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(株)秋田書店 (アキタシヨテン)

企業情報
企業名:秋田書店
あきたしよてん
アキタシヨテン
コード:253
URL: http://www.akitashoten.co.jp
      花のズボラ飯

      水沢悦子2010/12

      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      3.2
      いいね! tadahiko
      • 食堂かたつむりやかもめ食堂を読んで、食べ物が出てくる本を読んでも「飯テロ」の状態にならない体質であることが分かったので読んでみた。

        他の方のレビューを読むと、料理が美味しそうか汚いか主人公の駒沢花の性格が可愛いか悪く見えるか人によってかなり分かれる作品らしいが私は料理も花もあまり好きにはなれなかった。

        というか料理云々以前に週に何度かアルバイトしてるだけで一人暮らしなのに洗濯物や部屋があのありさまって酷すぎる。
        30そこそこで夫が単身赴任になってしまったからなのかもしれないが、悪い意味で独身気分が抜けていない感じ。

        そもそも彼女の夫は持ち家もないし妻が代わりの効かない仕事を持っているわけでもないし仲が悪いわけでもないのになぜ単身赴任を選んだのだろう?
        もしかするとゴロさんは花と結婚したはいいものの、彼女が他人でいるうちは可愛いけれど妻や主婦としては最悪だということに気づいて、距離を置いて暮らしたがっているのではないか。
        妻を愛してやまないならオートロックもないわ洗濯機が外にあるわなアパートに住まわせているというのもおかしい気がするし。(あの手のアパートには生活保護受給者や精神障害者が住んでいることがある)

        料理の方も見た目はそんなにまずそうではないのだが、花がペラペラしゃべくりながら作っているので汚く感じる。
        >> 続きを読む

        2017/01/26 by kikima

    • 他2人がレビュー登録、 9人が本棚登録しています
      弱虫ペダル

      渡辺航2008/06

      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.8
      いいね!
      • 今の世代のロードバイクマンガと言えばこれになるでしょう。
        このマンガを読んでロードバイクに乗り始める人が、最近では非常に多く、
        女性のライダーも増えています。
        キャラクターが魅力的なので、乗っている自転車をほしくなる人も多いですね。

        しかし皆、店にいって驚くことでしょう。
        マンガのキャラクターたちがさらっと乗っている自転車は、
        楽々と30万円はオーバーしています。
        物によっては100万円をも超えます。
        また、実際に走ってみると勝手が違い、怖くて結局乗らなくなる人が
        結構な割合で居ます。
        が、
        慣れれば速度も出せる。
        今まで行けなかった距離まで自分の足で行ける
        など、楽しい要素も凄く多いです。

        これから始めようかなって方、私も乗っているので、もちろん仲間が増えるのは
        非常にうれしい事ですが、良くイメージしてから買いましょう!
        >> 続きを読む

        2015/04/28 by frontier

      • コメント 1件
    • 他2人がレビュー登録、 10人が本棚登録しています
      コミック星新一親しげな悪魔 = comic hoshi shinichi the friendly demon

      石黒正数2012/08

      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      3.0
      いいね!
      • コミック☆星新一のシリーズ第3作目。SF作品のチョイスが少な目だと思います。
        そもそもタイトル作品からしてSFではないですからね。なぜこの作品をタイトルにしたのでしょうか?
        1~2巻からすこし間が空いてのシリーズ再開だったようで、この本の存在にも気づかなかったのですが、読書ログで Ada_banaさんに教えていただき、入手しました。
        情報どうもありがとうございました。

        ストーリーの方はネタバレなしの「漫画として」の感想中心にレビューしてみます。

        『ひとつの装置』  作画:白井弓子
          近未来からはるか彼方の地球の未来を描くSF
          SF独自の美しさには欠けますが星さんの世界観を知るためには適した作品。
          白井氏自身のメッセージも込められていると思われます。

        『ねらった金庫』  作画:石黒正数
          金庫を狙って強盗が押し入るというネタは星さんお気に入り。
          いろいろなヴァリエーションがあります。
          本作は女の子二人組の泥棒という設定のため、マンガチックな味わいがより増しています。

        『たねの効用』  作画:奈々巻かなこ
          寓意的なファンタジー。人生とは、幸せとは。
          どう生きても人の一生。そして最後の最後まで最適な選択だったかどうかはわからないですね。
          この漫画は星さんっぽくなくて、むしろ日本文学風に私には思えるのですが。
          本作の原作を読んだ記憶がないので、いずれ比較してみたいです。

        『親しげな悪魔』  作画:武嶌波
          なんの変哲もない壮年の男が悪魔だというところがポイントです。
          ストーリーがかっちりしていて、実写ドラマ向き。
          本作はリアリティがありますが、漫画ならではの表現を楽しめる作品ではないですね。

        『愛の作用』  作画:KUJIRA
          未来社会の人間の無感動さを批判する痛烈な風刺がこめられたSF
          SFのエッセンスはこういう作品に存在します。
          もうちょっと美しく描いて欲しい気もしますが…。

        『妖精』  作画:渡辺ペコ
          ファンタジー仕立てでありながら、浅はかでいじましい人間性をあぶりだす皮肉さが全開。
          女性ならではのプロットですが、漫画では大人の女ではなく、かわいい少女の設定に変えていて実にほんわかした作品になっています。
          ダークな星さんらしさが薄まっているため私は物足りない気がしましたが、単独で味わうならかなりうまい作品です。

        『疑問』  作画:道満晴明
          これは読んでて「疑問」がわきました。
          まず、これは星さんですか?という「疑問」。
          オチはこれでいいの?何がいいたかったの?という「疑問」
          原作が思いつきません。未読かも。
          絵は可愛いです。いわゆるアキバ系に昔の漫画をミックスしたみたいな。

