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(株)教文館 (キヨウブンカン)

企業情報
企業名:教文館
きようぶんかん
キヨウブンカン
コード:7642
URL: http://www.kyobunkwan.co.jp
      ゼライーム

      石川耕一郎 , 三好迪2003/12

      カテゴリー:ユダヤ教
      4.0
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      • ミシュナの第一巻。
        これを翻訳した方は本当すごいと思う。
        事細かな律法の規定を、さらに事細かに考察して規定してあるのがミシュナ。
        畑の作物の作付の方法まで細かにいくつか規定してあり、それをわかりやすく注で図にしてくれているのも面白かった。

        ベラホートの九章の部分で、「誰であれ幸福について神を讃美すると同じように、不幸についても神を讃美することが義務づけられている。」という一節は胸に響いた。
        良いことであれば、悪いことであれ、なんであれ神に感謝し、受けとめて生き抜いていくのがユダヤ教の精神ということなのだろう。
        >> 続きを読む

        2013/08/17 by atsushi

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      ミシュナ

      長窪専三2010/06

      カテゴリー:ユダヤ教
      5.0
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      • ユダヤ教の聖典のミシュナの中の一部で、ユダヤの知恵のエッセンスのような格言集。

        ても素晴らしかった。

        繰り返し読みたい。

        特に、以下の言葉は心にしみた。

        「人間は愛されている。
        彼は神のかたちに造られたからである。
        さらに大きな愛は、彼が神のかたちに造られたことが彼に知らされたことである。
        なぜなら「人は神にかたどって創られたからだ」(創世記九章六節)と言われているからである。」
        (84頁)
        >> 続きを読む

        2013/06/19 by atsushi

      • コメント 3件
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      キリスト教神秘主義著作集

      谷隆一郎 , 熊田陽一郎1992/11

      カテゴリー:キリスト教
      5.0
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      • もうかれこれ十数年前、たしか二十歳の頃、たまたま読んでいた西欧神秘主義の概説書に、ニュッサのグレゴリオスの『モーセの生涯』という本が紹介されていて、いつか読みたいと思っていた。

        その解説によれば、モーセの旅路を霊的に解釈したもの、だとのこと。

        最近、今年に入ってから、再び聖書にはまって、出エジプト記や申命記も何度となく読んだ。
        関連の解説書なども何冊か読んだ。
        それで、ふとそのことを思いだし、いつか読みたいとかねて思っていた。

        と、つい先日、何の気なしに図書館の本棚で手にとってぱらっとめくったこの本に、なんとこの『モーセの生涯』が収録されていた。

        驚いて読み始めたところ、想像以上に素晴らしい本だった。

        著者が言うには、モーセは私にたちにとっての「範型」、つまり人生のモデルであり手本である。
        モーセのように、高みをめざし、山に登るように徳に向かった道のりを無限に進むこと。
        そのような人生を「アレテーの道行」と著者は言っている。
        アレテーとは、徳のことである。

        著者が言うには、人間というのは常に生成変化している存在であり、「自由な選び」(プロアイレシス)により、良い方向に進むこともできれば、悪い方向に堕ちることもできる。
        常に生成変化する存在である以上、ある意味、人は誰しも自分自身の生みの親である。

        だからこそ、ロゴスの形相を自分に刻み付けることが大切だという。
        そうしないと、悪徳の教えの形相を自分に刻み付けることになってしまう。
        人は、このどちらかを常に選択することになる。

        モーセのように、神にひたすら聴き従い、アレテー(徳)に向かって前者の道をひたすら進むことが、人間として最も望ましい。

        そうした観点から、著者は、出エジプト記などのさまざまな出来事を、すべて象徴主義的に解釈し、そこに霊的な意味を見い出していく。
        おそらくキリスト教徒以外から見たらかなり強引な解釈もあるけれど、その手際があまりにも見事なので、霊的な解釈とはこのようなものかと眼が醒める思いがするところもとても多かった。

