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(株)新日本出版社 (シンニホンシユツパンシヤ)

企業情報
企業名:新日本出版社
しんにほんしゆつぱんしや
シンニホンシユツパンシヤ
コード:406
URL: http://www.shinnihon-net.co.jp
      アフガニスタンの少女マジャミン

      長倉洋海2010/09

      4.5
      いいね!
      • この先に「アフガニスタン 山の学校の子ども」を読んでいたので、この写真の奥行きがさらに拡がった。
        子どもの存在とは何か?ということを、改めて考えてしまう。
        精いっぱい、家族の中で役割を果たす子ども達。
        まさに、生きているということを感じてしまう。
        >> 続きを読む

        2015/07/02 by けんとまん

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      めぐる季節の物語

      星野道夫2010/10

      カテゴリー:北アメリカ
      4.0
      いいね!
      • 自然ってなんだろう?
        人がいてもいなくても、そこには生き物たちの営みがあるし、生き物がいなくても、自然の移り変わりがある。
        多くの人は何かを勘違いしてしまっているのかもしれない。
        インデイオたちの言葉の奥深さも感じ取ることができる。
        雪・・・・同じ雪でも、実際はいろんな雪があって、それに対応する言葉にあふれている。
        それこそが、そこに生きてきた民族の歴史の表れだろうと思う。
        このくにでいううと、色を表す言葉にいろんなものがあるように。
        >> 続きを読む

        2015/06/22 by けんとまん

    • 他1人がレビュー登録、 2人が本棚登録しています
      あめふりうさぎ (新日本出版社の絵本 ふれあいシリーズ 1)

      せな けいこ (1981/11

      3.0
      いいね!
      • 「このこ ふつうの うさぎに みえるけど
        おおあめの ひに うまれたんだ
        だから……

        うわぁ~。うちの子の幼い時そっくり。と思いました。
        これは、そのまんま子どもの世界です。
        こうさぎの泣く顔なんか、自分の娘もこうだったよなあと、
        しみじみしてしまう、子育て終了した今の私。


        貼り絵で描かれた絵本。素朴なのに表情豊かで、温かい印象。

        「いやだいやだシリーズ」「おばけシリーズ」で古くから活躍する絵本作家さん、せなけいこさんは今も新しい作品を生み出し続けています。
        この絵本はうさぎシリーズ。かな?

        この子が泣くと雨が降ってしまうのですが(それってすごいパワーですよね)
        とても泣き虫なのでみんなが困っています。

        子どもってこういうことを不思議とかありえないとか考えずに
        もしかしたら、自分もそうかも。って思うみたいですね(^^)

        この本は泣き虫はだめよ。と、教育的にも使えますが、
        (私は使いたかったです…)
        むしろ、こどもってこうだよなあ。と感じればいいでしょう。

        一部、こどもに美しい世界だけを見せたい方、こどもの残酷さや世間の日常から目を背けたい方が不快に思うこともあるようで、
        万人に☆5でお勧めする訳にはいきません。

        無遠慮だって意地悪だって、それをぜんぶひっくるめて子供の世界だし、
        それを味わいつつ成長するのが人間だと、私は思うんですけれどね。

        ほんのちょっと思いやりをもてば、お互いにとてもハッピーになれる。
        最後にはそんなメッセージもみられて、私は、悪くない。と思います。
        >> 続きを読む

        2013/06/22 by 月うさぎ

      • コメント 6件
    • 2人が本棚登録しています
      ぴょんぴょんぱんのかばんです (新日本出版社の絵本 ふれあいシリーズ 2)

      香山 美子 (1982/01

      5.0
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      • 柿本 幸造さんの絵がかわいいですね♡ ほのぼのとした、いい絵本です。

        うさぎさんがかばん(ポシェット)をつくりました。
        「しっぽ」のかざりをつけて、長いひもを編んでしっかり縫い付けて。
        肩からさげて ぴょん とはねると、かばんもはねます。

        ぴょん ぴょん ぱん
        ぴょん ぴょん ぱん

        「なんてすてきないいかばん」
        きつねさん、やぎのおかあさん。こぶたたち。
        であったみんながかばんを気に入ります。
        そこでうさぎさんはみんなにかばんをつくってあげるのです。
        うさぎさん。親切です~。うるうる(;ω;)
        ところが、もう一人あらわれたのは…。

