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(株)創元社 (ソウゲンシヤ)

企業情報
企業名:創元社
そうげんしや
ソウゲンシヤ
コード:422
URL: http://www.sogensha.co.jp
      人を動かす

      D・カーネギー , 山口博1999/09

      カテゴリー:人生訓、教訓
      4.5
      いいね! gavin tomato yam oriedesi mee
      • 何十年も歴史を超えて愛され続けている名著ですが、古典は古臭いという偏見を持ち続けていた私は手にとっていませんでした。
        先人の知恵を素直に受け止めることに気づき始めた最近、ついにこの本を読んでみることに決めました。
        数々の著名な人、私のような一般人の成功例を交えながら、人間関係の原則を教えてくれます。
        例えば、「笑顔を忘れない」という当たり前に思える原則一つとっても、その原則を守り続けた人々の成功を具体的なストーリーと共に示してくれるので他の著者にはない説得力を感じました。
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        2018/01/08 by ヨティ男

    • 他15人がレビュー登録、 69人が本棚登録しています
      不思議で美しい石の図鑑

      山田英春2012/02

      カテゴリー:鉱物学
      5.0
      いいね!
      • 『不思議で美しい石の図鑑』というタイトルだが、石を網羅的に分類して整理した本ではない。
        登場する石の大半は、瑪瑙やジャスパーと呼ばれるもので、鉱物学的には「不純物を含んだ多く含んだ石英」で一括りにされ、宝石にも分類されないものである。
        その意味で、石について鉱物学的にまとめた、総覧的・学術的な図鑑ではない。ある種の「不思議で美しい石」を集めた、1つの魅惑的な世界への水先案内人となる本である。

        瑪瑙は、宝石の下のグレードである貴石より低い、「半貴石」というランクに属する。石英中の酸化鉄などの微量成分が熱の作用などでさまざまな色や模様を生み出す。多様な色彩が層上に織りなす形と色のハーモニーは息を呑むほど美しく、見つめるほどに吸い込まれるような奥深い世界が広がっている。
        一見、何の変哲もないような石の内側に、秘められた美が眠っていることもある。

        産地ごとに、特徴的な模様があることもあり、そうしたものは地名を冠した名称が付けられる。
        古代には、その不思議な美しさから、護符として使われていたこともあるという。

        本書の中で、最も目を惹く1つは、まるで森や山河などの風景を写し取ったような風景石(パエジナ・ストーン)だろう。
        17世紀には、こうした石が数多く蒐集され、珍奇なもので飾り立てた「好奇心のキャビネット」(「驚異の部屋」(ヴンダーカンマー)の家具バージョン)にも使われたりもしたという。
        風景石にはまた別の展開もあって、フラクタル理論から、実際の樹木と風景石の樹状構造の共通点が論じらてもいるそうだ。これは、『かたち』(フィリップ・ボール/早川書房)の主題にもつながっていく話なのかもしれない。眩暈がするようだが、本当に理論的に証明されていくのであれば非常に興味深い。

        著者の本業は書籍の装幀であるそうだが、瑪瑙の世界的コレクターとしても名を馳せているという。子どもの頃はまったく石に興味などなかったが、長じて、瑪瑙や風景石の画像に強く惹かれたのだという。美術的な観点から石の世界に引き込まれたのであり、鉱物学は最近学び始めたのだそうだ。
        しかし本書中の解説は十分におもしろく(おそらくは鉱物学の専門家が書いたのではないために余計親しみやすくもあり)、石の画像と併せて不思議な世界へと誘ってくれる。
        収録された写真の石は、ほとんどが著者のコレクションであるというのもすごい。

        石の写真には番号が振られており、巻末に産地等のまとめがある。語句の索引もあり、「図鑑」としても工夫が感じられる好著である。


        *あとがきの最後の一文が洒落ている。

        *小型犬、チワワの産出地として知られるメキシコ・チワワ州は縞瑪瑙の一大産地でもあるのだそうだ。
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        2016/05/13 by ぽんきち

    • 他2人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      こびとの住む街

      Slinkachu , 北川玲2013/01

      カテゴリー:写真集
      4.0
      いいね! Tsukiusagi
      • 写真家スリンカチュは、街の中にフィギュアを置きミニチュアの視線で撮影するという作品を撮り続けている。
        地べたに這いつくばって撮るわけで、行動を怪しまれ、警察官に声を掛けられることもあるらしい。

        〔こびとの住む街 1〕は主にロンドンの町を舞台に仕立て、
        ブラックなシチュエーションとひねったタイトルを添えた作品が集められている。

        「ペットじゃないんだよ、スーザン」「嵐のあと」「会社を辞めたい」「ごちそう」
        「タグ付け」「電話ボックス」「悪夢のファーストデート」「職場の力関係」「通勤」
        「大鉱脈」「一歩間違えたら」「動けない」「最後のキス」などなど。
        日本語訳の妙を英語のタイトルと見比べるのも面白いかも。

        写真の世界の舞台や小道具になっているのは、私たちの世界そのまんま。
        マンホールのふたの水溜り、道路のひび割れ、たばこの空き箱、ジュースの空き缶、雑草、ハエにマルハナバチ…。

