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(株)同文書院 (ドウブンシヨイン)

企業情報
企業名:同文書院
どうぶんしよいん
ドウブンシヨイン
コード:8103
URL: http://www.dobun.co.jp
      山・動く 湾岸戦争に学ぶ経営戦略

      PagonisWilliam G , CruikshankJeffrey L.1992/10

      5.0
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      • W.G.パゴニス米国陸軍中将による湾岸戦争時の補給戦の教訓本。

        その昔、ソフトウェア開発プロジェクトの進め方について何か参考となる本は無いかと広範囲に探していたおり見つけ出した本。


        本書の内容は極めて単純に補給戦に関する最も新しくかつ大規模な実例の解説となっております。

        構成は大まかに、著者の半生の説明とベトナム戦争における補給戦の教訓、湾岸戦争という補給戦の具体例の説明、そして補給戦を通して後方支援とは何かリーダーシップとは何かについて著者の考察の3部に分かれると思います。

        本書はいたる所に参考となる点、頷ける点があるのですが、後半になればなるほどその濃度は増してゆきます。

        小規模なプロジェクトでは特に問題とならないし気にも留められないのですが、大規模化してくるとなぜか発生し始める問題とその対策の参考になると思います。

        特に下記に挙げる点で興味深い内容が記述されております。

        ・大規模な作戦行動を滞りなく行わせるためには何が必要なのか
        ・大規模な作戦行動ではどのような点に考慮しなくてはならないかまたはどのような点に注意して行動しなければならないか
        ・大規模な作戦行動では何が問題となりえるか
        ・人という生物への洞察と上手く導くためのコツ(リーダーシップ)
        ・コミュニケーションマネジメント
        ・人材育成
        ・組織化(仕組みのシステム化という強化策)

        大規模でなければ上手くいくはずのものが数十万人の兵士を戦場に送り込むというお題になった途端に頭をもたげてくる問題があるのです。
        例えば、到着した兵士の宿泊施設と輸送。
        例えば、港に日々積み上がってゆく物資の振分けと輸送。
        例えばどこで誰が何を必要としているかの把握。
        例えば、毎食カロリーメイト(正しくはMREの事)では「トニー、力が出ないよ」になるので、新鮮な食料品等の調達とその為の受け入れ国との調整。
        例えば、文化の違いと問題化しないための配慮。

        様々な問題に対して様々な助言がなされているのですが、本書はそれに留まっておらずその先にまで進んでいると思うのです。

        それが最後の数段落で示されています。

        そして最後の結びに心動かされました。

        「わが国の前途は希望に満ちているのである。」

        将官とはかような者なのかもしれません。

        リーダーシップについて学びたい人にお勧めです。
        >> 続きを読む

        2014/09/07 by Shimada

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      ロジスティクス 戦史に学ぶ物流戦略

      谷光太郎1993/08

      カテゴリー:戦争、戦略、戦術
      5.0
      いいね!
      • 「ロジスティクス」は、流通業界ではよく知られた言葉でしょう。でもこの言葉は本来戦争時に使われる言葉であり、ロジスティクス(logistics)という言葉が、英語の表現であり、日本では兵站(へいたん)と昔から言われています。

         ロジスティクスの概念は近代西欧で生まれました。簡単に言えば物資の補給活動のことです。

         参謀(staff)の職種には3種類あり、作戦、情報、ロジスティクスです。旧日本軍では幹部候補生はもとより華々しい「作戦」参謀になりたがったものですが、西欧では最優秀なものはロジスティクスを志したといいます。

         以前友人と電話で会話して、太平洋戦争時の、ガダルカナル島攻防戦を巡って紛糾しました。この島では、日本側の物資が届かず、直接の戦闘による戦死者より、餓死者、マラリア感染による病死者が多く出たので有名です。必要物資が届かなかったためです。友人は「輸送船団が沈んだ」と言っていましたが、私は「輸送船団は沈められた」と強調しました。このニュアンスの違いを、友人は最後まで理解できませんでした。それは、当時の日本陸・海軍も同様でした。

         自らの補給は万全にしておいて、敵の補給をズタズタにすることが勝利への近道なのです。そう、輸送船は「沈んだ」のではなく「沈められた」のです。ロジスティクスさえしっかりしていれば、作戦部門がちょっとばかりヘボでも、華々しい戦闘をせずとも、「真綿で首を絞めるように」必ず勝てるというのが西欧の戦争思想なのであり、ロジスティクスこそが戦争の根幹作業なのです。

         私は以前在籍していた環境化学分析の会社ではロジスティクスに相当する作業をやっていました。ダイオキシンの分析において、実験に必要とされる器具をぬかりなく洗浄・乾燥し、次の実験に備えたわけであり、私がそれをやる前は器具がおうおうにして間に合わず実験が滞っていたので、同僚には感謝されました。物資の補給という意味ではまさしくロジスティクスでしょう。

         現在、日本の自衛隊はイラクにおける海上ロジスティクスを分担しており、第二次世界大戦のころよりはこの分野の重要性が解ってきているかな、との感があります。なお、ロジスティクスについての理解に、「ロジスティクス」(谷光太郎:同文書院:1993)をお奨めします。


        最後に:ロジスティクスは戦争の最重要分野です。それを分担していた日本の自衛隊は現実的にイラク戦争に加わっていたと言ってもいいでしょう。そういえば、陸上自衛隊は引上げても航空自衛隊がロジスティクスに加っていました。「後方支援は戦闘行為ではない」という日本人の持つコンセンサスは、正しい戦争像ではありません。

            太平洋戦争での日本の敗因の、最大のものはロジスティクス軽視だと思います。
            インパール作戦、ガダルカナル島攻防戦、鍵を握ったのは、ロジスティクスです。
        >> 続きを読む

        2012/10/28 by iirei

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