        『意気投合』  作画:青木俊直
          ちょっとびっくりな絵柄。ギャグマンガなの?と思いました。
          真鍋さんの絵が好きだいう青木氏。イラストとして見る分にはいいと思うのですが、ストーリー漫画をこの絵柄で見せられるのはちときつい。

        『もてなし』 作画:西村ツチカ
          これは相当むごいダークな物語なんですが。
          漫画にすると、なんか普通に進行し、ああやっぱりという感じで、ショックが少ない気がしました。
          どうせこれを選ぶならもっと怖くできるのに…。
          でもこれはこれできっとこの漫画家の世界なのですね。だらしない男がとても良く描けています。

        『花とひみつ』  作画:鈴木志保
          絵本の世界みたいな画風&お話しに仕上がっています。
          のほほんとしすぎていて、星さんっぽくない気がしますが、原作もこんな絵本テイストなんですよ。だから結果として絵と小説がマッチしていると思います。星作品としても珍しい作品です。

        今回の作品集には「ボッコちゃん」からのチョイスは「妖精」「意気投合」の2篇でした。

        表紙の絵も前2作からだいぶイメージが変わりました。乙女チックですね。しかも中の漫画と何の関係もないイラストときています。
        なぜ表紙が唐突にこの絵なのでしょう?「ねらった金庫」を描いた石黒氏が描いていますが、なぜ悪魔の絵を描かせたのか?とても疑問です。この企画を考えた人は正気なのでしょうか?
        *収録作品の「親しげな悪魔」(武嶌波、画)はこんなイラストタッチの作品ではありません。もっと劇画調で悪魔も見た目ただの初老のおじさま。シッポなんかありません。そして内容もポップさはかけらもなく、ダークなお話しです。

        各作家さんのファンの方にはごめんなさい。私にはこの作品集は4作中で最も評価が低い本になってしまいました。
        漫画の技量にばらつきがあります。
        それまでは漫画家さんに星新一に対するリスペクトが先にある雰囲気でしたが、今回は仕事をもらってから読みましたな人がいたことも一因かもしれません。
        トリビュート作品になりきっていないのです。
        それがムードで伝わってくるのですごく残念な作品が存在します。
        星さんフリークよりも星さんを知らない人が初めて触れる本としてはお勧めできるかもしれません。
        なんといっても幅が広いというか間口が開放的というか、まあそんな感じです。
        >> 続きを読む

        2016/02/04 by 月うさぎ

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      ブラック・ジャック創作(秘)話 手塚治虫の仕事場から

      吉本浩二2011/07

      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
      いいね!
      • 帰省先にある手塚治虫記念館に行こうと思ったら休館していたのでしかたなく気分を出すために買ってみた。

        手塚治虫の仕事を当時のアシスタントや編集の方々が証言しながら物語として展開していく。
        読後思ったのはこんな生活していたら早く亡くなってしまったのもわかる気がするなと。

        証言者は当時の笑い話として語っているが、どう考えても過労死に近い超重労働。
        最近の若者がブラック企業とかすぐ文句言うがこの仕事量を何十年も続けるれる人はそうはいない。

        でも物語自体はとても明るく面白いし、手塚治虫のひととなりもわかる。
        どれだけ一つの話を作るのに漫画家が心血を注いでいるかがわかって
        これからはもっとじっくりゆっくり読んでみようと思った。

        もう一回家にある手塚全集をすこしづつ読んでいこうと思った。
        やっぱり漫画の神と呼べる存在は自分の中ではこの人しかいない。

        そしていつ読んでもブラックジャックは面白すぎる。
        >> 続きを読む

        2016/01/08 by くじら

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      バチバチ

      佐藤タカヒロ2009/09

      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
      いいね!
      • とにかく熱い漫画で面白いです。

        キャラもしっかり立ってますし、感情移入して読めますので、相撲漫画ということですが、相撲に興味のない人でも必ず楽しんで読めます。

        ただ、この漫画めちゃくちゃ出血してますが、実際の相撲ではそんなに出血しませんので、そこだけ気になります。
        >> 続きを読む

        2015/05/22 by Rose

      • コメント 5件
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      のろいの館 (秋田漫画文庫)

      楳図 かずお (1989/01

      4.0
      いいね!
      • このマンガを読んだことのある人ならば「タマミ」と聞くだけでぞっとすると思う。

        「おろち」や「鬼姫」のメッセージ性のあるストーリーとは異なり、純粋にホラーの怖さ。このマンガを読んでしばらくはタマミが頭から離れなかった。

        もうひとつ収録されている「怪談」。こちらもオーソドックスだけど、やっぱり怖い。

        読むとしばらく眠れなくなって後悔しそうだけど、また読みたいな。
        >> 続きを読む

        2012/03/02 by sunflower

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      ドカベン

      水島 新司 (1972/11

      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
      いいね!
      • そろそろ夏の甲子園も気になり始める頃ですが、高校野球と言えばやっぱりドカベンだったりします。

        ・悪球打ちの岩鬼
        ・変幻自在の殿馬
        ・魅惑のアンダースロー里中

        魅力的なキャラクターが揃ったチームが勝ち進んで行くのはワクワクしたなぁ。

        そう言えばアンダースローの投手って極端に少なくなりましたよね。

        サブマリン投法の山田久志って超カッコ良かったなぁ!
        >> 続きを読む

        2012/07/13 by yutaka

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      恐怖新聞 (1) (少年チャンピオン・コミックス)

      つのだ じろう (1973/11

      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
      いいね!
      • 読むと寿命が100日縮む、その名も恐怖新聞。
        主人公の元にはどこからともなく
        今日も新聞が配達されてくる。。。

        読んだのは中学生のころ。
        文化祭のときに誰かが持ち込んだのですが
        文化祭そっちのけで読みふけっていました(笑)
        >> 続きを読む

        2011/08/02 by RZ350

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      グラップラー刃牙 (1) (少年チャンピオン・コミックス)