        クローズアップでミニチュアの世界を見せると同時に、その背景になる引いたアングルの写真も載せているので、
        「このこびと、こんなに小さいんだ~!」という驚きと共に、
        スリンカチュが選らんだその場の風景としてのなにげなさに見入ってしまうだろう。

        彼の表現する世界を「パラレルワールド」と表現していた方がいるけれど、まさにそんな感じ。
        日常の何でもない景色の中に突如異世界が顔をのぞかせている不思議。
        そのショックは心地よい。
        決してそこに見知らぬ美しい世界がある訳ではないのに。

        彼ら小人は我々と同じように働き子育てをし生活に疲れ、恋をしまたは恋に破れ、
        事故にあったり殺人事件まで!起こっている。

        なのに、世界が物悲しくも美しく見えてくるのはなぜだろう?
        目に映っていなかった、世界の隅っこに、愛を感じるのはなぜだろう?

        この写真集は、全世界で20万部を売り上げたという。


        http://www.slinkachu.com/little-people
          ↑
        作者のサイトでこれらの写真を見ることができます。
        どんな世界なのかご興味がある方はこちらへどうぞ。
        >> 続きを読む

        2014/04/06 by 月うさぎ

      • コメント 8件
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      人を動かす

      D・カーネギー , 山口博1982/12

      カテゴリー:経営管理
      5.0
      いいね!
      • 古い本ですが、全然古くありません。

        基本は、相手を敬い、笑顔で接すること。
        であると私は思いました。

        各パートごとに原則があります。それに対するエピソードが書かれている構成になっています。

        例えば以下のようになります。

        PART2 人に好かれる六原則
        1) 誠実な関心を寄せる
        □ 他人のことに関心を持たない人は、苦難の人生を歩まねばならず、他人に対しても大きな迷惑をかける
        □ 友を作りたいならば、まず人のために尽くすことだ
        2) 笑顔で接する
        □ 自分とつき合って相手に楽しんでもらいたい人は、まず相手とつき合って自分が楽しむ必要がある
        □ 笑顔を見せない人間は、商人になれない
        3) 名前は当人にとって、最も快い、最も大切なひびきをもつ言葉であることを忘れない
        □ 名前が覚えられない人もいるが、つまりは、重要な仕事が覚えられない、すなわち、仕事の基礎ができていないことを告白しているのだ
        4) 聞き手にまわる
        5) 相手の関心を見抜いて話題にする
        6) 重要感を与える
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        2014/07/21 by Minam

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      D.カーネギーの会話力

      D.カ-ネギ-協会 , 片山陽子2010/06

      カテゴリー:経営管理
      5.0
      いいね!
      • このような本は片手以上帆みました。
        しかし、もしかすると、この1冊だけ読めば、
        ことは足りてしまうのかもしれません。

        私が好きだった項目の一つです。
        □ 対立を招かずに「ノー」という12のルール
         1)不確かなことは相手に有利な解釈をする
         2)話をじっくるきく
         3)反論するときは、つねに自分の感情に責任を持つ
         4)言葉のクッションを使う
         5)礼儀正しくせよ
         6)「でも」や「しかし」を口にしない
         7)意見を述べるときは、妥当で事実的な証拠をそえる
         8)相手の面目をつぶさない
         9)神経過敏な人に注意する
           批判するかわりに質問する
         10)相手に問題解決のチャンスを与える
         11)前向きな言葉で話を終える
         12)建設的な批判をする
        >> 続きを読む

        2014/06/23 by Minam

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      道は開ける

      香山晶 , D・カーネギー1999/09

      カテゴリー:人生訓、教訓
      3.2
      いいね! mee
      •  題名どおりです。
        仕事でも、家庭でも、生きていくこと自体でも、
        何かしら悩みを抱えている人は一度読んでみるといいでしょう。

         著者が述べているように、
        "悩み"そのものにフォーカスをあてた本は意外と少ないかもしれません。
        本書には悩みに対してどのように対処したらよいのか、
        様々な実例をあげて細かく説明されています。

         実例であるがゆえに、
        どこかで聞いたことのあるような対処法も数多く登場します。
        ですが、人は状況や心境が変わると同じ話を聞いても感想が変わります。
        大切なことは、その時々に応じた解決策を見出すことではないでしょうか。

         そうしたことを考えると この本は一度読んでおしまいではなく、
        手元に置いておいて、悩んだり、ちょっと弱気になったときなどに読み返して、
        まさしく"使う"べき本だといえるでしょう。

         ちょっと厚めで読むのにエネルギーがいるかもしれませんが、
        一読の価値は十分にあります。
        「悩みなんてない!」っていう方も、
        悩める人の気持ちが少しは分かるかもしれませんよ。
        >> 続きを読む

