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(株)西村書店 (ニシムラシヨテン)

企業情報
企業名:西村書店
にしむらしよてん
ニシムラシヨテン
コード:89013
URL: http://www.nishimurashoten.co.jp/
      ゴッホ 魂の日記

      田中梓 , ZurcherBernard1990/12

      カテゴリー:洋画
      4.0
      いいね!
      • ゴッホのさまざまな絵を数多く収録した図録。

        ゴッホはこんな絵も描いていたんだと、今まで知らなかった数多くの絵に触れることができて、とても良かった。

        ゴッホがいかにさまざまな物事や人々に限りない愛情を抱き、心血をそそいでそれらの一瞬を絵に描きだしたか。
        あらためてそのことに心を揺さぶられる。

        ゴッホはたぶん、一般的な成功の基準からは、随分とかけ離れた、世間一般の基準からいえば、相当にみじめな一生だったかもしれない。

        しかし、ゴッホほど、人が生きるとは何なのかについて教えてくれる人はめったにいないことも事実だ。

        生きるとは何か。
        それは、ゴッホほどに、心をこめて生きることなのだろう。

        心をこめてもいない人生は、たとえ表面上はゴッホに比べて世間的な基準では満たされていても、本当には生きていない人生であることも往々にしてあるのかもしれない。

        ゴッホの絵と手紙に「魂の日記」というタイトルをつけているこの本のセンスも素晴らしいと思う。
        本当にそのとおりだ。

        そして、人は、ゴッホに負けぬぐらい、魂の日記を本当は日々につけるべきなのだと思った。
        >> 続きを読む

        2012/12/27 by atsushi

      • コメント 3件
    • 1人が本棚登録しています
      音楽家の恋文

      PahlenKurt , 池内紀1996/10

      カテゴリー:音楽史、各国の音楽
      4.0
      いいね!
      •  思いかえせば、わたしは恋文を書いたことがない。
         テーブルスタンドのみが灯るほの暗い部屋のなかで、この、どうにも抑えられない気持ちを、はじめて文字に起こす誘惑にかられていた。もちろん文才に乏しく、お世辞にも男ぶりがいいとはいえないわたしにとって、この試みはある意味で無謀であるせいか、使いなれた羽ペンをもつ手は震えていた。

           
            九条櫻子 さま

        前略 
         とつぜんのお便りで戸惑われるかもしれませんが、骨になってから打ち明けるのでは手遅れと意を決し、この手紙に思いの丈を言づけます。
         私にはあなたしかいないことはひと目みてわかりました。恥ずかしい話ですが、幼少のころの私は考古学に熱をあげる少年で、故郷にある土井が浜遺跡でみた石鏃が打ち込まれた人骨に魅せられ、高校時代を過ごした岡山でもたくさんの遺跡群や貝塚を巡ったものです。
        櫻子さん(お名前で呼ぶ不躾をお許しください)を見かけるたびに、弥生時代の人骨を発見し、日本人は混血民族であると声明した金関丈夫について語らいたくなります。いや、櫻子さんの骨トークを延々と聴きたい、いつまでもあなたのそばに居たいのです。蝶骸骨だけでなく、私のすべてはあなたのものですから、互いが白い骨になっても抱きしめる栄誉を私に与えてください。と、あまり婚約者のいるあなたを困らせるものではありませんね。
         それでは、桜の花びらが足下を敷きつめる季節に逢えることを夢みて……
               草々
                             
                       素っ頓狂な男しるす

         とりあえず草稿はできたけれど、恋文とはなんとぎこちないものだろう!! これまでの人類の歩み、太古のむかしから、いったいどれだけのチラシの裏が恋文の犠牲になったのであろうか。
         推敲するためにスタンドの灯りを机に寄せると、草稿をしたためた便箋を押さえる左手の薬指が妖しく光る。
         ふいに暗然とした気分になったわたしは、せっかくしたためた便箋をクシャクシャに丸めて、待ち構える暗やみの屑籠へと投げ入れた。

