こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト →会員登録(無料)


(株)晶文社 (シヨウブンシヤ)

企業情報
企業名:晶文社
しようぶんしや
シヨウブンシヤ
コード:7949
URL: (株)晶文社 http://www.shobunsha.co.jp
      クライム・マシン

      好野理恵 , ジャック・リッチー2005/09

      カテゴリー:小説、物語
      3.7
      いいね! ooitee
      • 【ヒネリの効いた絶妙な短編集】
         いやぁ、上手いなぁ。
         思わずそう漏らしてしまうような絶妙な短編が山盛りたくさんの楽しい短編集です。
         ユーモラスで、シニカルで、意外な展開を見せる作品群は、まさに名人芸。

         巻末解説によれば、作者は無駄をとことん削ぎ落した文体を志向したそうで、どんな長編でも短くまとめることができると豪語したそうです。
         例えば、あの『レ・ミゼラブル』でさえ中編、あるいは小冊子程度にすることも可能だと。
         確かにキレの良い、小気味よい読み心地はあのシンプルな文体があってこそと言えるでしょう。

         それでは、いつものように収録作品からいくつかご紹介しましょう。

        〇 クライム・マシン
         殺し屋のところに男がやって来ます。
         男はタイムマシンを発明したのだと言います。
         その証拠として、殺し屋がつい最近殺しをした場面を新聞記事を参考にしてタイムマシンを使って時間を遡って見てきたと言い、その詳細を語り始めたのです。
         さらに、このことを忘れるためにはいくらかお金が必要だとも言います。
         恐喝なのです。
         タイムマシン云々などという与太話はともかくとして、殺しの現場を見られたことは間違いなさそうです。
         殺し屋は、とりあえずの口止め料として要求額を払いましたが、このままにしておくつもりはありませんでした。
         男の素性を暴いて殺してしまわなければ……。
         しかし、男はなかなか尻尾を出しません。
         それどころか、また別の殺しの目撃談をしてくるではありませんか。しかも何件も。
         1件をたまたま目撃されたというならまぁあるかもしれませんが、こう何件もの殺しの現場にことごとく居合わせたなどということは不可能です。
         こいつ、本当にタイムマシンを持っているのか?

        〇 ルーレット必勝法
         カジノに数学教授を名乗る男が現れました。
         男は、少額をルーレットに賭け続け、帰る時には多少のチップを換金していました。
         男は警察に電話をし、ホテルまで警護して欲しいと頼み込みました。
         警察官は嫌な顔をするのですが、カジノのオーナーは、「これもうちの宣伝だと思って協力してやってくれ」と頼んでやります。
         そう。客には少々は勝ってもらわなければ。
         その後、男は度々そのカジノを訪れ、段々賭け金を上げていき、帰りに換金する額も増えていったのです。
         警察官も、良いチップがもらえるということで、今では喜んで男の帰りを待っているようになりました。
         男は、自分には独自の必勝法があるのだと言います。
         そんなことはあり得ません。
         ルーレットに必勝法などあるわけがないのです。
         しかし、男は毎回帰りに多額のチップを換金して警察官に警護されてホテルに帰っていきます。
         おかしい……。
         男の様子を注意深く監視しましたが、イカサマをしている様子は全くありません。
         この男のことは評判となり、他の客までがこの男に便乗して同じ賭目に賭けるようになっていきます。
         カジノは大損害です。
         困ってしまったマネージャーは、男を事務室に呼び話を始めました。
         男は、「このままではカジノが破産してしまうけれど、それは自分も望まない。まとまった金額を提供してくれれば、他のカジノへ行く」と言うのです。
         背に腹は代えられません。
         マネージャーは、男の申し出通りの金額を払ってやりました。
         ただし、殺し屋にも男の殺害を依頼するのですが。
         しかし、どうやって男は勝ち続けていたというのでしょう?