      板垣 恵介 (1992/02

      5.0
      いいね!
      • 燃える格闘技漫画であり、少し親子の物語のような漫画。

        バキの原点であり、数々の話題を生みだした漫画だと私は思います。
        格闘技はもちろん異種格闘技。聞いたことのないような格闘技術や格闘技とは関係ない?戦闘術など幅広い戦いを繰り広げます。

        戦闘シーンは激しく、独特の表現方法がとても魅力的だと思います。
        突っ込みどころは満載です。





        個人的にガイアの戦い方が好き。
        >> 続きを読む

        2013/07/08 by BlueBull

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      Sun-山田浅右衛門

      津寺里可子2004/04

      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
      いいね!
      • 10年振りに全4巻、再読。
        山田浅右衛門は実在の人物。
        確か8代まで続いたらしいけど
        この話の主人公は4代目、江戸中期の話。

        4代目・浅右衛門(吉寛)は将軍家の御試御用の任に就いて
        罪人の首斬りの他、
        首のない体を新刀の試し切りに使ったりするため
        『首切り浅右衛門』と人々から恐れられていた…が、
        心優しいため仕事の後は心にダメージを受けてしまう。
        いくら家業とはいえ辛い仕事、
        人を斬る度咳き込み、血を吐いてしまう。

        心に大きな傷を持つ浅右衛門の人となりと、
        その浅右衛門を支える周りの人達
        (先代の弟子で同居人の鉄次、茶店のおしず幼なじみの次期将軍家治、たちなど)との物語。


        10年以上前の本だけど古さを感じないし
        いいものはやっぱり
        いつ読んでもいいもんだなぁ~って改めて思った。
        全4巻で第一部完

        いくら待っても第二部が始まらなかったけど
        これはこれでいい終わりなのかも知れない。
        過ぎていく毎日の中で、
        人の笑顔が嬉しい、笑う相手の顔が嬉しい。って
        浅右衛門が思えるようになった…大切なもの(人達)ができて
        ここでようやく前向きになれたんじゃないかな?
        人の繋がりって時代関係なく大事な事だね。

        >> 続きを読む

        2015/04/22 by あんコ

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      魔弾の射手

      青池保子1983/07

      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
      いいね!
      • 時は東西冷戦のまっただなかの80年代。シリアスなエスピオナージの短編作品。
        ハードボイルドだぜぃd(-_^)

        本作が刺激となって、この後、スパイや軍事ものの小説を読み始めたのでした。


        「鉄のクラウス」ことドイツの軍人・NATOの情報将校、
        クラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハ少佐が、
        二等書記官の身分でウィーンへ派遣された。
        東側の軍事行動の目的を探るため、KGBの二重スパイと極秘裡に接触するのが彼の真の任務だった。
        一方KGBでは二重スパイを抹殺すべく「特殊捜査局」が動き始めており、
        すでに二人のスパイが殺し屋オレグによって始末されていた。
        大物スパイの亡命と引き換えに隠れている二重スパイを突き止め、その保護を依頼される少佐だが、
        当の二重スパイは長年の猜疑心から、味方である彼すら信じることができなくなっていた。

        美しい作画、映画的な構図と手法、正統派スパイものとしての骨格を備えた秀作です。
        ハリウッド映画のドンパチではなくて、往年の渋いヨーロッパ映画のスタイル。

        短編なので、筋としては比較的あっさりしていますが、
        殺し屋の異常性が強調され、追い詰められた二重スパイの心理的な恐怖を描ききり、
        全体的に重いムードの緊迫した感じがいいのです。

        台詞もまた、名言です。

        銃撃シーンは大好きです。
        効果音を文字でデカく描けば迫力あるシーンになると思っていたなら
        考え直すべきですね。

        これって現実としてどうか?なんていいっこなしですよ。
        形式美かもしれないけれど、美しくなければ少女漫画じゃないのよ。

        それと、ベートーヴェンやウエーバーを犯人の証明に利用したり、
        こういう演出がたまらないです♪
        会話だけなのに、この大詰めのシーンも美しいです。
        絵になります。

        少佐は芸術音痴の設定なのですが、結構クラシックには馴染んでいますよ。
        少なくともボンで生まれたドイツ人ですから。

        殺し屋のオレグはフレデリック・フォーサイスの「ジャッカルの日」の殺し屋のイメージで、非常にクール。
        そして、それ以上に少佐が少佐らしくてかっこいいです。

        もはや「渋い」「かっこいい」としか言えなくなっている自分(^_^;)

        敢えていうなら、もうちょっと長い作品として読めたらいいのに。
        っていうくらいですか。
        読み切りのスピンオフ作品で、雑誌掲載ページ数が決まっていますから、
        その制限でよくぞここまで描けたな、と私は思います。


        もし購入されるのなら、文庫ではなくハードカバーをどうぞ。
        緻密な絵とその迫力が味わえることが最大のメリットですが、
        この作品は他の作品と抱合せで読むより、単独で読んで欲しい。
        他のコメディと一緒に読まないで~。
        ずっこけるから。


        *エスピオナージとは「諜報」スパイ活動の意味
        *『魔弾の射手』は、カール・マリア・フォン・ウェーバーが作曲した全3幕のオペラ
        >> 続きを読む

        2012/10/23 by 月うさぎ

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      わが指のオーケストラ

      山本おさむ1991/09

      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
      いいね!
      • とても良い作品だった。

        戦前の聾唖教育についての物語なのだけれど、戦前の耳の聞こえない人・目の見えない人は、本当にさぞかし苦労が多かったのだろうとこの作品を読みながらあらためて考えさせられた。

        作品の中には、米騒動や関東大震災なども出てくる。
        関東大震災の時には、聾唖者が数多く虐殺されたという。

        少数者をどれだけ大事にできるか。
        それはきっと、この社会全体がどれだけ思いやりがあり、まともなものであるかの、大事な指標なのだと思う。

        この漫画を読んではじめて、手話教育が口話法を重視するあまりに学校教育において排斥され、長く学校から排除されていたということを知り、とても驚いた。
        手話が十分に学校等の場で公式に認知されはじめたのは、わりと近年になってのことだそうである。