        この絵本にはしあわせがあふれています。

        ものを作る楽しさ。
        人に認められる誇らしさ。
        誰かを喜ばせてあげる嬉しさ。
        何もしない気持ちよさ。
        みんなで協力する温かさ。

        幼稚園生くらいの女の子には特に喜ばれそう。
        うさぎさんの手作りのカバン。きっと欲しくなるでしょうね。
        そしたら、ママ、どうする?
        手作りがんばってみます?
        >> 続きを読む

        2015/01/31 by 月うさぎ

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    • 2人が本棚登録しています
      おやつがほーいどっさりほい (新日本出版社の絵本 ふれあいシリーズ 3)

      梅田 佳子梅田 俊作 (1982/09

      4.0
      いいね!
      • 「おやつが ほーい どっさり ほい プリンに クッキー ホットケーキ
        おやつを もって ピクニック」

        ことばのリズムが気持ちいい。つい一緒に口ずさみたくなります♪
        これって、もしかするとラップ?(笑)

        歌を聞いた はらぺこ ぎつね が、おやつ欲しさについていきます。

        「いこうよ いこう ピクニック」

        どこまでいくの?おなかが ぺこぺこに なるところまで

        プリンもクッキーもホットケーキも 「ぼくの からだと おなじいろ」 なんて
        きつね君の期待感はどんどん高まりますが……

        きつね君の表情の変化がなんともユーモラスです。

        ちゃんと落ちのあるストーリー。(^^) 笑えます。
        きつねって言えば悪巧みでしょ?とか、こんなに努力したのに大丈夫?とか。
        大人な私はちょっぴりハラハラしちゃいました。
        >> 続きを読む

        2014/06/20 by 月うさぎ

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    • 3人が本棚登録しています
      まっ黒なおべんとう 絵本

      長沢靖 , 児玉辰春1995/04

      4.0
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      • 朝、お弁当をよろこんで楽しみに持って、出かけて行った息子。

        広島の原爆で、戻ってこなかった。

        母は、必死に街を探すが、白骨の死体ばかり。

        どれが息子なのかわからないが、どうも呼んでいる気がする白骨があり、いったんは結局わからないと思って立ち去りかけるが、もう一度戻ってよく探してみると、あの朝、持っていった弁当箱が、中が黒く焼け焦げてそこにあった。

        あまりに悲しい、哀れな物語だが、この弁当箱の背景にある思いを、決して後世のものは忘れてはならないのだと思う。
        >> 続きを読む

        2013/05/14 by atsushi

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      絵本よっちゃんのビー玉

      北島新平 , 児玉辰春1996/07

      4.0
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      • 年の離れたかわいい無邪気な弟。

        その弟が、出征していく兄との別れを悲しむ姿。

        そして、やっと生きてそのお兄さんが帰ってくると、弟は原爆で死んでいた。

        このように小さなかわいい無垢な子どもが、どうしてこのような悲しい目やむごい死に方をしなければならなかったのか。

        二度とこのようなことがあってはならないと、あらためて心にかたく決意させられる一冊だった。
        >> 続きを読む

        2013/05/11 by atsushi

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    • 1人が本棚登録しています
      むらさき花だいこん

      松永禎郎 , 大門高子1999/07

      5.0
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      • 小さい頃、近所で遊んだ場所に、むらさき花だいこんの花があった。

        しかし、その背後に、こんな物語があるとは知らなかった。

        この絵本は実話を元にしているそうである。

        ある、中国に出征した兵士は、戦場で多くの恐ろしい悲しい出来事も見てきた。

        ある日、流れ弾にあたって入院していた時に、故郷の山によく似た山の近くに松葉づえをつきながら散歩に行くと、中国人の小さな女の子が、小さなうすむらさき色の花をくれた。
        それは日本では見たことがなかった。