         そのほか、本書には『カーデュラ探偵社』シリーズの作品も4作収められています。
         カーデュラは吸血鬼で、今は生活のために探偵社を営んでいるという設定なんです。
         カーデュラって変わった名前ですよね。
         これは、あの有名な吸血鬼の名前のアナグラムになっているんですよ。
         ユーモラスなタッチで、ミステリとしてもなかなか面白い作品になっています。

         どの作品も巧妙に仕立て上げられており、思わずニヤッとしてしまいます。
         軽く読めて面白い本はないかな~とお探しの時など、本書なんか良いんじゃないかな~とお勧めしてしまいます。


        読了時間メーター
        □□□     普通(1~2日あれば読める)
        >> 続きを読む

        2020/09/15 by ef177

    • 他2人がレビュー登録、 4人が本棚登録しています
      数の悪魔 算数・数学が楽しくなる12夜

      丘沢静也 , EnzensbergerHans Magnus , BernerRotraut Susanne2000/03

      カテゴリー:数学
      4.3
      いいね!
      • 小学生にもわかりやすく数学を教えるために書かれた本。ゼロの発見や順列組合せなど、興味を引くように説明されていて面白い。こんな算数の授業だったら、子ども達の創造性を引き出すことができるに違いない。古い本だが、楽しく読むことができた。 >> 続きを読む

        2018/03/07 by KameiKoji

    • 他1人がレビュー登録、 5人が本棚登録しています
      すばらしいバスケットボール (ダウンタウン・ブックス)

      ジュリアス・レスター (1981/02

      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      • 14歳の黒人の少年・アレンは、引っ越してきた家の隣に住んでいる白人の少女のレベッカと出会い、時折バスケットボールで一緒に遊ぶようになる。

        しかし、1960年代の南部の町では、有形無形にさまざまな圧力がかかり、アレンもレベッカも、周囲の大人の目や思いに、しばしば悲しい思いをさせられていく。

        読んだ後に、切ない思いにさせられる小説だった。

        レベッカは結局引っ越すのだけれど、この二人はその後、どんな大人になったのだろう。

        それにしても、アレンの父親が、息子を愛しながら、愛すればこそ、自分の幼なじみや友人が、ただ白人の女性と付き合っただけでリンチされて死んだ思い出を語り、息子にそうなって欲しくないという思いを語ることや、親切な黒人の老人がレベッカと一緒に歩いていたアレンに、白人の若者たちが怒っているので注意するようにアレンだけに伝えに来るところを見ると、戦後の時代というのに、アメリカの南部のありかたに驚かざるを得ない。

        これらの状況は、今はだいぶ変わったのだろうけれど、変わるまでにはどれほど多くの人の心の痛みや困難があったことだろう。

        すぐに読める、良い小説だった。
        >> 続きを読む

        2013/04/10 by atsushi

      • コメント 6件
    • 1人が本棚登録しています
      バスラの図書館員 イラクで本当にあった話

      長田弘 , WinterJeanette2006/04

      カテゴリー:各種の図書館
      4.0
      いいね!
      • イラク戦争の直前、バスラという町の図書館員の女性が、兵隊たちが図書館に来ているのを見て、このままだと爆撃されてしまうと思い、本を安全なところに移動することを主張する。

        しかし、軍は、そんな余裕はないと断る。

        それで、その図書館員が自分の友人と一緒に、図書館からせっせと自宅などの安全な場所に本を運ぶ。

        三万冊の本のうちの、七割ほどを運び出した頃、戦争が始まり、空襲を受け、図書館は焼けてしまう。

        しかし、すでに運ぶ出していた本は無事だった。

        本当にあった話だそうである。

        本を守るために必死に努力した主人公たちの心に胸打たれる。

        また、日頃、平和に図書館をなんの心配もなく利用できている自分はなんと恵まれているのか、あらためて考えさせられた。

        イラク、今は図書館の復興も進んだのだろうか。
        早く本当に完全に平和になって、どの人も図書館を安全に自由に利用できる世になって欲しい。
        >> 続きを読む

        2013/05/03 by atsushi

      • コメント 4件
    • 1人が本棚登録しています
      秋のホテル (ブルックナー・コレクション)

      アニータ・ブルックナー (1988/10

      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      •  (注) 下に小エッセイを付けました。お時間のある方はどうぞ。