        また、異郷の哲学は、アレテーを生む限りにおいては役立たせられるべきで捨ててはならないということを力説しているところが興味深かった。
        異郷の哲学の肉的な部分を除去することが、本当の意味の割礼ということだそうで、そうした観点から正しく異郷の哲学もキリスト教の信仰によって純化し、善用すべきだと著者は述べる。

        信仰と生に関する善き良心。
        この二つを、著者は重視している。

        キリスト教とアリストテレス哲学とモーセのトーラーが絶妙に合わさって昇華されている、稀なる良い本だった。

        ニュッサのグレゴリオスは四世紀頃の人だそうであるが、
        「生のありかた・かたちを択びとることは、各々の人の自由な択びの力に委ねられている」という考え方は、ルネサンスのピコ・デラ・ミランドラなどをはるかに先取りするものだと思う。

        私も遠く及ばぬながら、キリストやモーセに倣って、少しはあやかって生きたいと、あらためて深い感銘とともに思わせてくれる、そうした勇気や活力を与えてくれる本だった。
        この本にめぐりあえて良かった。
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        2013/12/09 by atsushi

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      古典ユダヤ教事典

      長窪専三2008/07

      カテゴリー:ユダヤ教
      5.0
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      • これはすごい事典である。
        日本人にはなじみのうすいユダヤ教やユダヤ人の歴史について、この事典を引けば、ひととおりのことが一発でわかる。
        ユダヤには、タルムードやさまざまな、日本人にはなじみのうすい文献が多数あるし、さまざまな宗教上の独特の用語や、歴史上の人物や出来事があるが、この事典のおかげで本当によく整理して理解することができた。
        ユダヤ教に興味のある人には、とても便利な事典と思う。
        >> 続きを読む

        2013/06/13 by atsushi

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      クリスマスの起源

      湯川郁子 , 土岐健治 , CullmannOscar2006/12

      カテゴリー:典礼、祭式、礼拝
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      • クリスマスが終わった後から読み始めた。
        クリスマスの日にちが、キリスト教内でも異なるのはよく知られた話で、その日付の起源も異教の影響を受けているというのも、事実である。
        しかし、最も大切なことは、その「クリスマス」というものが何を意味しているのか、という本質的な部分である。

        『モミの木に単なる古来の慣習以上のものを見るべきなのであり、光に照らされたモミの木とその飾りを手掛かりとして、クリスマスの出来事のキリスト教的な深い意味に思いを馳せるべきなのである。』(106p)
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        2015/01/12 by yori_yori

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      新約聖書の世界

      高橋三郎1994/01

      カテゴリー:聖書
      5.0
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      • これはすばらしい名著だった。
        新約聖書の成立過程を丹念に解きあかし、「使徒」と呼ばれる人自身が執筆したテキストは新約聖書の中で実はパウロ書簡のみであり、福音書や二次的に福音の背景を明らかにするために成立したことを明らかにしている。

        しかも、福音書の成立過程を解き明かし、編集者の意図によって諸資料の断片が構成されている以上、福音書をいくら読んでも確定的な事実は明らかにしえないことを指摘している。

        その上で、真理の複数証言ということが重要であり、どれか単一の福音書のみ重視したり単一のものをつくるのではなく、複数の福音書があることこそ、そして複数の真理証言から全体としての真理をつかむことこそ重要であることを指摘している。

        また、パウロの課題が「律法からの解放」であり、律法によるイスラエルから信仰によるイスラエルへの移行こそパウロらによって行われた決定的に重要な出来事だったのであり、それに比べればルターの宗教改革や内村鑑三の無教会主義はそれほど断絶的な契機を持たず、カトリック・プロテスタント・無教会はどれも信仰によるイスラエル=神の民の内部のことであるという指摘もなるほどと思った。

        また、カトリックはマタイ的教会観を、無教会はヨハネ的エクレシア観を継承しており、これはもともと福音書においても併存していたものであって、真理の複数性として一方を排除すべきではないというのは、なるほどと思った。

        繰り返し読まれべき名著と思う。
        >> 続きを読む

        2017/03/31 by atsushi

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      無教会とは何か

      高橋三郎1994/09

      5.0
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      • 信仰は救いの結果である。信仰は救いの原因ではなくてその結果である。救いにあずかることにより、信ずる者となる。