        見渡すと、一面にその花があった。

        「どうして戦争なんかやっているんだろう」

        と思うと、涙が出てきた。

        その兵隊は、戦争が終わって日本に帰る時に、その花の種を持って帰り、庭に植えた。

        毎年、美しい花を咲かせてくれた。

        その種を持って、日本中に蒔いていくことにした。

        来る年も、来る年も、その人は、黙って季節が来ると、花のたねを蒔き続けた。

        長い年月が過ぎてから、自分の娘から、どうしてお父さんは花の種を蒔いてきたの?と尋ねられ、はじめてその理由と思いを語ったという。

        それから、徐々に日本中にこの花は広まり、その理由の物語も伝わっていった。

        ある、この花の由来を知らずに育てていた老夫婦は、この花のことを知っている人が話してあげたあと、戦争に行った息子が花になって帰ってきたんですね、と涙を目にいっぱいためながら言ったという。

        多くの人に読んで欲しい、忘れてはならない、すばらしい絵本だった。
        >> 続きを読む

        2013/05/11 by atsushi

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      原爆の火

      岩崎京子 , 毛利まさみち2000/08

      5.0
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      • 本当にあった、実話である。

        山本達夫さんは、広島の原爆の日、やや離れた場所から原爆投下を目撃し、すぐに市内入って地獄の情景を目の当たりにする。

        自分の父親のように思っていた仲の良かった本屋の主人を探すが、見つからなかった。

        数日後、やっと戦争が終わったあと、瓦礫の中を探し、本屋があった場所を見つける。

        地下室があったことを思い出し、入り口を探して降りていくと、本はそのまま灰になっていた。

        その時、小さな火が、まだ残っていたのか、ぱっと炎をあげていた。

        山本さんは、兵隊になっていく時におばあちゃんがわたしれくて、ずっと使わずに持っていた懐炉をとりだして、その火を懐炉に移し、大切に故郷の福岡県星野村に持って帰った。

        それから、何年も、理由を特に家族に言わなかったが、その火を絶やさないように自分の家でともし続けていた。

        話さなかったのに、家族はちゃんとその思いをわかってくれていたそうである。

        だんだんと、村の他の人々にも伝わり、その火は村できちんと大事にみんなでともし続け、管理するようになった。

        私は星野村に行った時に、その原爆の火を公園のモニュメントの中に燃え続けている様子を見たことがある。

        あの日の多くの人々の無念さや悲しみや苦しみ、そして二度とこのようなことがないようにという願いを、忘れず、ともし続け、受け継いでいきたい。

        そうあらためて思う、絵本だった。

        このあとがきに書いてあったが、この灯のことを歌にした「カンタータ この灯を永遠に」という歌があるそうである。
        いつか聴いてみたい。
        >> 続きを読む

        2013/05/08 by atsushi

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      ジュゴンのくる海

      降矢加代子 , 宮里きみよ2001/03

      4.0
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      • ジュゴンのいのちと、そのジュゴンのいのちに馳せる沖縄の昔からの人の思い。

        本当に、この感性や心こそ大事にしたい。
        この絵本を読んで、そう思わされた。

        多くの人に読んで欲しい。

        そして、ジュゴンのいのちを粗末に扱うような時代や国家というのは、やはりとても不幸なもので、ろくなことは招かないのではないかという気がする。
        鈍感さや残酷さが支配する世ではなく、優しい、ジュゴンのいのちに思いを馳せる世であって欲しい。
        >> 続きを読む

        2012/12/27 by atsushi

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      おくにことばで憲法を

      大原穣子2004/04

      カテゴリー:憲法
      4.0
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      • 日本国憲法の前文や九条を、いろんな地域の方言で語りなおしていて、なかなか面白かった。

        特に福岡弁は、よく知っているだけに、かなり笑えた。
        名古屋弁や京都弁や広島弁も面白かった。
        青森や岩手の方言だと、なんだか非常に迫力を感じた。

        このように、さまざまな御国言葉で憲法を語りなおしてみるのも、思考をほぐすために、とても良いことかもしれない。

        面白い試みと思う。
        >> 続きを読む

        2013/09/04 by atsushi

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      紅玉

      高田三郎 , 後藤竜二2005/09

      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
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      • 心に残る絵本だった。

        本当にあったことを元に描かれているそうである。

        敗戦の年、これでやっと平和にりんごの収穫ができると、北海道の美唄というところにあるりんご農園の持ち主の主人公は思っていた。
        その年は、ちゃんとりんごも多く実がなっていた。

