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  • 著者: 磯崎 哲也

    • 評価: 4.0

      【総括】
      起業するためのファイナンスについて300ページほどで解説されています。
      内容も詳しく、起業する際の参考として一冊持っておくことは良いかもしれません。
      語り口調もかなり柔らかく、若い人でも読みやすいかと思います。
      著者は様々な経験がおありなようで、とても説得力があり内容自体も間違ってはいないかなと感じました。
      もし起業を考えているのであれば一度お読みになったらいかがでしょう?

      【心に残った一節】
      1.
      「ベンチャーにとって一番大切なこと」はなんでしょうか?
      応えは「ファイナンス」ではないですよね。
      日本に一番不足している希少資源は、技術力でも、お金でもなく「アニマルスピリッツ」と、それを持ち合わせている「人」であることを何度も繰り返し述べさせていただきました。
      もちろん説得力のあるビジネスモデルやファイナンスのテクニックも必要ですが、それはまず「アニマルスピリッツ」が存在しないと意味がないわけです。
      必要なのは水道管ではなく、水を欲しがる需要、すなわち「べンチャーをやってみようという(イケてる)やつら」のほうなのです。
      そして土から目を出したばかりの双葉に水をじゃぶじゃぶ与えても根が腐ってしまうだけです。
      水道管の末端で必要な時に必要なだけ水を散布するインテリジェントな「スプリンクラー」(ベンチャーキャピタルやエンジェルなどの投資家)が重要なのです。
      この本はそのスプリンクラーの構造や、それがどうすればうまく機能するかについて書かせていただきました。

      2.事業計画書の構成要素
      ■EXECUTIVE SUMMARY

      ■会社の概要
      ・会社の資本金などの基本事項
      ・マネジメントチーム(経営陣)の概要(略歴、職歴、この事業に使えるノウハウなど)
      ・組織図
      ・現在の事業内容の概要
      ・顧客

      ■外部環境
      ・マーケットの概要
      ・市場規模
      ・市場の構造

      ■数値計画((損益や資金などの計画)
      ・事業の基本的な戦略
      ・販売計画
      ・人員計画
      ・損益計画

      ・市場規模や顧客数、シェア、短観などの前提条件
      ・売上
      ・売上原価
      ・広告費・販売促進費
      ・人件費
      ・福利厚生費等
      ・賃料
      ・減価償却費・その他経費
      ・キャッシュフロー

      ■検討している資金調達の概要や資本政策
      ・EXITをどうするか
      ・想定している企業価値の根拠
      ・資金調達のスキーム
      ・株主構成(資本政策表)
      >> 続きを読む

      2019/01/23 by

      起業のファイナンス 増補改訂版 ベンチャーにとって一番大切なこと」のレビュー

  • 著者: 植田 和男

    • 評価: 2.0

      【総括】
      ざっと金融についての知識を網羅するには良いのかもしれません。
      見開き2ページで1つの分野についてのことがまとめられており、わかりやすくその分野が図としてあらわせています。
      ただ、全ての項目を2ページでまとめなければいけない分、説明が足りていなかったり、自分でしらべてみないとわからなかったりする点がありました。
      社会人として金融の基礎を学ぶ点については良い参考書となるかもしれません。

      2019/01/23 by

      大学4年間の金融学が10時間でざっと学べる」のレビュー

  • 著者: 横関 大

    • 評価: 5.0

      ラフ・メイカー、なら知ってる。(名曲)
      横関大さん、初読み。
      タクシー運転手たちが織りなす素敵な物語でした。

      ・乗客を笑顔にすることに生きがいとするタクシー運転手、五味。
      ・女性タクシー運転手、景子。五味の運転手仲間。
      ・超絶アンラッキーな星の下に生まれた男の運転するタクシーに乗った女性弁護士。

      この3人の視点からタクシー運転手とその乗客たちの運命がクロスする、心があったまる系のストーリーです。小説の魅力とも言える仕掛けも詰まってる。
      読み進めてる時になんとなくしっくり来ないシーンがいくつかあったり、なんかひっかかるなぁと思ってたところがあって、んーーーちょっと自分には合わないのかもなぁ……と、自分の中での感想が固まりつつあったまさにその時!
      完全なやられました。
      全てのモヤモヤがスッキリに変わる瞬間!あれもこれも全部納得できるし腑に落ちる。
      快感にも近い読後感でした…
      伏線1つ1つをにんまりしながらもう一度おさらいしたい、そんな気持ち。