        2015/02/01 by kengo

    • 18人が本棚登録しています
      リーダーになるために

      D.カ-ネギ-協会 , D・カーネギー , 山本徳源2000/09

      カテゴリー:経営管理
      いいね!
      • この本の名言をご紹介します。

        ***
        明確で、
        やり甲斐のある、
        そして到達可能な目標を設定せよ。
        >> 続きを読む

        2014/05/22 by 本の名言

      • コメント 2件
    • 2人が本棚登録しています
      人を動かす D・カーネギー

      D.カ-ネギ-協会 , 片山陽子2012/11

      カテゴリー:社会学
      3.0
      いいね!
      • 人を動かすの現代版というべきでしょうか。

        内容は「人を動かす」とあまり違いは無いとおもいます。
        最近起こったことを事例として挙げているところが違いかな。

        前作と近作、どちらを読むかは自由です。といった本だと思います。






        前作の方が面白みはあると私は思いますが。
        >> 続きを読む

        2013/07/02 by BlueBull

      • コメント 6件
    • 3人が本棚登録しています
      プロカウンセラーの聞く技術

      東山紘久2000/09

      カテゴリー:言語生活
      5.0
      いいね!
      • よく、言われることですが
        “耳は二つあり、口は一つしかない”
        (だから、よく、人の話を聞くべきだ)
        ・・・ただ、それがなかなか、上手くいかないのも
        事実で。

        特に自分の仕事はカウンセラーではありませんが
        人が二人いるような職場だったり

        特に、お客さんを迎えることのあるお仕事であれば
        “聞く”ことのプロの方法は
        何かを、貴方に 気づきとして与えてくれるはずです。

        聞いた後の発散方法を含め
        本当にプロの技術を惜しげもなく
        見せていただいていることに感謝しています。

        何度も読み返す本の一つです。
        >> 続きを読む

        2013/06/08 by きみやす

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      「出会い」の不思議

      河合隼雄2002/04

      カテゴリー:心理学
      4.0
      いいね!
      • たくさんの人と話す機会が増えたので、折角ならすこしでも深いところで理解したいと河合隼雄を既読も含め何冊か読んでみた中の一冊。

        「言葉との出会い」「人との出会い」「本との出会い」「子どものこころとの出会い」「新しい家族との出会い」「こころの不思議との出会い」の全6章からなっており、それぞれのテーマに沿っていくつかエッセイを置いている構成なので、著者の考えを俯瞰して理解しやすくなっている。
        良いことをしているつもりが別のところに悪影響を与えていたりということは世の中に溢れているが、それが人間関係や個人の心理にどのように現れてくるのか。そのダイナミズムとバランスについてといったテーマが通底しているように思えた。

        今のビジネスの世界ではアメリカ型の自己啓発的な発想が大きな力を持つが、ある一定の行動規範に則っていれば間違いは起こりえないという人間にとってのある一面(人工的ではあるが真理ではある)が強制力を持ち、そこに規格化されていったとき、ある側面での成功や失敗とは別の次元にどれだけ大きな不具合をもたらしているのか。
        ただ、そういった流れの対立軸にいると言って良い立場にありながら、真っ向から対立するというより認めざるをえないものとして包括した上で発言する努力をしているように感じられる。
        そういうスタンスやいい加減さを残しておく姿勢に対してある種の感動を覚えるが、だからといって文化庁長官なんてやらなければもっと長生きしたかもしれないなんて思うのは僭越か。


        正直別に読んでいた本達はピンと来なかったので、何でこの人のことを好きだったんだろうと思ったりしたのだが、この本はコンセプトの割に啓蒙的でない文章が多く、この人はやっぱり信用して良いと改めて感じた。
        >> 続きを読む

        2011/11/06 by Pettonton

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      うつ病の治療ポイント 長期化の予防とその対策

      平井孝男2004/08

      カテゴリー:内科学
      4.0
      いいね!
      • 「うつとは何か」から始まり,うつの原因,治るとはどういうことか,薬や入院などの治療方法,20あまりの事例が,平易な文章で記述されています.基本的には治療者側に向けた内容で,患者と接する際の注意点などが多いですが,患者側から見ても有益でした.「うつの長期化」に焦点をあてているのも,良いと思います.

        僕自身,半年あまりの休職期間中に本書を手に取ったのですが,

        - 「うつ症状の『緩和』はありえても『消失』は不可能であり,『元に戻る』ことを治療の目標とするのは無理がある.」

        - 「現実的な治療の目標とは,『調子の良い自分も悪い自分も本来の自分だと受け止め,うつ症状と上手につきあっていく.』,『うつ症状に圧倒されない主体性の回復・確立』,『うつ病を通して人格的に柔軟になる』こと.」

        といった記述で,少し気分が楽になったような気がします.

