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(株)中央公論新社 (チユウオウコウロンシンシヤ)

企業情報
企業名:中央公論新社
ちゆうおうこうろんしんしや
チユウオウコウロンシンシヤ
コード:12
URL: http://www.chuko.co.jp
      八日目の蝉

      角田光代2010/12

      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!

      • 角田光代の「八日目の蟬」をようやく読み終えて、あまりの凄さに驚愕しました。

        愛人の妻が産んだ赤ん坊をさらった女、なんてありふれた物語を描いて比類なき小説に仕上げている手腕に、恐れいりましたね。

        第一章は、さらった子に薫と名付けた希和子の逃避行を描いているのですが、四千万円近い蓄えがあっても、住民票と戸籍、夫の雇用証明書の提出が求められるため、アパートを借りることもかなわず、もろもろあった末、駆け込み寺的コミュニティ「エンジェルホーム」に身を隠すことになってからの顛末が哀切極まるんですね。

        全財産をホームに委託する誓約書にサイン。その後、2年間の潜伏生活を送るも、やがてそこも出ていかざるを得なくなり、着の身着のまま、ホームで仲が良かった女性の実家がある小豆島へ。

        そこで、ようやく心穏やかな生活を手に入れるのですが-----。

        続く第二章は、無事、両親のもとに戻り、今では成人している恵理菜(薫)のアルバイト先に、ホームでお姉さん的存在だった千草が訪れる場面から始まります。

        「あんたを見ると、あの女を思い出す」と呟く情緒不安定な母。
        罪悪感から家族と距離を取り、ほとんど喋らず岩のように動かず酒を飲んでいる父。

        そんな逃げることしか知らないような両親が疎ましい。
        両親が駄目な人間になってしまったのも、世間の容赦ない噂で職を変え、居場所を転々とせざるを得ず、普通の家族のような暮らしが送れなかったことも、全部自分をさらった希和子という女のせいだ。

        頑なな表情の下に、たくさんのどろどろした思いを隠し込むようになってしまった恵理菜が、千草と共に過去を検証し、再生しようともがく姿と心境を描いた第二章もまた、愚かさと悲しみに溢れていながらも、第一章にはなかった希望を最後において、素晴らしい読み心地を約束してくれるんですね。

        エンジェルホームについてのルポを書こうとしている千草の登場によって、第一章ではぼかされていた希和子の詳細が、第二章で明らかにされるという仕掛けが実に見事だと思います。

        その"情報の遅延"という、じらしのテクニックが功を奏し、読み手である私は、希和子に対し、犯罪者に寄せるべきではないほどのシンパシーを高まらせるに至り、それゆえ物語の終わり近くに用意されている、17年前に希和子が捕まった時に放った言葉を恵理菜が思い出すシーンで、思わず目頭が熱くなるほどの哀れを覚えるんですね。

        >> 続きを読む

        2018/08/14 by dreamer

    • 他11人がレビュー登録、 61人が本棚登録しています
      Tugumi

      吉本ばなな1992/02

      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね! fireman mt-yuto
      • 小中学生の頃に読んで好きだった本です。

        極度に美しい人は最低の事をしても許される、ということをここまで露骨に書いた本はなかったので当時衝撃を受けました。つぐみの手紙は、そこだけ読み返す程好きな場面でした。

        つぐみも町も、主人公自身の生活に関わる全てに現実の世界より濃い命があるように思えます。
        >> 続きを読む

        2016/11/15 by MaNaSo

      • コメント 2件
    • 他9人がレビュー登録、 38人が本棚登録しています
      グレート・ギャツビー

      F・スコット・フィッツジェラルド , 村上春樹2006/11

      カテゴリー:小説、物語
      3.4
      いいね!
      • 訳者のあとがきが一番印象的でどれだけこの作品に村上春樹の思い入れがあるか伝わってきた。
        作品自体は、何となく平らな印象が残って良さがよく分からなかった。
        多分訳者のように原文で何度も読み返すと魅力が伝わってくるんじゃないかと思う。
        自分には無理だけど。
        >> 続きを読む

