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(株)作品社 (サクヒンシヤ)

企業情報
企業名:作品社
さくひんしや
サクヒンシヤ
コード:87893 86182
URL: http://www.tssplaza.co.jp/sakuhinsha/
      エリアーデ幻想小説全集

      住谷春也 , EliadeMircea2005/02

      4.0
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      • 【何とも捕らえどころの無い……良い意味で】
         ミルチャ・エリアーデは、ルーマニア出身の宗教史学者、作家です。
         大変幻想的な作風の小説を残しており、それをまとめたのが本シリーズです。
         これまで、1,2巻まではレビューさせて頂きましたが、残っていた3巻目をここでレビュー。
         読んだのは大分前だったのですが、どうにもレビューを書けずにいたため、この度再読しました。

         再読したものの、やっぱりレビュー書きにくい作品ですねぇ。
         どう書いたら良いものか。
         当時の東独ならではの、秘密警察的な存在が落とす陰のようなものもあって、いわく言い難い雰囲気があるんですね。
         年代順編成になっていて、この第3巻は、1974年~1982年の晩年の作品を収録しています(エリアーデの享年は1986年です)。
         初期の頃の作品に比べて一層観念的になっているというか、はっきりした結末を示さない作品が多いように感じます。
         また、一つの作品が他の作品との関連を持っているものもあります。

         それでは、収録作からいくつかご紹介。

        ○ ブーヘンワルトの聖者
         これは、後にご紹介する「19本の薔薇」と密接に関係がある作品です。
         イエロニム・タナセという、「スペクタクル」と称する非常に観念的な劇を演ずる劇団を率いている人物が登場します。
         イエロニムらは、取り壊し寸前の建物の中で観念的、哲学的なスペクタクルの稽古をしているのですが、ある雪の日、そこにマリアという女性が訪ねてきます。
         「本当でしょうか、学者犬をお持ちだというのは? 」と。

        ○ ケープ
         パンテリモンは、とある食料品店で、肩に軍服に使うようなケープをかけている男性から声をかけられます。「今年は何年ですか?」と。
         何の話だろうと思っていると、その男性は自分の家に3年前の日付の新聞が届けられるのだというのです。
         ただそれだけのことだったのに、パンテリモンは秘密警察の監視下に置かれてしまいます。
         何でも怪しげな政治工作がなされているのだとか……よく分からないなぁ。
         どんどん混迷を深めていく作品。

        ○ 若さなき若さ
         道を歩いていた時、突然の雷雨に襲われ、しかも自分の身体に雷が落ちてしまいました。
         当然真っ黒焦げ。
         回りの通行人達は救急車を呼ぶものの、こりゃあ助からないよなどと言っています。
         ええ、聞こえるのですよ。意識はあるんです。痛みもないし。
         でも、身体は動きませんし口もきけません。
         その後、驚いたことに彼は徐々に回復していくのです。
         しかも、若くなって。

        ○ 19本の薔薇
         ルーマニアを代表する国民的作家のもとに突然若い男女が訪れます。
         男性は、作家の事を自分の父親だと言うのですが……。
         そこで、男女によるパフォーマンスが演じられます。
         すっかり魅せられてしまった作家は、彼らが所属するという劇団と行動を共にし始めます。
         このようないきさつを、作家の秘書の観点から綴ったのが本作。
         巻頭に収められている「ブーヘンワルトの聖者」に出てくる「スペクタクル」、イエロンイム・タナセが再登場します。
         作家は、自分の生涯最高作を書くのだと言い、猛烈な勢いで執筆を始めるのですが……。

