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戦闘マシーン ソロ (新潮文庫)

著者: ロバート メイスン

評価: 4.0

読了日: 2017/11/25

投稿日: 2018/02/10

このSF小説「戦闘マシーン ソロ」は、虫を愛するロボットが主人公。だが、このロボットは、ドラえもんのような可愛い存在ではない。兵器なのだ。アメリカ軍が二十億ドルの費用をかけて開発した殺人兵器なのだ。

身長百九十センチ、体重百三十六キロ。人体の構造を模して油圧システムで動く。動力は内蔵のバッテリー。百万個のユニットからなる並列処理コンピュータを頭脳として持っている。

堅牢な皮膚は、防水機能はもちろん、小さな火器程度ではビクともしない。数千個の感覚センサー及び通信センサーを備えていて、情報の収集発信能力は抜群なのです。

とにかく面白いのは、このロボットに生きる歓びや恐怖、そういう人間の感情があることだ。確かに機械ではあるけれど、歩くことから学習して、時には当意即妙な会話までしたりする。そうして生まれた人間型ロボットなのだ。

この最新鋭兵器ソロが、中米のジャングルで訓練中に逃走するところから話が始まります。なぜロボットが逃げ出したのか? その理由が「虫を愛する」というあたりにつながってくるのです。



SFにおけるロボットや人造人間の歴史を眺めてみれば、彼らが自我に苦しみ続けてきたことが、すぐにわかります。フランケンシュタインの怪物にしても、チャペックやアシモフのロボットたちにしても、昔、人間と同じ能力を持ちながら、人間そのものでないことを悩み、苦しんでいる。

自分が何者であるのか------。つまり"自我"の問題に直面しているのです。

この小説におけるソロも例外ではありません。しかし、彼は自分が機械であることを自覚している。だから、人間でないことを嘆きはしない。ただ、自分が生きている存在であることを宣言するのだ。そして、同様に生きている虫たちをも尊重するのです。

こうして、彼の反逆が始まっていきます。ソロをめぐっての、現地の政府軍、反政府ゲリラ、アメリカ軍が入り乱れての戦いが展開していくのです。

スーパーヒーローの活躍するアクションものの一種だとは言えますが、人工知能の詳細やエネルギー確保の方法など、細部にまで先端技術が反映されているのが実に楽しいSF小説です。



    dreamerさんの読書レビュー 「戦闘マシーン ソロ (新潮文庫)」 | 読書ログ

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