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Bayley, John, 1925- (2007/03)
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ジョン・ベイリーの「赤い帽子」は、フェルメールの絵に触発されて書かれた、謎めいた小説だ。二部構成になっていて、それぞれ語り手が異なる。第一部の語り手ナンシーは、親友のクローイとその恋人チャールズとともに、オランダのハーグにフェルメール展を見に出かけ、そこで不可解な事件に遭遇する。クローイが姿を消し、翌日に帰って来るが、何があったかは藪の中だ。謀略に巻き込まれたのか、それともただの気まぐれか。ナンシーは鍵を握る、自称イスラエル警察官の背の高い男を探し始める。第二部の語り手は、クローイの知り合いであるローランドという男だ。彼はナンシーの物語に魅せられて、彼女と会うため南仏へと赴く。ローランドの視点から、第一部でナンシーが語った内容の信憑性が問い直される。同時に、クローイが何か隠しているふしもあるのだ。ハーグの夜の真相とは? それとも、すべてナンシーの妄想もしくは捏造なのか?-------。アンチミステリと言える趣向の作品だが、特別な大仕掛けがあるわけでも、謎の解決不能性に力点が置かれているのでもない。「信頼できぬ語り手」に振り回されながらも、ゆったりと愉しめる小説だ。 >> 続きを読む
2019/05/04 by dreamer
【(株)南雲堂フェニックス】(ナンウンドウフエニツクス) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(出版社,発行所)
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