        2017/11/11 by キトー戦士

    • 他8人がレビュー登録、 31人が本棚登録しています
      人質の朗読会

      小川洋子2011/02

      カテゴリー:小説、物語
      3.6
      いいね!
      • 人質という死と隣り合わせの状況で繰り広げられるというのに、各々のお話はどこか安堵してしまう。言葉は生きているのだと強く思わせる小説だった。 >> 続きを読む

        2017/11/19 by nya

    • 他5人がレビュー登録、 18人が本棚登録しています
      八日目の蝉

      角田光代2007/02

      カテゴリー:小説、物語
      4.2
      いいね! tadahiko masa920
      • 先日テレビで映画版を見た。永作博美が秀逸だった。原作の記憶がなくて手にとったらどうやらうっかり読みそびれていたことが発覚。角田ファン失格(笑)。深夜0時から読み始め、明け方4時半まで一気に読んでしまった。噂には聞いていたが、圧巻。

        映画と原作を比較することはナンセンスでもあるけど、映画に感動した人は、ぜひ、恵里菜の母親や妹や恵里菜自身の内面が描かれた原作の方も読んで欲しいな思った。

        また、私自身は、映像や音楽や俳優の声で物語を与えられるより、活字だけの世界で縦横無尽に自分で想像するほうが、圧倒的に好きなんだろうなと実感もした。

        角田さんは、「紙の月」でも犯罪を扱っているが、どちらも罪を犯す人物の方に読み手が気持ちを吸い寄せられる、そのベクトルみたいなものが私は好きだ。

        >> 続きを読む

        2016/03/06 by umizaras

      • コメント 2件
    • 他4人がレビュー登録、 32人が本棚登録しています
      失敗の本質 日本軍の組織論的研究

      戸部良一1991/07

      4.1
      いいね!
      • 日本軍の敗北の要因を組織論の観点から分析した本。近年盛んに叫ばれる「ダイバーシティ」や「レジリエンス」に似た主張がなされていると思われた。

        ・大東亜戦争のリーダー群は、暗記・記憶力を強調した教育システムを通じて養成されてきた。
        ・適応は適応能力を締め出す。日本軍は環境に適応しすぎたことにより、環境変化に対応する能力がなくなっていた。
        ・既存の知識や行動様式を捨てることを、学習に対して学習棄却という。
        ・適応力のある組織は、絶えず組織内に緊張を創造し、多様性を保持してコンティンジェンシーに対応しなければならない。
        >> 続きを読む

        2018/01/03 by r_std

    • 他4人がレビュー登録、 19人が本棚登録しています
      ピース

      樋口有介2009/01

      カテゴリー:小説、物語
      3.1
      いいね!
      • 秩父の田舎街で起きたバラバラ殺人事件。
        真相のカギは、ピースサイン。

        ミステリーというにはちょっと苦しいかなあ?と
        思います。
        とりあえず、投げっぱなしの伏線が多すぎる。
        ここは、『僕と僕らの夏』でもあったことなので
        残念。

        でも、登場人物の細かい心理、秩父の田舎街の描写は
        さすがだと思いました。
        >> 続きを読む

        2016/05/03 by UNI

    • 他4人がレビュー登録、 13人が本棚登録しています
      それからはスープのことばかり考えて暮らした

      吉田篤弘2009/09

      カテゴリー:小説、物語
      4.4
      いいね! momomeiai keyaki-
      • スローライフに立ち返りたくなる。

        ゆったりとした雰囲気が漂う心地よい小説。
        すこしユルイような童話みたいなやさしさが持ち込まれたようなタッチがとても素敵です。
        こういった暖かみのある小説の中の社会は、自分の仕事でも叶うのではないかと思えて来て、心の持ちようで幸せになれる気がしました。
        >> 続きを読む

        2018/07/13 by motti

    • 他4人がレビュー登録、 19人が本棚登録しています
      人質の朗読会

      小川 洋子 (2014/02

      3.8
      いいね!
      • 人質たちが自分たちのエピソードを話すという前提が何気ない日常の各エピソードに静寂や空虚をまとわせるのです。そこがこの作品の特徴なのだと思います。
        おもしろいというよりは印象に残る作品・心にジワリとしみこんでくるような作品です。
        >> 続きを読む

        2015/05/08 by alten

      • コメント 6件
    • 他4人がレビュー登録、 14人が本棚登録しています
      怒り

      吉田修一2014/01

      カテゴリー:小説、物語
      3.9
      いいね!
      • 下巻にて

        2015/02/19 by momokeita

    • 他3人がレビュー登録、 17人が本棚登録しています
      怒り

      吉田修一2014/01

      カテゴリー:小説、物語
      4.1
      いいね!
      • ページをめくる手が止まらない・・・・・・その通りの作品!!!!

