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読了日:2016/09/17
投稿日:2016/09/17
ミスター・ボーンズは知っていた。ウィリーはもはや、先行き長くない。 書き出しからウィリーは病んでいる。精神と肉体が究極まで侵され生きていく見込みがない。犬のミスター・ボーンズはウィリーがそうして次第に消滅していくことをどうすることも出来ず、恐怖と絶望の中でじりじりしている。 犬と人の...
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読了日:2016/09/12
投稿日:2016/09/12
アーナルデュル・インドリダソンは「このミス」で見つけた。秀作「湿地」「緑衣の女」に続いて三冊目になる。流行の北欧(アイスランド)のミステリなのだが、地球の同じ地域だと大雑把に捕らえても、その作風はそれぞれまったく違っていて面白い。 アーナルデュル・インドリダソンの作品の舞台からは当然北の風土感が伝...
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読了日:2016/09/07
投稿日:2016/09/07
ニューヨークが舞台になっている三部作の後、1987年、「ムーンパレス」の前に書かれた作品だが、少し趣が違っている。 行方が分からない兄を探して船に乗った、アンナ・ブルームという女性が、瓦礫ばかりの荒廃した土地に降り立ちそこで暮らし、それを知人に書き残したと言う形になっている。手がかりは兄を知っ...
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読了日:2016/09/05
投稿日:2016/09/05
マーガレット・ミラーは「ミランダ殺し」に続いて二冊目。 「半身」を探したが見つからなかったので、これを読んでみた。 予想に反して最初は随分淡々とした流れで、静かなミステリという印象だった。 暑い夏を避けて部屋に引きこもって読むのに何かぴったり来る感じがよかった。会話も気が効いていて面...
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読了日:2016/09/03
投稿日:2016/09/03
茜さす 上下 女子大で国文学を専攻しているなつみは、岡崎助教授に指導されるゼミで額田王の発表をする。 「あかねさす」は「むらさき」の枕詞か。むらさき草は白い花が咲く、違った解釈はないのかと質問され。あかねは言葉につまり、卒論は「枕詞」にする。 無事卒業したが二度入社試験で落ち...
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読了日:2016/09/02
投稿日:2016/09/02
身内のこともあって、介護について少し勉強したので、題名を見て作家が楡さんなので買ってきた。 正直がっかり。現実の介護問題とは程遠い。得るところなどなにもなかった。 収入が年間手取り1000万円で役員目前かというエリートサラリーマン、田舎で独り暮らしの母親が骨折、東北までの交通費もバカにな...
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読了日:2016/08/29
投稿日:2016/08/29
私は自転車競技、ロードレースというものは知らなかったので、その点もとても興味深かった。 前半はf国内レースで、白石の所属する「チーム・オッジ」のレースを追っている。それで徐々に競技のルール、団体戦での選手の役目などが分かるようになる。 構成も巧みで、レース中に、選手の気持ちや過去の事...
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読了日:2016/08/28
投稿日:2016/08/28
朝TVをつけると、「子供電話相談室」の録音風景を放送していた。学校が休みになると始まるこの放送がカーラジオから聞こえると、車を止めて聞いてきた。その回答者が書かれた本を買ってきた。 「トマトの種の周りのヌルヌルは何のためにあるの?」「それはね。すぐ芽が出たら食べられないでしょう」 種をまく...
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読了日:2016/08/24
投稿日:2016/08/24
「ブラックペアン1988」 上下 これがまだだったと、気分転換に、積んであった中から抜き出してきた。 設定が「チームバチスタの栄光」シリーズの20年前。薄い文庫になっていた。持ちやすくて読みやすいにしても二冊に分けたのはなぜだろう。 東城大学総合外科学教室は今回も大荒れで、主...
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読了日:2016/08/23
投稿日:2016/08/23
ラゴスは北に向かって旅に出る。途中の出来事や目的地についてからの生活などが、軽い読み物になっている。 彼の旅の目的は、北の大陸に先人たちが残した文化を知ることだった。膨大な書物になって盆地の建物に眠っているということを学校で習っていた。 転移、同化、予知などの能力は先人が滅びた後に獲...
空耳よさんの読書レビュー | 読書ログ