          
          <本編>
         いや~、遊び心が暴走してしまって本当にごめんなさい。図書館でこの「音楽家の恋文」を見かけたら最後、人生はじめての恋文を書いてみたくなったのです。思い起こせば、ぼくの人生最大の敵は「恥じらい」でした。恋文を渡すなどという、顔から火がでるような行為はぼくには無理です。いいえ、本音をいうとやってみたいのだけれど、その恥じらいを凌駕するほどのつよい衝動にかられたことがないのです。人生損していますね。ああ、恋文。みなさんはどうですか?
         それでは本の感想。分量が多く、すべてを読んでいませんが、ショパンとブルックナー、リムスキー=コルサコフの章がおもしろかったです。そして、ぼくはブラームスに親近感をもちました。結びにリストを付けておきます。
         それと一応念のため、訳者は池内紀とクレジットされていますが、池内さんは監訳で、実質的な翻訳者は池内さんの教え子らしい。だからぎこちない訳というわけではなく、恋文とはいつの時代もぎこちないものなのでしょう。

          
          <総覧>
        お願いがたくさんある        モーツァルト
        ご主人が亡くなるのを期待します   ハイドン
        何という人生            ベートーヴェン
        ぼくの頭はがんがんしている     ヴェーバー
        どうか我慢しておくれ        ロルツィング
        どうぞご心配なく          ベルリオーズ
        君を胸に抱きしめたくて       シューマン
        ただ君一人のために弾いている    ショパン
        愛は正義ではありません       リスト
        決してわれを裏切るなかれ      ヴァーグナー
        もういい、ほっといてくれ!     ヴェルディ
        前より貧しくなりました       スメタナ
        私は希望をもっていいのでしょうか  ブルックナー
        ぼくたちには愛がある        コルネリウス
        あなたがいなかったら        ブラームス
        人は一度しか生きられない      ヨハン・シュトラウス
        あなたがしてくださったこと     チャイコフスキー
        ひとことでいえば、大成功だ!    ドヴォルザーク
        私も退屈し、君も退屈する      リムスキー=コルサコフ
        私を忘れないでください       ヤナーチェク
        望みどおりにすればいい       プッチーニ
        あなたに名誉を与えたい       マーラー
        幸福だが悲しい           ドビュッシー
        真夜中の鐘が鳴っている       リヒャルト・シュトラウス
        死ぬまで君のもの          グラナドス
        ひと目みてわかりました       レーガー
        なぜ愛さずにいられたのか      ベルク
        >> 続きを読む

        2015/11/01 by 素頓狂

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      笑いの医力 笑って!免疫力up!

      高柳和江2008/04

      4.0
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      • 笑う門には福来る。
        まさに、これは至言。
        笑うことができる気持ちがあればいい。
        笑っているうちに、そんな気持ちにもなる。 >> 続きを読む

        2015/07/22 by けんとまん

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      推理作家の家 名作のうまれた書斎を訪ねて

      南川三治郎2012/05

      カテゴリー:文学史、文学思想史
      4.0
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      • ・10代の頃に夢中で読んだJ・アーチャーやT・クランシー、メアリ・H・クラーク、P・コーンウェルなど、懐かしい作家の書斎や居間での姿が見られて楽しくなる
        ・気難しいG・グリーンの取材を成功させる著者の熱意に敬意を覚える
        >> 続きを読む

        2017/07/06 by michi2011

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      シャガール

      ChagallMarc , 千足伸行 , PolonskyGill , 湊典子 , 島田紀夫 , 森田義之2012/05

      カテゴリー:洋画
      4.0
      いいね!
      • シャガールの有名な絵が集めてあり、なかなか良かった。

        2013/06/06 by atsushi

    • 1人が本棚登録しています
      シンデレラ

      InnocentiRoberto , PerraultCharles , 谷本誠剛1989/05

      4.0
      いいね!
      • ロベルト・インノチェンティが描くシンデレラの絵本。

        とても面白いのは、普通シンデレラといえば中世の景色や服装で描かれるもののはずなのに、この絵本は、第一次世界大戦前後の頃のイタリアのような、日本でいえば大正の頃のモガのような恰好をしている。
        自動車も描きこまれていて、どう考えても中世ではない。
        と思いきや、中世っぽいところも描かれていて、なんとも不思議な、いつの時代かわからない絵となっている。