      タクシー業界の専門用語や隠語も知ることができて、トリビア的な勉強にもなりました。

      あー黄色のプリウスのタクシー、どこかで走ってないかなぁ。
      >> 続きを読む

      2019/01/23 by

      スマイルメイカー (講談社文庫)」のレビュー

  • 著者: アリステア・マクリーン

    • 評価: 5.0


      冒険小説の雄、アリステア・マクリーンの処女長篇であり、冒険小説の金字塔でもある「女王陛下のユリシーズ号」が大好きで、何度も読み返しています。

      最新鋭の装備を備えた完璧無欠の戦闘マシーン。それがユリシーズ号だ。
      しかし、いかなる船も、その乗組員以上に優れたものになることはない。
      700名を超えるユリシーズ号の乗組員は、度重なる任務に疲弊の極致に達していた。

      翌日、月曜の0600。英国海軍巡洋艦ユリシーズ号は出港する。
      生ける亡者たちを乗せて。

      ユリシーズ号の任務は、カナダからの船団と合流し、全32隻の輸送船団を結成し、それらを友軍であるソ連へ送り届けること。
      だが、ドイツ軍はすでに情報をつかみ、その行く手にはUボートが配置されていた。

      敵軍との邂逅を前にして、船団を襲ったのは、けたはずれの嵐と津波-----自然の荒れ狂う猛威だった。
      風は身を切り裂くナイフと化し、甲板の上の水はその重量で船を沈めんとするほどだった。

      木曜の夜、時化を抜けたユリシーズ号らは、待ち受けていたUボートの襲撃を受ける。
      暴風を突破し、魚雷を回避できたのは17隻。
      すでに船団は半減していた。

      誰もが傷つき、大勢の者が命を落とすなか、ティンドル提督が息を引き取り、ヴァレリー艦長にも死期が迫っていた。

      航海5日目。海中から空から、たえまない攻撃をくぐり抜けた船は、わずかに10隻にも満たず、艦船はいずれも衰弱しきっていた。
      そして、そんな彼らの前に、ドイツ軍最強の戦艦、巨人ティルポッツが立ちはだかるのだった-------。

      男たちが、その身を持って表現する矜持。
      これこそが「女王陛下のユリシーズ号」の物語が一貫して描き出すテーマだ。

      物語の冒頭、ユリシーズ号の乗組員たちは、すでにして疲労の極致にある。
      その疲労困憊ぶりは、ただごとではない。彼らをそうさせたものとは何か?
      すべてだ。戦争が創り出した、彼らを取り巻く環境のすべてだ。

      敵軍が、海が、天候が、さらには見方となるべき軍の上層部までが-----極限状況という単純な表現では語り尽くせない、ありとあらゆる状況が、彼らに背を向け、あるいは牙をむいているのだ。

      劣勢に陥りながらも誇りを失わない、こう言うと、たいへんスマートで男らしさがあふれてくるようだが、彼らが逆境にあって見せる姿は、強さばかりではない。

      むしろ、その場にあって露呈されるのは、弱さのほうだ。
      なにしろ、物語の冒頭、いきなり艦内において不満分子の叛乱があったことが語られるのだから。

      戦士としての士気など、彼らにはもはや尽きているのだ。
      この卑近なエピソードによって、圧倒的なリアリティのなかに閉じ込められた男たちの苦しみが、読みながら痛いほど伝わってくるんですね。

      そして、攻め寄せる敵機への敵愾心も、肉親への愛すらも消え失せ、ただ自己保存の本能によって生命を維持するほかない暗闇の中にあって、彼らが放つ一瞬の輝きのなんと強く激しいことか。

      ユリシーズ号の男たちは、戦地における弱者たちだ。
      にもかかわらず、その物語が高らかに誇りを謳いあげるのはなぜか?
      それは、彼らの目的が、前進にあるからだ。

