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からくりからくさ

著者: 梨木香歩

出版社:新潮社 (2001/12)

評価: 4.0

読了日: 2014/09/16

投稿日: 2019/08/14

【非常にレビューし辛い作品です】
 祖母が住んでいた古い日本家屋、今は、孫娘の蓉子が管理人を務めて、学生向けの下宿を営んでいます。
 その下宿に同居している蓉子も含めた4人の女性。
 彼女たちは、染色をし、機を織り、レースを編むなどしています。
 染色のために、様々な植物を採ってきては糸を染めて。

 本作は、そのようにして共同生活をしている4人の女性と、その家に代々伝わっている「りかさん」と名付けられた市松人形のお話です。
 彼女たちの日常の生活と、その中で起きる様々な出来事が静かな調子で語られていきます。

 この家には網戸が無く、冷房もありません。
 夏には窓を開け放しておくと蚊が入ってくるので、何とか網戸を入れたいと思うものの、お金が足りません。
 そこで、食費を削ることにして、みんなで庭に生えている草を食べてみたり。
 そうこうしているうちに秋になり、結局網戸は入れず仕舞い。

 「りかさん」の由来についても少しずつ明らかになっていきます。
 偶然というにはあまりにもできすぎた「つながり」があったり。

 何か、一つの事件に向かって物語が進んでいくというタイプの作品ではありません。
 なので、非常にレビューが難しい。

 時に淡々と、時に苦しくなるような描写が続いていきます。
 こればっかりは粗筋を書いても伝わらないと思いますし、この作品に関しては粗筋をご紹介することはあまり意味がないように思われます。

 この静かな物語は、その過程をじっくり味わうのが良いのではないでしょうか。
 それも、サマリーで確かめるのではなく、ご自身の手でゆっくりとページをめくっていただくのが良いと思います。

 梨木さんらしい、とても良い雰囲気の漂う佳作だと思います。


    ef177さんの読書レビュー 「からくりからくさ」 | 読書ログ

    プロフィール
    ニックネーム:ef177
    本棚登録件数: 315 冊
    レビュー件数: 315 件

    自己紹介:
    幻想文学、ミステリ、SF、美術なども含めて怪しいものが大好きです。
    ご紹介ベースのレビューが基本ですが読んで頂けたらうれしいです。

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