        ボリュームが多いのでうつの急性期には読むのは辛いかも知れませんが,文章はやさしく,敷居は低いと思います.患者の家族が読むのにも良いと思います.
        >> 続きを読む

        2014/08/25 by medio

    • 1人が本棚登録しています
      ユダヤ人の生き方 ラビが語る「知恵の民」の世界

      Kushner, Harold S , 松宮克昌2007/05

      カテゴリー:ユダヤ教
      5.0
      いいね!
      • とてもすばらしい本だった。
        ユダヤ教について、とてもわかりやすく、かつ深い知見が盛り込まれた、最良のユダヤ教の紹介および解説の本のひとつだと思う。

        著者が言うには、ユダヤ教は生きること、いかに生きるかについての教えであり、真の人間になるためにどうすれば良いかの包括的な生活の体系だという。
        ただし、それはユダヤ教の場合、抽象的な理論や神学ではなく、具体的な行事や習慣を通してそのことが実践されるし、何よりも「ユダヤ人共同体の一員」であることが重視されるという。

        ユダヤ人共同体というのは、ブリート(契約)を神と結んだ具体的な共同体である。

        契約というのは、神と人との円熟した関係であり、互いの責務についての決まりごとだという。
        つまり、人間は善を見分け選ぶことができ、またそう行うことが神への責任であり、一方、神はそのような責任をきちんと果たしている人間に対し、生命・健康・食物・愛する人を与えるという責任がある、ということだそうである。

        ユダヤ人は世界の民族の手本として、神に選ばれ、契約を結んだとユダヤ教では考える。
        聖書は、それゆえに、ユダヤ人にとっては長い先祖たちの、いわば家族のアルバムであり、神からの、また神へのラブレターのように読むものだという。

        一般的に他の宗教では、この世界を聖と俗の二つの領域に分けるが、ユダヤ教ではそうではなく、聖なる世界と、その途上にある世界、という風に考えるそうである。
        そして、当たり前のものに聖なるものをもたらすこと、当たり前の時間を聖なる時間にすることを重視するそうである。
        そのために、安息日や食物規定があると著者は言う。
        これらの規定は、神の好意を勝ち取るためではなく、人間として成長をするために、人間として成長することを選んで生きることを理解するために、安息日や祭日のたびに歴史的な意義や神とイスラエルの関わりを想起し、食物規定の背後にある他の生命への配慮やいのちの恵みへの繊細な感覚を思い出すのだという。
        さらに、結婚も含めて、ユダヤ教の一見厳しいさまざまな規定や戒律は、人間における本能を聖別するためにあるという。
        ユダヤ教においては、人間の性欲や食欲などの衝動は、それ自体としては良くも悪くもなく、いかに用いるかによって良くも悪くもなると考え、さまざまな律法による規定はそれをコントロールし、聖別するためにあるのだという。
        つまり、人間が持って生まれた性質を、崇拝でもなく抑圧でもなく、聖別することが、ユダヤ教においては重視されるという。

        また、ユダヤ教においては目的は神であり、人間は幸せのために励むのではなく、善のために励むことが教えられる。
        つまり、目的は幸福ではなく、善だという。

        神は、この世界に、創造者・啓示者・贖い主という三つの関わり方で関わり、そのどれをも大切にし、それらをそれぞれ讃える行事があるそうである。

        ユダヤ教徒とは、エジプトの奴隷状態から出エジプトを果たしたモーゼの物語を直接受けとめた人々、という定義も面白かった。

        また、出エジプト記の三十三章のところで、神は後ろ姿が見える、という箇所があるが、著者はこれは、実際に後ろ姿が見えたということではなくて、神はそのものは姿が見えないが、その行動や働きが通っていった後に、その行動や働きとして見える、ということを意味していると解釈しており、とても納得がいった。

        著者は、神は、人間と無関係にどこかにいることを観察できるようなものではなく、私たちが正しく困難なことを行うその時に共にいる存在だという。
        神が何かをしてくれるから自分は何もしなくてよいと考えるのではなく、神が貧病苦に苦しみ人々を助ける存在であるのだから、人間は神の似姿として貧病苦の人々を助けねばならない、と考えるのがユダヤ教だという。
        そして、自分とその周りに何かが起こった時に、その中に神を認識できるという。

        神を信じるとは、その存在を肯定することではなく、起こることになっているものの、いまだ起きていないことが、いつか起こると信じること。
        という言葉も、なるほどーっと思った。

        また、無神論者とは神の存在を否定する人のことではなく、道徳を無視する人のことだという著者の解説もとても心に響いた。
        「私の選択は重大でしょうか?人生の中身は本当に意味があるのでしょうか?」という問いこそが最も重大な問いであり、これに対してYESというのがユダヤ教の信仰であり、この問いにNOで答えるのが無神論だということは、通常の信仰や無神論の通俗的な理解と異なり、私にはとても心に響くものがあった。

        あと、とても考えさせられたのは、スーパーマンのパワーを無効化するクリプトナイトを例にとって、著者は、神にもクリプトナイトが二つあるというたとえ話をしていた。
        つまり、神におけるクリプトナイトとは、自然法則と人間の善悪の自由意志の二つである。
        神は自然法則に則った世界を選択して創造したため、自然法則に安易に介入できないし、人間が自分の自由な選択で善を行うことを欲して自由意志を与えたため、人間の自由意志にも介入できないのだという。
        つまり、自然界には道徳がないし、人間は自分の意志で何でもできる。

        だが、長い目で見れば、ヤコブやヨセフの物語のように、神は悪を善に変える力を持つ。
        つまり、さまざまな苦労を経ることで、人の気持ちがよくわかり、素直に謝り、人を大事にできる心を持つように人間は成長することがある。

        また、神は、人間に勇気や慰めを与える。
        神の力は無限の力である。しかし、神の力は制御する力ではなく、可能にする力である。
        神の力は物事を統制する力ではなく、物事を可能にする力である。