            遅れてきた秋の余韻

         
         掛け値なしに第一級の小説を紹介できることがあまりにも愉快で、ペンを握る手もやや強張っているのは、きっと多くを語りたくないからだろう。書物の世界だからこそ味わえる「愁い」を実感したのである。わたしにとっての文学的な陶酔とは、明瞭に捉えることができない愁い、あるいは、肩を揺らせばそれで十分な可笑しみ、それから凪いだ海のような穏やかさといえる。この三つは麻雀の役牌よりもきれいに並ぶことは稀なのだが、このアニータ・ブルックナーの『秋のホテル』はうまく揃えてきた。ちなみに、本作はブッカー賞を受賞している。話が脇道に逸れるけれど、この文学賞はこういう愁いのきいた作品が貰うことがあって、カズオ・イシグロの『日の名残り』やぺネロピ・フィッツジェラルドの『テムズ河の人々』などを思い出します。
         物語の舞台はジュネーブ湖畔に立つ「ホテル・デュ・ラック」。女性作家イーディス・ホウプは、これまでの人生をふいにして、祖国イギリスから追われるようにシーズンオフのホテルへやってくる。そこで風変わりな人たちと交流しつつ、ホテルでの日々やこれまでの生き方を内省する。愛人であるデイヴィッドに手紙を書くこともある。自分の女性としての幸福を考えるたびに、それがつねに矛盾しがちであることに戸惑い、いつはじめても手遅れのような虚脱感に襲われる。イーディスは若い奥さんに逃げられた壮年の裕福な男に言い寄られ、まるで契約のようなプロポーズをされたりもする。そして彼女はある決断をするのだが……
         とりわけ第七章のやり取り、イーディスとネヴィル氏(壮年の裕福な男)とのながい対話がおもしろくて、これほどウィットに富んだ会話はエリザベス・ボウエンの小説でもそうそうないと舌を巻いた。この七章だけでも十二分にお釣りがくると思う。
         たぶん人間の一生には秋のひとときがあって、その季節がめぐると人は内省的にならずにはいられないのだろう。しかしその時期はいつも手遅れで、遅れてきた余韻はたちまち厳しい冬に搔き消される。


           「団体さま、通ります!」

         
         駐車場での危なっかしさを考慮して、図書館には自転車で行くことが多い。両足を規則的に動かしながら、頭のほうでは借りる本の計画をめぐらし、あ、休館日かどうか確認するのを忘れたと後悔しても遅く、やはり朝だからどちらの回転も鈍いと嘆くのだ。休館日のときは返却だけしてスーパーマーケットに行きます。
         ある日、自分はあの図書館の利用者のなかで、一年間の貸出数のランキングの上位に入っているか気になって、おそるおそるカウンターの職員に訊ねると、
        「週に五、六冊借りるほどでは百位にも入られてないでしょうね」
        とあっけらかんと言われ胸をなで下ろして帰宅することにした。よし、これからもどんどん借りることができるぞ。正直にいって、たとえ読まなくても、ただ借りて返すだけで愉しいと思うのはたぶん自分だけではないはず、『耳をすませば』の聖司くんだって絶対にすべての本を読破してはいない、そういえば小中学校の図書カードの名前欄って素敵な符牒だったなあと感傷に浸るうちに広大な交差点へ出た。
        なにやら横断歩道のまえが混んでいると思ったら、幼稚園児だか保育園児だかの可愛らしい子供たちがきちんと整列して、スムーズに渡るために「おしくらまんじゅう」しているみたいだった。子供たちの手には丸い把手のついた縄があって、それを握ってさえいればみんな安全に渡ることができる。歩道の信号が青になった。急いではいないので、子供たちの航海を見守ることにすると、うしろの子の靴が脱げた。
        「○○くんの靴が脱げたけどそのまま渡ってください、センセイが拾います」
        「○○ちゃん止まらないで、センセイが拾うから」
        「ちゃんと丸いところを持ってね」
        などなど、数人のセンセイの声と青のときに流れるメロディとが入り交じり、大通りから右折してくる車はすこしイライラしているようだった。そのとき、今日はほんとうに自転車で来てよかったと悠長に構えていたわたしは、にぎやかな後ろ姿と青点滅の信号をほのぼのと見届けた。
        >> 続きを読む

        2015/12/15 by 素頓狂

      • コメント 2件
    • 1人が本棚登録しています
      深呼吸の必要

      長田 弘 (1984/03

      カテゴリー:詩歌
      5.0
      いいね!
      • 詩集として、初めて購入した1冊。

        ふと、再読したくなる1冊。

        それが、答。
        >> 続きを読む

        2020/04/12 by けんとまん

    • 2人が本棚登録しています
      ヒッチコック映画術

      山田宏一フランソワ・トリュフォー (1981/12

      5.0
      いいね!
      • ヌーヴェルバーグの旗手フランソワ・トリュフォーがアルフレッド・ヒッチコック監督に映画の演出方や裏話などについてインタビューした模様をまとめた書籍で、その内容はまさに映画の教科書のようです。

