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ストーリーとしての競争戦略

著者: 楠木建

出版社:東洋経済新報社 (2010/03)

評価: 5.0

読了日: 2018/03/13

投稿日: 2018/03/13

しっかりと読んだことが無かったので改めて読んでみたが面白い。
イケてる戦略は面白い、ダメな戦略は面白くない。その違いは活き活きとしたストーリーとなっていて、当事者が面白がっていて静止画ではなく動画になっている。時間的論理的に相互因果で繋がった太く長く面白いストーリーになっているかどうかがキモなのだそうだ。特に面白かったのはクリティカルコアは一見不合理な打ち手で、他社が真似したがらない策が競合優位性を更に高めて行くと言う部分。思い当たる事例が確かに沢山ある。
以下、備忘録
・理屈2割と気合8割、無意味と嘘の間にある論理がキモ、自明の話は無意味
・戦略はサイエンスというよりアート、戦略の重要ポイントは繋がりにある、ユニクロ柳井の儲ける、伊藤忠丹羽の汗出せ知恵出せもっと働け、日本電産永守のすぐやるもっとやる徹底してやる
・相互に因果論理で繋がる、針のマニーのベトナム日本を行き来する相互因果が繋がった戦略、アクションリストではなく文脈に依存したシスセシス、時間的論理的因果論理
・戦略を企業内で語りあう場が少なくなっている、プロフェッショナル経営者の存在という幻想、数字よりもスジ、アルプスの地図を頼りに助かったピレネー山脈遭難の話
・見える化よりも話せる化、PIMS研究によるとシェアと利益は正の相関がある、ポーターの競争戦略の本質は無競争戦略、ターゲティングとポジショニング、競争上必要なトレードオフを選択する
・SPとOC(ポジショニングと組織に定着しているルーティン)、セブンイレブンの仮説検証型発注、ニッチ企業は無競争状態の維持こそ大事、
・ストーリーは終わりから構成する、パスを繋げるストーリーの一貫性、強くて太くて長いストーリー
・サウスウェスト航空のコスト優位、15分ターンに繋がる多能工、ハブアンドスポークでない直行便制、機種統一、シマムラのSPA手法を取らず独自物流網で粗利は低く営利が高い構造、他社のベストプラクティスを導入しても成果につながるかは分からない、
・ブックオフの本を捨てずに済むインフラ、目利き力に依存しないブックオフ、コンビニは自分の部屋の延長、アマゾンはモノを売るのではなく顧客の購買意思決定をサポートする、サウスウェストの空飛ぶバスというコンセプト、スターバックスは忙しいビジネスマンに嫌われようとしている、八方美人は本当の強みを打ち消してしまう、人間の本性を無視した合理的愚か者バーティカルネット
・人間の本性は変わらない、クリティカルコアは起承転結の転、サッカーのキラーパスのようなもの、他社から見ると不必要なものに見える、スタバのストーリーに基づく直営方式、一見して非合理なクリティカルコアこそが競争優位の持続性に繋がる、ウェブバンの合理的愚か者戦略、マブチのモーター標準化への戦い、デルダイレクトモデルの自社工場へのこだわり、サウスウェストのハブアンドスポークを使わない選択ポイントトゥポイント方式、アマゾンの倉庫と物流機能
・「バカな」と「なるほど」、事前合理性と事後合理性、今日の正当が明日の成功には必ずしも繋がらない、模倣自体が差異を増幅させる自滅の論理、交互効果の不全を起こす
・ガリバーの買取専門に特化したコスト優位、オークション販売により販売コストが激減出来る、toBの一番美味しいところを止めてしまう非合理に見える戦略、toCのドルフィネットも在庫期間7〜10日過ぎればオークションへ、本部一括査定と素人のみをFCとして展開
・成長戦略は内向きに、八方美人は禁物、誰に嫌われるか、普通の人々の本性を見据えた視点、弱者の論理(視点)による戦略ストーリー、悲観的に設計する、モノゴトが起こる順序にこだわる、過去から未来を構想する、優れたストーリーは窮屈でもある、キラーパスはありふれた成功ナレッジではなく玄人好みの一見不合理な打ち手、競合他社に対してオープンになれるくらいのストーリーを描き切るか、部分部分を取り入れられても自滅の理論にハマるだけ、切実で面白いストーリー、切実とは、世のため人の為となるかというコト。


    aka1965さんの読書レビュー 「ストーリーとしての競争戦略」 | 読書ログ

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