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皆川博子コレクション7秘め絵燈籠

著者: 皆川博子

評価: 3.0

読了日: 2015/03/25

投稿日: 2019/06/12

【読んでみるとこれが意外に】
 これまで時代小説はあまり読んできませんでした。
 どうも言葉や風習に違和感を持ってしまい、敬して遠ざけるというか。
 もちろん、外国の小説でも例えば中世が舞台になっている作品などはやはり時代小説なわけですが、こちらの場合は、言葉はそれほど現代語と違うようには訳されていませんし、風習が違うことはそもそも外国である時点で違っていたので、それほど違和感を持つことは無かったようなのですが、日本の時代小説の場合には言葉は明らかに今とは違う言葉で書かれますし、風習も同じ日本のことだけにその違いを大きく感じてしまったのかもしれません。

 さて、読み続けている「皆川博子コレクション」シリーズですが、本巻は時代小説の短編集になっています。
 具体的には、「秘め絵灯籠」と「化蝶記」という二つの短編集と、「履歴・回想」をテーマにしたエッセイ集から成っています。
 以前のレビューにも書きましたが、このシリーズは、これまで単行本化されてこなかったような作品を集めたシリーズになっています。

 「秘め絵灯籠」は図書館向けの大活字本として全20冊分売不可で刊行された中の2冊ということで、一般書店には流通していなかった本なのだそうです。
 「化蝶記」は、初版以降他の作品集等にも収録されてこなかった本で、再録されるのは初めてなのだとか。
 なかなか読む機会の無い作品です。

 で、まぁ、時代小説集なので、「よいしょ」と読み始めたわけですが、読んでみるとこれが意外に面白いのでした。
 ストーリー展開もよく出来ていますし、苦手なはずの言葉なども、皆川さんはお上手なのでしょう、非常に流麗で違和感は感じませんでした。
 むしろ上手いなぁと感じました。

 内容も、歌舞伎などの芸能を主題にした作品や絵師の話だったり、あるいはミステリ仕立てになっていたり、幻想風味のあるものだったり、大変バラエティに富んでいます。
 そもそも、皆川さんは非常に作風の幅が広い方で、現代を舞台にした作品もあれば、「アルモニカ・ディアボリカ」や「双頭のバビロン」の様な外国を舞台にした非常に幻想的な作品もあるという具合で、よくもまあこんなに幅の広いジャンルを書ける方だなぁと感心しきりなのでした。

 本作は、そんな皆川さんの作品の中の時代小説だけを集めているわけですが、時代小説はちょっと苦手だなぁと、私のように感じていらっしゃる方にこそお読み頂けると良いかなと思います。
 時代小説に対する印象が大分変わるのではないでしょうか。


    ef177さんの読書レビュー 「皆川博子コレクション7秘め絵燈籠」 | 読書ログ

    プロフィール
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    幻想文学、ミステリ、SF、美術なども含めて怪しいものが大好きです。
    ご紹介ベースのレビューが基本ですが読んで頂けたらうれしいです。

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