        発売されたのは私が高校生の頃で、1ヶ月分の小遣いが軽くブッ飛ぶ値段に一瞬尻込みしましたが、当時はまさに映画にハマった時期であり、後先考えず思いきって購入し、後悔よりもちょっとだけ大人になった気になったものです。

        もちろん貪るように読みましたし、今でもたまに本棚から引っ張り出しては、ヒッチコック映画の面白さを再確認したり、購入時の頃を懐かしく思い出します。

        結果、あのとき思いきって購入して良かったと納得。私は満足感に浸るのでしたとさ。
        >> 続きを読む

        2017/08/11 by アーチャー

    • 1人が本棚登録しています
      すぐそこの遠い場所

      クラフトエヴィング商會1998/12

      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • いつも思うのは、本当に丁寧に作られているなあ~ということ。
        創られてもいるなあ~もある。
        クラフトさんならではの世界観があるようだ。
        大人向けの絵本・空想物語の世界とでも言えばいいのかも。
        これも、度が過ぎるとしつこいだけになってしまうのだが、そのあたりの加減が素晴らしいのだと思う。
        どのエリアに行って、どれを手にして目にしてみたいかなあ~、、きっと、その時の気分によって違うんだろうな。
        >> 続きを読む

        2014/07/16 by けんとまん

      • コメント 1件
    • 1人が本棚登録しています
      できればムカつかずに生きたい

      田口ランディ2000/10

      4.0
      いいね!
      • 田口さんがこれを書いたのが40歳の時か。

        引きこもりで大人になってからも親を恨んで自立しない兄が40いくつで死に、息子の家庭内暴力に母はノイローゼのように自分を責め、父は船乗りで家庭を顧みず帰れば酒を飲んで暴力をふるう・・・かなりの家庭環境の中で育った田口さんは、悩める思春期を過ごしたのですね。まあ、そりゃそうでしょう。

        あれこれと悩んで、考えに考えて、その中で自分なりの選択をして生きてきたわけです。まあ、みんな大なり小なりありますが、田口さんもかなり壮絶です。こういう人生もあるんだなあ。

        田口さんが自分の人生の中で見つけた智恵みたいなもの(文章の中に見られる)は、重いですね。でも、これが答えではない。まだまだ人生の途中ですからね。ちょっと重すぎる(考えすぎる)ところもありますが、共感するところもけっこうあります。

        >家出は十八歳までしかできない。高校を卒業したら、家に帰らなくてもそれは家出じゃない。それは自立っていうんだろう。十八歳で本当に家を出てしまった私は、その後、結婚して子供ができるまで「家出」ができなかった。今また主婦になり母になり「家に納まった」ので家出ができる。うれしい。かつて出たかった家を、また結婚して持ってしまった。矛盾している。そしてまたプチ家出している。

        大人なら家出じゃなくて、外出とか旅行すればいいんじゃないの?
        家出は楽しいそうです。解放されたいのね。でも、自分を縛っているものは自分だったりする。家出しなくても考え方次第で心は解放される。家族が困らなければいいんだけどね。・・・という風に、悟りに近づきつつあるけど悟りきれず、まだ思春期を抜け出せてない感じが、読んでて興味深いです。そう簡単には悟れない^^

        「できればムカつかずに生きたい」というのは、その通りです。それが幸せへの道、そこを極めるだけでOKなんですがね。自立ならいいんですが、黙って家出するのはどうなの?と思うオトナのワタシ^^。

        >まっすぐな言葉を発することはむずかしい。でもそれはお互い様なのだ、自分の言葉だって曲がっているのだ。そして曲がっていることに気づきもしない。修正し合うしかない。勇気をもって。お互い傷つくことを恐れずに。コミュニケーションは愉快なことばかりじゃない。パワーのいる作業なのだ。
         誰かの言葉に傷ついた時、私は相手を変えたいと思ってきた。でも、最近は相手を変えたいのは自分の都合なのだと思うようになった。「気に入らない」のだ。その際に大切なのは、相手を非難することではない。自分がどう感じているかを相手に伝えることだ。
        「私はあなたの言葉で、こんな風に傷ついてしまう人間です」
        それを伝えたら、きっと相手は何かを感じる。・・・・
         何かを変えるためには、両者に図太さと、優しさが必要だ。言葉がまっすぐに相手の心に届く時、まっすぐな言葉には話し手の魂が宿る。その時、言葉は立ち上がり、言葉以上のものを伝えるのだと思う。言葉以上のもの。そこにはきっと癒しや祈りや希望が潜んでいるに違いない。


