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鉱石倶楽部

著者: 長野まゆみ

出版社:文藝春秋 (2005/02)

評価: 4.0

読了日: 2014/02/09

投稿日: 2019/03/15

【口に含んだら甘やかなかほり】
 私は今欲しい物があります。それは鉱石標本。
 ネットでちょっと探してみたのですけれど、なかなか良い感じの物が見あたりません。
 木枠に入れられた鉱石標本、どこかに無いかなぁ。

 私は、鉱石のことはまったく詳しくないのですが、鉱石を見ているのは好きです。
 そう。
 鉱石を愛する文学者は結構多くいるようです。
 「鉱石派」と言ってもよいかもしれません。
 アーダベルト・シュティフターの「水晶」を持ち出すまでもなく、ドイツに多く見られるようです。
 もちろん、日本にも。
 澁澤龍彦(むしろ、彼は「貝派」かもしれませんが)、種村季弘、あるいはもしかしたら稲垣足穂も。
 はい。私も、「月派」であり、「鉱石派」にも所属しているのかもしれません。

 本書も、そんな鉱石派のお一人の手になる作品とお見受けしました。
 鉱石一つずつに、散文詩のような短い文章が添えられています。
 次のページをめくると、そのテーマになった鉱石の写真と、その鉱石にまつわるお話が書かれています。
 
 そのお話は、もちろん、「お話」なのです。
 だって、葡萄露(紫水晶のことを、ここではそう名付けています)は水分が多い鉱石で、夜露がしたたる真夜中に味わうことができたら最高であるなんていう解説なのですから。
 でも、本当にそう見えてきたりします。
 鉱石って、口に含んだら甘そうに見える物も結構あると思うのですね。
 こういうところは、クラフトエヴィング商會にも通じるものがあります。

 でも、大丈夫。写真の裏ページには、ちゃんと本当の鉱石の名前と性質が書かれていますから。

 あぁ、なんてリリカルな一冊なのでしょう。
 私は、こういう本には滅法弱いのです。


    ef177さんの読書レビュー 「鉱石倶楽部」 | 読書ログ

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    幻想文学、ミステリ、SF、美術なども含めて怪しいものが大好きです。
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