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(株)大修館書店 (タイシユウカンシヨテン)

企業情報
企業名:大修館書店
たいしゆうかんしよてん
タイシユウカンシヨテン
コード:469
URL: http://www.taishukan.co.jp
      ことば点描

      外山滋比古2012/10

      カテゴリー:言語
      4.0
      いいね! momomeiai
      • 現在90歳になんなんとする現役学者さんのたぶん最新のエッセイです。(2012/10/11発売)

        「言葉は生きている。
        時とともに変貌するし、所によっても違った意味を帯びる」

        外山滋比古氏の専門が本来は英文学とは、意外でした。
        日本語といえば外山さん、と思い浮かぶほど。
        日本のことばのオーソリティ。と思っておりましたが。
        実は、外国語習得において「新しい日本語」を見つけたのだそうです。

        「回帰した日本語は、やさしく、あたたかような気がした。
        それを国語とはいいたくない。日本語であるとひとりこだわった。
        いつしか日本語弁護を考えるようになっている」

        彼の基本姿勢は言語の柔軟性を容認するというところ。
        言葉の語源、文学の原文主義をむしろ批判的に眺めています。
        意外にも、国語教育者やお堅い言語学者とは一線を画していることがわかりました。

        日本語への愛と柔らかい発想の論理がとても面白く、
        「国語学者」への皮肉もいっぱい。
        読みやすく、あらたな気づきもあって良書だと思います。


        『地理的言語』 
          言語には歴史(時間)的な性格・意味の他に、地理(空間)的な性格と意味があることを発見。
          日本人は翻訳がお嫌い=苦手。
          意訳なくして翻訳など不可能と知るべし。

        『第四人称・第五人称』
         外山氏のアイディアによる造語です。
         演劇の観客、書物の読者は1~3人称、つまり「物語の当事者」ではないのです。
         時代と社会を超越する古典は、作者のみによって完成するのではなく、
         また第四人称によって成立するのでもない。
         時の試練を経た五人称読者という受け手によって成立する、という主張。
         実に共感いたします。

         ベストセラーは四人称が作りますが、五人称読者が手にしてくれるかどうか。
         時の女神しか知らぬことでしょう。

        『センテンスとパラグラフ』
         日本語にはそもそも文を区切る発想がなく、句読点も明治初期の輸入品。
         俳句では、五七五それぞれの句が省略されたセンテンスの性格を帯びている。
         外国語導入において、単語にエネルギーを注いだ結果、
        パラグラフ(段落)など、置き去られてしまった。
         日本の文学者でさえ段落のことなんか理解していない人がほとんど。

         ありゃ~。どうりで、国語のテストでヘンテコな問題があったわけだ。

        『敬語の論理』
          敬語の心は人間関係を思う心
          相手を尊敬しているかいないかではなく、人間関係を円滑にするためのもの。

         「コーヒーでよろしかったでしょうか」に反発する「ことばにうるさい人たち」は、
          敬語の心を理解していないのでは?
          過去形が丁寧な感じになるのは正しい用法。(英語も同じ)
          敬語の消滅した世代に芽生えた敬語の表れとみればおもしろい。
         
         「敬語撲滅運動」などで人間の平等は図れない。歴史的文化破壊だ。

        『目のことばと耳のことば』
          言葉の基本は音声。つまり耳の言葉が重要です。
         
         「声を失った沈黙のことばに長い間触れていると、文章の力を過信する」ようになる。
         「文章の方が高級という錯覚」を持ってしまう。

         ことばのリズム、調子などのセンスを失うことになりかねない。

         「考えること表現をもとめていることは、つねにことばより大きい。」
         「すべてはことばでは〝筆舌につくし難い”のである」

        ことばのプロの言葉として、心しておきたい一言です。

          読み聞かせであっても、耳を使う言葉であることを考えればまだまし。
         外山氏は、今、「〝耳で読む”勉強会をつくろうとしている」そうです。

        『ワレとナンジの間』
          日本語には0型自称が使われている!
          敬語の基本は敬遠。日本人は相対するのを好まない。
          一人称が多数あるのは多神教的。
          その上、訳語にしない第一人称がある。
          自称を落とすのではなく名詞で言い換える。「先生」「父さん」「先輩」など。

          漱石は東洋の文学は西洋の文学とは別のものである。と気付いた文学者。
          観念的文学と社会的文学の発見 

        『多数決』
         多数の支持があれば慣用になる。言葉は意味や用法を変えていくものです。
         こどもの名前、ことわざなども。

        『あいさつ(ファティック)』
          コミュニケーションにおいて、意味のない言葉はないが、
         あいさつに、言葉の意味を求める人はいない。ファティック言語=あいまい性。
         気持ちや心を伝える、共感・交歓。「コミニョン」
         俳句はあいさつの文芸。論理的意味から自由。

         「すみませんが」を謝ることばだと決めつけるのも
         「幼稚で、小学生でも一、二年生くらいの知性である」
          ↑
        結構、この手の毒舌がいっぱいでてきておもしろいんです。


        『外国語の意味』
          文脈・コンテクストによって具体的な語義は決まる。
          辞書ひくの大変だったものなあ。
          そうか。「試験にでる単語」って辞書として使えばよかったんだ~!今更遅いけど。
          
        『通信革命』
          文字の出現と、印刷・出版の出現が今までの大きな変革。
          出版は書き手と読み手の立ち位置を書き手優位に変えた。

          携帯電話の登場は、新しいコミュニケーションの様式の誕生。劇的な変化を予感させる。
          (ケイタイ文化=ネット文化と読み替えた方が適切かもしれません)
        >> 続きを読む

        2013/03/02 by 月うさぎ

      • コメント 12件
    • 1人が本棚登録しています
      日中・中日翻訳トレーニングブック

      毛燕 , 高田裕子2009/11

      カテゴリー:読本、解釈、会話
      5.0
      いいね! Moffy
      •  仕事が忙しいのもあって、学習し終えるのに一年弱かかりました;;;;;;
         例文や問題にそれなりの難易度があって、かなり応えました。
         一読だけでは絶対足りません。問題も繰り返し繰り返し解くことをおすすめします。
         用語を覚えたり、表現を暗記したり、最初はとにかく「吸収して取り込む」ことが大事だと思いました。慣れてくれば、実務でも自然に学んだことが訳に反映されてきます。

         さて、また一読してみようかな......
        >> 続きを読む

        2018/02/24 by deco

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