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読了日:2018/07/22
投稿日:2018/07/22
この小説は、タイトルに光とついているのですが、闇を描いています。 どうしようもない心の中の闇の中に飛び込んでいく勇気のある文章。主人公、斉藤は函館少年刑務所の刑務官。 斉藤は函館から出たことがありません。 東京の刑務所から花井という男が送られてくる。 この花井という男は、...
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読了日:2018/07/22
投稿日:2018/07/22
米原万理さんは、「豪快」な人だというイメージがそのエッセイや著作から感じます。 普通の人とは違う、国際的な生い立ち、ロシア語通訳の現場・・・その経験のダイナミックさに加え、それを歯に衣着せぬさばさばとした口調で言い切る「強い人」 しかし、このエッセイでは、鬼の、いや、あの米原さん、...
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読了日:2018/07/22
投稿日:2018/07/22
このミステリは、読み手を謎につきつけてきます。 「わたし」は病院で目覚める。火事で、顔と手にやけどを負い、頭に傷を受け、記憶喪失になっている。 そして、ミシェル(ミ)である、と周りから告げられる。裕福な伯母の金で働く必要のない優雅な暮らしをしていた20歳の娘。 火事の時、もう一人...
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読了日:2018/07/16
投稿日:2018/07/16
「牢獄」という言葉の前に「秋の」をつけると不思議な世界の出来上がり。 秋の牢獄・・・一体どんなことなのか、読む前は想像もつきません。 この本は「秋の牢獄」「神家没落」「幻は夜に成長する」の中篇3篇から成りますが、どの物語も「閉じ込められる物語」です。 と同時に「失われる物語」であり、「...
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読了日:2018/07/16
投稿日:2018/07/16
この物語の主人公、スタンリー・イェルナッツ、中学生は運が悪いというよりもう、呪われた家と言われるほど、先祖代々、運が悪いのです。 スタンリー・イェルナッツ・・・Stanley Yelnats・・・・前から綴っても、後ろから綴っても同じ。代々、男一人っ子で、名前は皆、同じ。 でもこの...
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読了日:2018/07/16
投稿日:2018/07/16
この物語は野球というスポーツ物であると同時に企業物でもあります。 池井戸さんはおそらくサラリーマン生活(銀行員)をされていただろう、というリアリティあふれる臨場感あふれる企業の内実とその企業の実業団野球団の行方が交互に描きます。 中堅所の機械部品メーカー、青島製作所。不況のあおりを受けて...
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読了日:2018/07/14
投稿日:2018/07/14
この本は2000年の「このミステリがすごい」の海外部門第一位、2008年の20年間のベストでも海外部門4位ということで読もうと思っていました。 私の本の師匠、内藤陳師匠も著者、スティーブン・ハンターを好んでいて、日本冒険小説協会(会長であった内藤陳師匠が亡くなった今は解散)でも評価が高い作...
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読了日:2018/07/14
投稿日:2018/07/14
ハードボイルドという言葉を今まで何気なく使ってきました。 こうしてハードボイルドの古典というべき『ロング・グッドバイ』を読んでみるとただストイックなだけではなく、人間の感情というもの の描写をそぎ落とした文章が際立っていました。 ロスアンジェルスの私立探偵、フィリップ・マーロウが知り合...
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読了日:2018/07/14
投稿日:2018/07/14
「よい女中なくしてよい家庭はない」 昭和の初め、山形から東京に出て来て、景気の良かった玩具会社の常務の家の女中となったタキさん。 女中やお手伝いという言葉には、どうも身分が低いというイメージがありますが、一生、独身で色々な家庭の女中や家政婦をしたタキさんから言わせたら「百の夫婦がい...
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読了日:2018/07/13
投稿日:2018/07/13
この正気と狂気の狭間がギリギリすれすれの所がとてもいいです。 読む人によっては、このギリギリ感はひんしゅくものかもしれませんが、その不安定さが私はたまらなく好きです。 「・・・」とカタカナの多用でリズミカルで、独自の世界を作り上げている所とても良いです。昭和の始めに発表されたそうですが、...
夕暮れさんの読書レビュー | 読書ログ