      巡洋艦ユリシーズ号の任務は、相手の陣地に乗り込んで敵を攻略することではない。
      輸送船団の護送がその責務なのだ。
      友軍であるソ連への港へたどり着くために、いや、たどり着かせるために、彼らはユリシーズ号を進めるのだ。

      敵を倒し、強さを誇示することもなければ、特殊な能力など持ち合わせてもいない。
      そこにあるのは、弱さ、脆さを抱えた人間が、死と隣り合わせに生命を燃焼させる姿だ。

      彼らは、私と同じ地平に生きる人間にほかならない。
      だからこそ、私は限りないエールを贈らずにはいられないのだ。

      この作品は、アクション小説でもなく、サバイバル小説でもない。
      ただ前へ前へと歩を進めるユリシーズ号の男たち。
      それは、"精神の矜持の物語"だ。

      彼らは、純粋に自らの誇りに殉じる。
      そして、最後の矜持による自己犠牲の精神が昇華していくラストが、決して悲壮で虚しいものにならず、強く胸に焼きつくのは、そのためなのだ。

      >> 続きを読む

      2019/01/23 by

      女王陛下のユリシーズ号 (ハヤカワ文庫 NV (7))」のレビュー

  • 講談社 (1998/01)

    著者: 角田光代

    • 評価: 4.0


      絶体に大丈夫だと思った瞬間に、ものごとは大丈夫ではない方向に行き始めるように思う。

      絶体という保証はどんな事柄にもないから、その不安から逃れるために、ある人は慣習や契約に寄り添い、またある人は反対に保証的なものから目をそむけ、わざと「決まり」から逃げたりもするだろう。

      角田光代の「草の巣」は、ろくに知らぬ者同士だった男女が、たいした理由もなく、ふと、という感じで放浪を始める物語だ。

      主人公の「私」も、共に放浪する文具会社に勤める「村田」という男も、「私」の勤め先の飲み屋の店員たちも、誰もが「決まり」に背を向けているように思える。

      いや、積極的に背を向けているわけではない。
      彼らはどれも諦めたように、力なく、「決まり」から滑り落ちているのだ。

      「決まり」を消極的に拒否する「私」は、「村田」に誘われて、放浪を始めるわけなのだが、その放浪は壮大なものではなく、虚しく贋物じみたものなのだ。

      この物語の中で象徴的なのは、「村田」の作る「家」だ。
      その「家」は、山奥の草地に廃品の家具を置いただけのものだ。

      「村田」は、「私」をそこに案内し、「作りはじめたばかりだから。(-----)これから、もっと家らしくなる」と言う。
      永久に家としての機能を持つことのない「家」を作り続けようとする「村田」。
      その虚。贋-------。

      現代というものを、この物語は語っているのか?
      そうかもしれない。ただし、人間の営みがある限り、実も虚も真も贋も同時にあるものだ。

      現代においてさえ、虚と贋だけでなく実も真も存在することだろう。
      この「草の巣」には、わずかに実や真へのうたいかけもある。
      そこが救いだ。

      救われることや虚実真贋を対立させることが望みではないと、作中の人物たちは言うかもしれないけれど。

      >> 続きを読む

      2019/01/23 by

      草の巣」のレビュー

  • 東京創元社 (1984/02)

    著者: メアリ・シェリー

    • 評価: 5.0

      【『フランケンシュタイン』は怪物の名前なんかじゃない! 雪原を疾駆する彼の哀しみを君は知っているか?】

       時は1816年、場所はスイス、レマン湖畔の別荘。
       嵐の夜、そこにいたのは、本作の著者であるメアリーとその愛人パーシー・シェリー(詩人で、後のメアリーの夫)、バイロンにポリドリといった面々。
       降り続く雨に閉じこめられた退屈のあまり、「じゃあ、みんなでそれぞれ怪奇譚でも書いてみようか」と言うバイロンの提案に従ってメアリーが書き起こしたのが本作「フランケンシュタイン」でした。