        つまり、人間の意志や行動に介入して統制する力ではなくて、人間が何か困難に立ち向かい、正しいことを為そうとする時に、それを支える勇気や癒しをもたらす、そのことを可能にする力である、というこの本のメッセージは、とても納得がいき、心に響いた。

        ホロコーストも、神がなぜあんなひどいことをしたのかと問うのは筋違いで、あれは人間がなしたことであり、「人類は互いにどう扱うか決定する自らの自由を、どうしてこれほどひどく悪用できたのか?」と問うことが正しい問いだという。

        また、神のゆるしとは、神の怒りが静まることではなく、自分の問題にもかかわらず、神の御許で受け容れられていると感じるようになること、ということもなるほどーっと思った。

        「決してあきらめるな。あなたの魂が実現させたいと切望するものに成し得ないことはない」
        というのがユダヤ教のメッセージだという話も、とても心に響いた。

        人間である高貴さの証のひとつは、自分の行動に責任をとれることであり、そうでないのは人間のなりそこないという話も、考えさせられた。

        ユダヤ教では、「イエッェル・ハラァ」(悪への衝動)と「イエッェル・ハトーヴ」(善へ衝動)という、善悪の二つの衝動がどちらも人間には備わっているという。
        どちらだけでも人間ではなく、前者についても根絶するのではなく、制御し、聖別することが大事だという。

        間違いを犯すことができ、自分の間違いを認識でき、間違いを悔やみ、学び、修正できるところに、人間の他に類のない特徴があるとユダヤ教では考える、ということも、なるほどと思った。

        ヘブライ語の罪を犯すという意味の言葉は、目標を外すという意味の言葉でもあるそうである。

        また、ユダヤ教における祈りは、何かを願うよりも、むしろ感謝や崇敬を示すことだという話も興味深かった。
        ヘブライ語で祈ることは、右脳を活性化する、という話も興味深かった。
        さらに、ユダヤ教においては、トーラーを学ぶこと自体も祈りと考えらるそうである。
        「典礼は結びつけ、神学は分離させる」、つまり、難しい神学より、実際に大勢でシナゴーグに集まり、みんなで祈ることをユダヤ教は重視するそうである。

        「神について語ることが神学であり、神を体験することが宗教である」というブーバーの言葉も、とても心に残った。

        反ユダヤ主義に関して、自分自身を憎んでいる人々や不安定な人々は、何かを投影して他を憎みやすい、特に社会の中のマイノリティにそうした憎しみを向けやすい、という話も興味深かった。
        さらに、ユダヤ人の場合、著者が言うには、律法という道徳と良心を述べているところが煙たがられたり、常に社会変革や社会改革の動きをユダヤ人が率先して行ってきたことが危険視されたり憎まれたこと、キリスト教特有の教義などが、マイノリティであることに輪をかけて反ユダヤ主義が歴史的によく起こった理由としてあげていた。
        人間をひとくくりにして偏見を持つことは間違っているし愚かであることを著者は指摘しており、それは本当にそのとおりと思った。
        また、ユダヤ人自身の態度として、起きた不幸を克服するには、正常な状態に戻ることであり、もはや人に同情を求めないことが大事だということが述べられているのも、胸打たれた。

        著者は、キリスト教とユダヤ教の関係について、どちらもお互いを必要としており、キリスト教は一神教がどのようなものであるかをチェックするために、そしてユダヤ教は多神教の世界において一神教を世界に広めるためにキリスト教を必要とし、肯定できるという。
        著者は、イエスとパウロもまた、神が多神教の世界に対して一神教を伝えるために選んだ存在だったと受けとめているという話も、興味深かった。

        ユダヤ教の究極の目的は、この世界を神が創造した時に、神が想い描いたような、そういう世界に造りかえることだという。

        それには、神に任せて自分は何もしない、という態度ではなく、人間自身が、善を選び、善を行うしかないのだという。

        人間は死を恐れているのではなく、本当に生きてきたとは言えない人生を恐れている。

        聖なることとは、ごく当たり前の時間を聖ならしめることである。

        人に関係しながら、生き方の中で、聖なるものを生み出すこと。

        それがユダヤ教だという。

        ユダヤ教の実践は、本を多く読み、自分自身の共同体に入り、人との関わりの中で、善を実践すること。
        そう言う著者のメッセージは、とてもわかりやすかった。

        私たちが証人となる時、神は主であるが、私たちが証人になることをないがしろにする時、神は主でない、というイザヤ書の43章10節に関わる注釈の話は、非常に考えさせられるものがあった。

        なかなか、ユダヤ人に生れつかない限り、ユダヤ教というのは縁遠い宗教だけれど、ユダヤ教のエッセンスは、この本を通じて、少しわかった気がする。
        本当にすばらしい宗教と思う。
        他の宗教の人も、なにがしか、そこから学ぶことがあるのではないかと思った。

        多くの人に読んで欲しい名著だった。
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        2013/07/05 by atsushi

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      地図と絵画で読む聖書大百科 ビブリカ

      船本弘毅 , BeitzelBarry J , 山崎正浩2008/10

      カテゴリー:聖書
      5.0
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      • 多くの絵画や遺跡などの写真が豊富に収録されてあり、とても面白かった。