        人を心から信じることができない・・・・・家族、友達、恋人、自分自身・・・・・・
        今度こそ心の奥から信じてみたいと願う相手は前歴不詳の人物、見え隠れする不穏な空気・・・・・・

        物語は1年前にあった殺人事件の犯人を追う刑事と前歴不詳の若者と係わる3組の物語が併走していきます
        もちろん3組のお話は関連性はまったくなく、ここに登場する前歴不詳の人物もまったくの別人である訳で
        ただし、共通するのは、前歴不詳の若者が殺人事件の犯人、もしくはこれとよく似た人物ということ
        これにより、彼らの人間関係は大いに揺れ動いていくことになるのです・・・・・・・

        殺人事件の犯人は整形手術を施し、一般社会に溶け込んでいく
        3組の物語に登場する不詳の人物は何者なのか・・・・・・
        そして、殺人犯は・・・・・どこに・・・・・

        殺人犯の心情はよく解らないだよねー
        なぜ『怒り』を抱えながら逃走するのか
        それより、この事件に翻ろうされてしまうことになる殺人犯によく似た前歴不詳の人物とそれに係わることになる訳ありの登場人物たちが気になります
        最終的に登場人物たちは現状から一歩、足を踏み出していく訳なんだけど・・・・この物語のテーマであるであろう「信じる」という心を彼らは取り戻せたのか
        確かに目に見えないものを信じるということはとても難しいし、外野からの評価や噂に惑わされてしまうのも真実で・・・

        悲しい現実にも直面する彼らだけど、明るい未来が待っていることを願います

        こちらの作品も本屋大賞にノミネートされてますね~

        『悪人』でハマった方

        確実にこの作品でも

        ハマれますよ(^_^)/
        >> 続きを読む

        2015/02/19 by momokeita

      • コメント 2件
    • 他3人がレビュー登録、 15人が本棚登録しています
      スティル・ライフ

      池沢夏樹1991/11

      カテゴリー:小説、物語
      4.7
      いいね! Tsukiusagi
      • コップの水に降り注ぐのは、宇宙からやってきた細かな粒子。暗闇と静寂。ウイスキーとプロジェクター。わずかな光。

        モルトのような甘い読後感。バーで静かに読みたい一冊。
        >> 続きを読む

        2017/11/14 by あやこ

    • 他3人がレビュー登録、 11人が本棚登録しています
      神様

      川上弘美2001/10

      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 現実と非現実が絶妙に混ぜ合わさっていて、そこに違和感を全く感じない不思議な絵本のような小説。1話が短いので乗車時間があまりない時の電車の中で読みたいなと思わせる。よい本に巡りあった。 >> 続きを読む

        2015/12/12 by Seiko

      • コメント 1件
    • 他3人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      プチ哲学

      佐藤雅彦2004/03

      2.7
      いいね!
      • イラストと解説が交互に入る構成。
        ゆるいイラストと内容ながら、ビビッとくるものもあった。

        「結果と過程」ってのが特に良かった。
        受験生とか社会人になる前とかなってすぐって、「過程はどうでもいい結果が大事、結果しか評価されない」って人から言われまくると思う。
        そういう人に読んで欲しいと思った。

        擬人化されたおサルさんが神様にお願いする。
        「おなかいっぱいバナナが食べたい」
        →一瞬でおなかがバナナでふくれる。
          →「そういうことじゃなくって」

        擬人化されたカエル君が神様にお願いする。
        「あこがれのケロ子ちゃんと一生を添いとげたい」
        →一瞬でよぼよぼになったカエル君とケロ子ちゃんになる
          →「そうじゃなくって」
        >> 続きを読む