        このことこそ、内村鑑三、および無教会の真髄である。

        そう言った観点から無教会主義について書かれていて、とても面白かった。

        また、教会史への接続、という観点から無教会をとらえ、エクレシアの一致ということとの関連から、宗教改革をさらに徹底させたものとして無教会を歴史的にとらえなおしているところもとても興味深かった。

        無教会主義に興味のある人にはオススメ。
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        2013/12/03 by atsushi

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      タルムード入門

      村岡崇光 , CohenAbraham1998/07

      カテゴリー:ユダヤ教
      5.0
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      • タルムードはユダヤ教の聖典で、膨大な量がある。

        ある方から、そのタルムードの英訳の全巻のデータをいただいたので、読もうと思いつつも、いきなりではなかなか歯が立たないので、本書を読み始めた。

        とてもわかりやすくタルムードの全体像を解説してあり、ためになった。
        本書はまだ第一巻なので、続きも読みたい。

        タルムードとは、トーラーの解説書である。
        トーラーとは、聖書の中の創世記・出エジプト記・レビ記・民数記・申命記の五つ、および口伝でユダヤの民にモーゼから伝えられた神の教えである。
        タルムードの中には、ハラハーという法解釈とアガダーという説話の部分があり、それぞれを通じて独自の思想や世界観が展開されている。
        トーラーには一つも無駄なことはない、全てに意味がある、という観点から、一つの語句に至るまで深読みする精緻な解釈がなされてきた。

        この第一巻では、タルムードにおける、神と宇宙と人間についての内容を解説してある。

        宇宙の秩序は神の意志に依存している。自然界の諸過程は、神の創造の力が不断に作用し続けていること。

        神の存在を信じない者が無神論なのではなく、問題なのは、自分の行為の責任を問われることは決してないと信じている実際的無神論。
        神の存在を信じるか信じないかではなく、宇宙には審判も審判者も存在しないと主張する者が問題であるというのが、タルムードの立場。

        十戒を否定することは、これを定めた神の否定につながる。

        神はこれらの道徳を自ら実践している。人は神に倣うべきである。

        神は遍在しており、柴にでもどこにでもいらっしゃる。

        人間個人の運命は神によって定められているが、神を敬うかどうかは、その人の選択に委ねられている。

        神は愛と正義を混ぜてこの世界をつくった。また、神は、怒りや正義より愛が勝つように祈っている。

        神の父性。神は親である。

        神の聖性。人の立派な行為は、神の御名を高める。人のけがらわしい行為は、神の御名をけがす。

        神はトーラーを見ながら宇宙を創造した。

        天には七つの名称。天は七つある。

        エヴェン・シュティーヤーという、天地創造の中心となった神殿の土台石。

        万物の創造は神の栄光のため。

        神は第七天にいるのと同時に、遍在し、近くにまします。

        シェヒナー(住まい)、神の光として、人はどこにいても神を感じることができる。

        人間の行為や振る舞いにより、シェヒナーも、ルーアハ・ハコーデシュ(聖霊)も、近づきも遠ざかりもする。

        良い天使。ガブリエル、ミカエル、ラファエル、ウリエル。メタトロン、サンダルフォン。

        悪い天使。アフ、ヘーマー、ケツェフ、マシュヒット、メハッレ。サマエル。
        悪魔とは、人間の悪への衝動(イェツェル・ハッラー)のことともされる。

        イスラエルに敵対する者は神に敵対するに等しい。イスラエルを助ける者は神を助けるに等しい。(メヒルタ、第六章)

