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娼年

著者: 石田衣良

出版社:集英社 (2004/04)

評価: 4.0

読了日: 2019/04/15

投稿日: 2019/07/11


大学にも恋愛にも退屈していたリョウは、ふとしたことから出会った御堂静香に誘われ、男性版・高級デートクラブで働くことに。

彼を「買う」女性は、二十代から七十代まで様々。
特殊な性的嗜好を持っていたり、人に言えない孤独を隠し持っていたりする、彼女らとの交流を重ねるうちにリョウは-------。

そもそも、客である女性とリョウとの触れ合いを、「恋」と名づけられるかどうかは、たいした問題ではない。
少なくとも、そのひと時はとても切実で、代替の効かないものだ。

人は人によってしか与えられない時間を積み重ねて、人生を歩むのかもしれない。
そんな現実に気づかされる作品だ。

一方、他者の孤独、痛み、衝動をありのままに受け入れるリョウは、あたかも空っぽの器のように、空虚でもある。
彼は受け入れることで、自身の空虚さとも向き合うことになる。

一種、宗教的な存在とも言える彼が、現実を生きる人間として、しなやかに自身の生きる道を選択するラストは、現実世界への優しくも強靭な肯定に満ちて、清々しい。


    dreamerさんの読書レビュー 「娼年」 | 読書ログ

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