        ところが、ある時、大勢の中国人と思われる人々がやって来て、りんご農園からりんごをとろうとしていた。

        主人公の男性は、彼らが、近くの炭鉱に戦時中に連れてこられて働かされていた人々だったことを知っていた。

        彼らは食べる物がないようで、やせ細って、必死にりんごを集めて食べようとしていた。

        しかし、そのりんごがなくなれば、自分や家族が収入を得る道がなくなり、自分たちが飢え死にしてしまう。

        そう思って、主人公の男性は、片言の中国語は兵隊として中国に行っていた時に覚えいていたので、彼らのリーダーと思わしき人に必死に片言の中国語で、自分の事情を話した。

        すると、彼はきちんと耳を傾け、よくわかった、と答え、仲間たちにとったりんごをすべて置いていくように命じ、実際にみんなそうしてくれて、そのまま帰っていったそうである。

        本当は、少しならば持っていっていい、と言おうとしたが、緊張しすぎていて声にならなかった。

        それ以来、その季節が来るたびに、彼らはどうなったのだろう、無事に国に帰れたのだろうか、とその男性は、彼らのことが気になる。

        という物語だった。

        これほどひどい目にあい、極限状態にありながら、相手の主人公の男性の言葉にきちんと耳を傾けた、中国人たちのリーダーの人は、本当に偉いと思った。

        強制連行は、一説によれば、中国人と朝鮮人を合わせて二百万人を超える人びとが炭鉱などに連れてこられて戦時中に働かされたそうである。
        しかし、実態はどうもよくわからず、記憶も風化しつつあるらしい。

        この絵本を読んで、あらためて、その歴史をきちんと直視しなければならないと思った。
        >> 続きを読む

        2013/05/11 by atsushi

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      サラガのバオバブ

      OpareEdmund , 米山博子2008/05

      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
      いいね!
      • 西アフリカのガーナにあるサラガという町に、たくさんの鉄の杭が打たれた大きなバオバブの樹があるそうである。
        そこは、昔、奴隷市場があって、その杭に縄で奴隷がくくりつけられ、売られた。
        この絵本は、そのサラガのバオバブについての物語。

        主人公のダウダは、村の鍛冶屋の息子。
        元気に幸せに家族や友人たちと過ごしている。
        十二才の誕生日に、お父さんが八つのとんがりがある鉄のペンダントをつくってくれた。
        友達みんながうらやましがり、ダウダは幸せな気持ちだった。

        が、突然、奴隷狩りの武装集団が村を襲い、ダウダやその両親や村のみんなは捕まってしまい、奴隷商人に連れて行かれる。
        ダウダはお父さんお母さんとは別にさせられ、奴隷市場のあるサラガに連れて行かれる。
        それから長い道のりを炎天下のもと歩かされ、ダウダを励まし、倒れると立ち上がらせてくれた後ろに並んでいたおじさんは、「やっと自由になれる」と言いながら力尽きて死んでいく。
        それから、「奴隷の城」という白い大きな建物の中にある牢獄に入れられ、さらに奴隷船に乗せられ、遠いアメリカに運ばれ、南部の綿畑でダウダは一生働かされた…。

        それから、二百年経った現代。
        自分たちのルーツを探しに来たのだろうか。
        アメリカからの旅行客の一団がサラガに来ている。
        その中に、ダウダそっくりの若者が、ダウダのペンダントをして、サラガのバオバブの樹の下で、樹を見上げている。

        不覚にも、そのラストのシーンでは、涙を禁じ得なかった。
        本当に胸を打つ、素晴らしい絵本だったと思う。

        インターネットで検索してみたら、以下のページに、そのサラガのバオバブの樹の写真が載っていた。
        今は、鉄の杭ははずされているようである。

        http://www.ghanaexpeditions.com/main/emancipation3.asp

        本当に悲しい、許しがたい歴史であるのと同時に、このようなひどい目にあいながら、必死に耐えて生き抜いた人々は、本当に偉大だったと思う。
        >> 続きを読む