        手話が排除排斥されるなか、確固として手話教育の孤塁を守り続けたこの漫画の主人公たち、そして大阪市立盲唖学校は本当にすごいと思う。

        多くの人に読んで欲しい名作だと思う。
        >> 続きを読む

        2012/12/22 by atsushi

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      Z
      Z

      青池保子2011/10

      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
      いいね!
      • スパイものの漫画といえば何はおいても「Z ツェット」です。

        クールなスパイの世界で奔走する金髪碧眼、ゲルマン系の超美形の若者。
        コードネームはZ(ツェット)。
        スリリングなストーリーとドラマチックな人間描写が秀逸。
        「正統派」かつ「文学的」なスパイアクション漫画です。
        「男女の恋愛」も描かれます←ここ重要!

        上官のエーベルバッハ少佐は、めちゃくちゃ口が悪いです。
        でもその中には皮肉な笑いや真理の他に、部下に対する熱い想いも込められています。
        そんな上官への絶対的な信頼を胸に、一見甘ちゃんの、実はしぶといド根性坊やのZ君が、
        命を張ったシビアな世界の中で、心も体も傷つきつつも逞しく成長していきます。
        しかしZが魅力的なのは、素直で優しい心が失われないことにこそあるのです。
        「永遠の新人」Zに幸あれ!

        名作洋画鑑賞の気分でどうぞ。


        【ZⅠ】    1979 8月
        「鉄は熱いうちに打て――だ」 訓練所を出たばかりのぺーぺーのZ君のデビュー作。
        漫画らしいコメディの色が濃い作品です。
        東西冷戦の真っただ中の情勢下。
        Zの初任務はMFS(東独国家保安省)によるオイルダラーの息子の誘拐阻止のための護衛。

        「なんであんなものすごい上官の下にまわされたんだろう…」
        なんてチャラいことをほざくほど、まだまだフツーの青年。

        新人と見抜かれ甘く見られたZは目の前で誘拐を実行され、彼自身も車ごと始末されそうになる。
        「とむらいの花ですよ NATOのぼうや」

        ラストシーンのスローモーションとワイドな画面が
        めちゃくちゃ映画みたいでカッコいいです。
        セリフも渋い~♡

        「…撃った…な… バラ…を…」
        「そうだ――バラを…撃ったんだ――!」


        【ZⅡ “DIE FRAU AUS DDR"】  1980 6月
        デュッセルドルフの兵器工場「ハイデマン鉄鋼」の中堅技術者の死は事故死ではなかった。
        死体のポケットから出てきた「NATO エーベルバッハ少佐」と書かれたメモ。
        死亡当日に速達で届いた「1本のボルト」
        彼は東ドイツから西側への逃亡者だった。
        Zは同社のコンピューター室に勤務する妻、レナーテに接触を図る。

        東西ドイツが分断されていた国境線「ベルリンの壁」が描かれています。
        (ああ、本物が見たかったのに…)

        「スケベ心をおこすな 彼女は美人だ」

        「プロってのは相手によけいなことは一切知らせんもんだろうが」

        「わずか ボルト1本の――」
        人を人と思わぬ非情さに悲しさと哀れさを感じます。
        「さようなら やさしいスパイさん」
        Zが泣きます。少佐が、わざと冷たくしているところがいいですね。

        私は、この作品が一番好きです。


        【ZⅢ “PANZER MARSCH" 】  1981 7月
        BND(ベーエヌデー・連邦情報局)の大物、アドルフ・ハルトマンからエーベルバッハ少佐に個人的な依頼として持ち込まれた案件は
        「2重スパイ狩り」だった。
        「疑惑の目をむけられた2重スパイは逃亡する前に必ずある行動を起こす」
        つまりお土産持っての亡命である。
        重要な役職についていたものの亡命は情報の多大な漏洩と威信の失墜という大きなダメージをもたらす。
        西側諸国の利益のために「鉄のクラウス」が動く。

        二重スパイは誰なのか?情報漏えいの方法は?
        ミステリーとしても楽しめます。

        「おれ達の仕事はすべて納得ずくで片付くような おめでたいもんじゃないんだぜ!」
        部下は上官の命令で与えられた任務を遂行する――それがすべてだ。

        ハードボイルドだぜぃ。d(⌒ー⌒) グッ!!


        【ZⅣ  “Das Fraulein,die Z lieble"】
        Z君の恋。スパイの愛した人は、いつも悲しい運命の女。
        ノルウェイに潜行していたNATOの連絡員、エルウィン・マイヤーが事故死を遂げ、
        周辺捜査のためZは弟としてその恋人、アネリーゼ・オルセンに接触する。

        傷心の女性を騙す罪悪感に苛まれるZだが…

        「失恋した男は酒でもかっくらってみじめに泣いてりゃいいんだ
        それが別れた女へのエチケットというもんだぞ」

        「ぼくは本当に寒かったんです」の名セリフは
        後に、少佐にからかわれるネタとして使われることになる。

        この本に収められたこの作品では、ラストの部分に大幅な加筆があり、
        連載当初と随分印象が変わっています。
        特に、あのシーンが( ̄▽ ̄)


        【ZⅤ “BLACK-OUT”】   1983 9月
        最新鋭戦闘機がリアルに空を舞う少女漫画が他にあるでしょうか?!
        MFSの手に渡った軍事機密を取り戻すためにDISへ「協力」に派遣されたZ
        しかし内密に処理したいDISにとっては邪魔者でしかない。
        「ぼくの任務はまだ終わってはいない
        ぼくは負け犬にはなりたくないんです」
        内部に留まるMFSのスパイを追い続けるが…

        ジャギュアCCV=2戦闘機に同乗させられてしまうZ。
        「国外へ脱出する前に撃墜せよ」
        絶体絶命のピンチ!