        2016/09/13 by W_W

      • コメント 3件
    • 他3人がレビュー登録、 6人が本棚登録しています
      ボートの三人男

      丸谷才一 , ジェローム・K・ジェローム2010/03

      カテゴリー:小説、物語
      4.8
      いいね! starryeyed
      • 犬は勘定にいれません。この言葉が頭の片隅にこびりついて離れなかった。ボートに三人の男と犬のモンモランシーが乗っているのだが、タイトルは「ボートの三人男」になっているのだ。なんだか面白いなぁと思いつつも、そっかぁ犬だから勘定にいれてもらえないのか……とちょっぴり切ない気持ちを抱えながらこの本を手にとった。

        イギリスのユーモアは皮肉というパンに挟む具のようなものだと思っていたけれど、この小説の面白いところは滑稽さと親近感にあると思う。例えば、あるパーティで歌手がドイツの悲劇の歌を披露する場面がある。パーティの参加者たちは事前に二人の若者にこれはコミックソングなのだが、彼はそれを悲壮感あふれる雰囲気で歌いあげるところがとても面白いのだと吹きこまれて、ドイツ語が分からない参加者たちは二人の若者にあわせて笑う(あれはどうも卑怯な態度だと思う)。結局ドイツ人の歌手は聴衆の態度に怒ってしまうのだが、この場面は滑稽以外の何者でもない。しかし、大人になってしまった今では「王様は服を着ている」と言ってしまう人々にどこか親しみやすさを感じてしまうのだ。

        また、本書はユーモアあふれる掛け合いに加えて、美しい情景描写や土地の歴史的なエピソードがごった煮になっている。それが、色々な具材をぶちこんだ鍋料理のように絶妙な味わいとなっているのだ。お調子者のジョージ、実務的で神経質で酒好きなハリス、好戦的なのにへたれなモンモラシー、ユーモアたっぷりの語り部のJ。休日にはボートに揺られて美しい景色を見ながら、世俗にまみれた愛すべき彼らのエピソードを楽しもう。
        >> 続きを読む

        2016/08/30 by けやきー

      • コメント 6件
    • 他3人がレビュー登録、 7人が本棚登録しています
      SOSの猿

      伊坂幸太郎2012/11

      カテゴリー:小説、物語
      3.3
      いいね!
      • 小規模な「1Q84」

        2018/07/11 by motti

    • 他3人がレビュー登録、 36人が本棚登録しています
      ベルサイユのばら

      池田理代子1987/02

      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
      いいね! tadahiko sunflower
      • この本の名言をご紹介します。

        ***
        ともに死ぬためにもどってまいりました…
        あなたの忠実な騎士にどうぞお手を…
        >> 続きを読む

        2012/12/20 by 本の名言

    • 他2人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      SOSの猿

      伊坂幸太郎2009/10

      カテゴリー:小説、物語
      2.6
      いいね!
      • ちょっととっぴょうしもなくて分かりずらいところもあるが、さすがに読んでしまう。

        2017/03/03 by Jun-Ya

    • 他2人がレビュー登録、 17人が本棚登録しています
      恋しくて Ten Selected Love Stories

      村上春樹2013/09

      カテゴリー:小説、物語
      4.3
      いいね!
      • 村上春樹好きだけど、これは村上春樹がチョイスした海外の作家さんを翻訳した短編集+村上春樹さんの短編1.

        恋愛小説といえどもいろんな形態でとても幅広いです。

        それぞれが面白く、個人差はあるとは思うけども、心落ち着く読書が出来ました。

        個人的には「テレサ」好きです。

        ノスタルジーな気持ちにもなったし、ほんと忘れていた感覚をふっと思い出した感じもします。

        文庫でよんだけど、当時単行本で出版された時に読みたい!とおもった感覚は大事にしたいですね。その時からそうとう時間たったし・・・

        でもこのタイミングで読めた喜びもありました。

        春な今がおススメな気もしました!

        おわり。
        >> 続きを読む

        2018/04/09 by ジュディス

    • 他2人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      理科系の作文技術 (中公新書 (624))

      木下 是雄 (1981/01

      カテゴリー:文章、文体、作文
      4.0
      いいね!
      • 論文を書く機会が増えたため、文章の書き方が学べる本を探していたところ、この本に出会った。タイトルには「理科系」と書かれているが、文系にとっても学ぶことは多い。「文のうまさ」とは具体的に何なのか、この本を読めばその本質がわかる。 >> 続きを読む

        2016/09/04 by Soma

      • コメント 2件
    • 他2人がレビュー登録、 12人が本棚登録しています

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