        2013/03/06 by atsushi

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      戦没画家靉光の生涯 ドロでだって絵は描ける

      窪島誠一郎2008/11

      カテゴリー:洋画
      4.0
      いいね!
      • 本の表紙にあるのは、第二次世界大戦にて上海郊外で病没した靉光(あいみつ、ないし、あいこう)の代表作「眼のある風景」(1938年)です。この難しい雅号は、靉タイ=雲がたなびくさまをイメージして自ら命名したそうです。(「タイ」という字は「雲」「逮」の合字で変換できませんでした。)

         この絵は、私がまだ小学生だったころ、当時週刊でばら売りし、束ねて百科事典になるという週刊アルファの記事のなかに見つけて、たいそう驚いたものです。なんて不吉な絵!!・・・その分だけ印象に残っていましたが、この絵画、日本における、いわゆるシュルレアリスムの走りであるとされるようですが、今見て見るに、ちょっと違う。靉光独自の作品だと思います。

         得体の知れない赤っぽいマッス(かたまり)が乳白色の空の下でうごめき、それらを監督するような大きな目玉が一つ・・・そう見ると左右のマッスはまるで拳骨のように見えてくるのです。とにもかくにも、考えさせられたり、感じさせられたりすることの多い絵です。

         その週刊アルファから靉光に関する記事を引いてみます。
        ・・・・・・・・・・・・・・・
        日本の1930年代がうんだ独自性のつよい、知性的な画家(1907-1946)・・・本名を石村日郎といい、広島県のうまれ。わかくして上京、太平洋画会研究所にまなんだ。・・・画風は、きわめて変化がはげしく、はじめは、ゴッホ、ルオーなどの影響をうけたが、のちシュルレアリスムをいれ、しだいに独自の画風をうちたてた。がんらい、中国古典画とりわけ宋元画の伝統にまなぶところがあり、強剛な素描力とあいまって、ユニークな油彩画をえがいた。・・・
        ・・・・・・・・・・・・・・

        靉光は、戦争に協力すること・・・戦意高揚のための絵を描くことを軍部に強要されますが、『わしにゃあ、戦争画は(よう)描けん。どがあしたら、ええんかい』と泣くようにいったという。(←wikipedia)そんなわけで彼は一般の兵卒として徴兵され、中国にやられますが、いざ戦争が日本の敗北に終わった時になり、威張っていた上官たちが我先にいろいろな交通手段で日本に逃げ帰るのに反し、一兵卒だった靉光はなかなか日本に帰れず、上海郊外でマラリアとアメーバ赤痢に同時に罹り、帰らぬ人になりました。
        遺族の元に戻ったのは、彼が使っていた飯盒(はんごう)だけだったそうです。

         生前の彼、靉光は、「泥でだって絵は描ける」と言っていたそうです。(「戦没画家 靉光の生涯  ドロでだって絵は描ける」:窪島誠一郎:新日本出版社より)でも、普通に絵筆を握らせれば泥で描くより素晴らしい作品が描けるのは自明の理です。ああ、靉光を襲った大いなる災禍。生きて帰ってくれば、戦後の画壇において指導者的な役割を演じられたのは間違いなかったでしょう。

        最後に:「眼のある風景」、以上の靉光の履歴を見るに、1938年に描かれたこの絵は、靉光自身を襲う運命、日本を襲う運命を予言するような作品だったと思わざるを得ません。この眼は「威圧する眼」であると同時に「怯える眼」であったのかも知れません。


        **この図書では、「眼のある風景」が良く見えないとのiceさんからの指摘がありました。・・・googleで「眼のある風景」を検索すればすぐ見られます。
        >> 続きを読む

        2013/06/11 by iirei

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    • 1人が本棚登録しています
      足みじかおじさんの旅 やなせたかしのおとなのメルヘン

      やなせたかし2009/04

      カテゴリー:小説、物語
      2.5
      いいね!
      • 足ながおじさんは有名ですけど、足みじかおじさんは聞いたことがないですよね。

        それが、この本のテーマなんです。

        つまり全く無名で、カッコも良くない(だって足みじかですもん♪)存在が主人公なのですが、寄りそうように悩みを聞いてくれたりして、カッコ良くはないけれど、温かい気持ちになるような短い話が幾つも収められています。