        主人公はZなんですが、読者の大多数はハリアーを操縦する少佐が「かっこよすぎ~」って思っていました。
        なんで陸軍出の情報将校が戦闘機に乗れるのさ?とは聞かないでください。


        【ZⅥ “Das Rapsfeld"】 1999 8-9月
        時は過ぎ、冷戦時代は終わり。スパイが活躍するのは経済問題の舞台へと変わりました。
        環境問題やエネルギー問題、それに絡む各国の利害など
        国際間の裏の世界はいまだに真っ黒です。

        ZⅥは、クリーンエネルギーを巡る陰謀のお話。
        時代を先取りした作者の鋭い感性に改めて驚かされます。

        燃料電池の技術研究をすすめるベンチャー企業の子息誘拐の企みは
        カスピ海の石油利権を握るロシア・マフィアの組織による経済妨害工作だった。

        ターゲットにされた少年を保護するためにZが動く。


        「最近のスパイ事件の大半は経済と科学が標的とされている。今や軍事関係は1割以下だ」

        情報戦略は冷戦時代とは様変わりし、アメリカの傍受システム「エシュロン」が産業スパイ行為を公然と行う時代。

        「重要な会議は面談が一番安全なんだよ。 電話もFAXもEメールも禁止だ」

        冷戦が終わり、欧州連合により国境もある意味亡くなったヨーロッパ。
        東西対立の最前線だったドイツも統合され、「Z」という作品のテーマが消失しました。

        この作品は作者が「Z」の最終章として描いた打ち止めの作品です。
        長きの連載に思いを馳せると、非常に感慨深いです。
        私にとっては、この作品は全てリアルタイムだったので。

        シリーズを追うごとにシリアス度が増してゆき、そしてZ君の髪が短くなっていきます(^^)
        まとめて読むと絵の変化もすごくて。


        【こんな方にもおすすめ】
        ・誰でも楽しめるエスピオナージ入門編 として。

        ・洋画ファンに。
        アングルやカット割りなど、映画を意識した作品なので。

        ・少女マンガを読んだことがない 男性 に。
         (普通の少女マンガではないですよ)


        【おまけ】
        長年実在を信じていたのですが、NATO情報部というのは実際には存在しません。
        (しないことになっている。というべきかも)
        そもそもNATO軍という軍隊が独自に存在する訳ではなく、
        ドイツ軍のいわば出向みたいな形式をとっているらしいですね。

        情報部の実働部隊を動かしている実質のリーダーが
        エーベルバッハ少佐で、その部下はA~Zの26人!
        という設定は、事実とはかなりかけ離れていると思います。

        マンガの出発点(「エロイカより愛をこめて」)がもともとコメディの設定で
        リアリズムではなかったという事情がありますので、
        このあたりは「フィクションのよさ」と思って楽しみましょう。

        それでも、時代を映す社会情勢の書き込みや、メカニックの描き方の緻密さ
        少女漫画では他と比較にならない車などの描写の上手さなど
        読んでいるうちに絵であることを忘れます。
        リアルに心から彼ら登場人物を愛し続けている人がいることが
        それを証明するでしょう。


        この本は「ZⅠ~Ⅵ」まで6作が一挙収録の『完全版』 2011年10月発売
        書店で行われたサイン会にも行きましたとも!!!
        青池さんと握手してもらっちゃった~♪
        >> 続きを読む

        2013/05/27 by 月うさぎ

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      エロイカより愛をこめて35周年メモリアルブック

      青池保子2012/09

      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
      いいね!
      • 少女漫画で男性にも勧められる作品をあげなさい。
        といわれたら、「動物のお医者さん」と「エロイカより愛をこめて」の2作品は外せません。

        この本は「エロイカより愛をこめて」の連載開始35周年を祝う記念本。
        つまり、ファンブックです。
        (注:私の評価☆5ですが、ファン意外にこの本は買う価値はおそらくないです。
        買うのならば本編にしましょう!)
        なのに、発売二週間後に重版という売れ行きとは!
        ファンの多さ、愛の不変さは連載開始後35年もたった今も衰えを知りません。

        私も「エロイカ」のファン歴は33年になりますが、
        絵柄が変わった、あのころの絵とストーリーが良かった。とちょっと愚痴を言いつつも、
        彼らへ登場人物たちへの愛は変わりません!

        青池保子の代表作「エロイカより愛をこめて」は少女漫画ですが
        当時としては、考えれらない型破りの漫画でした。

        ・主人公たちがちょっとおっさん。
        当時はせいぜい大学生か20歳前後の主人公が普通でした。
        今見ると、エロイカの主要人物も相当若いのですが、
        少佐26~27歳というのは相当年齢が高いほうでした。
        現在の年齢は30代半ばってあたりでしょうか。

        ・男が男の体をしている
        男性の肉体を筋肉のある体として描く。
        当時は12頭身あたりで、足が体の3分の2はなければいけなかったんです(笑)
        伯爵の体もミケランジェロの裸体画をみるようです~。
        乙女にはそれはそれは衝撃的なヌードでしたわ。

        青池漫画で肉体派の男に目覚めた女子は多い。(私もです)

        ・芸術的な漫画でもある。
        主人公「グローリア伯爵」は美術品泥棒で貴族様なので、こと芸術に対してのうんちく、自己陶酔的美意識はすごい。
        作品中に有名な絵画の模写が出てきますが、非常にレベルが高いです。

        ・ミリタリー漫画で、軍服フェチ族の創世者でもある。
        「エーベルバッハ少佐」は強面のドイツ人の軍人でサドっぽい三白眼のキャラです。
        今はそういう系統のキャラが溢れていますが、このころはそういう設定のキャラクターは皆無!!!でした。