        まっすぐな言葉、相手を自分の都合で変えようとしないこと、相手を非難しないこと。その通り。でも、自分がどう感じるかを伝えたって、”それは人それぞれ”(うれしいとか感謝の気持ちは素直に伝えるといいけど)。人によっては頑なに、または余計に「そんなこと知るか」「思う壺だ」で終わる場合もありますよ。または、”傷つきやすい人間なんですか。そうですか。なら、傷つかない人間になりなさい”って諭されたりして。(私なら即謝りますけどね^^;)
        (でも”傷ついた”と伝えることは、相手を非難することにならないかな?)

        だから、私は初めから自分の感情なんて大した問題じゃない(なぜ傷つく?自分に変なエゴがあるからじゃ?)と思うし、相手に求めない(期待するから傷つく)。相手に対する優しさだけあればいい、と思うようになった。大事なのは相手の幸せを願っているかどうか。自分が傷つくことより、人を傷つけないこと。

        自分が強くなる、ということだろうな。「自分」という思いが弱くなれば、強くなれるよ。悩みの原因はほとんどエゴだからね。

        40歳。私もまだまだ悟れてなくて、悩んでたなあ。(今だに悟っちゃあないけどね^^;)
        >> 続きを読む

        2015/11/28 by バカボン

    • 1人が本棚登録しています
      誰も教えてくれない聖書の読み方

      SmithKen , 山形浩生2000/12

      カテゴリー:聖書
      4.0
      いいね!
      • 山形裕生の訳なので読みやすいだろうと思って買ってみた。

        聖書の断片がテーマごとにまとめて並べられている。
        さらっと読めて面白い。
        聖書の登場人物の言動はあまりにもメチャクチャで、
        本当にそうなのか、きちんと原典にあたりたくなる。

        とはいえ聖書を旧約から読むのはだいぶしんどそう。
        日本語訳された時点で意味も多少変わってしまうだろうし。
        架神恭介の聖書本が出たら読み比べてみたい。
        >> 続きを読む

        2011/05/31 by ack

    • 1人が本棚登録しています
      男たちのED事情

      豊田正義2001/10

      カテゴリー:外科学
      4.0
      いいね!
      •  その3人の男女(男2人、女1人)は、特別な関係です。男Aは、AVヴィデオライター(アダルト・ヴィデオライター)で、AVの中の2次元の女性には欲情しても、現実の女性に対してはED(Erectile Dysfunction・勃起不全/勃起障害)になってしまう男性です。昔でいう「インポ・インポテンス」です。(現在はこの「インポ」という表現が差別的であるという理由でEDと用語が統一されています)

        女Bは、風俗嬢。彼女のほうからAに働きかけ、いろいろな交流があったのですが、AがEDであることが解り、「SEXによってこそ愛が確かめられる」という信条を持つ彼女Bは、恋人としてのAには見切りをつけ、正常なSEXを求めて男Cとくっつきました。

        でも、AとBの精神的なつながりは切れることがなく、お互い近所に住み、A、B、C3人で食事を取ります。Aから見れば不可能なSEXをCに代行してもらえるので気が楽であり、ものを書くBにとってもライターであるAからもらう有形無形のアドバイスは不可欠なのです。3人とも、この三角関係に異存はないわけです。

        もとはと言えばAが三次元の生身の女性とSEXができないという特殊事情から生まれた関係ですが、うまく回転しているというわけです。(「アキハバラ@DEEP」の登場人物・ボックスのような人が本当に存在するのですねえ。というか、そのような男性はかなり存在するとのこと。例えば、ゲームの中の女性キャラクターにしか欲情しない男性など。)

        以上のお話は「男たちのED事情」(豊田正義:晶文社p167―p193)より。そうすると、Aは自分の子孫が残せないことも受け入れていることになりますね。BとCの間に子どもが生まれたら、自分の子のように接するのでしょうか?

