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(財)東京大学出版会 (トウキヨウダイガクシユツパンカイ)

企業情報
企業名:東京大学出版会
とうきようだいがくしゆつぱんかい
トウキヨウダイガクシユツパンカイ
コード:13
URL: http://www.utp.or.jp
      白と黒のとびら オートマトンと形式言語をめぐる冒険

      川添愛2013/04

      カテゴリー:情報科学
      4.0
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      •  あらすじ。
         ガレット少年は魔法使いを夢見て、偉大な魔導師の元に弟子入りする。しかし、彼を待っていたのは古代語を学ぶ退屈な授業と雑用に追われる毎日。しかも、その古代語は白い丸と黒い丸が並んでいるだけの意味不明な代物だった。
         不満を募らせるガレットであったが、ある日彼は奇妙な遺跡に遭遇する。その遺跡は、いくつかある部屋の中に例外なく「白いとびら」と「黒いとびら」を備えていた。中に入ると喰われるという逸話を持ち、人々に忌み嫌われていた遺跡を前にガレットは……。

         一見、魔道書の類にも見える本書。中身も不思議な本でした。

        「物語はもちろんフィクションですが、お話を読み終える頃には読者の皆様はいつのまにか、現実の学術上の理論ーー情報科学・数学・認知科学における、ある重要な理論ーーの基本的な概念に慣れ親しんでいらっしゃることと思います」(冒頭より)

         この引用通りの本です。パズルのついたファンタジーとして普通に面白い作品ですが、副題となっている「形式言語」と「オートマトン」の理論についても学べる一石二鳥な本というわけです。

         この手の「○○について楽しく学べる」や「猿でも分かる○○」というのは、結局二兎を追って一兎も得ずに終わることが多いように思います。ですが、本書はそのようなことはありません。バッチリ二兎を得れます笑

        「学ぶ」ではなく「慣れ親しむ」というスタンスが本書の素晴らしいところです。「学ばなきゃ……!」と肩に力を入れることがないので、自然に学べるわけです。

         本書を読んでも、当然専門書の知見は得られません。しかし、学びに最も大切なものーーイメージを養うことができます。蓄えた知識を応用するとき、新しい何かを生み出すとき、このイメージが不可欠だと思うのです。これはセンスと言い換えても良いでしょうが、とにかくコイツはなかなか手に入るものではありません。それを得られる本書はトンデモナイ良書だと思います。

         著者は言語学の教授をされている方みたいです。終わりには書籍の紹介や、簡単な解説、章ごとの狙いまで書かれています。本書を読んでその道を志す次の「ガレットくん」が出てくれば素敵です。その可能性を持った「良い本」でした。
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        2015/10/08 by あさ・くら

      • コメント 5件
    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      中世に生きる人々

      アイリーン・パウア (1969/06

      3.0
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      •  農夫や女子修道院長、14世紀パリの主婦(妻はこうあるべき、と男が書いた書物について)や比較的有名な人物であるマルコ・ポーロなど、一般の人でも関心を持って読めそうな人々についてそれぞれ1章、全部で6章から成り立っている。中世に生きた人も、われわれとそう変わらない部分があったのではないかと思わされる。女子修道院長など、自分とはかけ離れたタイプの人間だと思っていたが、この本の記述を見ると存外人間的(という言い方は語弊があるかもしれないが)だなと感じる。 >> 続きを読む

        2017/05/20 by 理子*

    • 1人が本棚登録しています
      年代測定概論

      兼岡一郎1998/11

      カテゴリー:時法、暦学
      5.0
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      • 地球化学、年代学、地質学を志す方には永久保存版と言ってよいでしょう。基本的な原理から、近年の動向について詳しく書かれている書籍になります。私も研究する際は常に手の届く範囲に置いておき、壊変系の原理について歴史から基礎、応用などよく再確認する際に使用していました。 >> 続きを読む

        2012/05/13 by tomo_chan

    • 1人が本棚登録しています
      日本美術の歴史

      辻惟雄2005/12

      カテゴリー:芸術史、美術史
      4.0
      いいね!
      •  大正時代に吹き荒れた新しい風につよく惹かれる。それは儚く散った夢の世界、つかの間の幻のように短かった。
         モダンという言葉はもはや死語かもしれないが、近ごろ一周回ってすこしオシャレな感じを抱くこともあって、そもそもわたしが広い意味でのモダニズム文学を愛することを思い出させてくれる。わたしがいちばん好きな小説はヴァージニア・ウルフの『灯台へ』。もしかしたら、この小説で描かれる去りゆく時代の魅力は、わたしが抱く大正時代へのふしぎな憧れと何か符牒を合わせているのかも。念のためにいうが、長襦袢で自転車を乗りこなし、下り坂を勢いよく駆けるおてんば娘だけを見ているのではない。
        大正モダンはおもに漫画やアニメと相性がよく、『はいからさんが通る』や『サクラ大戦』など話題を呼ぶものが多い。とはいえ、もっとも大きな印象を残したのは絵画であり、そのなかでも竹久夢二である。わたしはこの人の絵が好きだ。リアリズムを絵筆であしらうような画風により、江戸の浮世絵の女性美を、わたしたちが分かる範囲のなかで再現した。そしてこの流れは中原淳一に受け継がれた。彼の絵もまた素晴らしい。
         本の紹介がお留守になっていますね。この本は既に日本美術史の教科書の地位を確立しています。なんといっても装釘がいい。表紙絵がみえるようにして部屋に置くと、その空間に独特の日本美を添えてくれるでしょう。
        >> 続きを読む

        2015/02/16 by 素頓狂

    • 3人が本棚登録しています

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