        何分、小さい頃に読んだきりなので、シンデレラの詳しいストーリーなど忘れてしまっていたが、シンデレラって「灰かぶりさん」という意味だったんだなぁと、あらためて驚いた。

        継母や義理の姉たちのいじめにもけなげに耐えて、心根をきれいに持ったまま甲斐甲斐しく働くシンデレラ。
        そんなシンデレラを、必ず見てくれている人がいる。

        という、主要なストーリーはもちろん覚えていたのだけれど、不思議な絵とあいまって、こんな面白い話だったんだなぁと、あらためて驚かされた。

        シンデレラは自分をいじめた姉二人を許して、自分が王子と結婚すると同時に姉二人も大臣たちと結婚させてめでたし、めでたし、という話なのだけれど、

        この絵本では、一番最後の絵は、娘たちが去っていった後の継母がアルコールの空き瓶を床に転がしてひとりむなしく窓辺に座る絵が描かれている。
        これもたしかに、小さい頃は考えもしなかった、シンデレラとその姉たちが去っていったあとの継母の荒涼とした心の様子が描かれてて、なんだか考えさせられる。

        結局、人は、どのような心で生きるかが、どのような結末を迎えるかにとって一番大切なのかもなぁ。

        昔話というのは、深いものである。
        >> 続きを読む

        2012/12/23 by atsushi

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      クリスマス・キャロル

      InnocentiRoberto , チャールズ・ディケンズ , もきかずこ1991/12

      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • 本当に感動した。


        ケチで利己的な主人公が、クリスマスの夜に起こった奇跡、三人の精霊に次々と、過去・現在・未来をそれぞれに見させられる、という出来事がきっかけで、生まれ変わること。


        本当に心震える名作だった。


        もっと早くに読んどけば良かったなぁ。


        また、この本は、ロベルト・インノチェンティの絵がディケンズの文章に付された絵本なのだけれど、インノチェンティの絵が本当に素晴らしい。


        ぜひ多くの人に、この文章と絵を、味わって欲しいと思う。


        クリスマス・キャロルは本当に繰り返し折々に読み直したい名作と思う。



        「霊魂になってからは仕方がない。生きている時ならば、どうにかできたろうし、幸福にしてやることもできたろう。」


        「人生に与えられた機会を、あやまってもちいたと人が後悔してもとりかえしはつかない。」


        「人間が私の仕事だった。公共の福祉、博愛、憐み、慈善が私の仕事だった。商取引など、広大な大海のような仕事の一滴の水に過ぎない。」


        「お金儲けをしているうちに、気高い向上心がひとつひとつ消えて行った。」


        「生き方を変えなければ、末路も変わらない。
        もし生き方を変えれば、末路も変わる。」


        「これから先の時間は自分のものであり、自分の手でやりなおしがきくことだ!」
        >> 続きを読む

        2012/12/21 by atsushi

      • コメント 4件
    • 1人が本棚登録しています
      ピノキオの冒険

      InnocentiRoberto , CollodiCarlo , 金原瑞人1992/11

      カテゴリー:小説、物語
      5.0
      いいね!
      • ピノキオは、たぶん誰もが一応は知っているはずの有名な童話。

        しかし、この本を読んで、私はこんなにも波乱万丈で深遠な物語だとこの年になってはじめて知った。

        読みながら、性懲りもなくまたラクなことや怠けに傾き、再三痛い目にあっていくピノキオを見て、なんだか自分によく似ている気がして、なんとも慚愧させられる。。

        子どもの頃に、もっとしっかりとピノキオの物語をしっかり知っていれば、もっと良い大人になれたろうか。

        しっかり働き、人に頼らず、怠けない人間になるべきことを、妖精やゼペットじいさんやコオロギが、何度となく、ピノキオに教え諭すところも面白かった。

        最後には、クジラの腹の中から勇気を持ってピノキオがゼペットじいさんを救い出し、かつ自分で働いて稼いだお金を困っている人のために惜しげもなく使うことで、人間になって、めでたし、めでたし、で終わる。

