こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)


(財)法政大学出版局 (ホウセイダイガクシユツパンキヨク)

企業情報
企業名:法政大学出版局
ほうせいだいがくしゆつぱんきよく
ホウセイダイガクシユツパンキヨク
コード:588
URL: http://www.h-up.com
      ゾーハル カバラーの聖典

      石丸昭二 , MüllerErnst2012/07

      カテゴリー:ユダヤ教
      5.0
      いいね!
      • 『ゾーハル』はカバラ(ユダヤ神秘主義)の最も重要な古典。
        非常に難解な文章で書かれているそうなのだけれど、とてもわかりやすい訳だった。
        ゾーハルが全文日本語訳で読めるとは、本当にありがたい。

        読んだ感想は、想像していたより、ずっと深く、味わい深いということだった。
        トーラー(創世記・出エジプト記・レビ記・民数記・申命記)への熱烈な愛が、とても素晴らしかったし、心に響いた。

        特に印象的だったのは、以下のこと。

        声に出して読むたびに、トーラーは新しくなる。

        トーラーは家。
        背けば閉じるが、向かえば開く。

        トーラーの配偶者たらん、トーラーの恋人たらん、と思ってトーラーを学ぶこと。

        トーラーの物語はトーラーの衣服であり、衣服の向こうに真髄がある。

        神は常に自分が侮辱されるよりも、義人が侮辱されることに対して怒り、償いを求める。

        魂には、ネフェシュ、ルーアハ、ネシャーマーの三種類がある。

        夢で、清い心の人は天界に行き、覚えている覚えていないにかかわらず、良い教えを受ける。
        一方、日中に心が汚染された人は、夢において天の至聖所に行くことができず、低いところをさまよって、戻ることになる。

        上の領域(天界)と下の領域(地上)は関わり合っている。
        上の覚醒は下の覚醒次第である。

        トーラーは疲れた人への冷たい水である。

        十戒と、天地創造の十の節の言葉は響き合い、重なり合っている。

        祈りの掟は六つ。
        御名を畏れること。主を愛すること。主を祝福すること。主を一つにすること。祭祀が民を祝福すること。主に魂を献げること。

        アブラハムですら、一日でいっぺんに神への接近ができたわけではなく、生涯をかけて神に憧れ、一生涯を通じて行い、だんだんと神に近づいた。

        トーラーに精励する人は、至聖に結びつくための時間に従事する。

        などなど、とても啓発される、興味深い内容だった。

        また、男女がそろい、夫婦がそろって、シェキーナー(神の臨在)が起る、ということが強調されていることは、とても興味深かった。

        また、しばらくしてから繰り返し読み返したい。
        世にも稀な本であることは、確かだと思う。
        >> 続きを読む

        2013/07/31 by atsushi

      • コメント 7件
    • 1人が本棚登録しています
      数奇なる奴隷の半生 フレデリック・ダグラス自伝

      岡田誠一 , DouglassFrederick1993/09

      カテゴリー:個人伝記
      5.0
      いいね!
      • フレデリック・ダグラスは、十九世紀のアメリカに黒人奴隷として生れ、艱難辛苦ののちに独学で文字を身につけ、何度かの失敗のあとについに奴隷州から自由州への逃亡に成功し、そののちはアボリショニスト(黒人奴隷制廃止運動)の中心として活躍した人物。
        この自伝では、生い立ちから自由州への逃亡に成功したところまでが描かれている。

        南北戦争よりも前の時期の南部における奴隷制のひどさは、正直、想像を絶した。
        ダグラス自身もそうだったのだけれど、黒人奴隷の子どもは、通常、生まれて一年以内に母親から引き離され、他の年老いた黒人女性に育てさせられたそうである。
        親子の愛情が芽生え過ぎないように、また若い女性はすぐに労働力として働かせるためだったそうである。
        ダグラス自身もそうだったが、当時は白人と黒人の混血の子どもが毎年数千人、南部では生まれたそうである。
        黒人奴隷の女性への主人による暴行は日常茶飯事だったそうだ。