        軍服フェチは間違いなく青池さんが走りです。

        ・公務員で中間管理職
        しかし、少佐の普段は背広ネクタイ着用のいたって地味なスタイルです。
        国家公務員で課長クラスの中間管理職という設定で、
        普段はオフィスで事務仕事もやっているのですから。
        背広の公務員ヒーローなんて少女漫画ではありえない。

        ・ミリタリー及びエスピオナージ漫画でもある。
        KGBとNATOが激しく対抗するハードボイルドなエスピオナージ漫画で、戦車や戦闘機が大画面で出てくる漫画だったりする。
        非常に映画を意識したつくりの漫画で、欧州色で決めています。
        アンチ・アメリカも特色のひとつ。

        ・脇役に中高年ばかり多数登場する
        近年、登場者の平均年齢がますます高齢化。
        戦争経験者ともなると90歳位になる訳で、それも当然なのですが、
        一癖ありそうなじいさんを描くのがまたうまくてね~。

        ・国際情勢や地理の勉強に役立つ。
        これ、本当です。
        旅行社の私が驚く正確さです。
        LCCのライアン・エアーも、青池さんに教えてもらいました。はい。
        トルコやギリシャやスペインのマイナーな土地などもよくぞ描かれましたね。
        普通暮らていたら、知らない町がいっぱい出てきます。
        国際社会や地理、外国人の国による性格の書き分けなど、
        非常にリアルで勉強もしている。
        ヘタな旅行記を読むなら、エロイカを読みなさい。
        このほうが、ディープでオタッキ―でリアルですよ~。

        ・時代の検証にも役立つ
        当時の流行やイベントや、パロディを多く取り入れているので、その作品が描かれた時代性がうかがい知れる。
        モスクワ五輪や天中殺、ダイアナ妃の結婚からワールドカップまで

        ・ロック・ファンの琴線に触れる作品でもあった。
        伯爵はロバート・プラント
        ジェイムズ君はジミー・ペイジ
        ボーナム君は当然ジョン・ボーナム
        Led Zeppelinのメンバーをモデルにしています。

        当時の美形アーティストというと、まず、デヴィッド・ボウイー、チープ・トリックのロビン・ザンダー、クイーンのロジャー・テイラー、ちょっと後だとJapanのデヴィッド・シルヴィアンあたりのやさ男風であって、
        青池さんのお好みのロバート・プラントとかキース・エマーソンだとかは
        ファンは多いですが、外見的に少女漫画のモデルになるとは考えられないタイプだったんですよ。

        ・当時の定番の801(ヤオイ)系の漫画ではありますが…
        伯爵は決して思いを遂げられない運命(≧▽≦)/
        この「一方通行な求愛」が今後ファンのツボになっていきます。

        ・海外でも人気の高い作品である
        翻訳され海外のファンもいる作品なのだけれど、
        翻訳の壁もあるみたいで、今後、ネットなどで配信できるようになれば
        世界的にもっともっとファンが獲得できるはず。
        ぜひぜひ期待したいです。
        エロイカファンになったためにドイツ語を学ぶ女子が増えたのは事実です。

        ・なのに、基本はコメディで、番外編は完全なギャグ作品である。
        相当ぶっとんだギャグです。笑ってください。


        高校のころこの作品と出会って以来、ずっと読んで来ました。
        過去のものになって忘れ去ることがない作品なんですね。
        忘れていても、再読すれば、必ず昔の自分に戻ってハマる。
        30年以上、ずっと同じ人を好きでいられる。
        漫画ってすごいものですね~。


        青池さんにサインをもらって握手してもらいましたが、
        非常に小柄なやさしげな方で驚きました。
        もっと元気で逞しい人かと思った。
        お体に気を付けて、これからも、作品を描いて行ってください。応援します。
        >> 続きを読む

        2012/10/20 by 月うさぎ

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      笑う吸血鬼

      丸尾末広2000/02

      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
      いいね!
      • エログロナンセンスで耽美!!
        丸尾さんらしい作品
        丸尾ワールド全開
        独特の世界観ヾ(≧▽≦)ノ
        今回、エロは少々少な目だけど思春期の危うさが耽美に繋がる。 


        駱駝女とよばれる百三十歳の吸血鬼に見込まれ
        吸血鬼になってしまった男子中学生・毛利耿之助。
        性に潔癖の同級生・宮脇留奈。
        放火や残忍な妄想にエクスタシーを感じる辺見外男。

        吸血鬼になった少年
        潔癖な少女の身に起こった出来事
        自分の衝動を抑えきれない同級生

        意外と乱れてるクラスメートたち


        おまえが異常なのか
        世の中が異常なのか


        異形の存在になった主人公が仲間を求める。



        ホラーと言うより闇って言葉が似合う漫画
        そして危うさが美しく感じる。

        荒俣宏さんの解説に
        グラン・ギニョールの世界と書いてあるけど
        まさしくグラン・ギニョール!!
        (コメディと恐怖心をそそるドラマ+一種の恐怖劇。グロテスクな見世物、芝居。)
        >> 続きを読む

        2016/06/15 by あんコ

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      花のズボラ飯

      水沢悦子2012/03

      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      3.0
      いいね!
      • 秋口に秋物のブランドもののワンピースを買うなんて贅沢だなあ。
        花の本屋でのバイト代は全て自分のお小遣いなのだろうか?
        夫が単身赴任の場合、夫婦一緒に住んでいた頃よりも生活費がかかるはずなのだが…ゴロさんはかなりの高給取りなのだろうか?
        その割には妻をオートロックもない古めかしいアパートに一人暮らしさせてるのが気になるけど。

        今回のズボラ飯にも心惹かれるものは無かった。
        超簡単で超うまい丼に対しても「明太子に醤油なんてもったいない!」としか思えなかった。
        そんな創作料理作るより普通に湯豆腐と明太子とバター醤油ご飯の方が良いよ…。