         私は、以上のお話を読んで、「事実は小説よりも奇なり」という言葉を想起しました。想像するという行為の範囲では、このようなお話は作り得ないのではないでしょうか。もし、上記の3人の男女のような特異な事例を集めた「人間関係事例集」という書物が存在するなら、私は是非読んでみたいですね。小説家にとっても、尽きせぬイメージの源泉となること請け合いです。小説は、人間関係の分析から始まると思うのですが、それに先立って人間関係の事態の設定が必要になるでしょう。設定さえ決まれば、登場人物たちを動かす作業は、そんなに難しくないと思います。人間関係の綜合化ですね。設定→分析→綜合。

         私もこの前小説のようなものを書いてみましたが、自らの原体験と人間関係がそう特異なものでなかったため、表現にのみ凝った作りになってしまったのが残念です。まあ、2人の男女の集合離散を書いただけの、設定的にはありふれたお話でした。そんなときこそ「人間関係事例集」があったらなあ、と思う今日このごろです。設定さえあれば、面白い小説が自動的に出来るのだと思います。

        最後に:EDになる男性は、女性性器の複雑怪奇さにしり込みしてしまい、二次元の女性に「恋する」人も多いのだそうです。
        >> 続きを読む

        2013/05/14 by iirei

      • コメント 6件
    • 1人が本棚登録しています
      淋しいのはお前だけじゃな

      枡野浩一 , オオキトモユキ2003/12

      カテゴリー:詩歌
      4.0
      いいね!
      • 独特の空気感。

        日常の言葉。

        ちょっとズレているようで、ズレていない味わい。

        心に沁みる。
        >> 続きを読む

        2018/01/21 by けんとまん

    • 1人が本棚登録しています
      スローな手づくり調味料

      林弘子2005/02

      カテゴリー:食品、料理
      4.0
      いいね!
      • 料理本は、本棚いっぱいに持っていますが、この本ほど使い込んでいる本はないと思います。

        たいていのレシピは、ネット検索でもかないますが、
        普段使い慣れている調味料の基本的な作り方は、探しきれませんがこの本には載っています。
        なるべく手作りを心がけているので、とても参考になります。
        すべて文字だけで構成されているので、ちょっとわかりにくいこともあるのですが、内容にはとても満足です。
        写真つきで、同じ内容の本が再販されるといいなあと思いますが、著者の林弘子さんはお亡くなりになっているので難しいのかなあ・・・残念です。
        >> 続きを読む

        2016/06/26 by きりちょん

    • 1人が本棚登録しています
      しあわせのねだん

      角田光代2005/05

      3.0
      いいね!
      • モノを購入するとき、手にするものは品物だけではない。という話。
        確かにそう。何気なく買ったものには、そういう付属的なものはくっついていないかも知れないが、じっくり探したもの。欲しくてほしくて手に入れたもの、体験したことには、それとともに、色んな感情、思い出、思い入れがついてくる、そんなことをこれを読んで、そうだそうだ!と思い当たりました。
        そう考えると、たとえ100円のものだって、値段以上の価値が生まれていたんだな。

        しあわせのねだん。
        プライスレス。
        >> 続きを読む

        2017/06/19 by taiaka45

      • コメント 2件
    • 1人が本棚登録しています
      土曜日は灰色の馬

      恩田陸2010/08

      4.5
      いいね!
      • 今までたくさん恩田さんの本を読んできたけどエッセイは初めてかな。
        小説、少女漫画、映画について語っています。
        特に少女漫画の項が凄い!熱いね〜w
        少女漫画よくわからなくても楽しく読める。
        帯にも書かれてるけど「おはなしの神様はたしかにいる」。ですよね!
        >> 続きを読む

        2015/12/12 by 降りる人

    • 4人が本棚登録しています
      永遠の夢

      レイ・ブラッドベリ , 北山克彦2010/05

      カテゴリー:小説、物語
      2.0
      いいね!
      • レイ・ブラッドベリの新刊(読んだ当時)!

        2010年にもなってSFの古典的作家の新作(本邦でという意味になりますが)ですよ。
        興味をもって読んでみました。
        ただ、残念なことにまったく訳が良くない。
        北山 克彦氏ってベテランのかただと思うのですが、敬意を表さずもうしわけありませんが酷すぎる!
        直後、ダン・ブラウンのラングドン教授シリーズ3作目の「ロスト・シンボル」を読んでいますが、読みやすいです。
        洋モノの和訳の善し悪しって重要ですよね。
        こういった読みやすい訳ってシドニィ・シェルダンあたりの本から体感して納得したのが初めてだった気がする。

        ブラッドベリ作品ということで映像化された感じを思い浮かべて読んだりすると楽しいですね。
        >> 続きを読む

        2018/07/13 by motti

    • 1人が本棚登録しています
      月3万円ビジネス 非電化・ローカル化・分かち合いで愉しく稼ぐ方法

      藤村靖之2011/07

      4.0
      いいね!
      • サラリーマンが少ない収入を補うために週末にちょこっとやるサイドビジネス…ということを指向したものではありません.直接の言及はありませんが,これは「脱経済成長至上主義」が根底にあるものです.本書では,ローカリゼーション/地域循環型経済,支出の極小化,無借金,スモール,スロー,分かち合い,複業といったキーワードが並びます.従来のビジネスの対局に有る考え方です.これはまさに「緑の思想」ではないですか.