        ただ、それまでの波乱万丈なストーリーが、これほど生き生きと、また深いものとは、ぜんぜん知らなかった。

        また、この絵本は、ロベルト・インノチェンティの絵が本当に素晴らしかった。

        大人でも真っ向から読まないとなかなか読破できない重厚な絵本。
        すごい絵本である。
        >> 続きを読む

        2012/12/24 by atsushi

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      くるみわり人形

      InnocentiRoberto , 金原瑞人 , HoffmannErnst Theodor Amadeus1998/12

      カテゴリー:小説、物語
      5.0
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      • ホフマンの原文に、ロベルト・インノチェンティの絵がついた、かなり長い大きな絵本。
        ダイジェスト版にはない細部や展開があって、とても面白かった。

        本当、めくるめくような幻想と現実の交錯で、とても面白い作品だった。
        お菓子の国の描写は、まるで浄土経典の浄土のようで、しかもそれは主人公の心だというなかなか深遠な作品でもある。
        相手の外見にとらわれない、真実の愛の大切さを説くストーリーもとても良いと思う。

        また、いつものことながら、ロベルト・インノチェンティの絵が本当にすごいと思う。

        すばらしい絵本だと思う。
        >> 続きを読む

        2012/12/23 by atsushi

      • コメント 2件
    • 1人が本棚登録しています
      天才レオナルド・ダ・ヴィンチと少年ジャコモ

      ViscontiGuido , 石鍋真澄 , LandmannBimba , せきぐちともこ2000/11

      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
      いいね!
      • レオナルド・ダ・ヴィンチと一緒に暮らす少年ジャコモ。
        その二人の姿を描く絵本。

        時にはいたずらもし、好奇心旺盛で、いのちを愛し、戦争を嫌い、自由を守るためには兵器の研究もし、絵やお祭りに天才を発揮してダ・ヴィンチ。

        この絵本に出てくる「最後の晩餐」は、以前ミラノで実物を見たことがあったので、あらためて思い出した。
        モナリザもパリで実物を見たことがある。

        その背後にいたダ・ヴィンチは、こんな人だったのかもなぁと、あらためてダ・ヴィンチの人となりに興味をかきたてられた。

        「川に手を入れてごらん。
        手にふれる水は、流れていく最後の水でもあるし、流れてくる最初の水でもあるのだ。
        今という時も、おなじなのだよ。」

        良い一冊だった。
        >> 続きを読む

        2013/05/09 by atsushi

      • コメント 6件
    • 1人が本棚登録しています
      ジョットという名の少年 羊がかなえてくれた夢

      石鍋真澄 , LandmannBimba , せきぐちともこ , GuarnieriPaolo2000/11

      4.0
      いいね!
      • 今から七百年ぐらい前のイタリア。
        ルネサンスの最も最初の頃の偉大な画家・ジョットは、ただの羊飼いの少年だった。

        ジョットがどうやって才能を発揮し、見いだされるようになったか。
        伝説をもとに描いた絵本。

        とても面白かった。

        もう十年ぐらい前、一度イタリアに行った時に、アッシジの教会でジョットの絵を見たことがあったことを思い出した。
        またいつか行って見てみたくなった。

        人は、夢を持ち続け、その夢に向かって扉を叩き続ければ、いつか開く時もあるのだと思う。
        >> 続きを読む

        2013/05/03 by atsushi

      • コメント 4件
    • 2人が本棚登録しています
      クリムトと猫

      CapattiBerenice , 森田義之 , MonacoOctavia2005/03

      カテゴリー:洋画
      4.0
      いいね!
      • クリムトは、とても猫をかわいがっていたそうである。

        クリムトも、こんなに世の中の無理解や因習と闘ったんだなぁと、読みながらちょっと驚いた。

        それにもめげず、自分の求めるものを貫き、本当にいのちや人間や美を愛し求めた人だったのだろう。

        その傍らには猫がいた。
        猫こそが、最も良き理解者であり、支えだったのかもしれない。

        クリムトがあらためて好きになるような一冊だった。
        >> 続きを読む

        2013/05/09 by atsushi

      • コメント 6件
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      シャガール わたしが画家になったわけ