        親友ミズキの妊娠に心中複雑なはずの花に対して「面白い子」「ひょうきんな子」とパン屋の店長が言う場面が少し切ない。

        が、花が赤ちゃんに恵まれないのは病気とゴロさんの単身赴任のせいだけではないだろうなあ。あの食生活じゃよほど妊娠しやすい体質でもない限り、なかなかご懐妊しないような気がする
        。というか過去に大きな病気をしたことがある人間はお汁粉やお菓子だけで食事を終わらせるなんてことはしないと思う…。
        >> 続きを読む

        2017/01/28 by kikima

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      コミック・星新一午後の恐竜

      川口まどか2003/06

      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
      いいね!
      • 『ボッコちゃん』を再読したのでこのチャンスにコミック版☆星新一も再読してみました
        コミック☆星新一の第一弾!
        『ミステリーボニータ』2001年9月号から2003年4月号までの全11話を収録したものです。
        『ボッコちゃん』からは「ボッコちゃん」「殺し屋ですのよ」「おーい でてこーい」「生活維持省」が選ばれています。

        ボッコちゃん - Perfect Girl 作画:JUN

        金色のピン - Golden Pin 作画:川口まどか

        天使考 - A study of Angels 作画:木々

        殺し屋ですのよ - I am a Murderer  作画:かずはしとも

        おーい でてこーい - Come Out! 作画:鯖玉弓

        午後の恐竜 - Afternoon Dinosaur 作画:白井裕子  

        現代の人生 - Present-day Life 作画:有田景

        生活維持省 - Living Maintenance 作画:志村貴子

        夜の事件 - Incident of night 作画:小田ひで次

        箱 - Box   作画:小田ひで次

        書店で見つけた時、星さんを漫画化だと~?!大胆不敵な!と思い手にしたのですが。
        結果は満足でした。
        『ボッコちゃん』 『天使考』『午後の恐竜』『箱 』 が気に入りました。中でも木々さんは絵がとても美しくてわたし好みです。

        個々の趣味で評価は分かれるかと思いますが、星さんのフラットな人物造形に顔が付き名前がつき、血が通うとどうなるか。考えたこともなかったので、このビジュアル化は衝撃でした。ドラマなどで実写するよりも、いい意味でより違和感があるのです。
        絵のもつ力――エモーショナルな感覚、直感的なインパクトに改めて感心しました。逆説的に星さんの文学の手堅さをも同時に実証しています。
        自分がいかに真鍋博のイラストのイメージで星さんを読んでいたのかを教えられ、ショックでした。

        私は今まで正しく星新一を味わっていたのだろうか…?

        漫画家の競演が楽しめる点も魅力の一つです。これらの漫画家諸氏を不勉強にも誰一人存じませんでしたので、すごく新鮮に思いました。メジャー誌で描かれている人ばかりが漫画家ではないことは知ってはいても、あまり自分からそのジャンルに手を出すことがありませんでしたので。

        今回原作の『ボッコちゃん』を読んだ直後なので、漫画家のアレンジが加えられた部分が非常にくっきり見えました。
        絵柄の好みの問題をさておいて、アレンジがよいものと悪い物があるとは感じました。

        「箱」のアレンジは成功例です。
        主人公を男から女に変えただけではなく、和の雰囲気で情感たっぷりなドラマに改変。それがストーリーに深みと人間らしさを付け加えています。原作では非情な印象すらある主人公が身近で生き生きとした、隣人や自分自身のように感じることができます。

        一方「生活維持省」は漫画家の力不足を感じました。
        というよりも「生活維持省」は星さんのショートショートの中でも最高傑作にあたる一篇なのですよ!だから誰がやっても星さんに届かないという事情はあったと思います。しかし改変部分に美しさが無い。衝撃を受けた女性が取り乱すシーンは気絶ということで処理(しかも黒いベタのコマ1コマで表現)、光線銃を使うのも錠剤に変え、絵としての表現省いている、最後のセリフをカットしている。最大の欠陥は未来社会の描き方が現代の風景とどこも変わらない点です。これではいけない。平和な楽園のような社会が実現されていることを、自然にあふれ人々は平和を満喫し、あくせく働くこともないという社会を絵で見せなければならないのですが、そういう方向に想像力を使っていません。星さんの頭の中にある映像がこの作品を読んだだけでは全く伝わらないです。何のためのビジュアル化なのか残念でした。
        この本を買った時に読んだ時はそれほど悪いと感じなかったんです。なぜならば、この原作があの作品だと思わなかったからでした。それくらい違うよ。この1作は。(^_^;)

        しかし原作と漫画を行きつ戻りつして交互に読むのは意味がありました。これは映画と原作の良い関係に似ています。1作が短いからそれもお手軽にできますしね。楽しみ方がひとつ増えた気がしました。
        そしてまた、改めて星さんを好きだなと思うことができました。
        星新一を未読の方はぜひお読みください。漫画からでも原作からでもOKですが、原作を外して漫画だけっていうのはNGですよ(^_-)-☆

        星さんの文の奥に広がっている宇宙の広さや闇の深さをご自身で確かめていただきたいから。
        >> 続きを読む

        2016/01/29 by 月うさぎ

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      コミック・星新一空への門

      星 新一 (2004/07

      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
      いいね!
      • コミック☆星新一の第二弾。『ボッコちゃん』課題図書記念に再読レビューです。
        本作は「ゆきとどいた生活」「冬の蝶」「鏡」「程度の問題」と8篇中4篇が『ボッコちゃん』からのチョイスです。『ボッコちゃん』強し!!

        空への門 - The gate to space  作画:鬼頭莫宏
          なんと!感動のドラマです。短篇なのにこの原作は「宇宙兄弟」に負けない大作です。

        鏡 - The mirror  作画: 羽央 
          この作品を漫画化するならここまでやるよな。そうだよな。やるならここまでやらなくちゃね~。
          かなりグロイです。気を付けてください。星さん、実は危ない人なんです。漫画作品を読んで初めてそれに気づいた方もいるのでは?