       フランケンシュタインの物語は映画その他で大変有名なのでみなさんもご存知だと思いますが、かなり誤解されているのは、あの怪物の名前が「フランケンシュタイン」だと思い込まれていること。
       いえいえ、フランケンシュタインとは、あの怪物を作り上げた人物の名前です。時に、「フランケンシュタイン博士」と書かれることもありますが、実は「博士」でもありません。

       ヴィクター・フランケンシュタインは、生命の神秘に魅せられ、その研究の果て人造人間を作ろうと考え、その素材を得るため墓あばきをして死体を集めます。
       その断片をつなぎ合わせ、命を吹き込んだ結果、人造人間が生まれたのですね。

       この物語の背景には、ガルヴァーニによる「動物電気」説がありました。
       死んだカエルに電気を流すとカエルの足がぴくぴく動くという実験をご存知でしょう?
       ガルヴァーニの動物電気説は徐々に怪しい雰囲気を帯び始め、オカルティックな物に堕していくのですが、何よりも電気により死体が蘇るという鮮烈なイメージを与えました。
       そう、まさにフランケンシュタインが生み出した人造人間そのものですね。

       生み出された人造人間は強靱な体力を持ち、高貴な知性も持っていたのですが、決定的に容姿が醜かったと描かれています。
       そのせいもあり、産みの親であるフランケンシュタインから遺棄され(なんつーいい加減な奴だ!)、強靱な体力のために死ぬこともなく、山野をさまようことになったのです。

       人間との接触を図ろうともしますが、図抜けて大きい体格(それは手術を容易にするためにサイズアップされたのです)とその醜い容姿のため、怪物扱いされ迫害され続けます。
       自分が醜いのだということ、どうしたって人間には受け入れてもらえないのだということを理解した彼は、自分という存在を作り出したフランケンシュタインを探し出します。
       その理由は、誰にも受け入れられないのならせめて自分の伴侶となる同じような存在を作って欲しいと頼むためでした。
       もし、伴侶を得られたのなら、自分は彼女と共に人間たちの目が届かないところでひっそりと生きていく、迷惑はかけないからと。

       泣けます。勝手に生み出された彼には何の罪があるというのでしょう。
       ただ醜いというだけで忌避され、迫害されるのです。
       それでも、一生の伴侶さえ得られるのなら人目につかないように静かに暮らしていくからという願いのどこを責めることができるでしょうか?

       しかし、彼の怪力におそれをなしたフランケンシュタインは、もし伴侶を与えたのなら、このような「怪物」が繁殖するのではないかと恐れ、彼のたっての願いを拒絶します。
       救いようのない絶望に沈んだ彼は、ついに復讐を始めます。
       人間達を殺害し始めるのです。ええ、ヴィクター・フランケンシュタインの友人や妻などを。

       フランケンシュタインの物語は、このような「彼」の極めて人間らしい崇高な感情を読む物語だと思うのですね。
       映画やアニメその他のメディアでは、彼の醜い容貌、怪力、そんなところばかりをクローズアップし、センセーショナルな(それも知性のかけらもないでくのぼうの)怪物として描いてばかりいます。
       ですが、メアリーはもちろんそんなことを描きたかったわけではないのです。
       ここにも、「彼」の悲劇があるように思えます。

       人間の勝手な欲望のために望んでもいないのに生命を与えられ、その醜い容貌のため迫害され続け、その物語も本来の趣旨とは違った、単なる恐い物見たさ的な興味から見せ物にされ、生み出されてから200年近く経った今でも面白おかしく、「怪物」として扱われ続けている彼がとても可哀想です。
       
       この物語のラストは北極の雪原です。
       彼を何としてでも抹殺しなければならないと思う様になったフランケンシュタイン(それは、自分が作り出してしまった「物」の始末をつけるためでしょうけれど、復讐心だってあったはずです)が、彼を追い続けるのです。
       最後に彼の姿を目撃したのが北極海の雪原でした。
       雪橇に乗り、雪原を疾駆する彼の姿でした。

       目が合ったと思うのですね。
       その時の彼のまなざしは、いかように悲しい、うらめしいものだったのでしょう?

