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Yates, Frances Amelia, 1899-1981 , 玉泉八州男 (1993/06)
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【実際に可能な方法ではあるようですが、私にはムリ】 著者は、あのウォーバーグ(ヴァールブルク)研究所出身の才媛、イエイツです。 そのイエイツの代表作の一つと言っても良いのではないでしょうか。 本書のタイトルを見て、ビジネス書か実用書の類だと思った方、残念でした。 より深い学究的作品です。 古代ローマの詩人シモニデスの逸話はご存知でしょうか? ある時、大宴会が開かれ、シモニデスも出席しました。 その宴会の最中、シモニデスに面会を乞う者が来ているとの伝言が伝えられました。 宴会場の外に出てみたものの、それらしい者は見あたりません。 ちょうどその時、地震でしょうか? 宴会場の屋根が崩れ落ち、中にいた人びとの多くが亡くなるという大事故が起きたのだそうです。 宴会場には、押しつぶされた死体が累々。どれが誰の死体なのかも分かりません。 その時、シモニデスは、宴会場の配席を記憶で再現したのだそうです。 そのおかげで、死体の位置からその素性が分かったのだとか。 さて、シモニデスにはどうしてこんな驚異的な記憶が残されていたのでしょうか? それは、場所と記憶すべき物事との対応によるのだと言うのです。 それが古代ローマから連綿として受け継がれてきた記憶術の鍵なのだと。 私、以前、今は終了してしまった「笑っていいとも」でタモリさんがまさにこの記憶術を披露した場面を見たことがあります。 TVですから、仕掛けがあるのかもしれませんが、タモリさんの解説ではまさにこの記憶術を実践していたようです。 言うは易く、行うは難し。やってみますか? まず、自分がよく思い出せる場所を考えてみて下さい。 自分の部屋でも家でも構いません。あるいはよく歩いている道に見える物でも良いようです。 まずは、自分が選んだ「場所」の様子を目をつぶって頭の中で再現してみてください。 できますか? じゃあ、ここからが記憶術です。 覚えなければならない物を、順番に自分が頭に描いている場所に見える物一つ一つに割り振ってみてください。 例えば、完璧に並び順を記憶している本棚があるとしましょう。 その本棚の端から、一冊ずつに対応するように覚えなければならないことを対応させて行ってください。 そうですね。一番端には夏目漱石の「こころ」があるとしましょう。 その「こころ」に覚えるべき最初の事柄を対照させます。 良いですか? 次の本は「坊ちゃん」です。 次に覚える事柄は「坊ちゃん」に対応させます。 以下同じ。 そうやっていけば思い出す時に自分の書棚の本の並び順を思い出せばそれに対応させた事柄が浮かぶというのです。 できましたか? どうやら不可能な方法ではなく、実際にそれができる人もいるようです。 ですが、私にはムリだなぁ……。 という様な技術がいかにして生まれ、発展してきたか、その背景の事情などを深く学究的に考察した好著が本書です。 >> 続きを読む
2019/05/06 by ef177
M. バルガス・ジョサG. ガルシア・マルケス (2014/03)
小林康夫 , ジャン・フランソワ・リオタール (1989/06)
小林康夫 (1988/12)
浅沼圭司 (1989/02)
小林康夫 , LevinasEmmanuel (1990/04)
丹生谷貴志 (1990/06)
WolffChristian , 小林康夫 (1991/01)
G・ガルシア=マルケス , 堀内研二 (1992/07)
浅沼 圭司 (1996/04)
小林康夫 (1998/11)
北山研二 , ジャン・フランソワ・リオタール (2003/12)
松本和也 (2009/06)
池田年穂 , WernerEmmy E (2010/11)
松本和也 (2013/03)
【水声社】(スイセイシヤ) | 読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト(出版社,発行所)
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