        患者 - Patient  作画: 東山むつき
          薄味。作品が地味なのもあると思うのですが。漫画家の表現も地味です。星さんはもっとシャープだと思う…。

        冬の蝶 - The butterfly of winter  作画: 阿部潤
          絵柄は私の星さんのイメージとは全くあわないのですが、原作の設定やセリフが可能な限り忠実に再現されていて、意外性と蓋然性が絶妙にミックスしています。
          この作品実はこんなにもロマンティックだったのね。驚きました。

        処刑 - Execution  作画: 阿部潤
          この作品は衝撃!!!でした。星さんの作品のもつクールさとよくいわれる「匿名性」の裏を突いて、人間臭く、情動的で残酷で。でも決して星作品を壊していない。この作品は、実はこう読むこともできたのです。それに気づかなかっただけで…。
          なんだか、新しい境地を得た気分です。勉強になりました。
          好みの作画ではないのですが、漫画化の中で最も印象深い作品になりました。

        程度の問題 - The problem of a grade  作画: 人見茜
          星さん独特のジョークが炸裂。これは漫画化に最適な作品かもしれません!
          漫画家さんもコミカルに、でもやり過ぎず、とても笑える作品に仕上がっています。
         ふと思ったのですが、漫画にすると割と普通かも。こういうギャグマンガ、ありますよね。
          「エロイカより愛をこめて」にも同様なネタがあります。「パタリロ!」もこういうノリはしょっちゅう。
          では、文章の作品でこれを描けるとか?と言われたら?きっと無理です。ショートショートの形でうまくまとめているところが星さんなんですね~。

        宿命 - Fate  作画: 川口まどか
          もう。これは「ブレード・ランナー」ですよ。絵柄もその印象を強めています。まさか、星さんのSFで泣けるなんて…。

        『ゆきとどいた生活』 作画: 鈴木志保
          これ、よく絵にできたな~と思います。なかなかアーティスティックな仕上がり。作品の印象はとても無機質なものですが、これはどこかノスタルジックで少し悲しい。そう思って再び原作を振り返れば、星さんの作品に中にある悲しさと同じ悲しさを発見できます。
        『ミステリーボニータ』に2004年6月号までに掲載された作品をまとめたものです。

        『午後の恐竜』に続く2作目の本作は1作目よりSF色が濃く、絵柄も中身もダークな作品のラインナップが目立ちます。賛否はあるでしょう。でも力作が多いと思いました。まず第一弾で慣れてからの方が無難かも。

        これだけ幅のある作品が集まるということは、星新一の作品のストーリー性が個性的であることと、イメージを押し付けてこない透明さに起因するでしょう。
        真鍋博の絵はこれからも星さんを表す代表的なイラストでありつづけることでしょうけれど、そこから離れた星さんを見つけられたのは私にとっては収穫でした。

        でも、原作の文章のすばらしさは小説として味わってほしいです。
        一度読んだだけでは気が付かないくらいのさりげない言葉の選び方をしているんですよ。
        だから読者がみんな「誤解もせずに」ストーリーを完璧に理解できるんです。こんなに切り詰めている表現なのに。本当にすごいことです。
        不安になってくどくど説明したくなったりするものだと思います。
        やはり星さんはクールだなぁ☆
        >> 続きを読む

        2016/02/02 by 月うさぎ

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      小学生日記 爆笑絵日記エッセイ

      宮原るり2006/08

      カテゴリー:雑著
      4.0
      いいね!
      • 相方さんの小学生時代のカオスな日記に、著者がツッコミを入れつつまとめたという、異色のエッセイ・・・エッセイ?笑

        この小学生日記ですが、小学生特有の文章の拙さ+相方さんのステキな誤字脱字諸々により、非常に笑えるシロモノとなっております。
        さらに、るりさんの絶妙なツッコミ、素敵な挿絵により、面白さは倍増になっています。

        日記の本文にるりさんのツッコミが()で挿入されているのですが、

        この前ぼくは、とうもろこしのたねをまきました。
        (ほほえましい)
        見ると、3せんちぐらいのたかさの、目が出ていました。
        (ほほえましい気持ち悪さ)
                    以上本文より抜粋

        のように、非常にテンポがよく、小気味よさを感じます。

        また、多少のジェネレーションギャップは感じることもありますが、小学生あるあるがちらほら見え、読んでて懐かしい気持ちになりました。

        基本的に内容は笑い:ほのぼの=9:1くらいなので、ほのぼの内容がくると、あれ、オチは!?となるのはご愛嬌笑

        ちなみに私は何気に相方さんの担任の先生話が1番好きでした。
        こんな先生が担任だったらきっとステキだなーと思います。

        本書の内容の一部は、るりさんのWebサイト、HEPPOCOLOGYに載っているので、気になる方はぜひとも覗いてみてください。
        個人的にそこに載っている旅行記も大好きです笑
        >> 続きを読む

        2012/10/12 by yamayama

      • コメント 5件
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      鬼姫

      楳図かずお1986/08

      5.0
      いいね!
      • 表紙が怖すぎる…でも楳図かずおのマンガの中で最も好きな作品。

        ただのホラーではない。純粋な人間が追いつめられて、生きていくために自分でもわからないうちに人格が変化していく。お化けとか、殺人とか、そういうわかりやすい怖さではなく、徐々に変わっていく怖さ。人間の本質的な強さと哀しさがこのマンガの中に凝縮されている気がする。

        このマンガはあるお城を治めているいる鬼姫の話だけれど、カタチは変わっても、こういう人間の変化って現在社会でもあることだと思うしそれってものすごい怖いことだと思う。

        最初に読んだのは小学生だったが、その時の衝撃は今でも鮮明に思い出せる。子供ながらにショックだった。

        そしてこのマンガのラストシーンの切なさったら無い。

        マンガはただの娯楽ではないと思い知らされた作品。
        >> 続きを読む

        2012/02/27 by sunflower

    • 2人が本棚登録しています

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