        絵本ですけど、きっと子供にはわからないんじゃないかな。

        ストレス社会で疲れた大人にこそ読んで欲しい絵本です☆
        >> 続きを読む

        2013/02/28 by emi

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    • 2人が本棚登録しています
      わたしのとくべつな場所

      藤原宏之 , PinkneyJerry , McKissackPat2010/09

      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
      いいね!
      • とても素晴らしい絵本だった。

        あとがきに書かれているが、著者の少女時代の思い出を元にしているらしい。


        1950年代の南部のアメリカ。

        主人公の少女のパトリシアは、「あの場所」に行きたいと思う。
        そこは、とびっきりのお気に入りの場所。

        おばあちゃんが、「どんなことがあっても、胸をはって歩くんだよ」と言って送り出してくれる。

        それで、バスに乗っていくが、バスには「黒人指定席」(COLORED SECTION)にパトリシアは乗らなくてはならない。

        前半分の白人席はがらがらにあいているのに、そこには座ってはならない。

        バスを降りて、公園の中を歩いて行き、噴水の近くのベンチに座ろうとすると、そこには「白人専用」(FOR WHITES ONLY)と書かれている。

        街のレストランには、「白人のお客さま以外お断り」(WHITES ONLY)と書かれている。

        誰か有名人が来たらしく、人混みに巻き込まれてホテルのロビーに入ってしまうと、「肌の黒い人間は立ち入り禁止だぞ!」とものすごい剣幕で叱られて追い出される。

        映画館の前を通ると、黒人は正面ドアからは入れず、裏口から入って黒人席にすわるように言われる。

        途中、慰めてくれる黒人の知り合いや、白人の知り合いもいるのだけれど、南北戦争の後に百年近くたちながら、唖然とする現状に、読みながらパトリシアならずともこちらが心が折れそうになる。

        しかし、ついに、「あの場所」つまり図書館の前に立つ。

        おばあさんは、そこを「自由への入り口」と呼んでいた。

        図書館の入り口には、「誰でも自由に入れることができます。」(ALL ARE WELCOME)という文字があるのを、パトリシアははっきりと見つめる。

        という物語。

        南部の図書館はかつては白人専用だったが、1950年代に、ナッシュビル公共図書館運営委員会は、人種に関係なく使えることを議決した。
        そのことがあとがきで書かれる。

        深い印象が残る、とても良い絵本だった。
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        2013/03/17 by atsushi

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      ママ、お話読んで

      McElrath-EslickLori , 山本敏子 , RahamanVashanti2010/04

      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
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      • 主人公の黒人の少年は、図書館で本を借りるようになる。

        やさしい本は自分で読めるが、やや難しい本は大人に読んでもらうように図書館で言われる。

        少年のお母さんはとても良い母親で、忙しい仕事の合間にとてもかわいがってくれるし、聞かせてくれる御話もとても面白い。

        しかし、少年が、本を読んでくれるように頼むと、なぜか話をそらして、別の話にしたり、仕事で疲れているのでまた今度と、あるいは他の大人に頼むように言われる。

        いつも本を親切に読んでくれた近所の大学生が引っ越していなくなってしまい、少年はいよいよお母さんに頼むと、お母さんは泣き出す。
        少年は、よほど疲れているんだろうと思い、驚いて慰める。

        翌日、日曜日で教会に行き、最後に何か祈りたいことはないかと聞かれると、大勢の人がいる前で、その母親は、自分には字が読めないので字が読めるようになりたい、ということを言う。

        少年はびっくりする。
        周囲の人々は、職業訓練学校のことを教えてくれ、自分もそこで覚えたという人々もいた。

        それから、そのお母さんは字が読めるようになり、少年に本を読んで聞かせる日がついにやってきた。

        字が読めないことを、教会で大勢の人の前で言うことは、さぞかし勇気がいることだったろう。
        しかし、そうしたからこそ、答えてくれる人々も大勢いた。
        それまでは、自分の子どもに字が読めないことを知らせまいとしていたこのお母さんの心情を思うと、なんとも言えない気持ちになるが、ハッピーエンドで本当に良かったと思う。

        一昔前のアメリカでは、文字が読めない黒人女性は、おそらくはそれほど珍しくはなかったのかもしれない。
        そうなる背景には、貧困やさまざまな事情があったのだろう。