       「正しい」彼の物語を、是非読んで頂きたく思います。
      >> 続きを読む

      2019/01/23 by

      フランケンシュタイン (創元推理文庫 (532‐1))」のレビュー

  • 著者: クレア メスード

    • 評価: 5.0


      世界広しといえども、ニューヨークくらい小説や映画の舞台になってきた街はないと思う。

      考えてみれば、それも当然で、ニューヨークほど多様な人種が行き交い、多くの夢と希望と野心を受け入れる街はないのだし、ニューヨークほど人々に手ひどい挫折を味わわせる街もないのだから。
      つまり、人間のドラマが生まれやすい街なのだ、良くも悪くも。

      そんなニューヨークというビッグ・シティを舞台にしたクレア・メスードの「ニューヨーク・チルドレン」を読み終えました。

      この本の主な登場人物は六人。テレビ番組のディレクターをしているダニエール。
      書きかけの本を抱えているセレブ美女のマリーナ。
      そんな二人の学生時代からの親友でゲイのジュリアス。
      マリーナの父で著名なジャーナリストのマレー。
      大学をドロップアウトしたマリーナの従弟ブーティ。
      革命的な雑誌を創刊して、ニューヨークを征服しようと考えているオーストラリア人の編集者シーリー。

      物語は彼らのプロフィールを伝える章からさりげなく滑り出し、ブーティがずっと憧れていた伯父のマレーを頼ってニューヨークにやって来るあたりから、それぞれのドラマが大きく動き出すのだ。

      努力で培ってきたキャリアには自信があるけれど、愛情生活の面では敗北者になりつつあるのではないかという不安を覚えているダニエール。

      偉大な父にふさわしい娘であるために、書いている本を成功させなければという、身の丈に合わない野心に押し潰されそうになっているマリーナ。

      ライターとして、そこそこの成功を収める一方、親友にも明かせないような秘密の生活を送るジュリアス。

      三十歳を迎え、これまでの生き方を見直さざるを得ない現実を前にとまどっている三人が経験する恋愛と別れ、キャリアに対する不安と自負、互いに抱く複雑な感情を八カ月間という短いタームの中で描いていくこの小説は、アクティヴィティがとても高いと思う。

      ほとんどの人物がよく喋り、よく動き、そして欲望に対して貪欲なのだ。
      まるで、ニューヨークという街さながらに。

      その中にあって、不思議な存在感を示すのが、台風の目のごとき不穏な静けさを身にまとうブーティだ。
      内気で内省的、しかし表情のない顔の下に、自分を天才と信じて疑わない異様な自尊心を隠し、ペンによる父殺しならぬ伯父殺しで、みんなをあっと言わせることを夢見る十八歳。

      この少し病的な青年のポジ的存在が、現代のナポレオンにならんとする自信家シーリーであるのは明らかだ。
      両者は共に野心を抱いてニューヨークに乗り込むも、望みを挫かれ一時撤退を余儀なくされるのだから。

      自分を特別だと思い込んでいる彼らの物語も、しかしニューヨークに有象無象と存在する野心をめぐるありきたりな寓話と同じ。

      そう示唆する著者・クレア・メスードのシニカルな筆致によって、この作品は他の凡百のニューヨーク小説と一線を画すことに成功していると思う。

      人間ドラマとして読ませるのはもちろん、人を高揚させずにおかないニューヨークという街の罪深き魅力を描ききって、とても刺激的で、都会小説の知的な収穫だと思う。

      >> 続きを読む

      2019/01/22 by

      ニューヨーク・チルドレン」のレビュー

  • 長編時代小説

    光文社 (2013/10)

    著者: 佐伯泰英

    • 評価: 4.0

      図書館本。シリーズ第二巻。

      前作から二年ほど後、飢饉がまだ続いている中で夏目影二郎が父から受けた隠密の仕事は、悪徳代官三人の悪行を暴き成敗すること。
      深川の極楽島で勘定所の役人が惨殺されたことに端を発した事件が、影二郎と愛犬あかを信濃、加賀、飛騨をめぐる探索の旅に向かわせる。

      今作でもいたる所で影二郎は大刀を振るって闘うのだが、戦闘訓練を受けた僧侶の集団「七坊主」が手強くて不気味だった。事件の背後に潜む黒幕が誰なのか、最後にちゃんと謎解きされて話がつながったのですっきりした。