        また、恒常的に黒人たちに振るわれた鞭と暴力のひどさは、本当に言語に絶する。
        正直、この本を読みながら、かつてのアメリカの奴隷制における人権の無視の程度は、ナチスのユダヤ人に対する態度とあまり変わらないと思えた。

        そのような中、たまたま奉公に出された先の家で、少年だったダグラスは、比較的優しいその家の主婦から、アルファベットを少しだけ教えてもらった。
        しかし、そのことを知った旦那が怒り狂い、黒人に文字を教えることは法律で禁じられているとその奥さんにやめさせ、その後はその奥さんも教えてくれなくなった。
        だが、ほんの少し知った文字を手がかりに、ダグラスは近所の貧しい家の白人の少年たちと友達になり、さらに文字を教えてもらって、アルファベットを覚え、スペルも覚えていき、独学で文章が読めるようになっていった。

        そうなっていったのは、ダグラスが、白人が黒人を支配する秘訣は黒人を愚かなままにしておくことであり、「自由への小道」は文字を知り知識や知恵を身につけることだと早くも気づいていたからだった。

        ダグラスは、プランテーションで働かされることになると、自発的に日曜学校をつくり、仲間たちに文字を教えた。
        しかし、そのことを知った白人たちに、日曜学校は強制的に解散させられてしまう。
        しかも、そうした白人たちは、日ごろはキリスト教を熱心に信仰し、布教している人々だった。
        ダグラスが描く南部のキリスト教の偽善というのは凄まじく、ダグラスの近所には牧師でありながら黒人奴隷を所有する人々がおり、しかもその黒人奴隷たちは鞭による傷跡が絶えなかったという。
        また、白人たちが、黒人の赤子を売り払ったお金で海外の布教用の聖書をたくさん購入して教会に寄付し善いことをした気分になっていたということが記されているのを読むと、なんとも頭がくらくらしてくる気がした。

        ダグラスは、別のプランテーションで働かされることになり、そこでは極秘裏に日曜学校をつくり、仲間に文字を教え続けた。
        その仲間たちと、逃亡の計画を企てるが、密告者がいたために捕まり、別のところに売りさばかれ、また辛酸をなめることになる。

        ダグラスは、白人の主人があまりに横暴だったために、ある時に相手に決然と抵抗し、二時間も格闘して相手を倒し、それからその主人は二度とダグラスを虐待しなくなったという。
        それ以来、別のところに売りさばかれていっても、やられたらやり返すことを信条にし、そのために一対一では勝っても集団でリンチにされることがあったそうだが、ダグラスは誇りを失わずに生き続けたそうである。

        やがて、ダグラスは船大工の技術を身に着け、造船所で働くようになった。
        が、そこで稼いだ給料はすべて白人の主人に渡さなければならなかった。
        ダグラスは、空き時間に自分で働いた分は自分の稼ぎにしてくれるように頼むと、主人は一定額を毎週支払い、そのうえ自分で食費や服代を稼いだ上であれば、そうして良いと約束する。
        それはほとんど無理な話で、一定額を主人に支払い、しかも食費等を自分で賄うと、一週間働きづめに働いてもやっとその費用を捻出できるかどうかぐらいだった。
        にもかかわらず、ダグラスは超人的な努力で地道に少しずつお金を貯めていった。

        そして、ついにある時に、逃亡を決行し、無事に成功する。
        逃亡先の北部の自由州では、はじめは途方に暮れていたダグラスにあたたかい支援の手をさしのべるアボリショニストたちがおり、ダグラスは結婚し、三年間ぐらいあらゆる仕事をした後、たまたま彼の雄弁が人々の目にとまり、請われてアボリショニストの集会で演説をしていくようになり、そしてこの自伝を執筆し、当時ベストセラーになり、黒人奴隷解放のための機運を高めるのに大きく貢献したそうだ。