        思い出すと、自分はごく当たり前に、幼い頃に母がよくいろんな絵本や本の読み聞かせをしてくれた。
        世界のさまざまな昔話や、ギリシャ神話なども、それで知ったものだった。
        当たり前のことだと思って育っていたけれど、それは本当は、この世界では必ずしも当たり前ではない、ものすごく恵まれたことだったのかもしれない。

        いろんなことを考えさせれるし、胸打たれる、とても良い絵本だった。
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        2013/03/17 by atsushi

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      ぼくが一番望むこと

      BradbyMarie , SoentpietChris K , 斉藤規2010/07

      カテゴリー:個人伝記
      4.0
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      • のちに、黒人のための大学をつくり、それまで技術がなくて低賃金労働ばかりに甘んじていた黒人に、はじめて技術を身につけ中間層になるための道を大きく開いた、アメリカの黒人の歴史では有名なブッカー・ワシントンという教育者がいる。

        この絵本は、そのブッカー・ワシントンの幼い頃を描いている。

        ちょうど南北戦争が終わった頃。

        岩塩の精製所で朝から晩まで働く黒人たち。
        その中のある家族に、ブッカー・ワシントンは生まれ育った。

        ちょうど九歳の頃。

        どうしても文字が読めるようになりたいと思い始める。

        親にそのことを言うと、両親ともに字は読めないが、一冊の青い背表紙の綴り方の教科書を持っていて、「文字は歌のように音になるものだ」と言ってブッカー・ワシントンに渡してくれる。

        黒人の中に、一人だけ文字を読める大人がいて、以前新聞を皆に読んでくれているところを見たことがあった。
        その人を探して、文字を教えてくれるように頼むと、快く応じてくれて、ブッカーという苗字の書き方をはじめて教えてくれる。

        朝から晩まで岩塩を精製し、樽につめる仕事をし、足には塩がつきささる毎日だけれど、ブッカー・ワシントンはせっせと文字を学び、やがて多くの本を読み、立派な教育者になっていく。

        という物語。

        ブッカー・ワシントンの演説は、岩波文庫の『アメリカの黒人演説集』に収録されていて、とても感銘を受ける素晴らしいものだった。
        そのような名演説を将来行うことができるための萌芽は、小さい頃のこのような願いや地道な努力だったのだと感銘深く読んだ。

        今の日本ではごく当たり前の、文字を読めるということが、かつてはめったにない稀な人々もおり、心から願ってやっとかなうということもあった。
        今の日本では忘れがちな、そのことの輝きや光みたいなものを、あらためて感じさせられる一冊だった。
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        2013/03/17 by atsushi

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      小学生になる日

      北見葉胡2010/03

      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
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      • 祖母の家にひとりで遊びに来た主人公の女の子が、祖母に会う前に、自分と同い年ぐらいの女の子と出会い、友達になる。

        今度の四月から二人とも小学校にあがるということで、人気のない校舎を二人で散策する。

        やがて、その女の子と別れて、祖母との待ち合わせに行く。

        祖母が、もうすぐ取り壊されるという古い小学校の校舎を歩きながら説明してくれて、自分には実は、今のちょうど主人公の女の子と同い年ぐらいの妹がいたが、あの日広島の原爆で死んでしまった、と語る。

        その子はこんな顔の、こんな格好の子だった?

        とたずねると、どうして知っているの?と祖母は驚きながら答えた。

        その妹の子も、四月から小学校に行くことをとても楽しみにしていたのだと。

        幻想的な、心に残る、そして涙なくしては読めない絵本だった。
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        2013/05/14 by atsushi

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      麦ほめに帰ります

      国井節 , 一色悦子2010/04

      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
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      • ロボットと、兵隊さんと、足軽。

        未来と、第二次大戦頃と、戦国時代の人が、時空を越えて、ある一本の大きなカシの木の下で出会う。

        そして、一緒に、麦畑を収穫する。

        彼らは皆、心を捨てることを拒否して、戦争の役に立たない存在としていのちを奪われてしまった人々だった。

        幻なのか、夢なのか。

        切なさと、本当に大切なものはなんだったのかを、痛烈に教えてくれる一冊だった。

        名作絵本と思う。
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        2013/05/01 by atsushi

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