レビューの並び替え:
一覧へ
  • 304件目(全499件)
沼地のある森を抜けて

著者: 梨木香歩

出版社:新潮社 (2008/11)

評価: 5.0

読了日: 2014/09/29

投稿日: 2019/11/08

【ぬか漬けは大好きです】
 何とも不思議な物語でした。
 主人公久美の家には代々伝わるぬか床がありました。
 最初はぬか漬けなんてつけるつもりは無かったのですが、半ば押しつけられるようにぬか床の世話をさせられるハメに。

 このぬか床、変なんです。
 相性の悪い人がかき混ぜたりすると、「ぐぇっ」とうめいたりするのだとか。

 久美はどうやらぬか床に認められた様です。
 ぬか漬けも、やり始めてみるとそれほど嫌なものでもなく。
 毎日、ぬか床をかき混ぜてはせっせとぬか漬けを作るようになりました。

 ところがある日……。
 ぬか床の中に卵が出来ているではないですか。
 何だこりゃ?
 どうやら60年に一度位、ぬか床が卵を産むことがあるらしいというのです。

 何だか薄気味悪いのですが、その卵を割ってみる勇気もなく、ぬか床に入れっぱなしにしておいたのです。
 そうしたところ、数日後、卵が割れているではないですか。
 そして、おそらくその卵から生まれたらしい男の子が台所に座っているのです。
 何だこりゃ!

 最初、その男の子は影が薄かったのですが、食べ物を食べさせている内にどんどん実体化していくというか、しっかりしたカタチになってきました。

 ぬか床にはまだ割れていない卵も入っています。
 まさか、さらに誰かが生まれてくるの?
 はい。そうです、また一人生まれてきたのです。

 何とも不思議でしょう?
 どうやら、このぬか床には、久美の祖先が住んでいた沼のある島が関係しているらしいのですね。
 久美は、ぬか床を島の沼に帰すことを決意するのですが……。

 微生物、粘菌、発酵、そんな概念が飛び交い、何とも摩訶不思議な世界が繰り広げられます。
 難解と言えば難解。
 しかし、こんな作品書けるの梨木さんだけだろうなぁ。


    ef177さんの読書レビュー 「沼地のある森を抜けて」 | 読書ログ

    プロフィール
    ニックネーム:ef177
    本棚登録件数: 499 冊
    レビュー件数: 499 件

    自己紹介:
    幻想文学、ミステリ、SF、美術なども含めて怪しいものが大好きです。
    ご紹介ベースのレビューが基本ですが読んで頂けたらうれしいです。

    ef177さんの本棚
    マイ本棚をブログに設置
    絞り込み
    絞り込みを解除: すべての本を表示
    ステータス:
    読み終わった本  
    本の所有:
    持っている   持っていない  
    ef177さんのタグ:
    SF