        イスラエルの主な責務は、トーラーを預かり守ること。

        異教徒でトーラーを実践する者は、大祭司と同格。

        生きている間、本当に大切なものは物質や富より、善行とトーラーである。

        死ぬる日は生きる日にまさる。船の出航より、入港が望ましい。

        魂には五つの名。
        ネフェシュ(血)、ルーアハ(息)、ネシャーマー(性格)、ハッヤー(生きる、永続)、イェヒーダー(単一)。

        七つの徳。
        信仰、義、正義、親切、慈悲、真理、平和。

        信仰とは、神に対する不動の信頼。

        信仰は、祈り。神を信じ、神がその被造物に親しくしてくださることを真心から信ずる者だけが、神に願いを述べる。

        祈っても答えがなかったら、もう一度祈るべきである。

        祈る時は、心をあげよ。

        祈る時は、シェヒナーに向き合っていると思わなくてはならない。

        悪への衝動の直視。

        罪とは、神に対する反逆以外ではない。

        中傷は四大重罪のひとつ。

        悔い改めこそが重要である。

        贖罪は苦しみによって得られる。
        苦しみは浄めである。

        義人は人々の罪を贖う。

        神の経綸は、この世だけでなく、あの世と併せて考えるべきである。

        義人は愛されればこそ、苦しみを受ける。
        あの世にふさわしい人間に育てられるためである。
        幸せな時だけでなく、苦しい時にも、どんな時にも感謝すべきである。
        それが、「力を尽して」の意味である。

        などなどのタルムードの教えは、とても心に響いた。
        ユダヤ五千年の知恵は、本当に深いと思う。
        続きもぜひ読み、その上で、本文もどんどん読んでいきたい。
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        2013/07/13 by atsushi

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      タルムード入門

      市川裕 , CohenAbraham , 藤井悦子1998/08

      カテゴリー:ユダヤ教
      5.0
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      • 面白かった。

        ラビの言葉として伝わるもので、聖書の中の他の多くの預言者は、神と会ったとしてもガラス九枚越しのようであったのに対し、モーゼはよく磨かれたガラス一枚だけを通して神と顔と顔とを向かい合って出会っていた、という表現があり、なるほどーっと思った。
        そうだったのかもしれない。

        また、コヘレトの言葉の中の、太陽の下のものはすべて無益という言葉は、トーラーは太陽がつくられる以前に書かれたので、実はトーラーを賛美している、というラビの解釈には感嘆した。

        また、ラビ・アキバは、雅歌は聖書の中でも聖なるもの、と言ったという話には、なるほどーっと思った。

        箴言には、トーラーの知恵と世俗の知恵の両方が盛り込まれているという話も。

        また、贖罪の一番の手段は、慈愛の行いだということや、
        神殿崩壊後の犠牲のための牛の代用は、祈る祈りの唇である、という話は、なるほどと思った。

        タルムードだと、結婚相手は生れる前から決まっているという記述もあるとのことで、興味深かった。

        面白い話は、神は世界を六日間で創造した後は、縁結びの神となって働き続けているというタルムードの話があるそうである。
        その話を聴いた、ある外国の権力者が、自分の奴隷の男女を一日で結婚させて、イスラエルの神はこんな簡単なことにずっと時間がかかっているのかと笑った。
        しかし、一週間も経たぬうちに、無理やり結婚させた夫婦たちには喧嘩が絶えなくなり、どうにも解決がつかなくなった。
        それで、この世にこれほど多くの夫婦がいるのに、ほとんどの場合は調和しているとは、イスラエルの神は本当にすごいとその権力者も感嘆した、という話も面白かった。

        また、子どもたち(バニーム)は、築く者(ボニーム)であるという言葉があるそうで、子どもたちは未来を築く者だから、とても大切にしなければならぬとタルムードは至ところで丁寧に教えてあるそうである。

        タルムードにおいては、世界は平安で祝福されるように神が意図したと記されているという話も、とても興味深かった。
        ユダヤ教は基本的に、世界や人間や神への健康な信頼に基づく宗教なのだと思う。

        また、道徳については、タルムードではトーラーの遵守を中心に考えるそうである。

        そのうえで、さらに、「人間はいつも自分の造り主の精神から学ぶべきである。」と考えるそうで、神のような慈悲や正義の精神や働きを人も習い心がけるべきだと考えるそうである。

        施しや、慈愛(ゲミルート・ハサディーム)が非常に強調され、重視されているというのも興味深かった。
        また、タルムードでは、正直や、賢明な中庸も折に触れ、重視されているそうである。