        また、聖書の文章だけで読んでいるといまいちわかりにくい地名の羅列を、地図にしてそれぞれ解説してくれているおかげで、ヤコブがどれぐらい長距離を移動したかわかり、ハランってかなり遠いところだったんだなぁとはじめてよくわかった。
        またモーセが派遣した十二人の偵察隊がほぼイスラエル全域を旅したこともよくわかった。

        いろんな考古学的観点からも書かれてあって、ためになった。

        いろんな知らない聖書を描いた絵画もたくさん載っており、中でもブリトン・リビエールという人が描いたダニエルやイエスの絵はとても心ひかれた。

        良い一冊だった。
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        2013/08/22 by atsushi

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      モーセに学ぶ失意を克服する生き方

      Kushner, Harold S , 松宮克昌2008/07

      カテゴリー:聖書
      5.0
      いいね!
      • 非常に深い、すばらしい本だった。

        著者はユダヤ教のラビで、旧約聖書の出エジプトで有名なモーゼを素材に、人生について非常に深い洞察と知恵が語られている。

        モーゼは、最初の十戒の石板が粉々に砕け散った後も、挫けずに再び立ちあがり、二枚目の石板をつくり民に与えた。

        エジプトでの奴隷の境遇から救い出した民から、始終荒野で不平や文句を言われたが、挫けることなく、人々を愛し導き続けた。

        そのことの意味を、とても深く、わかりやすく解説してあり、はじめてそれらに思い至った。

        モーゼもまた、挫折することもあり、くじけそうな時もあり、どれだけ尽くしても人々から感謝されもせず、文句や不平不満ばかり言われて折れそうな時もあったが、それでもなおかつ、最後まで活力と勇気に満ちていた。

        その秘訣は、著者が言うには、モーゼは本当の意味で謙虚だったからという。
        一般的な意味で受けとめられる謙虚さや謙遜は、しばしば控えめであることや従順であることだが、モーゼは決してそうではなかった。

        本当の意味の謙虚さとは、成功にしろ、失敗にしろ、自分の力のせいだけではない、と知っていることだと、著者は言う。
        それゆえ、成功の時もおごりたかぶることはなく、失敗の時も自分を責めすぎて落ち込むことはない。
        この世界は、自分のせいだけではない、いろんな複雑な原因や条件がからまっており、自分のせいだけではないことを知って、なおかつ自分としてできることを尽くし、世の中の光と闇も、不完全さも、受け容れるのが、本当の謙虚さという著者のメッセージは、とても心に響いた。

        また、アダムとイヴは、アベルとカインの後にセトという子どもが生まれていることに、著者は注意を促している。
        これについての創世記は淡々とした記述だが、著者は、これは、アベルとカインの悲劇という、普通ならば心が折れてしまう出来事のあとも、なお夫婦が乗り越えたことを示している、と解釈していて、とても感銘を受けた。

        聖書の本文の読みの深さは、本当にユダヤ教の伝統なのだろう。
        すごいものである。

        モーゼが、岩を叩いて水が噴き出て、そのためにカナンの地に生きている間に行けなくなったことを、著者は、神が怒って罰したのではなく、すべてを一人で成し遂げる必要はなく、次の世代にバトンタッチすべきで、すでに多くの家族を失い、年もとり、疲れ果てたモーゼへの神の優しさだと解釈していたのは、とても納得がいき、深い解釈だと思った。

        そして、山の上からカナンの地を遠くのぞみ、さまざまなことがあっても、なおかつ自分の民を祝福したモーゼの姿も、本当に胸を打たれる。

        多くの人に読んで欲しい、素晴らしい名著だった。
        この本を読めば、きっと、人生を再び立ち上がる元気と勇気がもらえると思う。
        私も、一枚目の石板が砕け散ったとしても、また二枚目をつくったモーゼを見習いたいし、そのことを常に忘れないようにしたい。
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        2013/07/03 by atsushi

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      図説聖書人物記 絵画と家系図で描く100人の物語

      山崎正浩 , NettelhorstR. P2009/10

      カテゴリー:聖書
      4.0
      いいね!
      • 聖書のほとんどの人物について、いろんな昔の画家の絵画の写真とともに解説してあって面白かった。

        感心するのは、長い西洋の絵画の歴史には、だいたい聖書のどんなあんまり有名ではない人物まで、必ず誰かが描いた絵があるということである。

        レンブラントやギュスターヴ・ドレなどは、本当にたくさん聖書のいろんな場面を描いている。

        自分が聖書を読んでいて想像していた姿とだいぶ違う絵も多いし、あんまりそれほど心が動かされない絵も多いけれど、その中で、エル・グレコの「悔悛する聖ペテロ」の絵は本当にすばらしかった。
        ペテロを描いた絵の中でも、最も胸を打たれる絵だと思う。

        良い一冊だった。
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        2013/08/22 by atsushi

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      奴隷と奴隷商人

      国領苑子 , MeyerJean1992/06

      カテゴリー:社会史、社会体制
      4.0
      いいね!
      • 豊富な図版をまじえながら、わかりやすく奴隷制や奴隷貿易の歴史をまとめてあった。