      LandmannBimba , 白崎容子2006/04

      カテゴリー:洋画
      5.0
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      • 画家のシャガールの人生について描いた絵本。

        これを読んで思ったのは、シャガールはロシア出身とはいえ、ユダヤ人の村の、ユダヤ文化の非常に大きな影響を受けながら育ったのだなぁということだった。

        また、誰がなんと言おうと、どれほど貧しかろうと、自分が好きな絵の道を志し、自分が好きなように絵を描き続けたところは、本当に興味深いし、自由人だなぁと思う。

        良い一冊だった。
        >> 続きを読む

        2013/06/06 by atsushi

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    • 2人が本棚登録しています
      秘密の花園

      野沢佳織 , フランシス・ホジソン・バーネット , RustGraham.2006/12

      カテゴリー:小説、物語
      4.0
      いいね!
      •  とても素晴らしい本でした。
        児童文学の範疇に入るのでしょうが、
        大人も十分に楽しむことができると思います。

         時代設定は、世界がまだ植民地政策全盛だった頃。
        インドをおさめていたイギリスの上級軍人の娘メアリは
        大勢の召使にかこまれわがままいっぱいに育ち
        とてもかわいげのない子供だった。

         そんな中 コレラが大流行し、
        両親を失ったメアリは
        イギリスの田舎に住むおじさまの家に引き取られていくことになった・・・
        というかたちで始まる物語。

         自然いっぱいの田舎の豪邸で生活するうちに
        健康や子供らしさを取り戻していくメアリや、
        妻を失った悲しみから立ち直るおじさま、
        不治の病だと思い込み人生を投げ捨てていたコリンが
        生きる力を手にしていく様子など
        各登場人物の設定や描写が非常に見事です。

         特に素晴らしいのはイギリスでの召使の弟ディコンかな。
        どう素晴らしいのかは、是非ご自分で読んで確認してみてください。

         全体的にとても優しい雰囲気をもち、
        愛情をもって書かれたことが伝わってくる一冊でした。
        小学校高学年~中学生くらいには特にオススメです。
        >> 続きを読む

        2015/02/02 by kengo

    • 1人が本棚登録しています
      オデュッセウスの旅 ギリシア神話より

      LandmannBimba , せきぐちともこ2008/12

      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      5.0
      いいね!
      • とても面白かった。

        よくもまぁ、これほどめくるめく物語を、古代ギリシャ人は紡ぎだしたものだと思う。

        あらゆる艱難辛苦や誘惑を振りはらい、ひたすら故郷のイタカ島をめざして、二十年もの長い困難な旅をいくオデュッセウスの姿は、やはりなんといっても英雄というものはかくあるものと教えられる。

        今回読んでいて、そういえばそんな話もあったっけと感銘深かったのは、記憶をなくしてしまう蓮の実を兵士の一部が食べてしまうのを、なんとかとりあげて引っ張っていくシーン。
        人間、忘却や麻薬のような快楽の方が心地よいのかもしれないが、それをあえて振り払ってこそ、目的地につけるのだろう。

        また、冥界にちょっと行って、いろんなすでに死んだ人々と話す中に、アキレウスがいて、王として死ぬよりも、召使いとして生きている方がすばらしい、生より尊いものはない、とアキレウスがオデュッセウスに語るところには、ちょっと全然記憶になかったのだけれど、考えさせられるエピソードと思う。

        他にもいろいろ関連の文献をあらためて調べたくなった。
        やっぱり、オデュッセウスは最高に面白い物語だと思う。
        >> 続きを読む

        2013/05/23 by atsushi

      • コメント 5件
    • 1人が本棚登録しています
      3びきのくま イギリス民話

      WattsBernadette , 佐々木田鶴子2009/07

      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
      いいね!
      • イギリスを代表する女流絵本作家バーナデット・ワッツの絵本です。