        1章は「月3万円ビジネス」とは何かの説明,2章は「月3万円ビジネス」の実例,3章は地方で仕事を作るセオリー,4章は非電化,小支出で生活する人々の紹介,という4章構成となっています.2章の実例と3章のセオリーは特に有益でした.

        基本的には「田舎に軸足を置く」ことが前提となっていますし,住宅ローンを抱えている自分にとっては,すぐに実践できるわけではありませんが,グローバル大企業のエンジニアをこれ以上続けるのは無理そうだ,と常々思っていたので,こうした「生き方」について,ちょっと時間をとって考えてみないとな,という気にさせられました.
        >> 続きを読む

        2015/03/08 by medio

      • コメント 1件
    • 2人が本棚登録しています
      ブラッドベリ、自作を語る

      WellerSam , レイ・ブラッドベリ , 小川高義2012/06

      カテゴリー:英米文学
      3.0
      いいね!
      • 【初めて読んだブラッドベリは何だったっけ?】
         ブラッドベリを初めて読んだのは中学生の時だったと思う。
         少ないお小遣いを握りしめて書店に行き、文庫本を買った。
         それはどのブラッドベリだっけ?
         『10月はたそがれの国』だったか、『ウは宇宙船のウ』だったか。
         それ以来、ブラッドベリはずっと近くにいた。
         時に、少し離れていた時期もあったけれど、自分の書棚からブラッドベリが消えたことは一度だって無いし、もちろん今だってちゃんと置いてある。
         僕にとって、ブラッドベリというのはそういう作家なんだ。

         というわけで、大好きなブラッドベリの本です。
         本書は、ブラッドベリに対して、様々なテーマでインタビューをした模様を収録したものです。
         設定されているテーマは、子供時代のことだったり、創作に関することだったり、定番の質問もあれば、信仰、政治、性などのかなり突っ込んだ質問もあります。

         どんなテーマについてもブラッドベリは饒舌です。
         いや、よくしゃべること。
         そして、その話し振りからブラッドベリの人となりが浮かび上がってきます。

         想像通り、ブラッドベリは今でも沢山のおもちゃに囲まれていたり、子供時代に読んだ冒険活劇やSFなどを大切にしています。
         そういうところから、詩情性溢れる、子供の視点を忘れないブラッドベリの作品が生み出されてくるということは、大変納得できるところです。

         また、ブラッドベリは結構行動派であり、交際家であるのだということも分かりました。
         決して物静かに一人籠もっているようなタイプじゃない。
         積極的に人と交わろうとしているのですね。
         何か嫌なことがあったり、悲しいことがあった時には、とにかく行動しろ、仕事をしろというのが処方箋だとも述べています。

         ちょっと意外だったのは、「新しいブラッドベリになる可能性があるSF作家は誰だと思いますか?」という質問に対して、「グレッグ・ベア」と答えているところでした。
         「え~!! あのごりごりと物理学なんかを論じちゃうグレッグ・ベア?」とびっくりしちゃいました。
         確かにグレッグ・ベアにも叙情的なものはあるのですが、それにしてもブラッドベリとは結構対極的なイメージを持っていたので驚きました。
         もし、質問が「自分の作品に一番近いと考えるSF作家は?」だったら、シオドア・スタージョンとか言わないかな?(もちろん、両者は異なるのですが、私の中ではかなりな共通項を感じるのです)。
         あるいは、SF作家ではないけれど、スティーヴン・ミルハウザーなんて近くないかしら?

         インタビューを読んでいると、アメリカではブラッドベリの作品が学校の教材に使われているらしいことが分かります。
         へぇ~と感心しちゃいました。
         現在の我が国の学校で、どのような作品が教材として取り上げられているのかは知りませんが、ブラッドベリが教材になっているなんてステキだと思いませんか?