      >> 続きを読む

      2019/01/22 by

      代官狩り」のレビュー

  • 著者: 小林 雅一

    • 評価: 3.0

      物騒なタイトルだが人工知能の別の面にスポットを当てた内容だった。
      自動車の自動運転や医療技術への応用。華々しい話とは別に負の面についても語られている。後半は専門的な内容が多いので統計学など知っていないと理解が難しい話もちらほら。AIには明るい将来に期待したい。

      2019/01/22 by

      AIが人間を殺す日 車、医療、兵器に組み込まれる人工知能 (集英社新書)」のレビュー

  • 著者: 加藤 史子

    • 評価: 3.0

      2019年8冊目。後悔をしない為の工夫、人前で話をするときあがらない方法など色々書いてあって参考になった。あがってしまった時にお腹の辺りに何かあると意識する方法は、すぐにでも実践していきたいと思う。

      2019/01/22 by

      あがっても大丈夫! 3秒であがり症を克服する技術」のレビュー

  • 著者: 坂本 信博林 典子吉田 好克三村 忠史瀬川 至朗宮﨑 知己乗松 優奥山 俊宏島袋 夏子豊島 浩一砂沢 智史古田 大輔石貫 謹也

    • 評価: 5.0

      私が勝手に名付けて敬愛している「言論四天王」のひとりが
      石橋湛山である。だから、湛山の名を冠したジャーナリズム
      賞が創設された時から、受賞作には注目していた。

      でも、うっかりしていた。早稲田大学で学生に向けて記念講義が
      開かれていたことも、その抗議がほぼ毎年書籍となって発行され
      ていたことにも気づかなかった。

      なので、本書を手に出来たことに大変感謝している。講師陣は
      前年の受賞者やファイナリスト等、ジャーナリズムの第一銭で
      活躍している人々だ。書籍でも映像でも、ノンフィクションに
      関心があれば見逃すことが出来ない講座内容だ。

      本書は「公文書問題を問い直す」「「真実」をいかに掘り越すか」
      「日本は弱者に優しいか」「ジャーナリズムの新たな可能性」の
      4章で各3人の講義をまとめ、最終章は「いま求められる「検証の
      ジャーナリズム」」として、総括を行っている。

      どの章も興味深く読んだが、特に印象に残ったのは第一章の「公文書
      問題を問い直す」に収められた「公文書から見た戦後日米関係の一断
      面」だ。

      ロッキード事件を引きながら、日米双方に保管されている公文書の
      相違点はもとより、公文書保存・公開に対する日本とアメリカの
      大幅な違いを検証している。

      捏造・改竄・破棄は日本のお役所のお家芸なのかと思うほど、ここ
      数年で急激に増えている印象を受けるし、情報公開請求をしても
      ほぼ全面黒塗りの文書を堂々と出して来るお役所の姿勢を見ている
      と「国民、舐めてんのか」と感じる。

      ロッキード事件時代は昭和の時代の事件だが、たとえどれだけ年月
      が経とうともその裏側にあるものを掘り起し、報道することこそが
      ジャーナリズムのあるべき姿だと思う。

      そして、第三章「日本は弱者に優しいか」に収められている「過去で
      はない水俣。遠くない水俣」では福島第一原子力発電所事故で東京電力
      に補償を求めた人々との共通性を気付かせてくれた。

      私も時々「マスゴミ」という言葉を使う。それは、権力側の情報をその
      まま垂れ流し、政権PRか?との印象を受ける報道に触れた時などだ。

      その一方で、優れた報道に触れた際には唸らされる。「これだ、これが
      私の知りたかったことだ」と感銘を受け、送り手に盛大な拍手を送り
      たくなる。

      記事が、番組が、反響や共感を呼ぶには、世に送り出されるまでには
      地道な調査が続けられている。

      問題点を発掘し、検証し、報道する。メディアが多様化しようとも
      各メディアに優れた送り手がいる限り、ジャーナリズムは死にはし
      ない。
      >> 続きを読む