        の本によれば、古代ギリシャ・ローマの時代は、ほとんどの奴隷は白人だったらしい。
        また、中世は、シェルムと呼ばれるガレー船の漕ぎ手として、誘拐されたスラブ人などが奴隷となることがしばしばあっていたそうだ。

        しかし、そうしたそれまでの歴史のものと、大航海時代以降のアフリカの黒人を新大陸に連れて行き、奴隷として労働させるという黒人奴隷制は、規模も残酷さも相当に異なっていたようである。
        この本も、主に黒人奴隷制について焦点をあてて書かれている。

        綿花のみでなく、コーヒー・タバコ・砂糖の新大陸での生産は、黒人奴隷制に大きく依存していた。
        砂糖をつくるための精糖圧搾機は極めて危険で、よく手をはさまれてケガをする黒人奴隷がいたそうである。

        奴隷商人というと血も涙もない人間を想像するが、当時のイギリス・フランス・オランダなどの国々の奴隷商人は、ごく普通の市民だと本人も思っていたし、実際自分たちの社会ではそのような人が多かったそうである。
        さまざまな理由によって、奴隷貿易は正当化されていたようだ。

        反抗を試みたり逃亡する黒人奴隷は、しばしば悲惨な結果に終わった。
        彼らの心の支えとなる一種の伝説として、ザンビア共和国という黒人の国や、50年以上ジャングルの中に逃亡した奴隷たちによってつくられた都市として存在したという、パルマレスという都市の物語が伝わっていたという話は、興味深かった。

        また、ヴォルテールやモンテスキューやコンドルセらは、奴隷制を辛辣に批判したり諷刺していた。
        ストウ夫人らの文学作品が大きな奴隷制廃止の世論をつくった。

        フランスは、1794年にフランス革命でいったん奴隷制を廃止したが、ナポレオンの帝政時代の1802年にまた奴隷制を復活し、1827年にやっと奴隷貿易が禁止され、1848年に奴隷制度が廃止された。
        ヴィクトール・ショルシェールという弁護士が、二十年以上かけてフランスの奴隷制廃止のために長く努力したそうである。

        イギリスではウィルバーフォースらが中心となって、1807年には奴隷貿易が禁止、1833年に奴隷制廃止が実現した。
        アメリカでは、1812年に奴隷貿易が形式的には禁止(実質はかなりその後も存在)、1865年にやっとリンカーンの手によって南北戦争の多大な犠牲の上に奴隷制が廃止された。

        こうした歴史を見ると、本当に一朝一夕には動かないということと、四半世紀もの長きに渡ってこれほどの苦しみをどうしてこれほど多くの人が受けねばならなかったのかということを考えざるを得なかった。

        また、この本を読んで驚いたのは、サウジアラビアでは1963年まで、モーリタニアでは1980年まで奴隷制が存続していたという話である。
        つい最近まで、奴隷制はこの世に存在していた。

        制度としては一応廃止されたが、現代でも形を変えた奴隷的な状況は多数存在し、この本では、一説には五千万人もの人々が、奴隷的な人身売買や拘束状況にあるということも書かれていた。

        世界人権宣言の第四条には、明確に奴隷制の禁止が書かれている。

        私たちが過去の歴史を無にしないために、そして今の世の中のありかたを考えためにも、奴隷制の歴史というのはきちんと踏まえておく必要があるのだと思う。
        この本の監修の猿谷要さんが、「白人の、白人による、白人のための歴史」ではなく、別の視点から再構成された歴史をつくる時に、黒人奴隷制こそ最も重要な世界史の一つの軸だと述べているのは、本当にそのとおりだと思った。
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        2013/03/20 by atsushi

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      ヴァイキング 海の王とその神話

      久保実 , CohatYves1993/03

      4.0
      いいね!
      • ヴァイキングという言葉から何を想像するだろうか?
        それは独特なシルエットを持つヴァイキング船に乗って襲来する完全武装の野蛮な戦士の集団だろうか?
        たしかに彼らにはそのような一面もあり、当時のヨーロッパ人からは、悪疫の様に恐れられていた。
        しかし、彼らの生活を詳細に調べてみるとその素顔が見えてくる。
        最初の部分で特に目を引くのはノルウェーで発掘されたほぼ原形をとどめた状態のヴァイキング船の写真であろう。
        機能性とヴァイキングの職人たちの高い芸術性を併せ持つその流線型のフォルムは、ため息が出るほど優美である。
        野蛮さがイメージとしてある彼らだが、彼らは基本的に祖国では普通の農民であり、シングと呼ばれる民会が決める法にしたがっていたらしい。そして彼らの職人は当時のヨーロッパで最高水準の技術を持っていた様だ。
        驚くべき事にコロンブスの数百年も前に彼らがアメリカ大陸発見し、一時的に入植さえしている事実に驚愕させられた。
        彼らは、アメリカ大陸を”ヴィーンランド(葡萄の地)”と呼んでいたらしい。
        また、広大なロシアへも進出し、そこでルース人と呼ばれ、これがロシアの語源になったと言う。
        ヴァイキングとロシアの関係など今まで考えてみた事もなかったが、こんな事実を知ることができるからこそ歴史は興味深い。
        フランク王国を襲いその領地に定住した者たちは、ノルマンディー公国という国をつくる。これが後のノルマンコンクエストにつなる。
        カラーページの巻末には、ノルマンコンクエストを描写したバイユーのタピストリーの写真が11ページに渡って掲載されており圧巻であった。
        資料編の方も盛りだくさんで、特にマイケル・クライトンの小説で映画化もされた”北人伝説”の元ネタのアラブ人旅行者イブン・ファドラ―ンの手記からの抜粋もあって非常に興味深かった。
        冒険心に富んだヴァイキング達について知るための最適の入門書としてお勧めの一冊です。
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        2017/12/28 by くにやん

