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(株)人文書院 (ジンブンシヨイン)

企業情報
企業名:人文書院
じんぶんしよいん
ジンブンシヨイン
コード:409
URL: http://www.jimbunshoin.co.jp
      嘔吐 新訳

      ジャン=ポール・サルトル , 鈴木道彦2010/07

      カテゴリー:小説、物語
      4.0
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      • あれはたしか、今から7年ほど前のことです。

        芸術(音楽や絵など)にアイデンティティを見出し、「表現すること」に「私」という存在を垣間見て、喜びを得ていた私は、強迫性障害の悪化、また社会活動が皆無だったことにより、ある精神病院附属のデイケアに通うことになります。

        不安定で、独りよがりで、購買力のない、職歴も学歴も無い上、強迫性障害に悩まされていた私は、自分が「在ること」とはどういうことなのか、考えるようになりました。
        「ぼやけた真理」を探し求めて、書店をさまよっては、画集だの、心理学の本だの、アダム・スミスの「国富論」だのを買っては開きますが、どれもろくに読まずに挫折してしまいます。
        その折、サルトルの「存在と無」と出くわし、その題を見て、「俺が考えているのはこのことだ、確信を得た!」と思い読み始めますが、「“あらわれ”があらわれる”ことにより、”あらわれ”は、、、」という様な文章に、案の定敗れ去ります。

        それから1年くらいして、このカバー絵の、デューラー「メランコリア」に惹かれたのか、「嘔吐」という魅惑的なタイトルと、「サルトル」ということで、人文書院から出版されている本書「嘔吐」を手に取りますが、またもや読まずに放置していました。

        そして7年経った最近になって、やっとのこと読破しました。
        私はサルトルが影響を受けたフッサールや哲学についての体系的知識はないので定かではありませんが、主人公、ロカンタンの「嘔吐感」とは、彼の孤独で厭世的な生涯や思想の内に走る「吐き気」とは、私が折に感じる「あの心情」なのでしょうか。

        ただただ己も含めた「対象」が「在ること」、「在ることを嘆く」先に、その「考え、思考」が「在ること」を思って、また嘆き、、、さながら「合わせ鏡」のように「存在」は「存在」を反芻し、螺旋状に連なった諸々の「存在」が、ただの「存在」に過ぎぬ事を、ロカンタンは嘆いているように思います。

        しかし、最後の1、2ページで、彼は「自己」という「嘆かわしい存在」を、「小説」という「作品」に託して、明るい希望を見出す「決意表明」をしているようにも取れます。

        難解な小説なので、間違った読み方をしているかもしれませんし、読後感は混濁した思いが渦巻いていますが、私にとってはこの本の質感も含めた「存在」自体が、「思想・哲学」への興味・関心の萌芽の時分を思わせる作品のひとつであります。
        >> 続きを読む

        2018/02/22 by KAZZ

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      語りかける花

      志村ふくみ1992/09

      カテゴリー:染織工芸
      4.0
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      • 著者は重要無形文化財保持者の染織家。
        特別に興味や関心を持った分野の方ではないのだが、読んでいて文章に上品さや知性をものすごく感じる。命をかけて一生の仕事に真摯に取り組む姿勢が読み取れて、読んでいて背筋が伸びる思いだった。 >> 続きを読む

        2013/06/27 by freaks004

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      カバラー心理学 ユダヤ教神秘主義入門

      村本詔司 , HoffmanEdward , 今西康子2006/08

      カテゴリー:ユダヤ教
      4.0
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      • ユダヤ神秘主義、つまりカバラは、現代の心理学にも有益な内容を多く含む。
        という観点から書かれた本。

        この本によれば、カバラは、宇宙は意味のある全体であり、相互に影響しあっているものととらえている。
        これは、現代のホーリズムなどの、トランスパーソナル心理学の知見と一致している。

        さらに、共時性や、人生における意味のある符合を重視するという点で、ユング心理学とも相通じる。

        こういったことを考えると、カバラは非常に現代人に役立つ、新鮮な内容に満ちているとのこと。

        「上の如く、下も然り」という言葉が、カバラのゾハールに書かれている。
        これは、目に見えない広大なネットワークがこの宇宙にはあるということ。
        カバラでは、人間は皆、天界に根を持つ生命の樹のひとつひとつの芽だと考える。
        発出・想像・形成・行動の四つの世界を経て、この現実世界のすべてのものは生み出されており、それをカバラ四界という。

        ヘブライ語では、瞑想のことをドゥヴェクートというそうだけれど、主に三つの種類の瞑想がカバラにはあるそうである。

        1、ヘブライ文字に集中し、連想を働かせたり、聖書の中の語句の文字を入れ替えて言葉遊びをする。
        2、生命の樹を観想する。
        3、祈祷書や聖書の祈りの言葉を朗読して、意識を集中する。

        なるほどと思う。

        これらを通し、

        ・注意の方向付け。集中の訓練。
        ・自我の滅却(社会から押し付けられた人格特性の枠をとってみる)
        ・自発的な表現手段

        といったことを訓練するようである。

        カバラにおいては、人は、通常、聖なる源泉から離れてしまっているそうで、それをどうやって再び結びつけるかということが課題らしい。
        また、これらの瞑想が深まり、深い意識に達すると、人生を大局的な見地から見ることができるようになるそうである。

        また、夢と音楽をとても重視し、夢解釈や、不吉な夢を見た時は夢断食といって断食して反省したりするそうだ。
        また、美しい音楽は癒しの力があると考え、音楽や歌をとても重視するそうである。
        音楽には霊力があると考えるそうだ。

        ラビ・ナフマンの、

        「あなたが何をする人であろうと、常に心を喜びで満たしておきなさい。」

        「幸福な気持ちでいれば、人に活力を与えられるからだ。」

        「熱中していなくても、そういうふりをしなさい。やがて、本当に熱中するものだ。」

        などの言葉も、なるほどーっと思った。

        カバラの歴史のわかりやすいまとめと紹介も、ためになった。
        >> 続きを読む

        2013/07/25 by atsushi

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