        ダグラスは自分が自由になった後も、南部の黒人たちの逃亡の手助けや逃亡してきた人々への援助をし続け、南北戦争後は、黒人の選挙権獲得の運動や女性の解放のために努力し続けたそうである。

        つい百数十年前は、こんなことがこの地球上に平気で行われたということを、我々は忘れるべきではないと思った。
        と同時に、この本の魅力は、そのような艱難辛苦にめげずに、自由を渇望し、希求し、信念を持って自由を求め続けたダグラスの不屈の精神と生き方なのだと思う。

        もちろん、こんなにひどい状況に比べれば、現代の日本は、本当に恵まれた環境であるが、人々を無知や暗愚にとどめることが支配の秘訣だということは、また違った形で、現代社会にもともすれば巧妙に行われていることなのかもしれない。

        「私は、満足した奴隷を作るためには、愚かな奴隷を作ることが必要だ、ということがわかった。奴隷の道徳的、知的洞察力を曇らせ、できる限り理性の力を消滅させることが必要なのだ。奴隷制に矛盾点を見つけることが可能であってはならないのだ。」(同書133頁) 

        この洞察は、現代日本社会にとっても、ともすれば耳に痛いことではなかろうか。

        「自由への小道」は学問であるというダグラスの認識は、現代においても本当に大事な知恵なのだと思う。
        >> 続きを読む

        2013/02/18 by atsushi

      • コメント 7件
    • 1人が本棚登録しています
      自己暗示

      CouéEmile , 河野徹 , Brooks, Cyrus Harry2010/01

      カテゴリー:内科学
      3.0
      いいね!
      • 自己暗示。自分の持つ実力、能力、可能性を最大限に発揮するための自己暗示、誘導自己暗示法を学ぶための良書。文章として少し読みづらいのがネック。翻訳の問題だと思います。でも、翻訳をされた河野先生はなるべく原文に忠実に翻訳なされた結果なのでしょう。 >> 続きを読む

        2018/06/29 by 香菜子

    • 1人が本棚登録しています
      化粧と人間 規格化された身体からの脱出

      石田かおり2009/01

      カテゴリー:理容、美容
      3.0
      いいね!
      • データに基づきながら、見た目について拾い上げている良い本だと思いました。
        化粧の低年齢化が目立つようになったのは、1990年代後半からとのこと。アムラーとかが現れた頃でしょうか。化粧の定義も、ピアッシングや増毛などいろいろ複雑なのですね。歴史的資料がなかなか残っていないとのことですがただ「万葉集」にも化粧についての記述が見られるということです。
        そんな「化粧」の原義が、宇宙とのコミュニケーション、というのは驚きました。相手に対して開かれた存在であることを示すのが原義ということでしょうか。

        現代の特徴として以下の3つがあげられていました。
        1)美的価値基準に対するマスコミの影響の強さ
        2)個人の社会的地位の決定に身体の美的状態がもたらす割合が急増した。若者も子供も中身より外見という現実をよく知っている。
        3)美的に一定の水準でいなければならないという暗黙の圧力が個人にかかるようになった

        ・・・思っているより、外見というものが社会に果たす影響は大きいのですね。あまりにその価値観が行き過ぎると、社会的差別などを起こす危険性もありそうです。

        そのような「ファストビューティー」に対する「スロービューティー」という概念は新しく、興味深かったです。
        スロービューティーは、多様で過程重視、非規格化、自力型、積み重ね、履歴やストーリー性を重視するという美の考えかた。希望があって良いなと思いました。筆者もスロービューティーという言葉を定着させようと頑張っておられるとのこと。着物を着ることの意義についても触れていました。
        自分の生活の中における美の在り方が、スローなものにしてゆけたらと思いました。
        >> 続きを読む

        2016/07/08 by みやま

    • 1人が本棚登録しています

【(財)法政大学出版局】(ホウセイダイガクシユツパンキヨク) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(出版社,発行所)

会員登録(無料)

今月の課題図書
読書ログってこんなサービス
映画ログはこちら
読書ログさんの本棚

レビューのある本