        私が知っている「3びきのくま」はいったいどこにあるのよ?!
        どうも「ロシア民話」とされているバージョンは違う!
        「3びきのくま」のルーツはイギリス民話。という説が有望。
        イギリスでは「Goldilocks and the Three Bears」として知られています。

        西村書店版から ささき たづこ氏翻訳のこの本は
        ようやく「私が知っている『3びきのくま』」だったのでした。

        女の子はきんいろの髪の少女
        Goldilocks(ゴルディロックス)は最初の翻訳では「きんぱつちゃん」という名前で訳されていたそうです。

        やわらかい色彩と自然の風景がふんだんに書き込まれたパステル画が
        とても優しい印象の絵本に仕上がっています。


        物語の国イギリスでは、物語は純粋に物語です。
        つまり物語は物語として存在し、教訓や演出を多く含みません。
        イギリスのお話しには、そういう高度に物語的なものが多いと思います。

        しつけのためとか、子どもを喜ばせるために迎合するとかそういう視点は無視で、
        シンプルに物語があるだけなんです。
        でも、それが本来の物語の力だと思うのです。
        「3びきのくま」には、なぜか、その物語性があるのです。

        幼少の記憶にあるのは
        「こどもグマがかわいそう!」という感想です。
        スープは飲まれ、椅子が壊されちゃうなんてとってもかわいそうでした。

        そして、くまのおうちに興味しんしんで。
        くまの「すーぷ」を私も飲んでみたくって。
        (結局食い意地か(^^ゞ)

        画家が自己主張したいのは当然ですし、よくわかりますよ。
        けれど、物語を決定するのはむしろ絵ではないのです。

        絵が物語を凌ぎすぎるのもいかがなものか?と思うのですが。

        「3びきのくま」は『どうってことのない絵』で読んだお話しの方が
        ふさわしい気がしました。
        いえ、もしかしたら、絵がなくて、口述で伝えられたほうがよい物語なのかもしれません。


        バーナデットのこの絵本は絵にインパクトが無いとか
        驚きやワクワク感を感じないというレビューがありました。
        しかし私は「3びきのくま」にそもそもワクワク感があるべきだとは
        考えていません。

        たしかにクマがクマに見えないかもしれないな~~とは思いますけどね。

        バーナデット・ワッツはグリム童話、アンデルセン童話の絵本を多く描いていますが、
        この中に素晴らしい絵本がいくつかあります。
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        2013/02/02 by 月うさぎ

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      ゴッホ風がはこんだ色彩

      結城昌子 , LossaniChiara , MonacoOctavia2010/10

      カテゴリー:洋画
      4.0
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      • ゴッホの生涯を描いた絵本。
        とても良かった。

        ゴッホの手紙のことばから、その時々のゴッホの思いを描いており、

        「人々の心に光を届けること」

        がゴッホの最初からの願いだったこと、それをはじめはキリスト教の伝道で、のちには絵で、行おうとしたこと、

        「魂の輝きを描きたい」

        という思いから、絵に打ち込んだこと、

        この二つには、あらためてとても胸を打たれた。

        激しく、そして悲しい人生だけれども、

        ゴッホは風がささやくとおり、つまり自分の心の奥底の声に忠実に、自分の人生を生き切ったんだなぁと、あらためてこの絵本を読んでて思った。

        「きみたちは、ずっといっしょだよ」

        と風が、ゴッホとテオに述べるラストも、心に響いた。
        >> 続きを読む

        2012/12/30 by atsushi

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      ガール・イン・レッド

      FrischAaron , InnocentiRoberto , 金原瑞人2013/02

      カテゴリー:漫画、挿絵、童画
      4.0
      いいね!
      • 赤ずきんちゃんの物語を、現代の大都市とスラムを舞台に語りなおしてある。
        狼のような危険な人間がいっぱいいて、それに対してきちんと注意することを教える物語としては、このように背景を語りなおして現代に適用することも、一つの試みとしては良いのかもしれない。 >> 続きを読む

        2013/10/06 by atsushi

      • コメント 9件
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