        ○ ダヤン
         幼い頃、事故で片目を潰してしまったため眼帯をしている天才的数学者が主人公です。
         彼は、やはり眼帯をしていた軍人のダヤンに似ているということで、ダヤンと呼ばれています。
         ところが……どうも不思議なことに、ダヤンは昔は右目に眼帯をしていたのに、今は左目にしているのです。学部長はそれに気付きダヤンを問い詰めます。それはまがい物なのかと。
         ダヤンが語る所に依れば、確かに最初に傷つけたのは右目だったのだけれど、ある時不思議な老人に出会い、老人から、「ダヤン将軍は左目に眼帯をしておるな。」と言い、目を撫でられたら怪我が左目に移ったのだと言うではありませんか。
         ダヤンはその後、再びその老人と出会うことになるのですが、その時、老人から、アインシュタインが末期の言葉として残し、ハイゼンベルクも理解したという「最終方程式」なるものを示されるのです。
         この作品にも、「19本の薔薇」に登場した秘密警察の人物が登場します。

         このご紹介だけでは何が何だかよく分からないと思います。
         いえ、読んでいただいても実際それほど分かるというものでもないのかもしれません。
         難解と言えば難解。
         でも、得も言われぬ、つかみどころのない雰囲気があるんですね。
        >> 続きを読む

        2019/05/14 by ef177

    • 1人が本棚登録しています
      コーヒー、カカオ、コメ、綿花、コショウの暗黒物語 生産者を死に追いやるグローバル経済

      BorisJean-Pierre. , 林昌宏2005/10

      カテゴリー:農業経済
      4.0
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      • 先日ある店でフェアトレードコーヒーなるものを見かけた。

        時間がなかったので、その場では購入できなかったんだけど気になってその後検索。

        そこにはコーヒー好きとしては恥ずべき、知らなかった世界が広がっていた。

        長らくコーヒーは気持ちをくつろぎの時間を演出してくれるアイテムとしてしか考えてなくて、自分好みの銘柄やサイフォンなどの本は読んで来たけど、フェアトレードという言葉さえ知らなかった。

        この本は表紙からしてそうだけど、中身も負けていないほどインパクトが有る。

        「コーヒー、カカオ、米、綿花、コショウ」が取り上げられている。

        一次産品の算出国の極度の貧困。いやもしかしたら貧困そのものよりも、それを打破する道が閉ざされてように見えるところが本当の問題なのかもしれない。

        フェアトレードの商品を買えばいいってもんじゃないとも書かれているけど、コーヒー愛好家としてできることはしていくことに決めた。
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        2012/09/03 by katsu

      • コメント 4件
    • 1人が本棚登録しています
      アメリカは歌う。 歌に秘められた、アメリカの謎

      東理夫2010/01

      カテゴリー:声楽
      3.0
      いいね!
      • カントリーミュージック関係
        アメリカの歴史とともに、有名な曲のできた背景を解説しています。

        東さんはサービス精神旺盛なので気軽に話を盛っちゃう。
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        2011/04/29 by ack

    • 1人が本棚登録しています
      黒田官兵衛 小説集

      末國善己2013/09

      カテゴリー:小説、物語
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      • 今度の大河の主役だから…ということで出した本らしい。仕事が速いですねー。
        菊池寛、坂口安吾、武者小路実篤などなど、かなりの大御所の作品が集められていて、こんな人まで官兵衛さんについて書いていたのか…!という、驚き。
        同じ事柄でも、作者によって解釈や表現が違うので、読み比べが出来て面白いです。
        特に鷲尾雨工。某遊び人の金さんか、はたまた徳田新之助か…という感じの、身分を隠しての政治への裏工作っぷりは、ものすごいアレンジ。歴史読み物みたいで、斬新な「黒田如水」でした。
        そして、読んでみたかった、坂口安吾の「黒田如水」。図書館にある全集には入ってなくて、取り敢えず「二流の人」だけど、こちらも斬新でした。…というのは、タイトルからも判る通り、官兵衛を良くは書いていないから。欠点というか、「だからこいつはダメだったんだよ」と、かなり皮肉な感じ。
        良いところばかりじゃない、ダメなところも見とかないと…と思って、それで坂口安吾のを読んでみたかったんだけど、官兵衛(如水)さん、ただの偏屈で頑固なジイサンになってる…。
        いやでも、坂口安吾も、愛ある故の辛口…のハズ。(^_^;)
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        2013/11/11 by koh