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      黄金のビザンティン帝国 文明の十字路の1100年

      KaplanMichel , 松田廸子 , 田辺希久子1993/06

      カテゴリー:世界史、文化史
      4.0
      いいね!
      • 西ローマ帝国滅亡からさらに千年以上にわたり存続した東ローマ帝国。
        しかし、それは次第にローマ帝国とは異なる国家へと変貌していた。
        後世の人々はこれをビザンティン帝国と呼んだ。
        そのビザンティン帝国の歴史とその魅力を教えてくれるのが本書である。

        ほぼ全ての紙面が古い写本からの美しい挿絵、モザイク、金貨や美術品の豊富な写真で埋め尽くされている。
        特にビザンティン帝国の主製品であった絹織物の図案の美しさは、目をみはるものがある。
        中世の人々は、世界の富の2/3は、コンスタンティノープルにあると信じていたとのことだが、それが納得できるような気がした。

        内容としては、ビザンティン帝国史の概要に始まり、皇帝やその魅力あふれる首都コンスタンティノープル、都市部や農村部の人々の暮らしぶりそしてビザンティン帝国を語る上では欠かせない神と聖人について書かれており、多面的な角度からこの帝国の姿を浮き彫りにしている。

        資料篇では、同時代人たちの残したコンスタンティノープルや皇帝等の証言がコンパクトにまとめられており、当時の雰囲気をリアルに感じさせる。

        ビザンティン帝国は、過去において硬直した組織典型として不当に低い評価を与えられてきていたが、近代に入ってからは、研究が進み、ギリシャ・ローマ文明の継承・保護者として、またその文化をキリスト教と融合させ、他の文化に伝搬した役割が評価されている。

        本社は、この人々を魅了してやまない華やかな帝国の歴史を知る格好の一冊だと思う。
        >> 続きを読む

        2017/12/28 by くにやん

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      十字軍 ヨーロッパとイスラム対立の原点

      TateGeorges , 松田廸子 , 南条郁子1993/09

      3.0
      いいね!
      • 十字軍に関する入門書として購入しました。
        全体的に紙面の都合などありちょっと駆け足的な説明だった気もするが、十字軍の歴史がコンパクトで分かりやすく書かれている。
        視点もフランク、ビザンチン、イスラムと多角的な視点で捉えており好感が持てる。
        興味深かったのが、私はこれまでイスラム側の英雄サラディンがその天才的能力により単独でイスラム側の統合を成し遂げたとばかり思っていたが、実は彼の能力による面もあるがサンギー、ヌール・ウッディーンと進められてきたイスラム統合の事業を引き継ぐ事によりそれを達成することが可能となった事実である。
        また、あのアラビアのロレンスが十字軍時代の城塞について論文を書いていたことも興味深かった。本書巻末の資料編にはその論から抜粋されたスケッチなどが掲載されている。
        少し残念だったのが、十字軍時代の考古学的資料が少ないのか各ページに掲載されている写真が写本等からの絵ばかりであった事である。
        >> 続きを読む

        2018/01/07 by くにやん

    • 1人が本棚登録しています
      地中海の覇者ガレー船

      塩見明子 , 遠藤ゆかり , BurletRené , ZysbergAndré , 深沢克己1999/11

      カテゴリー:各種の船舶・艦艇
      4.0
      いいね!
      • 十字軍に関する入門書として購入しました。
        全体的に紙面の都合などありちょっと駆け足的な説明だった気もするが、十字軍の歴史がコンパクトで分かりやすく書かれている。
        視点もフランク、ビザンチン、イスラムと多角的な視点で捉えており好感が持てる。
        興味深かったのが、私はこれまでイスラム側の英雄サラディンがその天才的能力により単独でイスラム側の統合を成し遂げたとばかり思っていたが、実は彼の能力による面もあるがサンギー、ヌール・ウッディーンと進められてきたイスラム統合の事業を引き継ぐ事によりそれを達成することが可能となった事実である。
        また、あのアラビアのロレンスが十字軍時代の城塞について論文を書いていたことも興味深かった。本書巻末の資料編にはその論から抜粋されたスケッチなどが掲載されている。
        少し残念だったのが、十字軍時代の考古学的資料が少ないのか各ページに掲載されている写真が写本等からの絵ばかりであった事である。
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        2018/01/04 by くにやん

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