      2019/01/22 by

      ジャーナリズムは歴史の第一稿である。 (「石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞」記念講座2018)」のレビュー

  • 文藝春秋 (2006/09)

    著者: 東野圭吾

    • 評価: 4.0

      兄弟二人だけの兄の剛志と弟の直貴。
      家庭の事情に魔が差した剛志が強盗殺人の罪で15年の服役に。
      一方直貴には身内が犯罪者という影がついて回る。

      加害者の家族という部分に焦点を当てた物語。
      自分は悪くないのに何故という疑問がついて回るが、家族の縁は一生切れない。

      そこで楽な道を選択せずにというセリフはかなりの重さを持っている。
      結局のところ直貴の選択は一つの手段であるが、すべてに起因するのは家族であるという意味。
      だからこそラストに直貴は震える。
      >> 続きを読む

      2019/01/22 by

      手紙」のレビュー

    • この作品、読書が好きになった時に読んだ本ですね!
      本当に初期の初期、まだ20代前半に夢中になって読みましたね。
      この頃は本当に本を読むのが楽しくて、楽しくて。。毎日時間が出来たら貪るように読んでいました。この頃の純粋な気持ち、何処に置いてきたんだろう・・・(笑)

      映画も観ましたが、ヒロイン役、エリカ様と知って不安だったのですが、そこはさすが女優さん。良い意味で期待を裏切ってくれました。玉山鉄二さんと山田孝之さんも見事!と言っていいほど上手かったですね!

      ちょっと、「手紙」と聞いていても立ってもいられなくなりコメントしてしまいました。本当に懐かしい・・・です~~~~
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      2019/01/22 by 澄美空

  • 著者: ピーター・スワンソン

    • 評価: 5.0

      年末のベストテン企画で概ね上位にランクインしていた本書。

      とはいえ、過度な期待をして読むと思ったほど・・・みたいなことも多いけど、本書に関してはストーリー展開が面白く、途中何度か描かれるサプライズも物語の大きなインパクトとなっている。

      個人的な感情ではなんとか○○してほしい気もしたけど、こういう幕切れも仕方ないよなって思わされた。

      作風は違うけど、数十年前にピーター・ラヴゼイの「偽のデュー警部」を読んだ頃思い出して、クライマックスから読み終えるまでワクワクし通しだった。

      というわけで、あまりストーリーを知らないまま読んでみてくださいね。

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      2019/01/22 by

      そしてミランダを殺す (創元推理文庫)」のレビュー

  • 著者: 瀬尾 まいこ

    • 評価: 4.0

      ヤンキー高校生のベビーシッター奮闘記。とにかくストーリーのテンポがよくて、グングン引き込まれます。特別なことは何も起こらないけど、よく考えたら、子育てこそ、大変さと嬉しさが押し寄せるスペシャルなイベントかもしれません。とはいえ、赤ちゃんを育てているママたちは子育てに日々格闘しているのであります。公園や街で出会ったら優しく見守って、必要な時はお手伝いしようと思える本でした。

      2019/01/22 by

      君が夏を走らせる」のレビュー

  • 著者: 刻夜 セイゴ深見 真

    • 評価: 3.0

      うん!やはり原作の方が面白い!

      アニメは、ね。
      観ないことにしたのですが、原作はぼちぼち追っていこうかなと思っています。

      今巻では新たな仲間と一緒にあすかたち、魔法少女が敵の手先と派手に殺り合う。あすかの相棒はピンチになるがやはりというかあすかの無双っぷりが際立つ後半だなぁと思いました。ただ、この激強がいつまで続くのかなと。ある程度強さがわかれば敵側も黙っちゃいないだろうとも…うーん!この後の展開が気になる〜〜〜(≧∇≦*)

      ちなみにミリタリーの部分はほぼさっぱりわからん…(笑)だったのでこれからもそこは流し読みしていくかいな…と思っています。笑

      こういう作品はあまり読まないので良い刺激を与えてもらっています!たまには刺激強めもいいわいね(^^)

      今回も良い読書が出来ました!


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      2019/01/22 by

      魔法少女特殊戦あすか(2) (ビッグガンガンコミックス)」のレビュー

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