      • コメント 4件
    • 2人が本棚登録しています
      〈私家版〉青春デンデケデケデケ

      芦原すなお1995/04

      カテゴリー:小説、物語
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      • 作者と同じように学生時代にバンドやってたとか、洋楽やGSが好きとかいう人にとっては、「オレもそう思ってた」って共感したり、「なるほどー」って思ったりするんだろうけど。
        “青春の1ページ”としての内容は普通に面白い。
        …んだけど。
        “私家版”ならではと思われる、作者がたくさん挙げてくれている曲名やその曲の良さを紹介している記述は、そういうモノに興味のない私にとっては、さっぱり解からず。逆にうっとうしい感じ。
        5曲程度ならまあ、機会があれば聴いてみようかな…とか思えたかもしれないけど、あまりの多さにそんな気にもなれませんでした。(>_<)
        >> 続きを読む

        2013/05/15 by koh

      • コメント 4件
    • 1人が本棚登録しています
      1941年。パリの尋ね人

      ModianoPatrick , 白井成雄1998/07

      4.0
      いいね!
      • フランスから強制収容所に送られたユダヤ人は何万人もいるのに、なぜ著者はドラ・ブリュデールが心から離れなかったのでしょうか。彼女の反抗心と自立心の強さが目を引いたのでしょうか。私にはそうであったと同時に著者の孤独にも共鳴するものがありました。 >> 続きを読む

        2017/11/26 by belami

    • 1人が本棚登録しています
      小栗忠順

      岳真也2001/07

      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!

      • 小栗忠順と聞いてすぐに思い出すのは、井伏鱒二の短編小説「普門院さん」のことだ。

        聞き書きという形のこの作品では、斬首された小栗忠順の死の理不尽さが、言葉少なく訴えられていた。

        斬首の刑を執行した側は、後に県知事や勅選議員を歴任した人で、その人の家を訪ねた和尚が、斬首の状況を問い、二人で小栗忠順の冥福を祈るんですね。

        この岳真也の「小栗忠順」の長編小説には、斬首の刑は一行で書かれているが、小栗がそこに追い込まれ、従容として四十二歳の死を受け入れるところまでの幕末の政情は、沈着冷静に描かれている。

        小栗上野介忠順-----日本初の遣米使節の一人であり、江戸城開城直前まで徳川幕府最後の海軍奉行、陸軍奉行を兼ねた勘定奉行だった。

        幕府軍が鳥羽伏見の戦いで敗れ、15代将軍・徳川慶喜が大坂城から脱走して、江戸へ帰った後の御前会議で、ひたすら恭順すべしと説く勝安房守らを向こうにまわして、公卿や薩長の謀略を指摘し、幕府軍の戦略まで披歴して戦うことを主張し、主戦派と言われた。

        しかし、朝敵とみなされることを恐れた徳川慶喜は、小栗を罷免し、勝を陸軍総裁兼若年寄に昇格させ、政務を委ねたのだ。

        この作品で、勝との確執を描くことは著者の眼目の一つで、冒頭、アメリカ帰りの小栗が、咸臨丸で同行した軍艦奉行、木村喜毅から勝の身勝手な振る舞いを聞く場面がある。

        小栗は黙って聞いているだけだが、その後、小栗が軍艦奉行に復帰した勝を訪問し、自然に論争になる場面が積み重なり、両者の異質な人柄がにじみ出てくる。

        この二人は、幕藩体制の崩壊を予感しているが、暫定的な将軍中心の政権を考える小栗に対して、勝は諸藩の士がいると答え、「そのじつ、薩摩か長州か」と詰め寄る小栗に、勝はよそを向くのだった。

        著者は殊更に書いていないが、小栗は驚くほどに真っ直ぐな主張をして、人から誤解を招き、死期を早めたようにも読めるんですね。

        >> 続きを読む

        2018/11/08 by dreamer

    • 1人が本棚登録しています

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