         本書は、見た目はちょっと厚いのですが、インタビュー部分は行間を空けてありますので、見た目よりもずっと早く読了できてしまうと思います。

         また、本書を読まれるのでしたら、ブラッドベリの主要作品を読まれてからの方が良いでしょう。
         インタビューの途中で沢山著書名が出てきますから(その内容についていちいち解説など加えていませんので)。
         ブラッドベリを何作か読んで、作者に興味を持ち、本書を読んでみようかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが(もちろん、それで読まれても良いのですが)、より理解を深めるためには、やはり主要作品を一通りお読みになってから本書を読む方が良いと思います。


        読了時間メーター
        □□      楽勝(1日はかからない、概ね数時間でOK)
        >> 続きを読む

        2020/06/11 by ef177

      • コメント 2件
    • 2人が本棚登録しています
      写真

      谷川俊太郎2013/02

      3.0
      いいね!
      • 詩人谷川俊太郎の写真集です。

        絵や写真に谷川さんの詩が添えられているものはよくみかけます。
        詩にイラストがついたり、映像がついたりしているものは
        もっとよく見かけます。

        でも、この本は、そのどれとも違います。

        谷川さんが撮った52の写真に添えられたコメント。

        写真は美的なものを目指したのではなく「気が向いたから切り取ってみました」
        という日常の景色がほとんど。
        出版社は「エピグラム」と説明しているけれど、
        私は、ここに書かれた言葉はそんなに気取ったものではないと思います。
        生の感想。自然なつぶやき。そんな感じ。

        彼の写真歴はかなり長いもので、過去に写真集も数冊出しているのだそうです。
        写真に関しても詳しく、一家言ありそうです。


        「写真って撮った瞬間に過去になるのがいい」
        「いい音楽はどんな時間も〈いま〉にしてしまう」
        「フリーズした時間は現在ではなく、限りなく重奏した過去と未来だ」

        など、時間性に関して述べた言葉が印象に残りました。


        でも、なんということもないたわいない囁きも、とても魅力的。

        「自動車って走ってると憎たらしいけど、停っていると愛らしい。
        道を走るのが本来の役目だから、こんな場違いなところに停っていると、
        自分が何者か分からなくなるんじゃないか。」
        なんて、谷川さんこそとっても可愛いです。


        これは一種のファンブックのようなものでしょう。

        ファンでなくとも、気取らぬ彼もやはりいいな。と、思われるでしょう。

        でも決して大感激するような本ではないと思います。
        なのに、なんとなく心に残る本だったりします。
        >> 続きを読む

        2013/02/08 by 月うさぎ

      • コメント 8件
    • 1人が本棚登録しています
      イライジャの天使 ハヌカとクリスマスの物語

      RobinsonAminah Brenda Lynn , さくまゆみこ , RosenMichael J2012/11

      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • すばらしい絵本だった。

        ユダヤ人の少年と、黒人のおじいさん。

        人種も宗教も年齢も違うが、二人の厚い友情が描かれる。

        主人公の少年は、黒人のおじいさんが木彫りでつくってくれた天使をクリスマスプレゼントにもらうが、ユダヤ教は偶像崇拝を禁じているし、クリスマスではなくハヌカ祭をお祝いするので、そのことに内心で葛藤を覚えて、とても悩む。

        しかし、少年の両親は、そのことを知ると、自分たちはその天使の木彫りをとりあげたりしないし、黒人のそのおじいさんは素晴らしい人だと思うし、二人の友情の証なのだから大切にしなさい、と優しく言ってくれる。

        少年は、ユダヤのハヌカ祭で使う九本のろうそく立てを自分でつくっていたのだけれど、それをクリスマスプレゼントで黒人のおじいさんに持っていく。

        おじいさんは、敬虔なクリスチャンだけれど、とても喜んで、そのロウソク立てに毎日ロウソクを灯した。

        この世界では、今もしばしば宗教による争いが起こるが、本当の宗教の心というのは、どの宗教であれ、思いやりや優しさが根本なのだと思う。

        この絵本のような心が現実に広がっていけば、きっとずっと良い人生や世の中になるのだろう。

        多くの子どもに、そして大人に、読んで欲しい名作だった。
        >> 続きを読む

        2013/06/26 by atsushi

      • コメント 6件
    • 1人が本棚登録しています

【(株)晶文社】(シヨウブンシヤ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(出版社,発行所)

会員登録(無料)

今月の課題図書
読書ログってこんなサービス
映画ログはこちら
読書ログさんの本棚

レビューのある本