        さらに、清潔さを重視し、食事の前は必ず手を洗うことなど、かなり具体的に細かくタルムードに規定されているのも興味深かった。
        以前、講演を聞いたことがあるユダヤ人のラビの方が、ユダヤ人が世界で一番清潔好きな民族だと思っていたら、日本に来て認識が改まりました、と言っていたことをふと思い出した。
        そのラビの方によれば、日本が一番清潔好きで風呂好きで、ユダヤ人が世界で二番目ということになるようである。

        また、タルムードにはかなり具体的な、病気を治すための薬草や療養法が書いてあり、そのいくつかの事例が細かに載っていて興味深かった。
        中世のヨーロッパで、ユダヤ人だけペストにかからなかったので、キリスト教徒たちからペストはユダヤ人が井戸に毒を投げ込んだから蔓延しているという噂をたてられ、多くの何の罪もないユダヤ人が虐殺されたそうだが、清潔で医学が発達していたのでペストになりにくかったというのが実際の所だったのだろう。

        「ため息は身体の半分を破壊する。」
        というタルムードの中の言葉も、とても印象的だった。
        いろんな苦しいことや不条理なことが山のようにユダヤ人には降りかかってきたろうに、このように考えて、決してため息をつかなかったということを考えると、とても胸を打たれる。
        自分もこの言葉を胸に刻んで、どんな時でもため息はつかないようにしようと読んでいて思った。

        良い一冊だった。
        >> 続きを読む

        2013/07/23 by atsushi

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      タルムード入門

      市川裕 , CohenAbraham , 藤井悦子1998/06

      カテゴリー:ユダヤ教
      4.0
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      • とても面白かった。
        タルムードの中の、悪霊についての記述や、魔除けの話。
        さらには、ユダヤ法や法廷の話。
        そして、天国と地獄の話が、この巻には載っている。

        魔除けには、シェマーや、出エジプト記十五章二十六節、詩編九十一章五節、九節、申命記二十八章十節、イザヤ書五十二章十九節が良いと考えられていた、という話は興味深かった。

        また、夢は預言の六十分の一と考えられ、解釈されていない夢は読まれていない手紙だと考えられ、神意を伝える大切なメッセージとタルムードでは考えられているそうである。

        ユダヤ法では、状況証拠だけでは認められず、必ず目撃証言が必要とされたことや、極刑には聖書に照らして非常に大きな責任が伴うことを繰り返し警告されているということが興味深かった。

        また、メシアについて、タルムードには多くの言及があり、ユダヤ人は黄金時代を過去ではなく未来に来るものと考えていたことや、メシアが来れば生産力が飛躍的に向上すると考えられたこと、「メシアの生みの苦しみ」つまりメシアが来る前は大きな苦しい時代があるという考えがあったことや、悔悛と善い行いはメシア到来を早めると考えたこと、失われた十部族が再起し結集すると考えられたことなど、興味深かった。
        また、エルサレムの再建や神殿の再建もメシア到来に先立つと考えられたそうである。
        世界創造の前に七つのものが創造された、それがトーラー・悔悛・エデンの園・ゲヘナ・栄光の玉座・神殿・メシアの名だった、ということも面白かった。

        また、パリサイ派は再生や来世を信じ、サドカイ派は否定したこと。
        詩編145章を一日に三度唱えると来たる世の息子として祝福されること、イスラエルの土地を四キュビト歩けば来たる世に迎えられること、などのタルムードの記述も面白かった。

        この世界はエデンの広さの六十分の一、エデンはゲヘナの六十分の一。

        エデン(天国)もゲヘナ(地獄)もそれぞれ七層構造。
        地獄は、シェオール、アバドン、死の陰、地下界、忘却の地、ゲヘナ、沈黙の七層。
        天国は、御前、庭、家、幕屋、聖なる山、主の山、聖所の七層。

        普通の火は、ゲヘナの火の六十分の一。
        極悪人以外は、割礼を受けた人はゲヘナに落ちずに済む。
        安息日のみ、ゲヘナの人々も刑を受けずに済む。

