハリス、好戦的なのにへたれなモンモラシー、ユーモアたっぷりの語り部のJ。休日にはボートに揺られて美しい景色を見ながら、世俗にまみれた愛すべき彼らのエピソードを楽しもう。
        >> 続きを読む

        2016/08/30 by けやきー

      • コメント 6件
    • 他3人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています

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