        エデンの園(天国)には、六十万の天使がいて、七階級の義人がおり、310の世界があって、50万種の果物がある。

        などなどの記述は、とても面白かった。
        >> 続きを読む

        2013/08/07 by atsushi

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      ユダヤ教 イスラエルと永遠の物語

      NeusnerJacob , 山森みか2005/04

      カテゴリー:ユダヤ教
      4.0
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      • 面白かった。

        ユダヤ教の実践とは、古代の物語を、自分個人として受けとめること。
        ユダヤの物語とは、過去を現在にもたらし、現在に過去のパターンを課すこと。

        つまり、エジプトで奴隷だった境遇から、神によって救い出され、出エジプトを果たしたという、神の解放に、永遠に感謝すること。

        という話に、なるほどーっと思った。
        それゆえ、トーラーとさまざまな行事をとても大切にするのだろう。

        つまり、トーラーとその物語を継承することを選び、神の支配を受け入れることが、ユダヤ教徒つまりユダヤ人ということなのだろう。

        他宗教の人でも、一定の手続きを踏めばユダヤ教に改宗できる。
        ゆえに、イスラエルの物語に自分を同定し、神への義務とイスラエル共同体への責任を引き受ける人が、ユダヤ人ということになるそうである。
        ユダヤ教に改宗した人は、皆、アブラハムとサラの子になると考えられるそうである。

        トーラーの物語は、過去だけでなく、永続する現在の時制において歴史に関与するものである。
        そのように、生き生きと、出エジプト等の物語を今受けとめることが、ユダヤ教の核心なのだろう。

        朝夕の祈りの言葉もいろいろと収録されていて、興味深かった。
        申命記や詩編とともに、その祈祷書の言葉を日々にユダヤ教は読誦するそうである。

        トーラーの学習において、イスラエル人は神の中に入る、という言葉も印象深かった。
        トーラーは神の恵み深い正義を明らかにし、その学習と実践は大きな功徳(ズフート)をもたらすと考えるそうである。

        また、悔い改め(テシュバー)は、神との和解であり、人間の変容であり、贖いの行為が要求されるという話も興味深かった。

        神は無限(エイン・ソーフー)。
        トーラーの宇宙的側面を解説したのがゾハール。

        などなどの話も興味深かった。

        ユダヤ教は、あらためて興味深い宗教であり、そして何より物語なのだと、あらためて思った。
        >> 続きを読む

        2013/07/23 by atsushi

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      人は独りではない ユダヤ教宗教哲学の試み

      森泉弘次 , HeschelAbraham Joshua1998/10

      カテゴリー:ユダヤ教
      5.0
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      • これはすばらしい本だった。

        ユダヤ教の神髄のすごさに舌を巻いた。

        人生や宗教の根底には、「言葉では言いあらわせないもの」への「驚き」があること。

        人は、神から必要とされていること。

        人生は、神と人との共働(パートナーシップ)であること。

        人間は自己目的ではなく、絶望を避ける唯一の道は、他から必要されること。
        幸福とは、自分が他者から必要とされている確信。
        生とは、奉仕するためにあるというのが、最も奥深い智慧であるということ。

        内的統一性ということや、「受容器」となるためにあること、神を知ることではなく神に知られること、生命とは配慮と憂慮であること。

        などなど、とてもインスパイアされた。

        信仰と、信念・信条を区別していることも、とても興味深かった。

        信仰の源泉の一つは記憶であり、信仰を持つとは想起すること、過去を思い起こすことによって現在を聖化すること、
        記憶の河を飲み、耳を傾けること、経験の想起と、その瞬間への応答が信仰であるというのは、なるほどーっと思った。

        信仰は保険ではない、不断の努力であり、永遠のみ声にたえず耳を澄ましていくこと。

        信仰とは、神の召しに俊敏に反応する感覚を生き生きと保ちたいと切望すること。

        信仰とは、惰性ではなく、行為、道を切り開く行為。

        などなどの言葉は、とても心に響いた。

        ユダヤ教というのは、本当にすごいものだとあらためて瞠目させられた。

        信仰とは何か、宗教とはどういうことか、敬虔とは何か、生きる意味とは、など、そういったことに興味がある人には、ぜひご一読をおすすめしたい名著だった。
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        2013/05/17 by atsushi

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